広い土地など売りにくい不動産でも、早く売却できる「不動産オークション」を知っておこう!

2018年4月19日公開(2020年6月23日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

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広い土地など「売りにくい不動産」を早期に高値で売却できる手法として、「不動産オークション」が注目を集めている。これまで相続税の支払いなどのため、早期に売却したい人は「不動産買取業者」を活用するしかなかったが、買いたたかれるのがオチだった。不動産オークションであれば、早期の売却でも比較的高値で売却できる可能性がある。

早期の不動産売却は、買取業者が中心だった

 親の家や土地などの不動産を相続したが相続税を支払う現金がないときなど、なるべく早く現金化しなければならないことがある。しかし、「雑居ビル」や「老朽アパート」など収益性が低下した物件や、一軒家を建てるには広すぎる「100坪を超える土地」などは、売却するのが難しい。もし、一般仲介で個人相手に売却しようとしても、期限までに売れない可能性もある。こんなときは不動産買取会社に買い取ってもらうことが多かった。

 不動産買取会社への売却は、一般個人(居住者向け)に売却するのに比べ、決済までの期間が早いのが特長だ。また、買い手の住宅ローンが下りずに契約が流れてしまうということがないのも、一般居住者向け仲介との大きな違いになる。早く、確実に売りたい人にはメリットが多いといえる。
【関連記事はこちら】>>不動産を「買取」で売るメリット・デメリットとは? 仲介との違いから、買取業者の選び方、注意点まで、マンション・戸建ての買取で損しない方法を徹底解説

 一方で、「買い取りならば、一般仲介で売るよりも1〜2割程安くなるのが相場」(都内不動産仲介会社)といい、高値では売却することができないといわれてきた。売却する不動産の規模が大きければ1〜2割の違いも、大きな価格差になる。

「早く、確実に売却できて、なおかつ少しでも価格が高くなる方法はないものか…」。そう思う人には、不動産オークションの手法があることを覚えておいてほしい。まだ一般的ではないが、近年、注目されている手法だ。

 不動産オークションで多数の実績があるコア・リサーチ(東京・渋谷区)の大竹桂一社長は、「本当は一般の居住者より買取再販業者のほうが不動産を買いたい意欲は高い」と、意外な業者側の心理を語る。

 「買取再販業者や建売業者は、物件・土地がなければビジネスになりません。まずは売り物を仕入れなければならないため、売り物件の情報には常に目を光らせているのです」(大竹社長)

 うまくタイミングを掴めれば、相場より高値で売却できるというのだ。不動産オークションの実例をもとに、高値に導く手法を見てみよう。

「高くても買わなければ…」という業者心理を逆手に取る

 不動産オークションの流れは以下のようになっている。

~不動産オークションの流れ~
(1)面談、現地調査の上で売却戦略を決める
(2)候補となる不動産会社に情報提供して、購入希望価格をヒアリングする
(3)(2)をもとにオークション参加企業とスタート価格を決定する
(4)オークション実施
(5)最高金額での落札会社と売却の契約を結ぶ

 では、実際の売却事例を見ていこう。

(1)面談、現地調査の上で売却戦略を決める

 東京都内にある120坪の土地を相続したAさんは、相続税の支払いのため不動産オークションを活用し、売却することにした。

 都内で100坪を超える場合、宅地として売るには大きすぎるため、一般仲介で買い手を探すのは難しいと考えたからだ。

 コア・リサーチではこの時点で、念入りに周辺の市場を調査する。オークションであっても、参加者を絞ることでより早く効率的に売却に繋げるためだ。結果、戸建住宅事業を行う会社ならば高値で買い取ってもらえそうだと判断した。

 不動産事業者といっても様々だ。主に転売をもくろむ不動産買取会社や、主に中古マンションを仕入れてリフォーム後に売却する業者や、土地に戸建て住宅を建てて、建売住宅としての売却をメーンにする業者もある。今回は広めの土地を探している戸建て建築業者に絞った。

(2)候補となる不動産会社に情報提供して、購入希望価格をヒアリングする
(3)(2)をもとにオークション参加企業とスタート価格を決定する

 ターゲットが決まれば、周辺の戸建て住宅事業者をリストアップし、約70社に物件情報を紹介。あわせて、購入希望価格もヒアリングした。希望価格で最も多かったのは5500万円だった。購入意欲の高い会社だけを参加させるため、希望価格が高かった3社に絞ってオークションへ参加してもらうことにした。最多希望価格より少し高い5800万円がスタート価格になった。

(4)オークション実施
(5)最高金額での落札会社と売却の契約を結ぶ

 オークションはすべて参加者しか見られないネット上で入札する。参加する上位3社に特別なアドレスを通知し、専用アカウントから購入金額を入力してもらうのだ。

 開始から順調に入札があり、値段がつり上がっていく。予定時間を過ぎても、最後の5分間に入札があった場合は、さらに5分間、終了時間が延長される。延長戦の結果、6400万円で落札が決まった。予想以上の高値だった。

 落札から1週間後には、正式な決済がおり、売却することができた。

 「Aさんが急いで売却するために不動産買取会社に依頼したら、おそらく5500万、高くとも5800万円で買い取られていたでしょう。それに比べると600万~900万円も高値で売れたことになります」(大竹社長)

 不動産オークションには高値売却の可能性が秘められていることがわかる。

 通常、面談から4カ月ほどで、売却が完了する。また、仲介手数料は、一般的な仲介手数料である「3%+6万円+消費税」のみだ(コア・リサーチは買い手からも手数料をもらっている)。

