中古マンションの将来価格は予測できる?実は日経平均株価と相関関係があった!

2024年5月28日公開(2024年5月28日更新)
高田一洋:一心エステート株式会社代表取締役CEO

中古マンションの将来価格は、予測できるのでしょうか。不動産業界では、中古マンション価格は日経平均株価に連動するといわれています。もし、中古マンション価格と日経平均株価が連動しているのなら、物件の将来価格を予測しやすくなります。当記事では、中古マンションの将来価格は予想できるのか、日経平均株価との相関性や新築マンションの販売価格を起点とする中古価格の動向について解説します。(一心エステート株式会社代表取締役:高田一洋)

中古マンションの将来価格は予想できる

 中古マンションの将来価格は予想できます。その理由についてご説明します。

中古マンション価格と日経平均株価は高い相関性がある

 不動産業界では、中古マンション価格は株価に連動して2~3カ月遅れて動くと言われてきました。景気の先行指標と考えられている株価が上がれば、エリアによりますが2~3カ月遅れで中古マンション価格も上昇に転じる、というわけです。

 2016年5月~2024年1月の調査において過去3年間の各月の数値を基準に、首都圏のマンションの成約単価推移と日経平均株価の相関係数を調べたところ、0.935というものでした。下記のグラフは、首都圏の中古マンション成約単価と日経平均株価の推移です。

日経平均株価と成約㎡単価
出典: 日経平均プロフィル(日経平均株価を利用)

 相関係数は「-1から1」の間の値をとり、1に近いほど強い正の相関があることを示します。つまり、0.935という数値は、中古マンション価格と日経平均株価がほぼ連動して動いていることを如実に表しているのです。

 データを見る限り、2~3カ月遅れて中古マンション価格に反映されるといった時間差はほとんどなく、むしろリアルタイムで連動しているとのことでした。

 このデータが示す結果には大変驚きましたし、都心の中古マンション価格は日本経済(日経平均株価)に敏感に反応するというのは、とても貴重な情報だと感じます。

 例えば、2020年から2021年にかけてのコロナ禍の状況を振り返ってみると、この連動性がよくわかります。

 コロナショックで一時的に急落した日経平均株価ですが、その後、各国の金融緩和策による流動性の供給や、ワクチン開発の進展による経済正常化への期待から、急速に回復しました。

日経平均株価が回復した2つの背景

 2020年3月には1万6000円台まで下落した日経平均株価は、2021年2月には3万円に回復。

 この間、東京23区の中古マンション価格も、2020年の第1四半期から2021年の第1四半期にかけて、15%近く上昇しました。この背景にはいくつかの要因があると考えられます。

 第一に、株価上昇により資産効果が働き、個人の投資余力が増えたことが挙げられます。株でもうけた人々が、その余剰資金を不動産に振り向けた面があるでしょう。

 第二に、コロナ禍で在宅ワークが急速に普及し、「家」の重要性が再認識されたことも大きいと考えています。自宅で長時間過ごすことが当たり前になった人々が、より広い部屋、より良い住環境を求めるようになりました。

中古マンション価格と日経平均株価が連動する理由

株価と中古マンション価格が連動する理由
株価と中古マンション価格は連動している(出所:PIXTA)

 中古マンション価格と日経平均株価がリアルタイムに連動しており、日本経済とマンション市場には、構造的なつながりがあります。

日経平均株価の上昇が日本企業全体の業績拡大を反映している

 日本のGDPに占める不動産・建設関連産業の割合は約2割と非常に大きく、日経平均株価の上昇は、不動産関連産業を含む日本企業全体の業績拡大を反映したものです。

 好調な企業業績は個人の可処分所得の増加を通じて、特に都心をはじめとした好立地なマンション購入力の増強や住宅需要につながっています。

 また、株価の上昇は経済成長への期待感を高め、マンションへの投資意欲を刺激します。「今買わないとさらに価格が上がってしまう」という心理が需要を拡大させ、金融緩和的な環境下での低金利も追い風となって、マンション購入が活発化するのです。

 価格が上昇するのは、利便性と資産性に優れた都心のマンションです。高騰しているといわれていますが、円安により割安感があるため都心部のマンションには海外からの投資マネーも流入し、東京一極集中の加速とも相まって品薄状態が続き、さらなる価格上昇の圧力となっています。

