築古マンションは本当に売れにくいのか? 周辺環境やメンテナンス次第で価格が100万円変わる場合も!書籍『マンション売却の錬金術』<第2回>

【第2回】2026年1月21日公開(2026年1月21日更新)
高田一洋:一心エステート株式会社代表取締役CEO

売却の進め方を少し変えるだけで、マンションはあと100万円高く売れる可能性がある。これまで2000件以上の売却に携わってきた著者が、売却価格を上げるのに必要な考え方や行動を解説する。シリーズ第2回は、築古マンションの売却や大がかりなリフォームせずに売れやすくする方法、住み替えの進め方などについてお伝えする。【一心エステート株式会社代表取締役 高田一洋 著:書籍『マンション売却の錬金術「マンションを売りたいと思ったら1番最初に読む本」』(ぱる出版)から一部転載】

【第1回はこちら】>>マンションを早く売ろうとするのは危険!? あと100万円高く売るために売主が抑えておきたい基礎知識

「築古マンションだから売れにくい」は誤解?

マンション売却
築年数と売れやすさはどう関係しているのか(出所:PIXTA)

 マンションを売却する際、「築年数が古いから売れにくいのでは」と不安に感じる方が多いと思います。確かに、築浅の物件に比べると経年劣化が目立ちやすくなるのは事実ですが、築年数=価値の低下という単純な話ではありません。

 実際には、使用状況や管理状態、リフォーム・リノベーションの有無によって「古さ」の印象は大きく変わります。築年数が経過していても、好条件の立地や丁寧な維持管理がされていれば、資産価値は十分に保たれ、高い売却価格を実現することも可能です。

構造上の寿命は思ったより長い

 日本のマンションは、鉄筋コンクリート造(RC造)で建てられており、耐震性・耐久性に優れています 。木造の一戸建てと比べて構造的な寿命が長く、国土交通省の資料によると、建物の耐用年数は117年とされています 。

 専門家の中には、適切な維持管理がされれば150年、あるいはコンクリートそのものは200年持つとする見解もあるほどです。(参考:国土交通省「期待耐用年数の導出及び内外装。設備の更新による価値向上について」)

 つまり、「築30年」や「築40年」の物件であっても、適切に管理がなされていれば、まだまだ長く活用できるポテンシャルを持っています。築年数だけを理由に価値を低く見積もるのは、少々もったいない判断かもしれません。

周辺環境とメンテナンスが影響

 築年数に対する印象を左右するのは、何よりも周辺環境と管理状態です。都心部や再開発の進んだエリアでは、築年数が古い物件でも立地の優位性によって高値で売却されます。

 また、外観や共用部の清掃、エントランスの手入れなど、管理組合・管理会社による日々の積み重ねも、購入希望者の印象を大きく左右します。定期的な修繕が行われている物件や、美観が保たれているマンションは、築年数が経っていても安心感を与えやすく、売却時の大きな武器になります。

 さらに個別の住戸に関しては、計画的なリフォーム・リノベーションが「古さ」の印象を一変させる力を持っています。たとえば、水回りの設備交換、壁紙やフローリングの張り替え、間取り変更などを行うことで、購入希望者に新しい生活のイメージを与えることができます。

 特に近年は、「ヴィンテージマンション」や「リノベ向き中古物件」といったカテゴリーに注目が集まっています。あえて「古さ」を活かしながら現代的な設備に刷新することで、競争力を高めることが可能です。

再開発エリアは物件評価が上がる

 周辺環境の変化や、新築マンションの開発による地価の上昇は、古いマンションにとっても追い風になる場合があります。再開発によって注目される駅周辺や、新たに商業施設ができたエリアでは、築年数に関係なく物件の評価が上がる傾向があります。

 このように、物件の価値は築年数だけで決まるものではなく、時流や地域全体の動向によって大きく左右されるのです。

見せ方次第で魅力がアップする

 築年数が進んでいるからといって、最初から価格を下げる必要はありません。むしろ、「築年数をカバーする戦略」が取れているかどうかで、売却価格は大きく変わります。内装の見栄え、管理状態、周辺環境の変化、リフォーム履歴。これらの要素をうまく整え、見せ方を工夫することで、購入希望者にとって魅力的な物件として映るのです。

売却価格は、日々の暮らし方で差が出てくる

 マンションを売却する際、築年数や立地といった条件は確かに重要です。しかしそれ以上に、普段の暮らし方が売却価格に影響を与えることがあります。買主は、物件のスペックだけでなく「ここで暮らすイメージが持てるか」を重視するためです。

