1000万円以上高く売れるマンションには共通点がある?! 売却活動や物件選びのポイントをプロが解説!

2024年1月25日公開(2024年1月24日更新)
高田一洋:一心エステート株式会社代表取締役CEO

住み替えなどでマンションを売却する際、物件によっては1000万円以上の売却益を得ることは可能です。実際に住んでいたマンションを売却して1000万円以上の売却益を得た経験のある筆者が、売却時のポイントを解説しましょう。また、今から買って高値売却を狙える注目エリアも紹介します。(一心エステート株式会社代表取締役:高田一洋)

売却価格が購入時と横ばいなら、家賃換算で1000万円もうけることは可能

売却価格と購入価格が横ばいなら家賃分の得をしたと考えることができる
売却価格と購入価格が横ばいなら家賃分の得をしたと考えることができる(出所:PIXTA)

 住んでいるマンションを売却することでもうけが出る。ましてやそれが1000万円以上となると、住み替え先の選択肢や将来の資金計画などに大きなプラスになるでしょう。

 ”1000万円もうかる”という意味をどう捉えるかによりますが、首都圏のマンションにおいては、物件選びを間違えなければ、1000万円もうけることは十分に可能であると考えます。

 たとえば、都内で5000万円のマンションを購入して10年住み、価格が横ばいの5000万円で売却できたケースを考えてみましょう。

 この物件を利回り3%の賃貸物件だとした場合、月々の家賃は12万5000円です。10年住めば1500万円の家賃を支払わなければなりません。しかし実際は、5000万円で購入して5000万円で売却できているので、賃料はかからなかったことになります。

 物件の購入と売却にかかる費用は物件価格の10%が相場ですから、たとえ500万円の経費がかかったとしても、差し引き1000万円の賃料分、得したと考えることができるでしょう(実際の賃料はもう少し高いはずなので、差額はもっと大きくなるはずです)。

 つまり、購入したときと売却するときの価格が横ばいであれば、住んでいる期間の賃料分がかからないため、総じて得をしたと考えることができるのです。

 後述するエリア選びや物件選びを指針とすれば、間違いなくこの条件はクリアできるでしょう。

1000万円以上の売却益を狙えるマンション選びのポイント

 家賃換算ではなく、マンションを売却することで購入時よりも1000万円以上高く売る(もうける)ことは可能なのでしょうか。

 不動産売買において1000万円以上を実利でもうけるとなると、そうそう簡単なことではありません――。と、いいながら、実は私自身が自宅のマンション売却で1000万円以上の売却益を出しています。

 私が2023年に売却した「パークタワー新川崎」は、新築時に約5800万円で購入したタワーマンションです。6年住み、約7700万円で売却することができました。実に1900万円以上の利益が出ています。

 その前に住んでいた「パークハウス川崎」も、新築時に約4600万円で購入し、5年半後に約5500万円で売れ、900万円の利益がありました。

 この2つのマンションともに新築で購入し、売却するときは当然ながら中古マンションだったにもかかわらず、しっかりと”売却益(もうけ)”を出すことができました。そのポイントとはどういったものなのでしょうか。

マンション価値は立地で決まる

 マンションの資産価値において、もっとも重要な要素は立地です。マンションの資産価値を決める7~8割は立地と考えて間違いありません。

 まず、駅から徒歩で何分なのか。私のケースでは、「パークタワー新川崎」がJR横須賀線の新川崎駅とJR南武線の鹿島田駅から徒歩3分、「パークハウス川崎」が川崎駅から徒歩7分と、いずれも最寄り駅から徒歩10分以内の物件でした。

 同じことを何度も言いますが、駅から徒歩10分以内というのは、リセールを考えるのであればマストの条件です。

 そのうえで、どの地域を選べばよいのか。2023年12月に不動産ポータルサイト「HOME'S」が発表した「10年前の新築マンション価格変動率ランキング」調査によると、10年前の新築マンション平均価格と現在の築10年の中古マンションを比較したところ、60㎡換算価格で23区全体で146.8%上昇していました。

 もっとも上昇している区は「目黒区」で、10年前の新築が4,606万円、現在の築10年のマンションが1億187万円と、価格上昇率は221.2%、10年で価格が2倍以上になっています。

