マンションを早く売ろうとするのは危険!? あと100万円高く売るために売主が抑えておきたい基礎知識書籍『マンション売却の錬金術』<第1回>

【第1回】2026年1月19日公開(2026年1月19日更新)
高田一洋:一心エステート株式会社代表取締役CEO

売却の進め方を少し変えるだけで、マンションはあと100万円高く売れる可能性があるという。売却価格を上げるのに必要な考え方や行動とは?これまで2000件以上の売却に携わってきた著者が「高く、気持ちよく売るための知恵」を伝授。第1回は、売主が知っておくべき不動産仲介会社の仕組みや販売価格の基本的な考え方について解説する。【一心エステート株式会社代表取締役 高田一洋 著:書籍『マンション売却の錬金術「マンションを売りたいと思ったら1番最初に読む本」』(ぱる出版)から一部転載】

マンション売却時に売主が気を付けるべきことは
マンションを少しでも高く売るためには?(出所:PIXTA)

「マンション売りませんか」チラシの落とし穴

 もし、分譲マンションに住んでいる方なら、「あなたのマンションを購入したい人がいます」「あなたのマンション、高く買います」と書かれたチラシをポストでよく見かけると思います。目にするたびに「もしかして、今が売り時なのか」と気になってしまう方も多いのではないでしょうか。  

 戸建ても同様のポスティングが大量に入りますね。しかし、そうした広告に安易に反応するのは危険です。この手のフレーズは、実際に高値で買い取る意図はなく、不動産会社が「売却相談」を引き出すための撒き餌(フック)として使われていることが99%です。つまり、広告の目的は「あなたの物件を買いたい」ではなく、「あなたとコンタクトを取りたい」というものです。

不動産会社のビジネスモデルを理解する

 中古マンションを扱う不動産会社の主な収益源は、次の2つです。

仲介手数料
売買契約が成立した際に受け取る成功報酬のことで、法律で上限が定められており、最大で「売買価格の3%+6万円+消費税」となっています。たとえば1億円の物件を仲介した場合、仲介手数料は約300万円。これを売主と買主の両方から得られれば、1件で約600万円の収入となります。
売却益(転売利益)
不動産会社が物件を買い取り、リフォーム等を施行して、利益を上乗せして販売することで得られる利益です。購入価格と再販売価格の差額が収益になります。さらに、自社で物件を買い取って転売する場合、購入価格を抑えて再販売することで、より大きな利益を得ることができます。

 不動産会社としては「できるだけ短期間で、数多くの物件を成約させたい」と考えるのが自然の流れです。これが不動産仲介ビジネスの仕組みであり、隠された本音でもあります。

「早く売ること」が、なぜ危険なのか?

 不動産会社は「売主様のために」と口では言いながらも、実際には自社の利益を優先し、査定価格を低めに設定して早期に買主を見つけたいと考えているケースが少なくありません。

 「高く売れますよ」というセールストークで媒介契約を取り、しばらく経った後に「問い合わせが少ないので価格を下げましょう」と提案される。こうした流れは、不動産売却の現場ではよく見られます。

 課題は、販売価格が多少下がっても、不動産会社にとっては大きな痛手にならないという点です。

 たとえば、1億円で売れるはずのマンションを、不動産会社が効率重視で7000万円で早期に売却したとしましょう。売主様にとっては3000万円もの差が生じますが、不動産会社の仲介手数料の差額は、1億円で約300万円、7000万円で約210万円と、わずか90万円にすぎません。

 1件に時間をかけて1億円で売るよりも、7000万円で複数件を短期間で成約させるほうが、結果的に利益が大きくなる構造になっているのです。さらに、物件を長く販売活動すれば、広告費や人件費、コミュニケーションコストが発生します。

 不動産会社から見れば、「早く売って次の案件に進む」ことが利益最大化につながるため、“高値でじっくり売る”という姿勢は取りづらいのが現実です。

売主が気をつけるべき視点

 「早く売れるなら助かる」と考える方もいるかもしれません。しかし、「早く売れる価格」と「本来の価値に見合った価格」は、必ずしも同じではありません。

 本当に高く売るためには、相場を見極め、買い手の属性を想定し、物件の見せ方や販促方法に工夫を凝らす必要があります。派手な広告コピーに期待を抱くのではなく、「なぜその価格なのか」「誰に売るのか」「どうアピールするのか」といった販売戦略を明確に説明できる営業担当者を選ぶことが、納得のいく売却結果につながる第一歩です。

あと100万円高く売るには、選択がすべて

 今のマンション市場は、価格が高い水準で推移しており、しばらくは上昇傾向が続くという見方もあります。一方で、買い手側も情報を集めて学びながら、より良い選択をしようとする姿勢が強まっています。

 そのため、売主側の工夫や戦略次第で、売却価格や売却スピードに大きな差が生まれる時代になっています。安易に広告に乗らず、「あと100万円高く売る」ために必要なのは、冷静な視点と、信頼できるパートナーを選ぶ力です。情報の見極め方ひとつで、売却の成果は大きく変わってきます。

マンションの販売価格は、売主が決められる

マンションの販売価格は売主が決められる
不動産会社が出した査定価格の本質を知っておく(出所:PIXTA)