 中でも、内見時の第一印象は成約に直結する重要なポイントです。玄関を開けた瞬間に「きれい」「明るい」「住みたい」と思わせられるかどうかで、その後の価格交渉や購入意欲が大きく変わります。たとえ好立地であっても、掃除が行き届いていなかったり、生活感が全面に出ていたりすると、せっかくの印象が台無しになってしまうこともあります。

日々の積み重ねが「価格」に現れる

 長く住んでいると、少しずつ蓄積された汚れや傷みを見過ごしがちです。しかし、初めて訪れる買主の目には、それらがはっきり映ります。

 たとえば、キッチンの油汚れ、浴室のカビ、壁紙の剥がれ、床の傷など。こうしたポイントは「手入れがされていない=価値が低い」という印象を与え、値下げ交渉の材料にされやすくなります。

 一方で、丁寧に使用されてきた物件は、多少築年数が経っていても「このまま住めそう」という安心感を買主に与え、高く評価されます。つまり、売却価格は日々の住み方そのものに大きく左右されるのです。

生活感と清潔感の違いを知る

 内見時、買主が最も気になっていることは、「この空間に自分が住めるかどうか」です。その妨げになるのが、強い生活感や不衛生な印象です。以下のような状態は、物件価値を下げる要因になります。

・コンロや換気扇の油汚れ
・水回りのカビや水アカ
・壁紙のめくれや床の剥がれ
・荷物の多さによる圧迫感
ペットやタバコの臭い

 これらは、売却の直前だけで整えるのが難しいこともあります。だからこそ、日頃からの清掃や整理整頓が将来的な資産価値を保つポイントになるのです

日常的な住まいのケアが重要

日常の掃除でマンション売却額が変わることも
日頃から家をきれいに保つと売却時に有利になる(出所:PIXTA)

 「売る予定はないから」と考える方でも、住まいを資産と捉えて日常的にケアすることは、いざというときの選択肢を広げることに繋がります。

・定期的な掃除の習慣化
・不要な物を持ち込まない(溜め込まない)
・家具で床や壁を傷つけない工夫をする
・換気と消臭の意識を持つ

 こうした日常的な気配りが「大切に使われた家」という印象につながり、購入者の信頼を生みます。

リフォームすればいいわけではない

 内見時の印象によって、数十万円から百万円単位で価格に差が出ることもあります。特にリフォームされていない築年数の経った物件では、「きれいに使われてきた」ことが、リフォーム不要という安心材料になり、価格交渉を抑える効果も期待できます。

 また、「売却前にリフォームしたほうがよいのでは?」と考える方もいますが、必ずしも正解とは限りません。買主が自分好みにリフォームする前提で物件を探している場合、売主のリフォームが無駄になることもあるからです。

 何度も言いますが、重要なのは清潔で丁寧に住まわれてきたことが伝わる状態に整えること。最低限の補修やクリーニングで十分なケースも多く、費用対効果のバランスを見極めることが大切です。

「暮らし方」も資産価値の一部になる時代

 これからの時代、住まいは「暮らしの場」であると同時に「資産」としての側面も強くなります。つまり、どのように住み、どのように手入れをしてきたかが、そのまま物件の価値を決める要素になるのです。

 マンションを「売るつもりで住む」必要はありませんが、いつか売却する可能性を想定しながら、「資産を育てるように暮らす」意識を持っておくことは、人生の選択肢を広げる上でも大切なことです。

住み替えの成否を分ける、売却・引越し・購入の順番とタイミング

売却、購入、引越しのタイミングは悩みどころ
売却、購入、引越しのタイミングは悩みどころでもある(出所:PIXTA)

 私は長年、不動産売却の現場に立ち会う中で、特に都心部では「軽やかに住み替える時代」が始まっていると実感しています。以前は「一生に一度の買い物」として家を持ち、可能なかぎり長く住むのが主流でした。

 しかし今は、家族構成の変化やライフスタイルの進化に応じて、住まいも柔軟に変える時代です。

 そして、この住み替えを成功させるには、戦略的な計画とタイミングの見極めが不可欠です。売却と購入、そして引越しという3つの要素をどう組み合わせ、どこで優先順位をつけるかによって、結果が大きく変わってきます。

