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不動産売却の注意点
【第7回】2018年9月2日公開(2018年9月2日更新)
梶本幸治
梶本幸治

梶本幸治(かじもと・こうじ)氏:不動産売買の業界の裏の裏まで知りつくした不動産業専門コンサルタント。普段は売却を中心とする不動産梅者のコンサルティングを中心としていますが、こダイヤモンド不動産研究所では、売主の立場に立って、「不動産を売却するときの注意点」を解説します!

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家やマンションの売却時に、「ネット」と「チラシ」のどちらを重視して広告すれば、スムーズに売却できるのか?

家やマンションなどの不動産を「より高く」「より早く」売却する為に、「インターネット」や「チラシ」などで広告して集客を図りますが、どちらを重視すればいいと思われますか? 今回は、ネットとチラシについて、それぞれの広告の特性や顧客像を把握するとともに、本当に効率的な集客方法をお伝え致します。

家にポスティングされたチラシの一例家にポスティングされたチラシの一例

 家やマンションなどの不動産を売却する際、買い主候補を集める手法としては、不動産業界のプロ向け物件情報サイト「レインズ」への掲載がありますが、レインズ頼みだけではなく、より積極的な広告を期待したくなるのが売り主の本音ですよね。

 実際、不動産会社に家やマンションの売却を相談すると、次のような提案を受けます。

「当社は自社HPだけでなく、各大手不動産ポータルサイトも利用しており集客には自信があります」
「当社は毎週10,000部のチラシ広告を実施しており、あなたの物件も毎週掲載させて頂きます」

 今の時代、なんとなくネットに強い会社が良いように感じますが、毎週入るチラシも捨て難いですね。

 実際のところ、あなたの家やマンション(実需の居住用物件)売却時には、「ネット」と「チラシ」のどちらの広告を重視すればスムーズに売却出来るのでしょうか?

「ネット」と「チラシ」、どっちが不動産売却に有利?

 先に結論から申し上げますと、不動産売却時の広告手法としては「ネット」と「チラシ」のどちらも大切であり、どちらか片方だけで良いという事はございません。

 では、ここで「ネット」と「チラシ」がそれぞれがターゲットとする顧客像や、その特性をご紹介します。

 大雑把にいうと、ネットは広域から集客でき、積極的な顧客が多いのですが、問い合わせ後に連絡がつかなくなったりするなど、本気度が感じられないことがあります。

 一方で、チラシは比較的、受動的な顧客が多いのですが、一旦問い合わせがあれば成約する確率は高めです。当然、近隣のお客様が多いですね。

 ネットとチラシはどっちがいい? 不動産売却時の広告方法を比較
  インターネット チラシ
対象エリア 広域(但し、問い合わせ自体は、物件所在市町村内・近隣市町村が多い) 近隣(問い合わせは、物件から近い距離にお住まいのお客様からが多い)
顧客像 基本的には積極的、能動的に不動産を探している顧客 基本的には受動的、消極的に不動産を探している顧客
特性 簡単にアクセスできる為、問い合わせ自体は獲得しやすい。しかし、問い合わせ後に連絡がつかない等、本気度を測りかねる顧客も多い。 ネットと異なり「検索」という能動的なアクションが無いため、不動産購入の潜在的ニーズを引き出して問い合わせに繋げる工夫が必要。但し、問い合わせ後の成約率は高い。

 では、それぞれの広告方法をどう活用すればいいか説明しましょう。

【参考記事はこちら】
>> 家やマンションを売るのに効果的な不動産広告は? チラシ、ネット広告、看板、業者間情報公開システムのメリット・デメリットを紹介

中小不動産会社の自社サイトの集客力は弱い

 まず、ネットに関してご説明させて頂くと、自社HPだけで充分な問い合わせを獲得している不動産会社は少なく、20,000PV、10,000インデックス(記事数)程度のHPで、月間問い合わせ数10件程度が一般的だと思われます。規模でいうと、営業社員数2~5人程度の規模の不動産会社が運営しているHPといったところでしょうか。

 また、この10件の問い合わせの内訳をみると、「物件そのものに対する問い合わせや内覧予約」よりも、「もし、私が希望するような物件が売りに出たら知らせてほしいという問い合わせ」が多く、掲載物件そのものを売る為のツールとしては些か物足りなりないのが現状です。

 そこで「物件そのものをネットで売る(物件そのものに対する問い合わせや内覧予約を獲得する)」為には、SUUMOさん、at homeさん、HOME'Sさん等といった大手不動産ポータルサイトの活用が必須となる訳です。

 これら大手不動産ポータルサイトに関しても「SUUMOだけ掲載していれば大丈夫」とか「HOME'Sが一番期待出来る」と一概に言えるものでは無く、地域ごと、物件の種別ごとに利用ポータルの「強い、弱い」がある為、「Aエリアの中古マンションはat home」や「Bエリアの土地を売るならSUUMO」と言ったように、戦略的に活用する必要がございます。どのポータルを使えば良いのかに関しては、不動産営業担当にお尋ね下さい。

ポータルサイト掲載時は、説明文に力を入れる

 また、ポータルサイトが今ほど普及していない時は、「ポータルに載せているだけで問い合わせが来る」状態でしたが、今ではポータルサイト上での物件間の競争が激化しており、載せているだけで問い合わせが来るなどという事は少なくなりました。

 そこで、「物件写真を綺麗に撮ろう」という動きが不動産業界で広まりましたが、これに関しても今では当たり前の事となっています。

 そして今は、「しっかりと説明文やキャッチコピーにも力を入れ、問い合わせを獲得しよう」という流れになってきたように感じます。例えば、各ポータルの「担当者コメント欄」には文字数制限があるところが多いのですが、ここも「文字数制限いっぱいまでコメントを記載して、閲覧者に物件の良さをアピールしよう」と考える不動産会社が「ポータルで勝てる会社」になってきています。

 あなたが不動産売却を依頼する先として検討されている不動産会社が複数社あるなら、その会社が現在、ポータルサイトに掲載している物件ページをご覧ください。

 「写真が暗い」「写真の掲載点数が少ない」なんて会社は論外ですが、「沢山の文字数でしっかりした文章を書いているか否か」もチェックしてみて下さい。

【参考記事はこちら】
>> マンションを売るのに「ホームステージング」は効果があるのか、編集部員が試した結果は?

