二世帯住宅の相場と上手な売却方法とは?
古ければ解体、シェアハウスや民泊への活用も

2018年6月18日公開(2021年5月11日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

二世帯住宅の売却は、普通の戸建てと比べて“売りにくい”と言われる。その理由と、上手な売却方法を探ってみた。古ければ解体、シェアハウスや民泊への活用もアリだ。

二世帯住宅は大きく分けて2パターン

 二世帯住宅とは、ひとつの敷地に親世帯、子世帯がひとつの建物(通常は戸建て)を建て、一緒に生活する住まい方だ。

 二世帯住宅の形態は、建物の構造と権利関係によって大きく2パターンに分けられる。

 ひとつ目は、玄関やリビング・ダイニング、浴室などは別でも、内部で行き来できる扉を設けたりするもの。このパターンでは、建物の登記上、区分所有はできない。通常は、ひとつの建物の所有権を共有する形になる(非完全分離型)
 
 もうひとつは、外見上はひとつの建物だが、玄関から内部の各スペースまで、すべて別にするパターンだ。内部で行き来することができないため、登記上もマンションと同じ区分所有が可能となる(完全分離型)

 二世帯住宅には、それぞれの世帯にとってメリットがある。

 子世帯にとっては、少ない負担でマイホームを手に入れられる。幼い子どもがいる場合は親に面倒を見てもらえたり、食事や洗濯といった家事を手伝ってもらえたりもするだろう。

 親世帯にとっては、身近に子や孫がいることが心の支えになり、高齢になったときの安心感がある。

 しかし、二世帯住宅はメリットばかりではない。

 世帯間で何らかのトラブルが起きたとき、互いが身近にいることで、むしろ状況が悪化することもある。どちらか一方の世帯が家を出て行くことになり、最終的には二世帯住宅を売却…、というケースも少なくない。

 では、二世帯住宅を売却するにはどうすればいいか。

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敷地が広く建物も大きいため売却希望価格は高め

 二世帯住宅の売却は、普通の戸建ての売却よりハードルが高い。なぜなら、二世帯住宅はそれぞれの家族の事情に合わせて、建物の間取りなどを設計しているからだ。

 通常の戸建てであれば、玄関があり、リビング・ダイニング、浴室、個室など間取りは比較的共通している。趣味の部屋など住む人のこだわりのスペースをつくることもあるが、それほど変わった間取りになることは少ないだろう。

 しかし、二世帯住宅になると、二世帯分の生活スペースを一緒にプランニングするので、バリエーションがぐんと増える。

 たとえば、玄関はひとつでも1階は親世帯、2階は子世帯と住居部分を分離するとか、玄関は別々でもリビング・ダイニングは共有にするなど様々。親世帯のほうは、将来の介護を見据えてバリアフリーにするといったこともあるだろう。

 その結果、売却における購入対象者はかなり限られてくる。なぜなら二世帯住宅は、そもそも普通の単独世帯には広すぎるし、部屋数も多すぎることが多いからだ。

 また、売主側も“こだわり”の設計がなされていると、どうしても売却希望価格は高くなってしまがちになる。

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新築時の価格にこだわっていては売れない

 そんな二世帯住宅でも、やり方によってはスムーズに売れる可能性がないわけではない。

 ポイントは、売却希望価格を市場の相場に合わせることだ。複数の不動産会社に声を掛け、地元エリアの不動産市場における妥当な相場を確認しよう。

 戸建ての価格は、土地と建物、別々に査定するのが一般的だ。権利上も、土地の所有権と建物の所有権は別々である。

 土地については、親の自宅が立っていた土地に建てているのであれば、おそらく売却益が出るだろう。

 問題は建物だが、これは離婚でマイホームを売却する際も同じで、購入時(新築時)の価格にこだわっていては売れない。ローンの残高以上で売れるのであれば、よしとすべきだろう。

 建物の相場(評価額)は、基本的に築年数にともなって大きく低下する。木造住宅の場合、20年を過ぎるとほぼゼロ査定が多い。

 その場合、二世帯住宅を売るといっても、土地値でしか売れない。しかも、評価額がゼロの建物が残っていると、むしろその撤去費用分だけ土地値から差し引かなければならないこともある。

 土地がかなり広い場合は、建物を撤去してから売却するということも考えられるだろう。更地にしての売却は、購入希望者の幅が広がる。

 なお、建物の撤去費用は構造や規模にもよるが、木造住宅で150㎡程度あれば200万円前後が目安であろう(重機が入れるかなどの条件によって大きく変わる)。

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完全分離型なら二世帯用の賃貸住宅としての利用も

 逆の発想で、二世帯住宅を収益不動産にリノベーションして売却することも考えられる。つまり、シェアハウスや民泊、二世帯用の賃貸住宅として売却するのだ。

 シェアハウスや民泊では、玄関やリビング・ダイニング、水回りは共用で、居室がプライベートな空間となる。これは、二世帯住宅の非完全分離型と似ている。

 売却にあたって、シェアハウスや民泊用として紹介するといいだろう。また、少し手間はかかるが、室内の壁紙やフローリングなどをリノベーションし、実際にシェアハウスや民泊として運用してから売却することも考えられる。

 完全分離型でも同じことがいえる。完全分離型であれば、二世帯が別々に住むことが可能だ。つまり、二戸のアパートとして売却するのである。先ほどと同じで、実際に賃貸運営を開始してから収益物件として売却することも考えられる。

 シェアハウスや民泊、あるいは二世帯向けのアパートとして運用するのであれば、売却するのではなく親世帯、子世帯がそのまま土地、建物を所有し、賃料を分配する形でもいいかもしれない。一緒に住むのは難しいかもしれないが、収益の分配だけなら心理的なハードルは随分、下がる。

 二世帯住宅の売却にあたっては、様々な選択肢と可能性を検討してみることをお勧めしたい。

 なお、実際に売却する際は、複数の不動産会社に査定を依頼して、じっくりと相場を把握し、焦らずに販売していくのがいいだろう。その際、「不動産一括査定サイト」などを活用すると、複数の会社に簡単に査定を依頼できるので便利だ。
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