高く買えそうな会社でオークションする

 なぜ、オークションならば高く売れることが多いのだろうか。

 実は、不動産販業者の営業社員は売り上げ目標と同時に、物件の買入目標を課せられていることが多い。前年の売り上げを超えるためには買い手を探す以前に、買入の数字が前年より上がっていなければならない。そこで「買わなければ」というプレッシャーがかかっているのだという。

 「ノルマがあるため、『今月末までにあと3物件の仕入れが必要』といった事情があれば、相場より高い価格で購入することもあります」(大竹社長)

 そういった不動産会社をオークションで探し出すわけだ。一般居住者と違って多くの取引をする不動産会社は、取引全体でプラスの取引になっていることが重要だ。その分、なかには儲けの薄い取引があっても問題にならないのだという。

 また、売り手にとって納得感が得られやすいというメリットもある。

 「従来の売り方では、値下げ交渉を前提にした売り出し価格が設定されます。必然的に、買い手は早い者勝ちで決まります。売り手には、本当にこの価格で良かったのかわかりづらいし納得感が乏しい。また、買い手がいつ現れるかわからないため、売却の時期が読めないのがストレスになっていました。オークションはまったく逆の考え方で、『高いもの勝ち』で買い手が決まります。こちらのほうが売り手も納得感を得られやすいのでないでしょうか」(大竹社長)。

 メリットの多い不動産オークションだが、取り組む企業は少ない。実は、売却先の不動産会社選定など手間が多いのだという。

 「買い取り意欲を把握するために、日ごろから複数の不動産会社の動向をチェックしておかなければならず、売却手法として取り入れているのは数社しかないのではないか」(大竹社長)

 まだ一般的とは言いがたいが、不動産を売却する手法の一つとして知っておいてもいいだろう。

売りにくい不動産は、オークションの検討も

 以上が、不動産オークションの概要だ。不動産オークションのポイントを振り返っておこう。

(1)小規模ビルや100坪以上の土地など、売りにくい不動産をすぐに現金化する時に有効
(2)不動産買取会社への売却に比べて高値で売却できる可能性がある
(3)早ければ1カ月ほどで売却できる
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<不動産売却の基礎知識>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産仲介会社に査定をしてもらうのがいい。

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を一度すれば、複数社から査定してもらうことができる。査定額を比較できるので、不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

SUUMO(スーモ)売却査定
リクルートのSUUMO(スーモ)でも、無料で一括査定ができる

 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産仲介会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産仲介会社が増加している。

 「大手に頼んでおけば安心」という人も多いが、不動産業界は大手企業であっても、売り手を無視した手数料稼ぎ(これを囲い込みという)に走りがちな企業がある。

 なので、一括査定で複数の不動産仲介会社と接触したら、査定価格ばかりを見るのではなく、「売り手の話を聞いてくれて誠実な対応をしているか」、「価格の根拠をきちんと話せるか」、「売却に向けたシナリオを話せるか」といったポイントをチェックするのがいいだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

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■相場を知るのに、おすすめの「不動産一括査定サイト」はこちら!
◆SUUMO(スーモ)売却査定(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地
掲載する不動産会社数 約2000店舗 不動産一括査定サイト「SUUMO(スーモ)売却査定」の公式サイトはこちら
サービス開始 2009年
運営会社 株式会社リクルート住まいカンパニー(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 不動産サイトとして圧倒的な知名度を誇るSUUMO(スーモ)による、無料の一括査定サービス。主要大手不動産会社から、地元に強い不動産会社まで参加しており、査定額を比較できる。
SUUMO(スーモ)売却査定はこちら
◆HOME4U(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
掲載する不動産会社数 1500社 不動産一括査定サイト「HOME4U」の公式サイトはこちら
サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、日本初の一括査定サービスであり、運営会社はNTTデータグループで安心感がある点提携会社数は競合サイトと比較するとトップではないが、厳選されている。
HOME4U無料査定はこちら
◆イエウール(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1600社以上 不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、掲載する会社数が多く、掲載企業の一覧も掲載しており、各社のアピールポイントなども見られる点。弱点は、サービスを開始してまだ日が浅い点。
イエウール無料査定はこちら
◆LIFULL HOME'S(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 1789社(2019年12月)
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点。弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
LIFULL HOME'S無料査定はこちら
◆イエイ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1000社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、サービス開始から10年以上という実績があるほか、対象となる不動産の種類も多い。「お断り代行」という他社にないサービスもある。弱点は、経営母体の規模が小さいこと。
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◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取扱い物件がマンションしかない点。
マンションナビ無料査定はこちら
◆おうちダイレクト「プロフェッショナル売却」(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟アパート、店舗、事務所
掲載する不動産会社数 9社 おうちダイレクトの一括査定依頼サービス「プロフェッショナル売却」の公式サイトはこちら
サービス開始 2015年
運営会社 ヤフー株式会社、SREホールディングス株式会社(ともに東証一部子会社)
紹介会社数 最大9社
【ポイント】ヤフーとソニーグループが共同運営する一括査定サイト。不動産会社に売却を依頼後も、ヤフーとおうちダイレクトのネットワークを使い、購入希望者への周知をサポートしてくれる。
おうちダイレクトの一括査定依頼サービス「プロフェッショナル売却」はこちら
 
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