 区別にみてみれば、23区の中でも南西エリアの価格が上がっているようですが、同調査の駅別の結果を見てみると、「清澄白河(江東区)」165.5%、「新小岩(葛飾区)」145.2%、「錦糸町(墨田区)」134.4%、「北綾瀬(足立区)」128.4%といった都内の東側にある下町エリアも価格が上昇していることがわかります。

 この10年の間、日銀の金融政策や消費税増税といったトピックスのたびに、マンションジャーナリストや不動産専門家たちが、「都内のマンション価格は頭打ち」「タワマンの暴落がはじまる」と主張しましたが、事実として、価格は上昇し続けています。

 少子高齢化などで徐々に住宅需要が下がりつつある日本において、今後もマンション価格が上がり続けるという保証はありません。

 ただ、あくまでも肌感覚にはなりますが、向こう5~10年という単位で考えれば価格の暴落は考えにくく、上昇するエリアはまだまだあると思われます。

今後の価格上昇が狙える都内の注目エリアは?

 では具体的に、今後、価格が上昇するエリアはどこなのでしょうか。正直、それがわかれば今ごろ私は億万長者になっているはずです(笑)。それほど不動産やマンションの価格を予測するのは難しいのです。

 そのうえで、価格が上昇するエリアにはいくつかの共通点があると考えています。

人が集まるエリア

 まずは「人が集まるエリア」です。商業施設や大規模な開発が行われ、人が集まる計画のある場所は、公共の交通インフラなども強化されるため、不動産価格が上昇すると考えていいでしょう。

 最近であれば、注目は築地エリアです。2023年、築地市場跡地の開発として、三井不動産をはじめとした企業連合が事業案を提出したことが報道されました。三井不動産は2021年に東京ドームを買収しています。

築地市場跡地の様子(出所:PIXTA)

 今回の築地開発には、読売新聞グループ本社が参加し、スタジアム建設も事業案に含まれていることから、読売ジャイアンツの本拠地移転の可能性もあります。そうなれば、築地エリア一帯に集まる人が増えるため、不動産価格は大きく上昇するでしょう。

 そうなれば、現在、東京ドームのある水道橋や後楽園エリアも次は何に開発されるのかは未定ですが、注目エリアと考えてよいでしょう。大きな開発や事業計画が予定されているエリアは、大きく不動産価格が上昇する可能性が高いです。

工場や商業施設の跡地が駅近にあるエリア

 また、大規模開発を行うには、そのための土地が必要となるため、工場や商業施設の跡地が駅近にある地域もポイントかもしれません。

 現在は駅周辺にタワマンが立ち並び、人気エリアとなっている武蔵小杉の駅周辺も、もともとは東京機械製作所やNEC、不二サッシの工場などの跡地でした。

 大前提として、ある程度主要な駅ということが条件ですが、跡地が開発され盛り上がりつつあるエリアとしては、船橋駅や武蔵浦和駅周辺などが思い浮かびます。

 船橋駅南側にある西武船橋店跡地に51階建てマンションが開発される予定であること、武蔵浦和駅すぐの家電量販店跡地に野村不動産の「プラウドシティ武蔵浦和ステーションアリーナ」が建設される計画などは、周辺のマンション価格にも影響を与える可能性が高いでしょう。

マンションの価値を上げる競合優位性

 マンションの立地が決まれば、いかにそのマンションの競合や比較が少なくなるかどうか、競合優勢がどれほど高いのかに注目しましょう。希少性の高い物件を探すということです(立地が良いということが最大の希少性です)。

 リセールで約1900万円の利益を出した「パークタワー新川崎」なら、地上47階建てのタワーマンションであることや充実した共用スペースやゲストルームといったサービスに加え、なによりも新川崎駅と鹿島田駅の2駅に直結するペデストリアンデッキがあることが、周辺エリアだけでなく、関東一円を見ても数が少ない希少な物件でした。

 「パークハウス川崎」は川崎駅の西側に立地していたことが大きな優位性となっています。以前の記事でも紹介しましたが、川崎駅の西側には大型商業施設「ラゾーナ川崎プラザ」があります。また、駅東側と比べて治安が良いため、同スペックのマンションであれば、西側の方が1.3倍程度価格が高い傾向にあります。

