じぶん銀行住宅ローンの公式サイト
不動産売却の注意点
【第34回】2019年11月1日公開(2019年11月1日更新)
梶本幸治
梶本幸治

梶本幸治(かじもと・こうじ)氏:不動産売買の業界の裏の裏まで知りつくした不動産業専門コンサルタント。普段は売却を中心とする不動産梅者のコンサルティングを中心としていますが、こダイヤモンド不動産研究所では、売主の立場に立って、「不動産を売却するときの注意点」を解説します!

»バックナンバー一覧
バックナンバー

「居住中に家を売却」VS「空き家にしてから売却」、
得するのはどっち?

「居住中に家を売却する場合」と「空き家にしてから売却する場合」のどちらがお得なのかという問題は、住み替え(買い替え)のための売却の場合は特に気になりますよね。今回は、お得なのはどちらかについて考えてみたいと思います。

今の家を売却しなくても、
次の家を購入できる資金力がある場合は?

家は居住中に売却するのと、空き家になってから売却するのと、どっちがお得?

 「居住中に家を売却する場合」と「空き家にしてから売却する場合」のどちらがお得なのか――。

 もちろん、売却益を、住み替え先の住宅購入費用に充当しなければ資金計画が成り立たない場合は、今の家をある一定期間までに売却する必要があります(買い替え特約)。

 その場合は、売主が売却計画のイニシアチブを取ることは難しいかもしれませんが、そうではなく、「売却」と「購入」を資金面でも分離して考えられる場合については「居住中に家の売却を開始」しようか、それとも「住み替えが完了し、空き家にしてから売却を開始」しようか悩みますね。

 先に私の考えを申し上げますと、

 居住中で売却する場合と、空き家にしてから売却する場合。どちらがお得なのかは何とも言えない……です。

 こんないい加減な回答では怒られそうですので、もう少し丁寧にお話しさせていただくと、次のようになります。

 居住中に家を売却する場合と、空き家にしてから売却する場合。どちらがお得とは何とも言えないが、空き家にするまで売却をスタートしないのはもったいない……となります。

 それではなぜ、空き家にするまで売却をスタートしないのはもったいないのか、その点について考えていきましょう。

今の家を空き家にする前に
売却活動を始めたほうがいい理由

 まずは、居住中に売却をスタートすることのメリットとでデメリットに考えてみましょう。

【居住中に不動産売却を開始することのメリット】

(1)売却期間を長めに設定できるため「チャレンジ価格」での売り出しが可能。

(2)家具等を置いたまま内覧してもらえるので、買主が生活をイメージしやすい。

 

【居住中に不動産売却を開始することのデメリット】

(1)他人(買主)に自分の住まいを見られてしまう。

(2)買主の都合に合わせて在宅する必要がある。

(3)隣近所に、自宅を売却すること(引っ越しすること)が知られてしまう。

 細かく分けるともっとあるのでしょうが、大きく分けたメリット・デメリットは上記のようなものだと思います。

 居住中に不動産売却を開始することの最大のメリットは、売却期間が長く設定できること、すなわち、売却のチャンスが増えることだと思っています。

 もう一つのメリット「家具等を置いたまま内覧してもらえるので、買主が生活をイメージしやすい」の方は、室内が整理整頓されており、掃除も行き届いていればそのような効果も期待できるでしょうが、このような状態を維持することは売主にとっても大変でしょうから、「あえて言えばメリット」といった程度であると考えます。
【関連記事はこちら】>>不動産売却時の「内覧・内見」までに売主がすべき対策、注意点を解説! "掃除や片付け"で、100万円単位の売却価格アップも

 では、最大のメリットである売却期間を長く設定できることに関し、もう少し掘り下げて考えてみます。

 「今の住まいが売れたお金なんか全くアテにしていないから、売却までに何年かかっても気にしないし、なんなら売れなくても困らない」というようなお金持ちは別として、住み替え完了後(引っ越し後)は、できる限り早く前の家を売却し、売却資金を手にしたいというのが人情でしょう。

 一般的に、住み替え完了後はせめて半年以内くらいには売却したいとお考えの方が多いのではないでしょうか。

 そうなると、空き家にしてから売却する場合は販売期間がどうしても短くなります。

 その点、居住中に不動産売却を開始すれば、売却期間が長く設定できるため、売却に向けたさまざまな作戦を試す余裕も生まれます。

居住中に売却を開始すれば、
高値で売れる可能性も

 また、「空き家にしてからが真の勝負」と考えれば、居住中の販売期間は思い切った高値(チャレンジ価格)で売りに出してみることも面白いでしょう。

 「こんな高値で売れたらラッキー」くらいの価格で売りに出せば、内見の申込数は少ないでしょうから、デメリット(2)で挙げた「買主の都合に合わせて在宅する必要がある」ということも少ないかもしれません。もちろん、内見希望者が少ないことはあまり喜べることではありませんが、高値で売りに出している以上、その点は仕方がないといえます。

 ただし、デメリット(3)「隣近所に、自宅を売却すること(引っ越しすること)が知られてしまう」については諦めてください。
【関連記事はこちら】>>不動産を売りたいけど、周りには知られずに売却することは本当に可能なのか?

