「借地」や「底地」を売却・処分するにはどうしたらいい?
~「底地」は、"借地人"に買ってもらうのがベスト~

2018年5月2日公開(2020年6月23日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

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第三者の土地を借りて使っている「借地」、自分の土地を第三者に貸して使わせている「底地」を売却・処分するのは簡単ではない。上手な売却法、処分法を考えてみよう。

「借地」と「底地」は表裏一体の関係

 「借地」とは、土地を借りること、あるいは借りた土地を指す。「借地」では通常、土地の所有者(地主)と契約を結び、借地するための権利(借地権)を取得する。

 一方、「底地」とは借地権が付いた土地のことだ。借地権が付いた土地の所有権のことを「底地権」と呼んだりもする。

 「借地権」と「底地権(借地権が付いた土地の所有権)」は表裏の関係にある。所有権の対象である土地に「借地権」を設定すると、「借地」と「底地」に分かれて、借地人と地主がそれぞれ「借地権」と「底地権」を持つことになる。

 なお、どちらか一方が相手の権利を買収すれば、「借地権」が消滅して所有権の土地となる(借地権に対して抵当権など第三者の権利が付いていれば別)。

・「借地権」+「底地権」=「所有権」

 という式が成り立っているわけだ。

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エリアによって評価額の割合が変わる

 「借地権」と「底地権(借地権付きの土地の所有権)」は、それぞれ別々に相続したり、贈与したりすることができる。

 そこで、相続税や贈与税の計算においては、路線価等に基づく土地の評価額(所有権の評価額)に対して、「借地権」の評価額の割合が30%から90%の範囲でエリアごとに決められている。

 具体的には、地価が安く周辺の土地利用の程度が低いエリアでは、「借地権」の評価額は低い割合に、都心など地価が高く周辺の土地利用が高度に進んでいるエリアでは、「借地権」の評価額は高い割合になる傾向がある。

 また、「底地権」の評価額は、所有権の評価額から借地権の評価額を差し引いたものになる。ここでも、

・「借地権」評価額+「底地権」評価額=「所有権」評価額

 という式が成り立っている。

「借地」や「底地」の買い手は少ない

 しかし、実際の市場での「借地権」や「底地権」の取引価格は、このようなきれいな関係にはならない。

「借地権」や「底地権」には、「所有権」ほど買い手がいない。所有権を「借地権」と「底地権」に分けたとたん、いろいろな点で制約が発生し、敬遠されがちになるのだ。

 「借地権」は確かに、立地の良い土地であっても、比較的安価な地代を払うだけで、ほとんど自分の土地のように使うことができる。また、固定資産税や都市計画税はかからない(底地権者である地主の負担)。

 しかし、逆にいうと地代を払い続けなければならないし、建物の増改築や建て替え、第三者への売却にあたっては地主の承諾が必要で、承諾料も払わなければならない。さらに、地代の値上げや借地契約の更新にあたって、地主とトラブルになることもある。

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「底地権」の買い取りの相場は、所有権価格の10~15%

 もっと不利なのが「底地権」だ。

 「底地権」を持っていても、その土地を使うことはできない。「借地権」を設定するときにまとまったお金(権利金)を受け取ることもあるが、それは一度限り。あとは、借地権者から地代を受け取れる以外、ほとんどメリットがない。

 その地代も借地借家法によって自由に見直せるわけではなく、さらに借地人には法定更新も認められている。定期借地でない限り、借地契約を一方的に解約することは非常に難しい。

 こうして「底地権」は、「借地権」以上に市場で売却することは難しく、個人にしろ法人にしろ、一般の買い手は少ない。「底地」を専門的に買い取る不動産業者もあるが、所有権価格の10~15%程度が多いとされる。

「借地権」と「底地権」は、それぞれの市場価格を足しても所有権の市場価格には遠く及ばないのが一般的なのである。

「底地」は、"借地人"に買ってもらうのがベスト

 このように、資産として制約の多い「借地」や「底地」はどうすればよいのか。

 「借地」についてはそのままでも、土地の利用を続ける上ではさほど支障はない。相続にあたっても、亡くなった人の自宅の敷地であれば「小規模宅地等の特例」が適用され、相続税評価額が最大8割軽減される。

 通常は、そのまま「借地」として使い続けるケースが多い。また、地主の合意をえられれば売却することも可能だ。

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 一方、相続にあたって問題になりやすいのは「底地」のほうだ。

 「底地」についても、事業用ということで「小規模宅地等の特例」が適用され、相続税評価額が最大5割減となる。

 しかし、そもそも「底地」は「借地」以上に市場で買い手を探すのが難しく、市場価格も相続税評価額を大幅に下回るのが一般的だ。専門業者が買い取るとしても、相続税評価額に対して半額以下だろう。まさに「難資産」の典型である。

 そんな底地にも、いくつか処方箋はある。

 ベストなのは、"借地人"に買い取ってもらうことだ。なぜなら、第三者が「底地」を購入してもほとんどメリットがない。それに対し、借地人が「底地」を購入した場合、土地の借地権と底地権(借地権付きの土地の所有権)を取得することで、借地権が消滅して単独での所有権になる。

 そのため、借地権のみより担保価値が上がり、金融機関からの融資も受けやすい。さらに、将来ずっと地代を払ったり、建物の建て替えなどにあたって承諾料を支払うといった面倒がなくなる。

 つまり、借地人には「底地」を買い取ることについて、さまざまなメリットがある。それゆえ、第三者よりも高い価格で購入する可能性があるのだ。

借地人が多ければ、「底地」を高値で売れる可能性も

 ただ、逆に言うと借地人にとっては、地主からの「底地」買取りの申し出はチャンスととらえることができる。他に買い手がいないのであれば、より有利な価格で買い取れるかもしれない。

