「マンション売却」築20年は売りどき!? 資産価値や売却の注意点、デメリットなどを解説!

2022年5月2日公開(2022年5月18日更新)
竹内英二

諸説ありますが、マンションは築20年くらいまでに売ることがおすすめです。築20年ほどのマンションはまだ新築当初の面影が残っており、美観も相応に維持されていますし、室内の設備スペックは最新の物件と比較しても大きく見劣りしないことから売却しやすいでしょう。ただし、実際に売却する上で注意点もあるので、確認しておきましょう。

築20年のマンション価格は、新築の約18%の値下がり

 まずは、マンションの築年数別の価格(1㎡あたり)変化を見てみましょう。図表1に東京都における新築マンションに対する築年数別の価格の下落率を示します。

図表1 マンション築年数別の価格下落率(東京都)

マンション築年数別の価格下落率(東京都)
築年帯 単価(万円/㎡)  単価下落率
新築 118.50 ▲0.0%
築1〜10年 111.13 ▲6.2%
築11〜20年 97.45 ▲17.7%
築21〜30年 78.77 ▲33.5%
築31〜40年 58.69 ▲50.5%
築41〜50年 56.31 ▲52.5%
築51年〜 56.33 ▲52.4%

出典:新築マンションは株式会社不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向2021年まとめ」から筆者が推定、中古マンションは土地総合情報システム「2020年第4四半期~2021年第3四半期(東京都)のマンションのダウンロードデータ」から筆者が作成

 図表1のとおり、2021年、東京都の築11~20年までの中古マンションの平均単価は「97.45万円/㎡」で、新築マンションの平均単価は「118.5万円/㎡」なので、築11~20年たてば、18%ほど下落している状況です。

 一方で、首都圏全体で見ると築20年の下落率はもう少し大きくなります。参考までに首都圏全体の築年数別の単価の変化を図表2に示します。

図表2 中古マンション築年数別の価格下落率(首都圏)

中古マンション築年数別の価格下落率(首都圏)
出典:新築マンション「株式会社不動産経済研究所」、中古マンション「公益財団法人東日本不動産流通機構

 首都圏全体としては、築16~20年の単価は新築に対して「31.3%」も下落しています。理由としては、首都圏全体では、千葉県や埼玉県のように東京都よりも土地価格の低い地域が含まれているからです。

 マンション価格は、土地と建物の合計額で構成されており、築年数が経過するとマンション価格が下がるのは、建物価格が下がることが原因です。

 土地価格の低い地域では、価格全体に占める建物価格の割合が大きくなります。価格の下落の原因となる建物の割合が多くなれば、築年数の経過によってマンション価格が下落する割合も増えます。

 そのため、築20年の価格の下落率は、土地価格が安い地域ほど大きくなるのです。

築20年の中古マンションは、市場在庫が少なく需要が高い

 中古マンションは、築年数によって売れ行きが異なります。

 図表3に、首都圏の中古マンション市場に占める築年数別の成約物件と在庫物件の割合を示します。左側が売却された成約物件(実際に売買が決まった物件)の割合、右側が売り出し中の在庫物件(資料では新規登録物件と表現されている)の割合です。

図表3 首都圏マンションの成約物件と在庫物件の割合

築年数から見た首都圏の不動産流通市場
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)

 円グラフを見ると、成約物件は「築0~20年」までの物件で半分以上を占めていますが、在庫物件は「築0~20年」の物件が35.7%しか占めていません。

 つまり、市場で売れている物件は「築0~20年」の物件が多いということです。

 中古マンション市場の中では築20年以内の物件に人気が集中しており、売却しやすい物件に位置づけられています。

>>マンション売却の流れや高く売る方法はこちら

築20年の中古マンションを売却するメリット

 築20年でマンションを売却するメリットについて見てみましょう。

需要が高く売却しやすい

 築20年以内のマンションは、需要が高く売却しやすいことがメリットです。築10年の物件と比べても物件価格はまだ高く、相応の価格で売ることができます。

手残りが多く残りやすい

 築20年のマンションは、築10年のマンションよりも手残りが多く残りやすい点がメリットです。手残りとは、売却代金から仲介手数料などの諸費用や税金、住宅ローン残債を差し引いたものになります。