 なぜなら、高値売却にチャレンジするわけですから、販売を担当する不動産仲介会社に「広告宣伝等、売り方に関しては口を挟みません」と伝え、広告宣伝に全力を尽くしてくれるよう依頼する必要があるからです。

 「高値で売却したいけど近所に知られるのは嫌だから、チラシにもネットにも載せないで! この辺で不動産を探している人がいたら、内々に紹介するような形で販売してほしい」と言う売主がたまにいますが、こんな虫のいい話はありません。
【関連記事はこちら】>>広告効果が薄れたといわれる「不動産チラシ」も、キャッチコピー次第で確実な買い手を集められる! 「不動産チラシ10カ条」を不動産コンサルが解説

 なお、このような高値で売りに出し、その価格で気に入ってくれる買主が現れ、引っ越し先に移る前に、今のお住まいを引き渡して欲しいと希望された場合は、仮住まい(一時的に賃貸に移る)を選択した場合と、この買主の希望を拒否した場合の、金銭的な損得を考えて次の行動を考えてください。

 以上、今回のコラムは「どちらがお得なのか?」という観点で書かせていただきましたので、居住中の販売開始をおすすめしましたが、不動産売却は「高く売れればそれで良い」だけとは限りません。

 あなたがご自宅の売却に際し「何を尊重されるのか」、売却を担当する不動産仲介会社とよく話し合い、気分良く売却を進められるようにしてくださいね。

【注目の記事はこちら】
【査定相場を知るのに便利な、一括査定サイト&業者"22社"を比較
【業者選び売却のプロが教える、「不動産会社の選び方・7カ条」
【査定不動産一括査定サイトのメリット・デメリットを紹介
【業界動向大手不動産会社は両手取引が蔓延!? 「両手比率」を試算!
【ノウハウ知っておきたい「物件情報を拡散させる方法」

<不動産売却の基礎知識>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産仲介会社に査定をしてもらうのがいい。

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を入力すれば、最大6社程度から査定してもらうことができる。不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産仲介会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産仲介会社が増加している。

 「大手に頼んでおけば安心」という人も多いが、不動産業界は大手企業であっても、売り手を無視した手数料稼ぎ(これを囲い込みという)に走りがちな企業がある。

 なので、一括査定で複数の不動産仲介会社と接触したら、査定価格ばかりを見るのではなく、「売り手の話を聞いてくれて誠実な対応をしているか」、「価格の根拠をきちんと話せるか」、「売却に向けたシナリオを話せるか」といったポイントをチェックするのがいいだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

■相場を知るのに、おすすめの「不動産一括査定サイト」はこちら!
◆HOME4U(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
掲載する不動産会社数 900社 不動産一括査定サイト「HOME4U」の公式サイトはこちら
サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、日本初の一括査定サービスであり、運営会社はNTTデータグループで安心感がある点。弱点は、提携会社数がやや少なめであること。
HOME4U無料査定はこちら
◆イエウール(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1400社以上 不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、掲載する会社数が多く、掲載企業の一覧も掲載しており、各社のアピールポイントなども見られる点。弱点は、サービスを開始してまだ日が浅い点。
イエウール無料査定はこちら
◆LIFULL HOME'S(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 1692社(2018年8月)
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点。弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
LIFULL HOME'S無料査定はこちら
◆イエイ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1000社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、サービス開始から10年以上という実績があるほか、対象となる不動産の種類も多い。「お断り代行」という他社にないサービスもある。弱点は、経営母体の規模が小さいこと。
イエイ無料査定はこちら
◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取扱い物件がマンションしかない点。
マンションナビ無料査定はこちら
◆HowMaスマート不動産売却(一般媒介での一括査定)
対応物件の種類 マンション、戸建て(東京23区)
掲載する不動産会社数 10社(一般媒介) HowMaスマート不動産売却の公式サイトはこちら
サービス開始 2015年
運営会社 コラビット
紹介会社数 最大6社
【ポイント】不動産会社探しを支援してくれるサービスで、不動産を売却する際に、不動産会社と会わずに契約が可能。不動産会社との契約は一般媒介なので、不動産会社による違法な「囲い込み」も心配ない。
HowMaスマート不動産売却無料査定はこちら
◆いえカツLIFE(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 分譲マンション、一戸建て、土地、一棟アパート・一棟マンション、投資マンション(1R・1K)、一棟ビル、区分所有ビル(1室)、店舗・工場・倉庫、農地、再建築不可物件、借地権、底地権、その他(共有持分についても査定・売却対象)
営業エリア 東京、千葉、神奈川、埼玉 いえカツLIFEの公式サイトはこちら
サービス開始 2012年
運営会社 株式会社 サムライ・アドウェイズ
(東京マザーズ上場「アドウェイズ」の子会社)
紹介会社数 最大6社(売買2社、買取2社、リースバック2社)
【ポイント】 再建築不可物件、借地権、底地権といった「訳あり物件」の査定にも対応している。共有持ち分でも相談に乗ってくれる査定サイトは少ないので、相談してみよう
いえカツLIFE無料査定はこちら
TOP