新聞折り込み広告は期待薄

 次にチラシに関してですが、「新聞折り込み広告」は殆ど期待出来ません。

 今でも新聞折り込み広告を毎週実施している不動産会社に「何故、新聞折り込み広告を続けているのですか?」と尋ねたところ、「売り主様にアピールする為だけに実施しており、問い合わせは期待していない」という答えが返って来たこともございます。

 事実、一般社団法人新聞協会経営業務部の調べによると、「人口1,000人当たりの新聞発行部数」は、2000年には570部だったものが、2017年は412部にまで減少しています。つまり新聞折り込みを使ってチラシを配布する事は「魚のいない釣り堀で釣りをする」ようなものであり、問い合わせは期待しづらくなってしまいました。

ポスティング広告はやり方次第で集客可能

 しかし、チラシの効果自体が無くなったわけではございません。

 新聞の購読率減少に伴い新聞折り込み広告の効果が薄れただけで、不動産購入者層の「紙離れ」が進んでいる訳ではないのです。

 現に、各戸に宅配する「ポスティング広告」に関しては未だ効果的な手法として多くの不動産会社で採用されています。

 但し、チラシ広告はネットと異なり「検索」という能動的なアクションが無く、買い主側は受動的な立場にある為、より「買い主を惹きつける工夫」が必要です。

 この「買い主を惹きつける工夫」に関しましては次のような手法が効果的なので、オススメしています。

  • ・単に物件情報を載せるだけでなく、「本物件をお勧めする7つの理由」として、その魅力をまとめる。
  • ・万人受けするチラシでは無く、ターゲットを絞り込み「狙い撃ち反響」を獲得する。
  • ・「お昼ご飯を食べ終わられたら内覧会へお越し下さい」等、買い主の行動をこちらからリードする。
  •  

 これら「買い主を惹きつける工夫」に関してはまた、日を改めて詳しく解説させて頂きます。

各手法の特性を生かして集客を!

 ご覧頂きました通り、「ネット」と「チラシ」のどちらを重視すればスムーズに売却できるのかに関しては、どちらの手法を用いるかという点が問題なのではなく、各手法の特性を活かした「広告の内容」が重要なのです。

 例え、ネットに100物件掲載していても、それら掲載物件ページがお粗末では問い合わせを期待出来ませんし、毎週10,000部の広告を実施していたとしても、その実施媒体が新聞折り込み広告では、反響を取りにくいと思われます。

 あなたが家やマンションなどを売却するために不動産会社を選ぶ際は、「ネットやチラシに関し、どのような工夫を凝らしているのか」をヒアリングした上で選択して下さい

【参考記事はこちら】
>> 不動産売却のプロが教えてくれた、正しい不動産会社・営業担当者の選び方とは? 騙されたくない人向けに「7カ条」を公開!

【注目の記事はこちら】
【査定相場を知るのに便利な、一括査定サイト"主要12社"を比較
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<不動産売却の基礎知識>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産仲介会社に査定をしてもらうのがいい。

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を入力すれば、最大6社程度から査定してもらうことができる。不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産仲介会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産仲介会社が増加している。

 「大手に頼んでおけば安心」という人も多いが、不動産業界は大手企業であっても、売り手を無視した手数料稼ぎ(これを囲い込みという)に走りがちな企業がある。

 なので、一括査定で複数の不動産仲介会社と接触したら、査定価格ばかりを見るのではなく、「売り手の話を聞いてくれて誠実な対応をしているか」、「価格の根拠をきちんと話せるか」、「売却に向けたシナリオを話せるか」といったポイントをチェックするのがいいだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

■相場を知るのに、便利な「不動産一括査定サイト」はこちら!
◆HOME4U(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
掲載する不動産会社数 1300社 不動産一括査定サイト「HOME4U」の公式サイトはこちら
サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、日本初の一括査定サービスであり、運営会社はNTTデータグループで安心感がある点。弱点は、提携会社数がやや少なめであること。
HOME4U無料査定はこちら
◆イエウール(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1400社以上 不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、掲載する会社数が多く、掲載企業の一覧も掲載しており、各社のアピールポイントなども見られる点。弱点は、サービスを開始してまだ日が浅い点。
イエウール無料査定はこちら
◆LIFULL HOME'S(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 1692社(2018年8月)
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点。弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
LIFULL HOME'S無料査定はこちら
◆リビンマッチ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫
掲載する不動産会社数 1400社 不動産一括査定サイト「スマイスター」の公式サイトはこちら
サービス開始 2006年
運営会社 リビン・テクノロジーズ
紹介会社数 最大6社(売却6社、賃貸、買取)
【ポイント】強みは、掲載している不動産仲介会社数が多く、マンション、戸建て、土地以外の工場、倉庫、農地も取り扱いがある点。弱点は、運営会社が広告代理店で上場していないこと。
スマイスター無料査定はこちら
◆イエイ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1000社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、サービス開始から10年以上という実績があるほか、対象となる不動産の種類も多い。「お断り代行」という他社にないサービスもある。弱点は、経営母体の規模が小さいこと。
イエイ無料査定はこちら
◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取扱い物件がマンションしかない点。
マンションナビ無料査定はこちら
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