「マンション売却」築40年でも売れる? 急激に価値が下がる理由と対処法、注意点などを解説!

2022年5月13日公開(2022年5月12日更新)
竹内英二

マンションは築40年になると売却しにくくなります。 2022年において築40年のマンションは現行の耐震基準を満たしていない物件が多く、売却のネックとなります。築40年のマンションを売るには、売却しにくくなる理由を知り、対策を取りながら売却活動を進めていくことがコツです。また、築40年のマンションを売却する際の注意点なども確認しておきましょう。

築40年のマンション価格は、新築から約51%の値下がり

 まずは、マンションの築年数別の価格(1㎡あたり)変化を見てみましょう。東京都における新築マンションに対する築年数別の価格の下落率を示すと、下図の通りです。

図表1 マンション築年数別の価格下落率(東京都)

築年帯 単価(万円/㎡)  単価下落率
新築 118.50 ▲0.0%
築1〜10年 111.13 ▲6.2%
築11〜20年 97.45 ▲17.7%
築21〜30年 78.77 ▲33.5%
築31〜40年 58.69 ▲50.5%
築41〜50年 56.31 ▲52.5%
築51年〜 56.33 ▲52.4%

出典:新築マンションは株式会社不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向2021年まとめ」から筆者が推定、中古マンションは土地総合情報システム「2020年第4四半期~2021年第3四半期(東京都)のマンションのダウンロードデータ」から筆者が作成

 図表1のとおり、2021年、東京都の築31~40年までの中古マンションの単価は「58.69万円/㎡」で、新築マンションの単価は「118.5万円/㎡」なので、築31~40年たてば、約51%下落している状況です。

 図表1を見ると、マンションの価格は築40年を過ぎたあたりからほとんど値下がりしていないことが分かります。これは、築40年を過ぎると建物の価格がほぼゼロ円になり、土地価格のみとなるためです。

築40年のマンションは在庫が多く売りにくい

 築年数別にマンションの需要を見てみましょう。図表2に、首都圏の中古マンション市場における築年数別の成約物件と在庫物件の割合を示します。

図表2 首都圏マンションの成約物件と在庫物件の割合

首都圏マンションの成約物件と在庫物件の割合
写真を拡大 出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)

 図表2の特徴としては、築25年以内の物件は成約物件(青棒)との方が在庫物件(赤棒)の割合よりも高いですが、築25年を超えると在庫物件の方が成約物件よりも割合が高くなるという逆転現象が生じています。築25年超の物件は売れている物件が少なく、売れ残っている在庫物件が多いということです。

 築40年の物件は、図表2で「築31年~」の中に属します。「築31年~」で売り出し中の物件は市場の中で44.7%もありますが、売れているのは29.7%しかありません。築31年超の物件は在庫物件が多く、売却には苦戦しやすいことが分かります。

築40年の中古マンションを売却するメリット

 築40年のマンションを売却するメリットについて見てみましょう。

住宅ローンが完済していれば「買い先行」で住み替えできる

 築40年の物件は、住宅ローンが完済していれば空き家にして売りやすくなります。住宅ローンは一般的に35年が最長であるため、新築時から住宅ローンを組んでいれば築40年の物件なら完済している人が多いでしょう。

 今住んでいる家を売却して住み替える場合の手順として、売却を先に行う「売り先行」と購入を先に行う「買い先行」の2種類があります。住宅ローンを完済していれば、経済的な負担が軽いことから住み替えの手順としてメリットの多い「買い先行」を選択することが可能です。

【買い先行のメリット】
・先に物件を購入してから売却を行うため、空き家の状態で売却できる
・インターネット広告用の写真も撮りやすく、購入希望者の案内も不動産会社に任せることができる
・仮住まいが発生せず、引越しが1回で済むため費用の負担が少なくなる

【関連記事はこちら】>>「住み替え」の流れとノウハウを紹介!「不動産売却」と「買い替え」のどちらを先にすればいいのかを徹底解説

土地価格が上がると価格が上昇しやすい

 築40年たったマンションの価格は、ほぼ土地価格であるため、土地価格が上がるとマンション価格が上昇しやすいという点もメリットです。

 図表3は、直近過去10年間における首都圏のマンションと土地の単価の推移を示したものです。マンション価格と土地価格の値動きは連動しており、土地価格が上がるとマンション価格も上がっていることが分かります。

図表3 首都圏のマンションと土地の単価推移

首都圏のマンションと土地の単価推移
出典:中古マンション単価「公益財団法人東日本不動産流通機構」、地価公示「国土交通省

築40年の中古マンションを売却するデメリット

 では、築40年のマンションを売却するデメリットはあるのでしょうか?

