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不動産売却の注意点
【第5回】2018年7月23日公開(2018年7月23日更新)
梶本幸治
梶本幸治

梶本幸治(かじもと・こうじ)氏:不動産売買の業界の裏の裏まで知りつくした不動産業専門コンサルタント。普段は売却を中心とする不動産梅者のコンサルティングを中心としていますが、こダイヤモンド不動産研究所では、売主の立場に立って、「不動産を売却するときの注意点」を解説します!

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不動産会社は「買い主」より、「売り主」が大切!
「売り主」の立場の強さを知って交渉すれば、
ハウスクリーニング代などを無料にできる!?

不動産売買仲介業はその名の通り、「売り」と「買い」の仲立ちをすることにより対価を受けます。つまり、お客様の属性は「売り主」か「買い主」かに分かれる訳ですが、不動産会社はこの売り主と買い主なら、どちらを大事にしているかご存知ですか? 今回は「売り主」の立場がいかに強く、実は「物言う売り主」としていろいろな要求をできることをご紹介しましょう。

 多くの不動産会社が「お客様第一主義」や「顧客満足度№1への挑戦」と言った表現で、「お客様を大切にしていますアピール」をしています。

 商売を続けるうえでお客様を大切にすることは当然ですが、全てのお客様を「平等」に大切に思っている訳ではございません

 結論からお伝えしますと、不動産会社は基本的に「売り主」を大切に考えています

 どのくらい大切に考えているかと申しますと、売り主の「大切度」は買い主の「大切度」の15倍くらいだと感じています(あくまでも梶本の個人的な感想です)。

 別に買い主を軽く見ている訳ではございませんが、不動産会社が買い主よりも売り主を大切にするには訳があります。今日は不動産会社が売り主を大切にする5つの理由を解説します。

【不動産会社が売り主を大切にする理由①】
そもそも商品がなければ商売にならない

 非常に基本的なことですが、売り物が無ければ商売は始まりません。従って、売り物を任せて下さる売り主を大切にするのは当然のことです。

 しかし、不動産業に詳しい方なら「不動産会社って、他の不動産会社が扱っている不動産を販売することもできるはずでしょ?」と思われたかも知れませんね。

 確かに、建て前ではその通りなのですが、実際には大きな社会問題に発展している「媒介物件の囲い込み問題」があり、他の不動産会社の物件は販売できないケースが散見されます

 また、「囲い込み」されていない物件であっても、その物件をインターネットやチラシに掲載しようとすれば物元業者(ぶつもとぎょうしゃ:売り主から販売依頼を受けている不動産会社)の承諾が必要であり、この承諾を得られない場合は、インターネットやチラシに物件を掲載することができないのです。

【関連記事はこちら】
>> 家の売却を依頼した不動産会社は「味方」でなく、物件情報の拡散にブレーキをかける「敵」だった! 売り主にとって大切な「広告転載」を理解しよう

【不動産会社が売り主を大切にする理由②】
「良い物件」さえあれば、買い主は集客できる

 不動産の買い主を集客することは、一見難しそうに感じられますが、実際はそんなに難しいことではございません。では、どのようにすれば買い主を集客できると思われますか? 買い主は、「どの不動産会社も扱っていない新鮮な物件を、独占的にネットやチラシに掲載する」ことによって簡単に集客できます

 具体的な例をご紹介しますと、他の不動産会社も扱っている物件を100件ネットに載せたとしても1件の問い合わせも無いことがございますが、どこの不動産会社も取り扱っていない「売れ筋」の物件を1件掲載しただけで、その物件に対する問い合わせが10件以上獲得できることもあるのです

【不動産会社が売り主を大切にする理由③】
売り主は目標がはっきりしており、お手伝いしやすい

 居住用不動産を買いたいとお考えの買い主は、皆さんそれぞれ「理想のマイホーム像」をお持ちです。ある方は、都心部でお洒落なマンションに住みたいとお考えかも知れませんし、ある方は郊外で広い庭の付いた一戸建てを希望されるかも知れません。また、ご年配の方なら「かかりつけの病院に近い場所」での生活を希望しておられるかも知れません。

 このように十人十色の希望を持っておられる買い主ですが、不動産会社サイドからすれば「お客様のニーズが把握しづらい」ことになります。まぁ、お客様のニーズを掴むことが商売の基本ですから、「把握しづらい」などと言ってはいけないのでしょうが、最近の買い主様は特に「ご自身のニーズ」を教えて下さらない方が増え、不動産営業担当としてはお手伝いがし難くなっていることも事実です。

 最近の買い主様は不動産ポールサイトでの「物件条件検索」に慣れ、不動産営業担当に接する時もまるで「物件条件検索」を行うように、希望する最寄り駅や希望価格、希望の広さ等を伝えるだけの方が増えています。肝心の「購入理由」を営業担当に伝えることは、無意味だと判断されているのかも知れません

 その点、売り主様のニーズはハッキリしています。そのニーズとはズバリ「高く売ること」です。

 もちろん、「早く売って欲しい」や、「近所に知られず売って欲しい」等のご希望をお持ちの方は多いですが、それでも「高く売って欲しい」というニーズは共通でしょう。

 つまり、不動産営業担当は「高く売ること」に注力すれば良く、それだけお手伝いがしやすいのです。

【不動産会社が売り主を大切にする理由④】
売り上げの目標や見込が立てやすい

 上記「買い主は良い物件さえあれば、いくらでも集客できる」でも触れました通り、買い主様は結局のところ「良い物件、気に入った物件」を取り扱っている不動産会社を選ばれる傾向にあります。

