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【第11回】2019年5月1日公開(2019年4月26日更新)
風戸裕樹
風戸裕樹

風戸裕樹(かざと・ひろき)氏:ソニー不動産の前身となる「売却のミカタ」を立ち上げ、「不動産売却で売り主だけの味方になる」という新しいコンセプトを打ち出しました。現在は不動産情報サービス「PropertyAccess.co」を設立し、アジアの不動産を国境をまたいで他国の人に紹介するビジネスを展開しています。

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外国人投資家に人気のある不動産は? 日本で外国人を意識した住居は、虎ノ門ヒルズレジデンスくらいで少ない

日本の不動産市場にも外国人の個人投資家が積極的に参入するようになりました。大都市部のオフィスビルや高級マンション、人気リゾート地の宿泊施設など、個人投資家にとって値ごろ感のある物件が投資対象となっています。外国人投資家の狙い目はどこにあるのでしょうか? 今後、不動産売却を検討している人は、市況を読む上で参考にしてください。

デフレ国家“日本”の不動産上昇は期待薄

 外国人投資家が日本の不動産を買っています。

 となると、人気が高いエリアは「東京」かと思いがちですが、はっきり言って東京はそれほど人気がありません。大都市では、むしろ大阪の不動産の方が人気があります。

東京よりも、ニセコや沖縄のリゾート地の方が人気がある

 私も最近、東京で2物件ほど不動産を預かっており、シンガポールなどの投資家に紹介しました。青山で1階に飲食店舗が入った15億円ほどのオフィスビルと、表参道で18億円ほどの賃貸レジデンス(マンション)の2物件です。

 外国人の富裕層の個人投資家にとって、10億~20億円というのはお手頃な価格ですし、表面利回りが3%を確保していたので、すんなり売れるだろうと思ったのですが、彼らの反応は散々でした。

 風戸「東京の物件に投資してみませんか? ニューヨークなどに比べれば、まだまだ割安ですよ」
 外国人投資家「利回り3%で東京の物件に投資するわけないだろう」
 風戸「シンガポールなら、利回り2%でも投資してるじゃありませんか?」
 外国人投資家「キャピタルゲインが期待できない東京では、3%でも投資しないよ」

 と、こんな感じです。

 外国人投資家には、日本は「デフレ国家」というイメージが完全に定着しています。東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まって、東京を中心に公示地価は4年連続で上昇傾向にありますが、外国人投資家の意識には日本の不動産価格は下落していくばかりと刷り込まれているのです。

 その一方、北海道のニセコ・倶知安(くっちゃん)、沖縄などのリゾート地は人気があります。これからのリゾート地は、今後も外国のマネーが入り続けるだろうと見られているからです。先に発表された公示地価の上昇率を見ても、その傾向が表れていました。また、大阪、京都も東京に比べると人気があります。

英語が通じない東京は、海外投資家には魅力ない

 世界主要都市の国際競争力を比較すると、東京は上位に位置していますが、地価は割安という意見があります。東京の地価を100とすると、英国・ロンドンは220、米国・ニューヨークは140程度です。そのため東京の地価はまだまだ上昇する余地があるとの見方があります。

 ただし、地価が非常に高い都市は英語が使えるところばかり。そう考えると、英語の通じない東京の地価が今後、ロンドンやニューヨークの水準まで上昇していくとは考えにくいでしょう。しかも、ロンドンの地価は、2年前ぐらいから下落に転じており、ニューヨークやシンガポールも下がり始めています。こうしたトレンドの中で、東京の地価だけが上昇していくと予想する投資家はあまりいません。

 もちろん巨大な東京には、機関投資家から個人まで様々な外国人投資家が入ってきており、物件ごとに評価しながら投資を行っています。例えば、建築基準法の規制などをクリアしていない不動産については、REIT(不動産投資信託)などの機関投資家は購入することができません。それゆえに利回りは高いので、個人投資家が購入しているケースがあります。

 最近の状況だと、東京なら物件の表面利回り3%台で購入をオファーして、あとは交渉次第で決まっています。大阪なら利回り4%、福岡は4%半ば、名古屋は4%後半ぐらいでしょうか。オフィスビルは市場環境の変化によって賃料が大幅アップする可能性がありますが、賃料アップの難しい住居系は、外国人投資家には魅力がないようです。

北海道のニセコは台湾人・タイ人が積極的に購入

 では、東京以外はどうなっているでしょうか。

 個人投資家には、北海道のリゾート物件が人気で、最近では台湾人、タイ人が積極的に買っています。実際、公示地価を見ても、ものすごい勢いで地価が上昇しています。私も旭川市の南にある瑠辺蘂(るべしべ)町の物件を預かってタイ人投資家に営業したりしていますが、スキーを履いたままゲレンデと行き来できるリゾート施設が好まれます。

 最初にニセコ・倶知安に投資したオーストラリア人投資家はすでに売り抜けており、ガッポリ儲けました。一方で、買い手である中国人は、国外への現金持ち出しが厳しくなったため、不動産投資市場での存在感が低下しており、香港まで現金を持ち出せるかどうかが鍵となっているようで、今後もリゾート物件の価格が上昇していくかは不透明感が出てきています。

外国人が好む設計の住居は少ない

 外国人投資家にはブランド好きが多いので、住宅物件でもウェスティンなどのブランドレジデンスは人気があります。世界的なオークションハウスとして知られるサザビーズやクリスティーズが出しているカタログにも掲載されて売買されることもあります。

 日本では、有名ブランドのレジデンスがほとんど供給されていませんでしたが、2016年10月にオープンした「フォーシーズンズホテル京都」では「ホテルレジデンス」として57室が販売されました。

 公式ページで価格を見ると、なんと、最低価格は4.5億円(税込)、最高価格は10.7億円(税込)となっています。10億円越えですよ。

 ホテルレジデンスとは、ホテル内につくられた居室を、分譲マンションと同じように区分所有権で販売する物件です。通常の住居として利用しても良いし、留守の時はホテルの客室として貸し出しても良いという使い方ができます。
 今後もこうした高級レジデンスが増えていくのは間違い無いでしょう。

 ただし、日本の高級レジデンスの大半は、私が見た限り、外国人が好むような設計仕様になっていない印象があります。海外の高級タワーレジデンスは、天井高が非常に高く、専有部分にプライベートプールが付いている物件も珍しくありません。

 日本でも、有名ブランドのレジデンスを開発する計画が増えていくと予想されます。たとえば、虎ノ門ヒルズレジデンスが海外投資家に人気が高いようですが、こうした物件はまだ少ないです。外国人投資家を意識した設計仕様にすることで、日本人の富裕層だけでなく、外国人の投資拡大が期待できるでしょう。

(編集協力=ジャーナリスト・千葉利宏)

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<不動産売却の基礎知識>
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 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産仲介会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産仲介会社が増加している。

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対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 1692社(2018年8月)
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
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【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点。弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
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対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫
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サービス開始 2006年
運営会社 リビン・テクノロジーズ
紹介会社数 最大6社(売却6社、賃貸、買取)
【ポイント】強みは、掲載している不動産仲介会社数が多く、マンション、戸建て、土地以外の工場、倉庫、農地も取り扱いがある点。弱点は、運営会社が広告代理店で上場していないこと。
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対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1000社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
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サービス開始 2011年
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