買主が税制優遇措置を受けられなくなる

 築40年のマンションは、買主が登録免許税の軽減や住宅ローン控除などの税制優遇措置を原則として受けられなくなる点がデメリットです。

 2022年以降、税制改正によって「登記簿上の建築日付が昭和56年(1981年)12月31日以前の家屋」は、原則として買主が登録免許税の軽減等の税制優遇を受けられなくなりました。

 1981年築は2022年時点で築41年であるため、築40年クラスの物件はそのまま売ると買主が税制優遇を受けることができません

 税制優遇を受けられない物件は買主にとって不利な条件になることから、築40年クラスの物件は途端に売却しにくくなるといえます。

契約不適合責任を追及されやすい

 築40年のマンションは、契約不適合責任を追及されやすい点もデメリットです。契約不適合責任とは、「契約の内容に適合しない場合の売主の責任」のことです。

 契約不適合責任では、契約内容とは異なる物件を売ると売却後に買主から追完請求(主に修繕の請求)や契約解除、損害賠償などを追及される可能性があります。契約不適合責任を問われないようにするには、売買契約書にしっかりと不具合事項を記載することが必要です。

 築40年のマンションは不具合箇所が多くなるため、不具合の記載漏れによって契約不適合責任を追及されやすいといえます。不具合箇所は事前にしっかりと洗い出しておくことがポイントです。

築40年のマンションを売却するときの注意点

 築40年のマンション売却には、上記のようなメリット・デメリットがありますが、売却するときの注意点についても確認しておきましょう。

複数の不動産会社に査定を依頼する

 築40年のマンションを売るなら、複数の不動産会社に査定を依頼するようにしましょう。築40年のマンションは需要が少なく、売却しにくくなっているため、少しでも高く売るためには、高く売ってくれる会社を探す必要があります。

 高く売ってくれる会社を探すには、複数の不動産会社に査定を依頼し、査定結果を比較して選ぶことがポイントです。査定価格は不動産会社が考える売却予想価格であるため、高く売れると考えている会社ほど査定価格は高くなります。

 築年数の古いマンションは、近くにある不動産会社が過去に何回も売買を取り扱っている可能性が高いです。そのため、地元の不動産会社も査定を依頼したい会社の一つとなります。

 高く売ってくれる不動産会社を探すには、地元の不動産会社も大手の不動産会社も偏ることなく査定を依頼することをおすすめします。

【関連記事はこちら】>>不動産一括査定サイト&査定業者33社を比較! おすすめ、メリット・デメリット、選び方などを徹底解説

売買契約書に容認事項をしっかりと記載する

 契約不適合責任を問われないようにするには、売買契約書に容認事項をしっかりと記載することがポイントです。

 容認事項とは、例えば「窓サッシから水が浸入する」場合には、「窓サッシから水が浸入しますが、買主はその事実を了解の上、契約不適合責任を問わないこととします」のような文言を指します。

 このような容認事項を書いておけば、契約書に記載された通りの物件を売却していることになり、契約不適合責任は問われないことになります。売買契約書は不動産会社が作成するため、不動産会社には不具合事項を隠さずにきちんと伝えることがポイントです。

瑕疵担保保険の付保を検討してみる

 瑕疵(かし)担保保険の付保(保険契約を締結すること)を検討してみることもポイントです。瑕疵担保保険とは、売却後、物件に不具合が発見された場合、補修費用がおりる保険になります。

 瑕疵担保保険が付保されている物件は、「登記簿上の建築日付が昭和56年(1981年)12月31日以前の家屋」であっても、例外的に買主が登録免許税の軽減等の税制優遇を受けられるようになります。

 つまり、買主が税制優遇を受けられる物件に変えることができるため、売却しやすくなるということです。

 なお、瑕疵担保保険を付保するには、「建物状況調査に合格していること」と「現行の耐震基準を満たしている」の2つの要件が必要となります。マンションが現行の耐震基準を満たしている場合には、瑕疵担保保険の付保を検討してみるといいでしょう。

まとめ

 以上、築40年のマンション売却について解説してきました。

【築40年のマンションの特徴】

・東京都の場合、築40年以内のマンションの平均価格は、新築に対して約51%程度の価格の下落

・市場に出回っている物件の在庫が多く売りにくくなる
【築40年のマンション売却のメリット】

・住宅ローンが完済していれば「買い先行」で住み替えできる

・土地価格が上がると価格が上昇しやすい

【築40年のマンション売却のデメリット】

・買主が税制優遇措置を受けられなくなる

・契約不適合責任を追及されやすい
【築40年のマンション売却時の注意点】

・複数の不動産会社に査定を依頼する

・売買契約書に容認事項をしっかりと記載する

・瑕疵担保保険の付保を検討してみる

 築40年のマンション売却の概要が分かったら、まずは、複数の不動産会社に無料で査定依頼ができる、「不動産一括査定」を利用して、高く売ってくれる不動産会社を探すことから始めましょう。

【関連記事はこちら】>>不動産一括査定サイト&査定業者33社を比較! おすすめ、メリット・デメリット、選び方などを徹底解説

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