 マンションを売却しようとすると、多くの方が最初に不動産会社に「いくらで売れそうですか?」と尋ねます。そして提示された査定価格を見て、そのまま販売価格として設定してしまうケースが少なくありません。

 しかし、実際のところマンションの売出価格は、売主が自由に決めていいのです。不動産会社の査定は、あくまでも参考意見に過ぎません。販売価格の最終的な決定権は、常に売主にあります。

査定価格は、”すぐに売れるであろう”価格

 不動産会社が提示する査定価格は、主に過去の成約事例や周辺の相場データをもとに算出されています。もちろん、ひとつの参考にはなりますが、そこに戦略的な売り方の視点は含まれていないことが多いのです。特に、売却を急いでいないにもかかわらず、「早く売れる価格」での査定が出されることは珍しくありません。理由は前節で説明した通り、仲介会社としては成約率が高いほうが利益効率が良いためです。

 つまり、不動産会社の出す査定価格は、「すぐに売れるであろう価格」であって、「本当に高く売るための価格」ではないということを理解しておく必要があります。

価格の自由と売れ残りリスクのバランスを考える

 売出価格を高く設定すること自体は可能です。実際に、少し高めに出してから反響を見て調整していく方法がよく使われています。とはいえ、あまりに相場とかけ離れた価格にしてしまうと、問い合わせがまったく入らず、結果的に売れ残り物件という印象を持たれてしまうリスクがあります。

 そのため、価格を決める際には、単なる希望額ではなく「売却戦略の一環」として慎重に設計することが重要です。たとえば次のような観点から、価格を調整していくアプローチが有効です。

・類似物件との比較(駅距離、築年数、眺望、設備など)
・想定購入者となる買い手の予算帯
・売却期間の希望(時間がかけられるかどうか)
・マーケット動向、需給バランスの分析

「選ばれる物件」にするために

 マンション売却では、単に価格を設定するだけでなく、その価格に見合った「魅せ方」や「情報発信」も重要です。たとえば、同じ3LDKのマンションでも、写真や紹介文、内見時の演出次第で、まったく異なる印象を持たれることがあります。

 価格とは、その物件に対する期待値でもあります。「この価格なら納得できる」と思ってもらえるように、物件の魅力を最大限に伝える工夫が必要です。

 価格は単なる値札ではありません。買い手に「この物件にはこれだけの価値がある」と感じてもらうための、重要なメッセージでもあります。つまり、価格は物件の魅力や売主の意図を最初に伝える入り口なのです。

売出価格は、自分の未来をつくる「意思表示」

 マンションの価格を決めることは、単なる数字の問題ではありません。「どういう売り方をしたいのか」「どんな人に住んでほしいのか」「次の暮らしをどう設計したいのか」といった、売主自身の意思と深く関わっています。だからこそ、不動産会社の査定に丸投げするのではなく、自分自身の言葉で「いくらで売りたいのか」を考えることが大切です。

 「あと100万円高く売る」ために必要なのは、査定を鵜呑みにせず、適切な情報と戦略で自ら価格を設計する意識です。価格を自分で決めるということは、自分の人生を自分でデザインするということでもあります。

不動産売却における「相場」とは何なのか

 マンションを売ろうと考えたとき、多くの人が最初に感じるのが「この物件、いくらで売れるんだろう?」という疑問です。初めての不動産売却の方がほとんどですから、相場観がないのは当然といえます。

 しかし、「相場がわからない」まま売却を進めるのは大きなリスクです。正しい情報を持たずに、ネット上の価格情報を断片的に見て判断したりすると、知らないうちに誤った判断をしてしまうことがあります。

相場=「過去の売買実績」ではない 

 不動産ポータルサイトには、似たようなマンションの売出価格が数多く掲載されています。それらを見て「このくらいが相場かな」と思う方もいるかもしれません。

 ですが、掲載されているのはあくまでも「売出価格」であって「実際に成約された価格」ではありません。さらに、階数・方角・リフォームの有無・設備グレードなど、同じマンションでも条件が大きく異なるため、単純比較はできません。

 本当に大切なのは、「売れる価格帯の幅」をつかむことです。マンション価格は、時期・需要・販売戦略によっても変わります。つまり、相場とは「ひとつの正解」ではなく、「売れるゾーンを把握する感覚」だと理解しましょう。

不動産会社によって見立ては異なる 

 相場を把握するうえで注意したいのが、不動産会社ごとに査定額が異なるのは当たり前だということです。同じ物件でも「強気に出しましょう」と提案する会社もあれば、「この価格ならすぐ決まります」と控えめな数字を出す会社もあります。

 この差は、単なる予測の違いではなく、「どのように売るか」という戦略の違いでもあります 。不動産会社は、それぞれの販売力・マーケティング手法・担当者の経験によって想定する売り方が異なるからです。

 最近では、「レインズマーケットインフォメーション」「不動産情報ライブラリ」「不動産価格指数」など、一般の人でも参照できる公的データベースも登場しています。ただし、これらは読み解く力がなければ判断を誤るリスクもあります。