 実際、「底地」の売却価格(買取価格)は交渉次第だ。「底地」がひとつだけ、借地人も一人だけというケースでは、地主側がやや不利だろう。借地人に買い叩かれる恐れがあるからだ。

 しかし、「底地」をいくつも持っていると地主であれば、立場が逆転する。例えば、相続税の支払いのために必要な分だけ、高く買い取ってくれる借地人から優先して売却することにするのだ。

 「『底地』を買って単独所有の土地にできる」ということは借地人にとっては魅力的である。あまり価格にこだわっていると、他の借地人が先に底地を買ってしまうかもしれない。そこで比較的、有利な条件での売却が可能になるかもしれない(それでも相続税評価額がひとつの目安)。

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「底地」と「借地」の等価交換や、一緒に第三者に売却する方法も

 「底地」が広い場合は、「底地」の一部と借地権の一部を等価交換する方法も考えられる。これは、地主が所有する「底地」の一部と、借地権者が所有する借地権の一部を同額分、交換するものだ。借地人にとっては、「底地」を買い取るための資金を準備する必要がないのもメリットだ。

 こうすることで、それぞれが単独所有の土地を所有することになる。それぞれ単独所有する土地の面積は小さくなるが、自由に利用できる土地が手に入る。そうなれば、「借地」のまま、「底地」のままよりも売却しやすい。

底地と借地の等価交換

 借地人も「借地」を手放したがっている場合は、「借地」と「底地」を一緒に第三者に売却する方法もある。買い手としては、両方を一緒に購入すれば完全な所有権が手に入るわけで、それぞれ別々に売却するよりも高く売れる可能性がある。ただし、それぞれの価格の比率はやはり交渉次第だ。

売却・処分は大変なので、早めに対応を

 最後に、「借地」や「底地」の主な売却・処分の方法をおさらいしよう。

◆「借地」の主な売却・処分方法
・そのまま使い続けるか、地主の同意を得て売却も
・底地と一緒に、第三者に売却、あるいは、等価交換も
◆「底地」の主な売却・処分方法
・借地人に買い取ってもらう
・借地と一緒に、第三者に売却、あるいは、等価交換も

「借地(借地権)」や「底地(底地権)」は、思うようには売れない難資産である。相続等が発生する前に、早めに手を打っておきたい。

 なお、実際に売却する際は、複数の不動産会社に査定を依頼して、しっかりと相場を把握するのがいいだろう。その際、「不動産一括査定サイト」などを活用すると、複数の会社に簡単に査定を依頼できるので便利だ。
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<不動産売却の基礎知識>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産仲介会社に査定をしてもらうのがいい。

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を入力すれば、最大6社程度から査定してもらうことができる。不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産仲介会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産仲介会社が増加している。

 「大手に頼んでおけば安心」という人も多いが、不動産業界は大手企業であっても、売り手を無視した手数料稼ぎ(これを囲い込みという)に走りがちな企業がある。

 なので、一括査定で複数の不動産仲介会社と接触したら、査定価格ばかりを見るのではなく、「売り手の話を聞いてくれて誠実な対応をしているか」、「価格の根拠をきちんと話せるか」、「売却に向けたシナリオを話せるか」といったポイントをチェックするのがいいだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

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◆HOME4U(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
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サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、日本初の一括査定サービスであり、運営会社はNTTデータグループで安心感がある点。弱点は、提携会社数がやや少なめであること。
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対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1400社以上 不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、掲載する会社数が多く、掲載企業の一覧も掲載しており、各社のアピールポイントなども見られる点。弱点は、サービスを開始してまだ日が浅い点。
イエウール無料査定はこちら
◆LIFULL HOME'S(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 1692社(2018年8月)
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点。弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
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◆イエイ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1000社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、サービス開始から10年以上という実績があるほか、対象となる不動産の種類も多い。「お断り代行」という他社にないサービスもある。弱点は、経営母体の規模が小さいこと。
イエイ無料査定はこちら
◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取扱い物件がマンションしかない点。
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◆HowMaスマート不動産売却(一般媒介での一括査定)
対応物件の種類 マンション、戸建て(東京23区)
掲載する不動産会社数 10社(一般媒介) HowMaスマート不動産売却の公式サイトはこちら
サービス開始 2015年
運営会社 コラビット
紹介会社数 最大6社
【ポイント】不動産会社探しを支援してくれるサービスで、不動産を売却する際に、不動産会社と会わずに契約が可能。不動産会社との契約は一般媒介なので、不動産会社による違法な「囲い込み」も心配ない。
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◆いえカツLIFE(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 分譲マンション、一戸建て、土地、一棟アパート・一棟マンション、投資マンション(1R・1K)、一棟ビル、区分所有ビル(1室)、店舗・工場・倉庫、農地、再建築不可物件、借地権、底地権、その他(共有持分についても査定・売却対象)
営業エリア 東京、千葉、神奈川、埼玉 いえカツLIFEの公式サイトはこちら
サービス開始 2012年
運営会社 株式会社 サムライ・アドウェイズ(東京マザーズ上場「アドウェイズ」の子会社)
紹介会社数 最大6社(売買2社、買取2社、リースバック2社)
【ポイント】 再建築不可物件、借地権、底地権といった「訳あり物件」の査定にも対応している。共有持ち分でも相談に乗ってくれる査定サイトは少ないので、相談してみよう
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