中古マンションは「築6年~15年」の間に売るべし!
売却の成約率が高く、「値引きなし」で売れる可能性も

2020年5月28日公開(2020年6月5日更新)
山下和之

山下和之(やました・かずゆき)氏:1952年生まれ。編集制作会社勤務を経て株式会社山下事務所設立。住宅・不動産分野を中心に新聞・雑誌・ホームページ・単行本等の取材・原稿制作のほか、各種セミナー講演、メディア出演などを行う。主な著書に『家を買う。その前に知っておきたいこと』(日本実業出版社)、『マイホーム購入トクする資金プランと税金対策』(学研プラス)、『2017~2018年度版住宅ローン相談ハンドブック』(近代セールス社)などがある。ブログも運営している。

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中古マンションの売却は、「築年数」で売れ行きに大きな差が!? 新築マンションを永住のために購入するなら、この点はあまり気にする必要はないが、いずれは買い換える、あるいは売却するつもりであれば、将来の売り時を頭に入れて人生設計を描いた方がいいかもしれない。(住宅ジャーナリスト・山下和之)

「築20年」を超えると、ガクッと売れにくくなる

 中古マンションの”売りやすさ”は、「築年数」によってどのように変化するのだろうか。図表1は、新規に中古マンション市場に登録された物件のうち、何%が成約しているかを築年数帯別に比較したものだ。

 2019年の実績でみると、最も新規登録成約率が高いのは「築6~10年」の31.9%で、次いで「築11~15年」の24.4%、「築16~20年」の23.3%となっている。築20年までは20%以上を維持しているのだが、築21年を過ぎると新規登録成約率は格段に低下する。「築21~25年」は17.3%で、「築26~30年」は13.5%、「築30年~」は12.6%にとどまっているのだ。

 築年数が浅ければスムーズに売却できる物件が多いが、古い物件は簡単には売れないことが分かる。

通常は「指し値」が入って、
売り出し時より成約価格が安くなる

 売り出した中古マンションの買主がなかなか見つからないときは、かなり思い切った値下げをしないと客が付きにくい。中途半端な値下げだと、結局売れないまま、さらに値下げをしなければならなくなる……といった悪循環に陥りかねない。

 図表2は、築年数帯別の成約価格と、売り出し時の「レインズ(不動産仲介会社専用のデータベース)」への新規登録価格の変化を示している。(※なお、コロナ禍の現在も、売り出される物件数は半減したが、売り出し時の価格に値下がりは生じていない)

 成約価格を示すブルーの折れ線グラフと、新規登録価格を示すオレンジの折れ線グラフを比較すると、基本的にはオレンジの新規登録価格のほうが上にあって、ブルーの成約価格が下に位置している。つまり、新規登録価格からある程度の指し値(希望価格)による交渉が行われて、一定の値引きによって成約価格が成立していると推測することができる。

「築15年以内」の中古マンションなら
売り出し価格で買主がみつかる可能性も

 しかし、築年数の浅い中古マンションなら、希望通りの価格で売れる可能性が高い。

 図表2の「築6~10年」は新規登録価格が4860万円で、成約価格が4885万円と、成約価格のほうが高くなっている。「築11~15年」についても同様だ。

 つまりこの「築6~15年」の中古マンションについては、ほとんど指し値が入らず、売り出し価格のままで売れている物件が多いのではないかと推察される。

 買主としては少しでも安く買いたいはずだから、当然値引き交渉を行いたいところだが、売主側からみれば、購入希望者はほかにも多数いるので値引き交渉に応じる必要はない。買主も「だったら、ほかのお客に回します」と言われれば、売主の言い値で決着せざるを得ないだろう。

 「築6~15年」の物件であれば希望通りの価格で売れる可能性が高く、住まいの買い換えなどの計画も立てやすいことは間違いない。

売れる物件、売れない物件……
築年数による影響が拡大中

 この傾向はますます強まるのかもしれない。

 図表3でも分かるように、新規登録物件と成約物件の平均築年数は、年々その差が拡大しているのだ。

 10年前の2009年には、新規登録物件の平均築年数が18.21年だったのに対して、成約物件の平均築年数は17.17年だから、その差は1年もない。しかし、国内に築年数の経過したマンションが増えるにつれて、新規登録される中古マンションも古い物件が急速に増えている。

 その結果、築年数の浅い物件を好む買主との乖離が広がり、2019年では、新規登録物件の平均築年数が25.84年であるのに対して、成約物件の平均築年数は21.64年と4年以上の差がついている。築年数の浅い物件から売れ、古い物件が売れ残っている確率が高いというわけだ。

 今後も、売り出される古い物件が増えるにつれ、この差がさらに拡大していくだろう。そうなると古い物件はますます売りにくくなるので、いずれ売却を考えているのであれば、比較的希望通りの価格で売れる可能性が高い「築15年」まで、遅くとも成約物件の平均築年数である「築20年まで」のうちに売却するのが安心ということになる。

売りやすい中古マンションの
「築年数」以外の特徴は?

 なお、この成約物件と新規登録物件の専有面積をみると、図表4のようになっている。

 どの築年数帯においても、成約物件のほうが平均専有面積が広く、新規登録物件を上回っている。特に「築15年まで」はその差が大きく、10㎡前後の差がある。

 それだけ、専有面積の広いマンションのほうが売りやすく、狭い物件はやや売りにくいといえる。そのため、将来の買い換えや売却を考えるなら、比較的ゆったりめの専有面積の広いマンションを手に入れておくのが無難。売却に有利になるというだけでなく、そのほうが新居での生活にもゆとりが出てくるはずだ。

 もちろん、広さにこだわるあまり、無理して価格の高い物件を選んで家計が苦しくなってしまっては本末転倒だ。あくまで安全な資金計画の範囲で、広めの住まいを見つけるようにするのがいいのではないだろうか。

売却までには「70日~90日」程度の時間がかかるので、
買い換えなら“売り先行”が無難

 最後に、中古マンションの売却における注意点について述べたい。仮に中古マンション市場が活気づいていて、価格も上昇している時期であっても「売りに出せばすぐに売却できる」というわけではない。中古マンションは新築に比べたら安いとはいえ、何千万円もする買物。買う側もすぐに決断はできないし、条件交渉が長引くこともある。思いのほか時間がかかるものなのだ。

登録から成約に至る日数の推移
写真を拡大 (出典:東日本不動産流通機構『首都圏不動産流通市場の動向(2019年度)』)

 上の図表は、首都圏で成約した中古住宅や土地について、新規登録から成約に至るまでの平均日数を示している。ブルーの折れ線グラフが中古マンションだが、4年連続で成約までの日数が長くなっている。2015年度には平均64.9日だったのが、2019年度は82.4日に延びている。この数年で半月ほど余分に時間がかかるようになっているのだ。

中古マンションからの買い替え
中古マンションからの買い替えは”売り先行”で!(画像:PIXTA)

 成約までの期間が長期化する中で、新しい住まいへの”買い換え”を行う場合、まずは売却を決めてから購入物件を探す、“売り先行”で臨むのが無難だろう。中古マンションの売却が完了する前に新居を購入してしまうと、売却がうまく進まない場合に資金計画に支障をきたす。最悪、買い換え計画そのものを中止しなければならなくなったり、場合によっては買い物件と売り物件の二重ローンを抱えるような事態になりかねない。

 特に、今回述べてきたように古い物件ほど売りにくくなるので、中古マンションからの買い換えの際は注意してほしい。
【関連記事はこちら】>>中古住宅の平均売却期間「3カ月」を知らないと、買い替えで大損することも!

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