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「億ション」など高級不動産の売却のコツを解説!
提案資料や過去の実績から、不動産仲介会社の営業担当者が信頼できるかどうかを見極めよう

2020年8月31日公開(2020年8月31日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

同じ家でも、億ションから数百万円まで大きな金額差があるのが不動産の世界だ。中でも都心の高級不動産は、売主も買主も仲介営業担当者も限られた特殊な領域だ。今回は、高級不動産の賢い売却方法や、頼れる仲介担当者の見分け方を紹介する。

都心の高級不動産の売却を手掛ける
仲介担当者は限られている

 東京都心の高額物件の売買について詳しいリストサザビーズインターナショナルリアルティ広尾支店に話を聞いた。広尾支店の管轄は都心6区(港、中央、千代田、新宿、渋谷、文京)に加えて、目黒区と品川区の不動産だ。

 同社の社内規定では8000万円以上を「高額物件」としているが、実際に取り扱うのは、それよりも高額で1億円台前半が最も多い。多くはタワーマンションや、戸数の限られた低層マンションばかりだ。

 こうした不動産の売買に関わる仲介担当者は不動産業界の中でも、ごく一握りの人だけだという。

 広尾支店長の高田一洋氏によると、ほとんどが大手仲介会社に所属する営業社員ばかりで、「このエリアでも1億円を超える不動産の売却を担っている人は少ないです。物件が売りに出れば、誰が担当しているかはほぼ推測できます。それくらい高級不動産の売り方は難しいし、特殊なノウハウが必要」と話す。

 言うまでもなく1億円を超える物件を購入できるのは限られた層になる。売主、買主ともに厳しい目を持っているため、売買仲介の担当者は接客の技術だけでなく、売り切るためのテクニックが求められる。

 高田氏が重視しているのは「誰に対して、何を売るか」を考えることだという。

 「一例ですが、扱う物件が1LDKの間取りなら、買うのはおそらく高所得のサラリーマンなので、都心への通勤利便性などを前面に出します。3LDKならば対象はファミリーになるので、快適性や学区と地域の評判を明確に打ち出す。こうしたことを明確にしないままに、ただ単に店舗の壁にチラシを張ったり、物件情報をポータルサイトに掲載したりするだけでは効果はありません」(高田氏)

 マーケティングの初歩のような話ではあるが、実は不動産仲介会社の中には1億円以上の商品を売るのにも関わらず、A4サイズの物件チラシしか用意してない業者も多い。そうではなく、高額物件の売却のために蓄積したセオリーを基に、販売戦略をとっていく方が常道というわけだ。

 高田氏は、扱う物件の特徴によって、間取り図の大きさやチラシに使う文言を大きく変える。そして、購入を検討する人に渡すための専用パンフレットを作成する。大きな写真が載ったパンフレットは10ページ以上になることもある。

リストサザビーズインターナショナルリアルティが作成した提案書
リストサザビーズインターナショナルリアルティが作成した提案書

 「パンフレットもただ作ればいいわけではなく、建物撮影の経験が豊富なカメラマンにお願いして作成します。見栄えがよくなるように青空にするなどの画像処理も行います。高級不動産の売却を任されれば、毎回、こういった準備をしてから買主を探しています」(高田氏)

高額物件を売り切る営業担当を
見分けるための質問

 さて、それでは信頼できる不動産仲介会社を選ぶにはどうすれば良いだろうか。

 まず原則として、小規模な業者ではカタログ作成や物件の写真撮影などに対応できないことが多い。そのため必然的に、一定規模の不動産仲介会社の中から選ぶことになるのだが、大手であっても担当者によって実力に大きな差がある。実力差が大きく出るのが、顧客のネットワークを持っているかどうかだ。

 「高額物件の場合は売主として知り合ったお客様が、次は買主になることもあります。そうしたネットワークがあれば、比較的早く売れることもあります」(高田氏)

 1億円を超える高額物件の場合、売り出しから申込みが入るまでは平均して5~6ヵ月間はかかるという。都内のマンションならば売却までの期間は約3ヵ月と言われているので、やはり高額な分だけ時間は必要になる。そのため、買主候補者のネットワークはありがたい存在なのだ。

 売却までに時間がかかるならば、仲介担当者から値下げを打診されることもある。

 リストサザビーズインターナショナルリアルティのデータでは、売り出し価格と実際の成約価格との差、つまり値下げ分は2~3%くらいが最も多い。かなり値下げしたとしても5%以上も下げることはないという。

 もしも、5%以上の値下げが必要ならば、売り出し価格が間違っていたと考えるべきだという。仲介担当者から5%以上の値下げを求められるようなら、信頼できる相手なのか立ち止まって考えてみるべきだろう。

 こうしたポイントを踏まえたうえで、高級不動産の売却で頼れる仲介担当者を見つけるために役立つ質問がある。

 それは、仲介担当者が扱った過去の物件について、販売事例ではなく成約事例を聞いてみることだ。

 自らが売却を担当した物件のマンション名をすらすらと言えるようなら、ある程度実績があると思っても良いだろう。

 「店舗や会社での実績(販売事例)と担当者の実績(成約事例)は全く違います。あくまで、担当者の実績について詳しく聞くとよいでしょう。また「作成した売却用の資料に説得力があるかどうか」や、「話し方や立ち振る舞いも含めて総合的に信用できるかどうか」などを吟味してみてください」(高田氏)

 その他にも、先述したような売却ターゲットの設定やそれに合わせた売却戦略などについても、よく聞いてみるべきだろう。高額な商品を任せられるだけの仲介担当者かどうかは、厳しい目で見極めたいところだ。

高級不動産を高値売却するためのポイント

 さて、最後に高額物件をさらに高く売るためのコツを聞いてみよう。

 高級不動産を購入する人はプライバシーを重視する傾向があるという。

 「マンションにどんな人が住んでいるかを気にする人が多いので、そういった情報を仲介担当者から購入希望者にしっかりと伝えてもらいましょう。また、流行りのホームステージングは間取りによっては部屋が狭く見えることもあり、効果が限定的となることも。ホームステージングをしたいなら、信頼できる担当者の意見を参考にして実施すべきです」(高田氏)
【関連記事はこちら】>>マンションを売るのに「ホームステージング」は効果があるのか、編集部員が試した結果は?

 高田氏によると、コロナ禍でも高級不動産の成約価格は全く落ちていないという。

 高級不動産の売却を検討しているなら、今回の記事を参考に、まずは高級不動産に強い不動産仲介会社探しから始めてみてほしい。

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