 また、不動産事業者しか利用できないデータベース(レインズ)には、過去の実際の成約価格や条件が詳しく記録されており、査定の精度に大きく影響します。売却相談をする際には、こうした事業者向けデータも含めて、情報をしっかり開示してくれるかどうかを確認することが大切です。

 私の会社では、こうした相場情報や実績データをすべて活用したうえで、「この価格帯であれば、3カ月以内に売れる可能性が高い」といった具体的なシナリオを提示しています。これは、お客様が納得して売却を進めるうえで非常に有効な判断材料になります。

売れる可能性の高い価格を見極める

 相場観を持つというのは、「どの価格が正しいか」を知ることではなく、「どの価格なら売れる可能性が高いか」を見極めることです 。 たとえば、8000万円で売りに出せばすぐに売れるが、9000万円なら売れるまでに時間がかかる。この違いを把握したうえで、「自分はどんな売り方をしたいか」を考える必要があります。

 価格設定とは、情報収集・比較・仮説・修正の繰り返しです。プロの意見を参考にしつつ、最終的には自分の判断軸を持つこと。これが「損をしない売却」の第一歩となります 。

マンション売却の錬金術「マンションを売りたいと思ったら最初に読む本」
(高田一洋 著・ぱる出版)
マンション売却

多くの人が当たり前と思っている売却の進め方をほんの少し変えるだけで、マンションはあと100万円高く売れる可能性がある。大がかりなリフォームをせずとも、適切な情報と戦略で価格を設計する方法とは。

2000件以上のマンション売却に携わってきた著者が、売却価格を大きく変えるポイント「物件の印象を整えること」「不動産会社と担当者の選び方」「値付けの考え方」を通して、”高く、気持ちよく売るための知恵”を伝授する。

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おすすめ不動産会社

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対応物件 マンション、戸建て、土地(建物付きを含む)、収益用不動産
対応エリア 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、京都府
運営会社 SREホールディングス株式会社
>>SREリアルティの詳細記事はこちら
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※不動産一括査定サイトとは、売却したい不動産の情報と個人情報を入力すれば、無料で複数社に査定依頼ができます。査定額を比較できるので売却相場が分かり、きちんと売却してくれる不動産会社を見つけやすくなる便利なサービスです。

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>>SUUMO(スーモ)の詳細記事はこちら

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対応物件 マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟アパート、一棟ビル
対応エリア 北海道、宮城、東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、愛知、岐阜、三重、大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、和歌山、岡山、広島、福岡、佐賀
運営会社 大手不動産会社6社(東急不動産、住友不動産ステップ、三井のリハウス、三菱地所の住まいリレー、野村の仲介+、小田急不動産)
>>すまいvalueの詳細記事はこちら
◆マンションナビ
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特徴

マンションの売却に特化
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2500社の不動産会社と提携

対応物件 マンション
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
運営会社 マンションリサーチ
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HOME4U
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特徴 悪質な不動産会社はパトロールにより排除している
・20年以上の運営歴があり信頼性が高い
・2500社の登録会社から最大6社の査定が無料で受け取れる
対応物件 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
紹介会社数 最大6社
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証プライム子会社)
>>HOME4Uの詳細記事はこちら
◆リビンマッチ
特徴

・マンション、戸建、土地のほか、工場、倉庫、農地の査定にも対応可能

1700社の不動産会社と提携

対応物件 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫
紹介会社数 最大6社(売却6社、賃貸、買取)
運営会社 リビン・テクノロジーズ(東証グロース上場企業)

◆いえカツLIFE
いえカツLIFE
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特徴

・対応可能な不動産の種類がトップクラス
共有持ち分でも相談可能
訳あり物件(再建築不可物件、借地権、底地権など)の査定も対応可能

対応物件 分譲マンション、一戸建て、土地、一棟アパート・マンション・ビル、投資マンション、区分所有ビル(1室)、店舗、工場、倉庫、農地、再建築不可物件、借地権、底地権
紹介会社数 最大6社(売買2社、買取2社、リースバック2社)
運営会社 サムライ・アドウェイズ(上場子会社)
>>いえカツLIFEの詳細記事はこちら
◆おうちクラベル
おうちクラベル
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特徴

・AI査定で、査定依頼後すぐに結果が分かる
・SREホールディングスが運営する一括査定サイト

対応物件 マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟アパート
紹介会社数 最大15社
運営会社 SREホールディングス株式会社(東証プライム上場企業)
>>おうちクラベルの詳細記事はこちら
◆イエウール
イエウール
 無料査定はこちら >>
 
特徴

掲載企業一覧を掲載、各社のアピールポイントも閲覧可能
2000社以上の不動産会社と提携
・対応可能な不動産の種類が多い

対応物件 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
紹介会社数 最大6社
運営会社 Speee
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◆LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)
LIFULL HOME'S
 無料査定はこちら >>
 
特徴

日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営
4700社以上の不動産会社と提携
匿名査定も可能で安心

対応物件 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
紹介会社数 最大6社
運営会社 LIFULL(東証プライム)
>>LIFULL HOME'Sの詳細記事はこちら

 

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6 6 6 6 6 6 6 6 6 10 7 6
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