大手不動産仲介会社は本当に高く売却してくれる? 買取ばかりすすめてくる営業担当者には要注意!

2022年10月25日公開(2022年10月25日更新)
梶本幸治:株式会社レコ 取締役・コンサルティング本部長

今回は「大手不動産仲介会社に売却を依頼する時、注意すべきポイントとは?」について、不動産会社向けの集客・教育コンサルを行っている私、株式会社レコの梶本幸治が解説いたします。不動産売却をどこの会社に依頼しようか悩んでいる方は、参考にしてください。

大手不動産仲介会社に売却を依頼する際の注意点とは?

不動産一括査定サイトのSUUMO
不動産一括査定サイトの「SUUMO売却査定」(出所:SUUMO売却査定ホームページ

 所有する不動産の売却を検討する際、どの不動産仲介会社に依頼すればいいのか悩みますよね。

 最近は、SUUMO(リクルート)やHOME4U(NTTデータグループ)といった「不動産一括査定サイト」が普及したため、大手から中小まで、複数の不動産仲介会社から価格査定や売却提案を受ける機会が多くなり、ますます悩んでしまう方もいらっしゃると思います。

 では、多くの不動産仲介会社の中から、どのような会社になら売却を依頼しても大丈夫でしょうか。「大手なら安心」と考えている方も少なくないと思いますが、大手に依頼する際、注意点もあるので確認しておきましょう。

【関連記事はこちら】>>不動産一括査定サイト&査定業者33社を比較! おすすめ、メリット・デメリット、選び方などを徹底解説

サポートの充実度よりも、高く売ってくれる不動産仲介会社を選ぶ

 大手に依頼する最大のメリットはなんと言っても「安心感」だと思います。

 特に最近は、売主をサポートする制度を充実させている不動産仲介会社が多く、この点も売主の立場からすると安心材料になります。売主へのサポート制度には、主に以下のものがあります。

・買主へ物件引き渡し後の建物保証
・買主へ物件引き渡し後の設備保証
・引っ越し業者の紹介・割り引き
・売り出し開始前の地盤調査サービス
・ハウスクリーニング
・ホームステージング
・各種専門家の紹介サービス
※ホームステージングとは、売りに出す家に家具などを設置してイメージアップを図る手法

 これらのほかにも、手厚いサポートを提供している大手不動産仲介会社はまだまだございます。

 大手不動産仲介会社の「金看板」だけでも十分安心なのに、こんなに手厚いサポートが用意されているなんて、不動産の売却を依頼する場合はやはり大手で決まりですね!

 と、申し上げたいところですが、そんな簡単な話ではございません。

 上記サポートの多くは、物件の内容やエリアによっては提供が不可となっているものもあり、サポートが可能であったとしても、「別途費用が必要」であるケースも珍しくありません

 別途費用を支払うのであれば、同様のサポートは地元密着型の中小不動産会社でも受けられる場合が多く、大手不動産仲介会社のみでしか受けられないというわけではないのです。

 確かに、中小不動産仲介会社に比べ、大手は有償サポートでも費用の一部を自社負担するなど、金銭的なメリットを打ち出してはいますが、不動産取引で動く大きな金額からすれば微々たるものです。

 「そんなサポートはなくてもいいから、中小でも高く売ってくれる不動産仲介会社に依頼したほうが得」とも言えるでしょう。

大手不動産仲介会社は本当に高く売ってくれるのか

 では、この「高く売ってくれる不動産仲介会社に依頼したほうが得」という観点から見た場合、大手不動産仲介会社に売却を任せるのは得策と言えるでしょうか。ここからは、大手不動産仲介会社の売却活動について見ていきましょう。

 ひと昔前の大手不動産仲介会社といえば、駅前に路面店を出して地域密着型の営業を実施していました。ひとたび不動産売却の依頼を受ければ、エリア限定でお探しの購入希望顧客に物件を紹介する事はもちろん、素早くチラシ(オモテ面は間取りや価格など物件詳細、ウラ面は売り出し開始のご挨拶文)を製作し、近隣にポスティング広告を実施したものです。

 「隣の土地は倍出しても買え」や「隣の家は借金してでも買え」という言葉があるように、不動産を高値で売却しようと思うと、物件近隣へのアプローチが不可欠であり、上記のような大手不動産仲介会社の宣伝活動は非常に理にかなったものでした。

 このように大手不動産仲介会社では、不動産売却を受託したあとの販売手法が確立されており、これに「大手の金看板」が加わることによって、中小不動産仲介会社に依頼するより高値で売却できたケースも多かったと思います。

失われつつある大手の販売力

 では、最近の大手不動産仲介会社はどうかというと、残念ながら、以前のような販売力は失われつつあると私は感じています。

 以前の大手不動産仲介会社は、多くの駅前に営業店を展開し、それぞれの地元の不動産事情に精通していました。

 しかし、最近ではそれら営業店を統合し、ターミナル駅などの主要駅近くにオシャレな内装の空中店舗(2階以上に出店している店舗)型の大規模支店を設置する大手不動産仲介会社が増えてきています。

 主要駅の近くから広域エリアをカバーするため、だんだんと地元の不動産事情にも疎くなり、今まで実施していたようなきめ細かい宣伝活動・販売手法は実施困難となっているように感じます。