 図表4に示したように、築20年のマンションは、築10年のマンションよりも売却価格は下がりますが、新築で購入してから20年間、住宅ローンの返済が進んでいることから、逆に手残りが増えることがよくあります。

図表4 築10年と築20年のマンションを売却した際の手残り

築10年と築20年のマンションを売却した際の手残り

 住宅ローンの返済方法は、毎月の元金と利息の合計額が一定額となる元利均等返済であることが一般的です。元利均等返済は、返済当初は元本の減りが少なく、後半ほど大きく減るようになります。

 新築で購入した場合、築年数が経過したマンションの(住宅ローンの返済期間が長い)ほうが元本返済は進むことから、築年数が浅いうちに売るよりも、築20年程度で売ったほうが得することも多いのです。

築20年の中古マンションを売却するデメリット

 では、築20年でマンションを売却するデメリットはあるのでしょうか?

設備の故障対応が出てくるケースがある

 築20年のマンション売却では、設備の故障対応が出てくるケースがある点がデメリットです。

 室内の設備は、概ね15年程度で寿命を迎えます。給湯器やエアコン、温水洗浄便座など、すでに壊れてしまって動かない設備があるケースも存在します。設備が壊れている場合、「そのままでは絶対に売れない」というわけではないのですが、売りにくくなるのは事実です。

 売れたとしても値引き交渉の材料とされかねないため、直せる設備はできれば売却前に修繕することをおすすめします。設備の修繕に関しては、一部の大手不動産会社の中には、設備が故障した際の修繕サービスを実施している会社もあります。

 設備の故障が気になる方は、設備の修繕を行ってくれる不動産会社に仲介を依頼するのも一つの手です。ただし、設備の修繕サービスを行っている不動産会社は、「専任媒介」または「専属専任媒介」を条件とすることが一般的となっています。

 「専任媒介」と「専属専任媒介」は、一社にしか仲介を依頼できない契約のことです。「専属専任媒介」では、売主自身が買主を見つけてくる自己発見取引も認められていません。

 専任媒介や専属専任媒介では、ほかの不動産会社に重ねて仲介を依頼できないという制約が発生することは知っておきましょう。

【関連記事はこちら】>>家を売るときの契約方法は、「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」でメリットが大きいのはどれ?

共用部が市場ニーズとずれ始めてくる

 築20年のマンションは、共用部が市場ニーズとずれ始めてくる傾向があります。昨今の新築マンションは、共用部の施設が一つのウリです。

 共用部の施設進化は激しく、近年は市場のニーズに合わせてコワーキングスペースやコインランドリーが併設されている物件も増えてきています。

 一方で、築20年くらいのマンションになると、共用部に例えばキッチンスタジオなどがあります。キッチンスタジオなどは使われないことも多く、共用部の施設がすでに無用の長物と化している物件も多いです。

 築20年のマンションは、新築物件と比べると共用部の施設が見劣りし始め、物件の魅力を下げていることがあります。

築20年のマンションを売却するときの注意点

 築20年のマンション売却には、上記のようなメリット・デメリットがありますが、売却するときの注意点についても確認しておきましょう。

複数の不動産会社に査定を依頼する

 築20年以内のマンションは売却しやすい部類に属するため、しっかりと不動産会社を選べば高く売れます。

 高く売ってくれる不動産会社を探すには、複数の不動産会社に査定を依頼することがポイントです。

 査定を1社だけに依頼し、その結果を妄信して売ると、もっと高く売れる可能性を逃してしまう可能性があります。高く売るチャンスを逃さないようにするには、少なくとも査定は4~6社程度を比較することが望ましいです。