 つまり、川崎駅周辺で治安が良く、買い物環境も整っているエリアに住みたい方にとっては、ニーズの高い物件となりました。このように、地域やエリアごとの競合優位性を考えて物件選びをしましょう。

 たとえば、東京都中央区日本橋から浜町あたりのエリアは、3LDK需要が圧倒的に高いエリアなのですが、供給数が少ないため需要が高まっています。3LDKの物件が多いエリアでは、4LDK物件を探すなどで優位性の高い物件を探してみましょう。

 その街の傾向は、一朝一夕で把握・理解することは難しいかもしれませんが、不動産ポータルサイトで条件を絞って検索したり、不動産会社へ問い合わせたりするなかで、時間をかけて培っていく必要があります。

マンションを高く売るための売却活動3つのポイント

 物件選びだけでなく、マンションの売却活動の際にも、ポイントがあります。

 掃除をしてきれいな状態を保つ、購入検討者の内覧にはスケジュールを調整して必ず対応するといったものは、あらゆるWebコラムや書籍などで紹介されているので割愛しますが、私がこれまで取引をしてきたなかで、特に感じた要点を紹介します。

1、売却は1年前から計画し、ハイシーズンを狙って売却する

 マンションの売却は、検討段階から物件引き渡し、売買代金の受け取りまでに、おおむね6カ月から8カ月程度の時間を要します。それまでに、依頼する不動産会社を選んだり、物件をきれいにしたりと、さまざまな準備が必要となります。そのため、売却を急いでしまったがために足元を見られ、値引きに応じるといった事態を避けるためにも、1年前から計画することをおすすめします。

 また、ハイシーズンと呼ばれる1月~4月の間に売却した方が高値になる可能性が高まります。

 不動産の売買は、賃貸と比べて年間を通して取引件数に浮き沈みが少ないと言われていますが、物件への問い合わせ件数や反響数は1月~4月が多いです。つまりマンションの売却を検討するのであれば、翌年の1月~4月の間での売却を見越して、前年の4月までには売却準備を始めるようにしましょう。

2、自身でマンションの価格査定をする

 私が売却のお手伝いをする際、必ずお客様自身でマンションの価格査定を行っていただくことにしています。マンションの査定は比較的簡単です。周辺の成約坪単価を自分のマンションの広さに当てはめるだけです。過去の成約事例は不動産会社が持っていますし、不動産ポータルサイトから周辺で売りに出されているマンションの価格を参考にしてみましょう。

 自分で電卓をたたいて、査定した価格を基準として知っておく。そうすれば、売却の委任契約を取りたい不動産会社が相場からかけ離れた査定をし、高値つかみをしてきたとしても、きちんと違和感を持って判断することができます。不動産会社との折衝で、言いくるめられないように対策しておくこと、予防線を張っておくことは重要です。

【関連記事】>>不動産の売却相場を自分で調べる方法は? 簡単な調べ方、マンションと一戸建てで異なる計算方法も解説!

3、複数の不動産会社に査定や売却を依頼する

 やはり、複数の不動産会社に査定や売却を依頼することは重要です。ただし、複数に依頼をして価格を比較するわけではありません。価格は自分で査定して把握していますから、あとは複数社に依頼してどの営業担当が力を持っているのかを見て選びましょう。

 デキる営業担当を見極めるポイント、私は信頼関係構築がすべてだと思っています。ヒアリングをせず、いきなり査定書を出す。商談の場ですぐパソコンを開くといった行動は要注意かと思います。

 きちんと会社・自己紹介をして、丁寧にヒアリングし、そのうえで価格や提案をしてくれる。一見当たり前のことですが、これがなかなか難しいのです。当たり前のことを当たり前にできる営業担当であれば信頼できるでしょう。

【関連記事】>>マンションを賢く住み替える秘訣とは? 「リセール指数」が高い物件で高値売却を狙おう!

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1800以上 2500 不明 2300以上 3691以上 1700以上 不明 600以上
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6 9 6 6 6 6 6 6 最寄りの店舗
主な対応物件 マンション、戸建て、土地 マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地など マンション、戸建て、土地
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