 そのため、主要駅以外から離れた地域の不動産を売却する場合、必ずしも大手のほうが高く売ってくれるとは限らないでしょう。

「買取」ばかりすすめてくる大手の営業担当に注意する

大手不動産仲介会社の注意点とは
買取業者に不動産を売却すると損をすることもある(出所:PIXTA)

 では、大規模支店に集約された営業担当者はどのような営業活動を行っているのでしょうか。

 ある大手不動産仲介会社の営業は、不動産一括査定サイトから問い合わせがあった物件を、懇意にしている不動産買取業者に紹介し、その業者が提示した「買取金額」をそのまま売主に「査定金額」として提示しているようです。
※不動産買取業者とは、売主から不動産を直接買い取り、より高値で売却し利益を得る業者のこと。

 そして、「大手の金看板」で売主を説得することができたら、買取業者による買取契約へ移行します。この契約により、売主と買取業者から仲介手数料を頂戴したあと、買取業者が再度、当該物件を販売する際には、販売を任せてもらうこと(売り返しと言います)により、再販の契約でも買取業者と買主から仲介手数料をもらう事になります。

 つまり、1つの物件で2回契約することができ、不動産仲介会社は潤うことになります。これでは、安い買取金額で不動産を売却することになった売主は損をしてしまうので、たまったものではありませんね。

 もちろん、所有不動産の早期現金化を希望しておられる方には、不動産買取の提案は当然ですが、売り急いでいない方にまで買取をおすすめするのは、やや誠実さに欠けると私は考えます。

【関連記事はこちら】>>不動産を「買取」で売るメリット・デメリットとは? 

 したがって、大手不動産仲介会社の提示してきた査定価格だからといって、鵜呑みにしてはいけないということです。

 大手不動産仲介会社に売却を依頼する時は、「物件から少し離れた距離からやってきた、業者による買取ばかりすすめてくる営業担当者」にはくれぐれもご注意ください。これが、大手不動産仲介会社に売却を依頼する時の注意すべきポイントです。

 ただし、すべての大手不動産仲介会社が買取業者をすすめてくるわけではないということも付け加えておきます。

【関連記事はこちら】>>家の査定価格が高くても、鵜呑みにするな!? 不動産会社は契約獲得へ高値“連発”するので複数業者で査定して相場を知ろう! 

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<不動産売却の基礎知識>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産仲介会社に査定をしてもらうのがいい

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を一度入力すれば、複数社から査定してもらうことができる。査定額を比較できるので、不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

↓おすすめ不動産一括査定サイトはこちら↓
◆SUUMO(スーモ)売却査定
特徴 圧倒的な知名度を誇るSUUMOによる一括査定サービス
・主要大手不動産会社から地元に強い不動産会社まで2000社以上が登録
対応物件 マンション、戸建て、土地
紹介会社数 10社(主要一括査定サイトで最多)※査定可能会社数は物件所在地によって異なります
運営会社 株式会社リクルート住まいカンパニー(東証プライム子会社)
>>SUUMO(スーモ)の詳細記事はこちら
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◆HOME4U(ホームフォーユー)
特徴 悪質な不動産会社はパトロールにより排除している
・20年以上の運営歴があり信頼性が高い
・1800社の登録会社から最大6社の査定が無料で受け取れる
対応物件 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
紹介会社数 最大6社
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証プライム子会社)
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◆マンションナビ
特徴

マンションの売却に特化
900社以上の不動産会社と提携

対応物件 マンション
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
運営会社 マンションリサーチ
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◆いえカツLIFE
特徴

・対応可能な不動産の種類がトップクラス

共有持ち分でも相談可能
訳あり物件(再建築不可物件、借地権、底地権など)の査定も対応

対応物件 分譲マンション、一戸建て、土地、一棟アパート・マンション・ビル、投資マンション、区分所有ビル(1室)、店舗、工場、倉庫、農地、再建築不可物件、借地権、底地権
紹介会社数 最大6社(売買2社、買取2社、リースバック2社)
運営会社 サムライ・アドウェイズ(上場子会社)
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◆ズバット不動産売却
特徴 厳選した不動産会社のみと提携
比較サイト運営歴20年以上の会社が運営
・情報セキュリティマネジメントシステムの国際認証基準である「ISO27001」の認証を取得しており安心感あり
対応物件 マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟ビル
紹介会社数 最大6社
運営会社 ウェブクルー
ズバット不動産売却無料査定はこちら >>
◆イエウール
特徴

掲載企業一覧を掲載、各社のアピールポイントも閲覧可能
2000社以上の不動産会社と提携
・対応可能な不動産の種類が多い

対応物件 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
紹介会社数 最大6社
運営会社 Speee
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◆LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)
特徴

日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営
2400社以上の不動産会社と提携
匿名査定も可能で安心

対応物件 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
紹介会社数 最大6社
運営会社 LIFULL(東証プライム)
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一括査定サイトと合わせて
利用したい査定サイト

◆ソニーグループの「SRE不動産」売却査定
特徴 ・両手仲介・囲い込みを行わない
・上場企業のソニーグループが運営
・売却専門の担当者がマンツーマンで高値売却を追求
対応物件 マンション、戸建て、土地(建物付きを含む)、収益用不動産
対応エリア 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県
運営会社 SREホールディングス株式会社(ソニーグループ)
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