 「不動産一括査定サイト」を利用すれば、無料で6~10社程度の査定を簡単に依頼することができるので、ぜひ活用してみてください。

【関連記事はこちら】>>不動産一括査定サイト&査定業者33社を比較! おすすめ、メリット・デメリット、選び方などを徹底解説

売却スケジュールに余裕を持つ

 築20年以内のマンションでは、売却スケジュールに余裕を持つことが注意点です。市場の状況にもよりますが、マンション売却では築年数が伸びるほど、売却できるまでの期間が長くなる傾向があります。

 図表5に過去10年間における首都圏のマンションの「平均価格」と「売り出してから成約に至るまでの日数」の推移を示します。

図表5 首都圏マンションの平均築年数と成約に至る日数

首都圏マンションの平均築年数と成約に至る日数
写真を拡大 
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2021年)

 売却されるマンションの平均築年数は増える傾向にあり、2015年から2020年にかけては年数とともに販売に至る日数も増えています。過去10年において最も販売期間が長期化した年は2020年で、平均築年数が「21.99年」、販売期間は「88.3日」となっています。

 売りに出してから買主が決まるまで、3カ月程度かかりますので、売却スケジュールは余裕を持って組むようにしましょう。

【関連記事はこちら】>>マンション売却の流れや注意点、高く売るコツを解説!

設備などの不具合の告知はしっかりと行う

 室内の設備が壊れている場合、修繕しなくても売却することは可能です。修繕せずに売る場合、不具合箇所に関しては正直に告知を行う必要があります。

 マンションの売却にあたっては、不動産会社から「付帯設備表」と「告知書」の2つの書類の記載が求められます。

 「付帯設備表」とは設備の不具合、撤去の有無などを記載する書面です。「告知書」とは、雨漏りなどの設備以外の欠陥について記載する書面となります。

 費用をかけて設備を修繕したくない場合、付帯設備表に設備の不具合を記載し、買主に了解を取れば売却は可能です。売主は「付帯設備表」と「告知書」に関しては、事実を隠さず正直に記載することがポイントとなります。

 売主はマンション売却で契約不適合責任という売主責任が課されます。契約不適合責任とは、「契約の内容に適合しない場合の売主の責任」のことです。契約不適合責任では、契約内容とは異なる物件を売却した場合、売却後に買主から追完請求(主に修繕の請求)や損害賠償などを追及されます。

 契約不適合責任を回避するには、不具合のある物件は、売買契約書に「不具合がある」と事実を記載しなければなりません。

 不具合があるにもかかわらずないものとして売ると、契約内容とは異なるものを売却したということになり、契約不適合責任を問われることになります。

 売買契約書は、不動産会社が付帯設備表や告知書を元に作成します。売主に契約不適合責任が及ばないような契約書にしてくれますので、事実は隠さずにしっかりと伝えるようにしてください。

まとめ

 以上、築20年のマンション売却について解説してきました。

【築20年のマンションの特徴】

・東京都の場合、築20年のマンションの平均価格は、新築に対して約18%程度の価格の下落

・市場に出回っている物件の数も少なく需要も高いため売却しやすい
【築20年のマンション売却のメリット】

・需要が高く売却しやすい

・手残りが多く残りやすい

【築20年のマンション売却のデメリット】

・設備の故障対応が出てくるケースがある

・共用部が市場ニーズとずれ始めてくる
【築20年のマンション売却時の注意点】

・複数の不動産会社に査定を依頼する

・売却スケジュールに余裕を持つ

・設備などの不具合の告知はしっかりと行う

 築20年のマンション売却の概要が分かったら、まずは、複数の不動産会社に無料で査定依頼ができる、「不動産一括査定」を利用するのがおすすめです。

【関連記事はこちら】>>不動産一括査定サイト&査定業者33社を比較! おすすめ、メリット・デメリット、選び方などを徹底解説

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