「マンション売却」築50年なら買取でも売れない? 売却のコツや注意点などを解説!

2022年5月21日公開(2022年5月23日更新)
竹内英二

簡単に建て替えができないマンションは、築50年にもなるとかなり売却が難しくなります。自分が住んでいなくても、築50年を超えたマンションを相続した人の中には、売却で頭を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。築50年のマンションを売るには、築50年の物件の特徴を理解した上で、早めに買取業社を探すなどの対策が必要です。

築50年のマンション価格は、新築から約52%の値下がり

 まずは、マンションの築年数別の価格(1㎡あたり)変化を見てみましょう。東京都における新築マンションに対する築年数別の価格の下落率を示すと、下図の通りです。

図表1 マンション築年数別の価格下落率(東京都)

築年帯 単価(万円/㎡)  単価下落率
新築 118.50 ▲0.0%
築1〜10年 111.13 ▲6.2%
築11〜20年 97.45 ▲17.7%
築21〜30年 78.77 ▲33.5%
築31〜40年 58.69 ▲50.5%
築41〜50年 56.31 ▲52.5%
築51年〜 56.33 ▲52.4%

出典:新築マンションは株式会社不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向2021年まとめ」から筆者が推定、中古マンションは土地総合情報システム「2020年第4四半期~2021年第3四半期(東京都)のマンションのダウンロードデータ」から筆者が作成

 図表1のとおり、2021年、東京都の築51年~の中古マンションの単価は「56.33万円/㎡」で、新築マンションの単価は「118.5万円/㎡」なので、築51年たてば、約52%下落している状況です。

 図表1を見ると、マンションの価格は築40年を過ぎたあたりからほとんど値下がりしていないことが分かります。これは、築40年を過ぎると建物の価格がほぼゼロ円になり、土地の価格のみとなるためです。

古い物件ほど売却が難しくなるため、築50年マンションは売りにくい

 中古マンションは、築年数によって売れ行きが異なります。

 図表2に、首都圏の中古マンション市場に占める築年数別の成約物件と在庫物件の割合を示します。左側が売却された成約物件(実際に売買が決まった物件)の割合、右側が売り出し中の在庫物件(資料では登録物件と表現されている)の割合です。

図表2 首都圏マンションの成約物件と在庫物件の割合

築年数から見た首都圏の不動産流通市場
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)

 築50年のマンションは、グラフで「築31年~」の中に含まれます。「築31年~」の成約物件の割合は29.7%にとどまっていますが、在庫物件の割合は44.7%もあります。

 つまり、「築31年~」のマンションは、売れ残りの物件が多いということです。実際に売却できている成約物件の築年数別割合を見ると、「築0~25年」の物件が過半を占めており、古い物件ほど売却が難しいことが分かります。

築50年の中古マンションを売却するメリット

 築50年のマンションを売却するメリットについて見てみましょう。

焦らずに長期スパンで売ることができる

 築50年のマンションは、今後ほとんど値下がりしないため、焦らずに長期スパンで売ることができる点がメリットです。しばらく賃貸物件として運用し、数年後に売却するといった選択をすることもできます。

諸費用が安く税金も発生しないことから手残りが多い

 築50年のマンションは、売却時の諸費用が安く税金も発生しないことから手残りが多い点がメリットです。

 売却時の諸費用は仲介手数料が大半を占めます。仲介手数料は「(物件価格×3%+6万円)+消費税」と、物件価格に料率を乗じて求めるため、物件価格が安いほど仲介手数料も安くなります。よって、物件価格が安くなる築50年のマンションは、諸費用も安くなります。

 また、売却時の税金は、売却益が生じたときにしか発生しません。売却価格が安くなる築50年のマンションは、売却損が発生して税金が生じないことが多いです。

 さらに、手残りも高くなります。手残りとは、売却代金から仲介手数料などの諸費用や税金、住宅ローン残債を差し引いた残額のことです。築50年のマンションなら住宅ローンが完済している場合が多く、かつ、税金も発生しなければ、売却価格が安くても、手残りは相応に高くなるでしょう。

築50年の中古マンションを売却するデメリット

 では、築50年のマンションを売却するデメリットはあるのでしょうか?

買主が税制優遇措置を受けられなくなる

 築50年のマンションは、買主が登録免許税の軽減や住宅ローン控除などの税制優遇措置を原則として受けられないという点がデメリットです。

 2022年から税制が改正され、「登記簿上の建築日付が昭和56年(1981年)12月31日以前の家屋」は買主が税制優遇を受けられないことになっています。

 1981年築の物件は2022年時点で築41年となり、築50年のマンションは買主が原則として税制優遇を受けられない物件に該当します。

 税制優遇を受けられないマンションは、買主にとって不利な物件です。不利な物件をわざわざ買う人は少ないことから、築50年のマンションは売却しにくくなります。

リフォームが必要な場合がある

 築50年のマンションを売るには、リフォームが必要なことがあるのがデメリットです。マンションは基本的にリフォームせずとも売れますが、あまりにも古い物件だとリフォームしないと売れないこともあります。

 ただし、リフォームしなくても売れる物件はあるので、一度リフォーム前の状態で不動産会社に査定を依頼し、不動産会社の意見を聞いた上で決めることをおすすめします。

 リフォームが必要と判断された場合には、不動産会社のアドバイスを受けながら、コストを抑えつつ効果的なリフォームを行うことがポイントです。

【関連記事はこちら】>>マンションを高く売却するなら、リフォームしよう!「必要最低限に抑える」「相見積もりをとる」など、成功するためのリフォーム5カ条を紹介!