株高を理由に2年は中古マンション価格の上昇が続く

 私個人の見解ですが、こうした傾向は当面継続すると考えられ、向こう2年ほどは株高を追い風に、都心マンションの価格上昇が続くと予想しています。

 マイナス金利の解除が決定しましたが、政府・日銀は金融緩和スタンスを堅持する方針であり、大規模な新築マンション開発も相次いで計画されているためです。

 新築マンションの価格設定は、そのエリアの中古マンション価格をリードする存在であり、大規模開発の新築価格上昇は、周辺のマンション価格も引き上げていく起点となります。

 とはいえ、将来的なリスク要因も視野に入れておく必要があります。最大の懸念は、少子高齢化と人口減少です。総人口の減少は需要の縮小を通じて中古マンション価格下落圧力となりますが、その影響は地域によって大きく異なるでしょう。

 東京など大都市圏の利便性の高いエリアは、地方からの人口流入が期待でき需要の下支えが見込まれます。特に、交通の要所や再開発エリアは有望です。実際、都心5区のマンションは将来人口予測でも増加が見込まれています。

 一方、利便性に乏しい郊外や地方の物件は、空室率上昇などを通じて大きな下落リスクを抱えており、マンション価格の二極化が一段と進むと考えられます。

新築マンションの販売価格で中古価格の動向を探れる

首都圏の新築マンション価格の推移
過去5年間の首都圏の新築マンション価格(戸当たり平均) 不動産経済研究所の市場動向データをもとに編集部が作成

 私が都心部の中古マンション価格の動向をつかむためにチェックしているのが、新築マンションの販売価格です。新築マンションの販売価格を見れば、中古価格の動向を探れます。

新築マンションの価格の引き上げと地域相場の関係性

 近年の建築コストの上昇を受けて、デベロッパー各社は新築マンションの価格を軒並み10%以上引き上げました。そのエリアの価格を決定付けるような大規模複合開発みたいな物件が、東京都心ではたくさんあります。

 白金・高輪・三田エリアの「白金ザ・スカイ」や「三田ガーデンヒルズ」、湾岸エリアでの豊洲「ブランズタワー豊洲」や、晴海「HARUMI FLAG(ハルミフラッグ)」、勝どきの「パークタワー勝どきミッド」などです。

 いずれもその地域のシンボルのようなマンションで、供給されることによってエリアの相場を押し上げ、近隣の駅の有力なマンションの相場も引き上げています。

中古マンションの売り主は新築マンションの価格と比較する

 中古マンションの売り主は、自分のマンションの売却価格を近隣の新築マンションの価格と比較して考えます。新築の価格が上がれば、中古も負けじと上昇させようとするわけです。

 買い主サイドも、新築を買えない層を中心に中古に目が向き、需要が高まります。大手ディベロッパー各社の供給総戸数を絞る流れが、中古価格の上昇を後押ししています。

 特に交通利便性が高く、ブランド力のあるエリアの不動産は、単なる「住まい」を超えた投資対象として認識されています。

 株価が上がり、経済に対する楽観ムードが高まれば、国内外の投資家がこぞってこうしたエリアの不動産に投資しようとします。結果として、都心の人気エリアほど株価との連動性が高まります。

 不動産経済研究所によると、2023年に東京23区で販売された新築マンションの平均価格は1億1483万円でした。1974年の集計以降で初めて1億円を突破し、前年比39.4%上昇しました。

 こうした強気の新築価格の上昇が、少なくとも向こう2年程度は中古市場をけん引していくと考えています。

中古マンション価格は需給のバランスで決まる

 日経平均株価と中古マンション価格の関係について、両者の連動性の高さは、データからも明らかで、日々の不動産の現場に携わる身としても感じているところです。

 ただ、だからといって中古マンション価格が際限なく上昇するわけではありません。平成バブルのように、投機的な需要ばかりが先行すれば、いずれ需給のバランスは崩れざるを得ません。

 日経平均株価の動向を注視することで、不動産価格はある程度の予測ができますが、実体経済での需給によって変わるため信頼できる不動産会社を見つけることが大切です。

【関連記事】>>2024年、湾岸エリアのマンションはバブル崩壊するか?! 売却・購入のタイミングはいつ?

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