売却の準備は1年前からスタートできる

 住み替えは思い立ってすぐできるものではありません。理想を言えば、売却の1年〜9カ月前から情報収集や物件の状態確認、ライフプランの整理などを始めておくと、圧倒的に有利に進められます。

 マンション売却完了にかかる期間は、早くても3カ月はかかります。準備を怠れば、焦って価格を下げざるを得ない事態にもなりかねません。逆に、早めに動いていれば、余裕を持って「売り時」を見極めることができます。

「売り先行」か「買い先行」か

 住み替えでは、「売ってから買う(売り先行)」か「買ってから売る(買い先行)」かの選択が悩みどころです。 売り先行のメリットは、資金計画が立てやすいことです。売却額が確定していれば、無理のない新居購入ができます。ただし、仮住まいが必要になるケースもあり、二度の引越しは大きな負担になります。

 一方、買い先行であれば、理想の住まいをじっくり探せますし、引越しも一回で済みます。ただ、資金計画が不確定になり、ローン審査に影響が出ることもあるので注意が必要です。

 私の経験上、売却物件の魅力に自信がある場合は売り先行、気になる新築・中古物件がある場合は買い先行を検討する事が多いです。とはいえ、現実的には同時に進めることが多くなります。

「同時決済」は理想だけれど・・・

 買い替えの理想は、「同時決済」で売却と購入の決済日を揃えることです。これができれば、仮住まいも無駄なローン負担もなくスムーズに住み替えられます。

 ただし、売主と買主、双方のスケジュールが完璧に合わないと実現できないため、タイミング調整のハードルは高めになります。不動産会社の担当者と綿密にスケジュールを組み、必要であれば一時的な仮住まいも含めたシナリオを複数用意しておくのが賢明です。

ライフプランと資金計画の連携がカギ

 住み替えの判断には、ライフプランと資金のバランスが重要です。家族の成長、子どもの進学、親の介護、リモートワークの有無など、生活の変化を見据えた住まいの選定が欠かせません。

 そして、資金面では売却益、新居購入費、引越し費用、仲介手数料、税金などをすべて把握し、シミュレーションを行うことが大切です。住宅ローンの借り換えや、リフォーム費用の捻出も含めて検討しておく必要があります。

準備が整えば「売却価格」も変わる

 住み替えを有利に進めるには、先述したように現住戸の魅力を最大限に引き出す工夫も欠かせません。室内を整理整頓し、生活感をできるだけ抑える。空室であれば、壁紙の張り替えや水回りの簡易リフォームで印象をアップさせる。こうした工夫によって、売却価格に数百万円以上の差が出ることもあります。

 さらに、売却のタイミングを見極めることも重要です。一般的に、築10年、築20年といった節目で資産価値が落ちやすくなるため、「売るなら今か、それとも数年後か」といった判断が結果を大きく左右します。

 とくに都心部や人気エリアでは、新築マンションの供給や再開発によって周辺の相場が大きく動くことがあります。こうした動きを早めにキャッチできていれば、相場の波に乗って高値で売却するチャンスをつかつかむことも可能です。

信頼できるプロと組んで、段取りよく進める

 最後に何よりも重要なのは、「頼れるパートナーがいるかどうか」です 。私は、不動産売買の経験が豊富で、売主の立場に立って考えてくれるプロと組むことの重要性を何度も実感してきました。 準備・売却・購入・賃貸引越し。このすべてを一気通貫で支えてくれる存在こそが、住み替えの成否を左右する大きな要因になるのです。

マンション売却の錬金術「マンションを売りたいと思ったら最初に読む本」
(高田一洋 著・ぱる出版)
マンション売却

多くの人が当たり前と思っている売却の進め方をほんの少し変えるだけで、マンションはあと100万円高く売れる可能性があるという。大がかりなリフォームをせずとも、適切な情報と戦略で価格を設計する方法とは。

2000件以上のマンション売却に携わってきた著者が、売却価格を大きく変えるポイント「物件の印象を整えること」「不動産会社と担当者の選び方」「値付けの考え方」を通して、”高く、気持ちよく売るための知恵”を伝授する。

【関連記事】>>年収400万円でも都内マンション購入を目指せる!「住み替えロードマップ」の描き方

【関連記事】>>東京都の中古マンション相場と今後の価格推移は?購入・売却の参考に!

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>>HOME4Uの詳細記事はこちら
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おうちクラベル
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対応物件 マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟アパート
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運営会社 SREホールディングス株式会社(東証プライム上場企業)
>>おうちクラベルの詳細記事はこちら
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