築50年のマンションを売却するときの注意点

 築50年のマンション売却には、上記のようなメリット・デメリットがありますが、売却するときの注意点についても確認しておきましょう。

複数の不動産会社に査定を依頼する

 築50年のマンションを売るには、高く売ってくれる会社を探すためにも複数の不動産会社に査定を依頼することがポイントです。

 築年数の古いマンションは、なかなか売れず、得られる仲介手数料も少ないことから、扱いたがらない不動産会社もあります。

 査定をしてくれる不動産会社がなかなか見つからないこともあるため、電話して不動産会社を探すような行為は非効率的です。

 そこで、おすすめなのが「不動産一括査定サイト」の利用になります。不動産一括査定サイトなら、基礎的な条件を入力するだけで、無料で複数の不動産会社に査定を依頼することが可能です。

 不動産一括査定サイトを経由して査定を引き受ける不動産会社は、対象物件が築50年のマンションであることを分かって査定に参加するため断られることがなく、依頼者は頼れる不動産会社を簡単に見つけることができます。

【関連記事はこちら】>>不動産一括査定サイト&査定業者33社を比較! おすすめ、メリット・デメリット、選び方などを徹底解説

売買契約書に容認事項をしっかりと記載する

 築50年のマンションは不具合事項が多くなるため、売買契約書に不具合に関する容認事項を漏らさず書く必要があります。

 容認事項とは、例えば「窓サッシから水が浸入する」場合には、「買主は窓サッシから水が浸入することを容認した上で購入します。買主はこの件に関し、購入後、売主に契約不適合責任を問わないものとします」というような文言のことです。

 このような容認事項を売買契約書に書いておけば、契約書に記載された通りの物件を売却していることになり、契約不適合責任(契約の内容に適合しない場合の売主の責任)は問われないことになります。売買契約書は不動産会社が作成するため、不動産会社には不具合事項を隠さずにきちんと伝えることがポイントです。

 築年数の古い物件の売買契約書は、容認事項が多くなることが普通です。容認事項がびっしりと書き込まれている契約書ほど安全な契約書になりますので、不具合事項は漏れなく伝えるようにしましょう。

買取を検討するなら早めに買い取ってくれる不動産会社を探す

 不動産の売却には、買取で売るという方法もあります。買取とは、不動産会社に下取り価格で売却する方法のことです。

 不動産会社は転売を目的に購入するため、買取による売却価格は安くなりますが、すぐに売れるというメリットがあります。

 ただし、築50年を過ぎたようなマンションは買い取らない不動産会社も多いです。特に大手の不動産会社は要件が厳しく、例えば築25年以内の物件でないと購入しないといった会社もあります。

 築50年でも買い取ってくれる不動産会社は一部にありますが、そのような会社は比較的規模が小さく、見つけにくいことも多いです。

 売主の中には「売れなければ最後は買取で売ろう」と考える人もいますが、築50年のマンションの場合、いざ買取で売ろうとしてもなかなか売れないといったことがよくあります。

 買取は最終手段にならないこともあるため、買取を検討するのであれば、早めに買い取ってくれる会社を探すことをおすすめします。

【関連記事はこちら】>>不動産の「買取」に対応した「一括査定サイト」の中で、全国~東京などで展開する主要4サイトを徹底比較!

まとめ

 以上、築50年のマンション売却について解説してきました。

【築50年のマンションの特徴】

・東京都の場合、築50年のマンションの平均価格は、新築に対して約52%の価格の下落

・築年数が古くなるほど売りにくくなる
【築50年のマンション売却のメリット】

・焦らずに長期スパンで売ることができる

・諸費用が安く税金も発生しないことから手残りが多い

【築50年のマンション売却のデメリット】

・買主が税制優遇措置を受けられなくなる

・リフォームが必要な場合がある
【築50年のマンション売却時の注意点】

・複数の不動産会社に査定を依頼する

・売買契約書に容認事項をしっかりと記載する

・買取を検討するなら早めに買い取ってくれる不動産会社を探す

 築50年のマンション売却の概要が分かったら、まずは、複数の不動産会社に無料で査定依頼ができる「不動産一括査定」を利用して、築50年のマンションでも売却または買取をしてくれる不動産会社を探しましょう。

【関連記事はこちら】>>不動産一括査定サイト&査定業者33社を比較! おすすめ、メリット・デメリット、選び方などを徹底解説

【築年数別のマンション売却】記事一覧

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