 極端なことを申しあげると「接客態度はイマイチでも、物件情報量の多い不動産会社」と「接客態度は素晴らしいものの、物件情報量が少ない不動産会社」があれば、買い主の支持は前者に集まります。

 「商品が少ない会社が選ばれないのは当然」ですが、現場の不動産営業マンからすると「一生懸命、丁寧に親身になって応対していた買い主様でも、突然他社に取られる可能性が高い」ということになり、売り上げ目標(若しくは売り上げ見込み)が立てにくくなります。

 しかし、売り主の場合は販売依頼物件の相場価格と売り出し価格が乖離していなければすぐに売れるし、一方で、相場価格と売り出し価格が乖離している場合はすぐには売れません。結果として成約する見込みが立ちやすく、つまり売り上げの見込みも立てやすいのです。

【不動産会社が売り主を大切にする理由⑤】
自分自身が頑張らなくても売り上げがあがることがある

 不動産会社同士は「レインズ」と呼ばれる物件情報ネットワークを共有しており、このレインズに掲載されている物件は「基本的」に全ての不動産会社が販売可能です。

 余談になりますが、ここで「基本的」と申し上げたのには訳がありまして、上記「そもそも商品がなければ商売にならない」の後段でもご紹介した通り、一部の不動産会社が物件の「囲い込み」を行い、物件の流通を阻害している場合もあるのです。

 では本題に戻りますが、このように全ての不動産会社が販売可能なシステムがあるおかげで、物件の営業担当者は自分自身で買い主を見つけられなくても、他の不動産が買い主を見つけてくれる場合があります。この場合でも、売り主からの手数料は頂戴できますので、自分自身が頑張って販売しなくても売り上げがあがることがあるのです。

【関連記事はこちら】
>> 家を高値で売りたいのなら、絶対に知っておきたい「売主のためのレインズ活用法」 売主が損しても分かりにくい仕組みなので注意を!

売り主をより重く見ているので、
不動産会社に対して「物言う売り主」になれる

 ここまで、不動産会社は「売り主」と「買い主」のどちらを大切に考えているかについて解説してきましたが、買い主を軽んじているというよりは、売り主をより重く見ているとお考え下さい。

 不動産会社が上記のように売り主を大切に考えているということは、売り主サイドから不動産会社に対して注文も出やすくなります。

 不動産ポータルサイトに掲載している物件写真に不満があれば、差し替えを要望しても良いでしょうし、ハウスクリーニングを不動産会社に実施してもらっても良いでしょう。

 売り出し価格に関しても、先ず1ヵ月ほどは「かなりの高値」で売りに出してもらい、高値成約の可能性に賭けてみるなど、細かい注文を付けるのも面白いかもしれません。

 「売り主は不動産会社から大切にされている」という事実を認識されたうえで、不動産会社に対して「物言う売り主」として接し、ご満足の行く不動産売却を実現させて下さい。

【関連記事はこちら】
>> 不動産売却のプロが教えてくれた、正しい不動産会社・営業担当者の選び方とは? 騙されたくない人向けに「7カ条」を公開!

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<不動産売却の基礎知識>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産仲介会社に査定をしてもらうのがいい。

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を入力すれば、最大6社程度から査定してもらうことができる。不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産仲介会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産仲介会社が増加している。

 「大手に頼んでおけば安心」という人も多いが、不動産業界は大手企業であっても、売り手を無視した手数料稼ぎ(これを囲い込みという)に走りがちな企業がある。

 なので、一括査定で複数の不動産仲介会社と接触したら、査定価格ばかりを見るのではなく、「売り手の話を聞いてくれて誠実な対応をしているか」、「価格の根拠をきちんと話せるか」、「売却に向けたシナリオを話せるか」といったポイントをチェックするのがいいだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

■相場を知るのに、便利な「不動産一括査定サイト」はこちら!
◆HOME4U(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
掲載する不動産会社数 1300社 不動産一括査定サイト「HOME4U」の公式サイトはこちら
サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、日本初の一括査定サービスであり、運営会社はNTTデータグループで安心感がある点。弱点は、提携会社数がやや少なめであること。
HOME4U無料査定はこちら
◆イエウール(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1400社以上 不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、掲載する会社数が多く、掲載企業の一覧も掲載しており、各社のアピールポイントなども見られる点。弱点は、サービスを開始してまだ日が浅い点。
イエウール無料査定はこちら
◆LIFULL HOME'S(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 1692社(2018年8月)
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点。弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
LIFULL HOME'S無料査定はこちら
◆リビンマッチ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫
掲載する不動産会社数 1400社 不動産一括査定サイト「スマイスター」の公式サイトはこちら
サービス開始 2006年
運営会社 リビン・テクノロジーズ
紹介会社数 最大6社(売却6社、賃貸、買取)
【ポイント】強みは、掲載している不動産仲介会社数が多く、マンション、戸建て、土地以外の工場、倉庫、農地も取り扱いがある点。弱点は、運営会社が広告代理店で上場していないこと。
スマイスター無料査定はこちら
◆イエイ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1000社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、サービス開始から10年以上という実績があるほか、対象となる不動産の種類も多い。「お断り代行」という他社にないサービスもある。弱点は、経営母体の規模が小さいこと。
イエイ無料査定はこちら
◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取扱い物件がマンションしかない点。
マンションナビ無料査定はこちら
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