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不動産を高値で売却する方法[2019年]
2019年2月8日公開(2019年6月5日更新)
ダイヤモンド不動産研究所
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「タワーマンション」や「一般社団法人」を使った
相続税対策は今後どうなる?不動産を相続するときの基礎知識(5)

2015年、相続税の基礎控除引き下げ(課税強化)が行われた頃から、「タワーマンション」や「一般社団法人」を活用した相続税の節税対策が俄然、注目されるようになった。しかし、国としては行き過ぎたやり方であるとして、さまざまな規制を強めている。その経緯と影響、今後について考えてみる。

流行語にもなった「タワマン節税」とは?

 まず、タワーマンションを利用した相続税の節税対策からみていこう。

 アパートや賃貸マンションなど不動産を使って相続税を軽減する手法は以前から、富裕層などの間では知られていた。

 それを「タワーマンション」(一般には高さ60mを超える分譲マンション)という特定の不動産を使って行うのがこの手法の特徴だ。

 某コンサルタント会社が「タワーマンション節税」の商標登録を行ったり、「タワマン節税」なる言葉が流行語になるなど、社会的な関心も高まっている。

 「タワマン節税」の仕組みはこうだ。

 相続税の計算にあたって、例えば現金や預貯金は額面で、上場株式は株式市場での取引価格を基に評価される。

 それに対してタワーマンションを含め不動産は、そもそも個別性が高く、流動性も低いので評価が難しい。そこで相続税の計算にあたって、土地については毎年、各地の税務署が決める「路線価」、建物については3年に1度、各市区町村が決める「固定資産税評価額」をベースに評価するのが基本となる。

 そして、土地=路線価は想定される市場での取引価格(時価)の80%程度、建物=固定資産税評価額は実際の建築費の40~60%程度(さらに築年数に応じて減価償却が加わる)といわれ、現金や預貯金、上場株式などより相続税の評価において有利とされる。

タワマンは時価と固定資産税評価額の差が大きい

 また、マンションは低くても3階建て程度から十数階建てもざらであり、一定の広さの敷地に多くの住戸が存在する。そのため、マンションの各住戸の相続税評価額は、土地の評価額(時価の80%程度)より建物の評価額(建築費の40~60%)の割合が高い。単純な比較は難しいが、市場での取引価格(時価)が同じ程度なら、一戸建てに比べてマンションのほうが、相続税評価額が低いのが一般的だ。

 さらに、タワーマンションと中低層マンションを比べると、タワーマンションのほうが一定の広さの敷地に、より多くの住戸が存在する。

 各住戸の相続税評価額では建物分の割合がさらに高くなり、中低層マンションより時価と固定資産税評価額の開きが大きくなる

上層階ほど、うまみが大きい

 これに加えてタワーマンションでは、階層によって市場での取引価格の差が大きいという特殊性が加わる。

 同じような広さであっても、下層階の住戸に対し、眺望などに優れた上層階の住戸の価格が2倍以上高いことも珍しくない。

 一方、タワーマンションを含めて、マンションの各住戸の相続税評価額(路線価による土地の評価額と固定資産税に基づく建物の評価額の合計)は、基本的に床面積によって決まる。路線価に基づくマンション全体の土地の相続税評価額、固定資産税に基づく建物全体の相続税評価額をまず計算し、それぞれ各住戸の床面積によって単純に案分するのである。

 その際、階数や向きは考慮されない。同じ面積であれば、例えば北向きの1階住戸と南向きの最上階住戸であっても、相続税評価額は同じなのである。

「タワマン節税」とは結局のところ、実際の市場価格(時価)と相続税評価額との開きがとりわけ大きい、上層階の住戸を利用するところに大きな特徴があるのだ。

国による規制の影響は小さい

 こうした「タワマン節税」に対し、かねて課税の公平性を損ねるという批判があった。タワーマンションの高層階は1億円以上することも珍しくなく、富裕層でないと購入できないからだ。

 そこで国では、2018年度(平成30年度)からタワーマンションの「建物」の固定資産税の計算方法を見なおすことにした。

 具体的には、地上60メートル(約20階)を超えるマンションについてはマンション全体の「建物」の固定資産税の総額は同じまま、1階住戸を100として1階ごとに10/39(約0.256%)ずつ割増して税額を計算するというのだ。

 例えば、40階建てのタワーマンションでは、中間の20階の「建物」の固定資産税は従来と同じままだが、40階の住戸は従来より同5%ほどアップし、1階の住戸は同5%ほど下がる。

 ただし、この計算方法が適用されるのは、2017年4月以降に売買契約が結ばれ、2018年1月1日以降に引渡しされた新築のタワーマンションだ。

 2017年までに完成し、引渡されたタワーマンションについては、「建物」の固定資産税額も相続税の評価も以前のままである。2018年以降、中古で購入しても同様(以前のまま)である。

 さらにいうと、この見直しはあくまでタワーマンションの「建物」の固定資産税の税額計算においてであり、固定資産税の評価額自体は変わらない。

 そして、相続税の計算において、タワーマンションの「建物」の評価については固定資産税評価額がそのまま用いられる

 つまり、相続税においては何ら影響はない。したがって、「タワマン節税」における効果は変わらないといえる。

心配なのは将来の資産価値

 しかし、「タワマン節税」がこれからも有効か、となると疑問がある。

 特に注意しなければならないのは、タワーマンションそのものの資産価値が維持されるかどうかだ。

 相続税の節税メリットがあるとしても、タワーマンションの市場での取引価格(時価)が購入時より大幅に下がると、節税メリットは吹っ飛んでしまう

 都心部のマンション価格は新築にしろ中古にしろここ数年、右肩上がりで上昇したため、最近は売れ行きに陰りが見られる。銀行もここにきて、特に投資向けの不動産融資には慎重になってきたといわれる。

 都心部の高級マンションを積極的に購入してきたアジア等の海外投資家が、世界経済の先行きが不透明になる中、売却に動き出しているという噂もある。

 さらに、東京オリンピック後には、晴海の選手村跡地で4100戸を超える分譲マンションが売り出される予定もある(タワーマンションは2棟)。これだけの数を売り切るには割安な価格設定になると予想され、タワーマンションが多い湾岸エリアの市場に大きなインパクトを与えるだろう。

 あるいは、タワーマンションは免震構造を採用することが多いが、その免震構造を構成する重要な部材であるオイルダンパー(免震ダンパー)について、大手2社の製品で検査データの改ざんが相次いで発覚している。すぐ危険というわけではないが、問題のダンパーを使った分譲マンションがどれくらい
あるのはさえはっきりしておらず、気になるところだ。

 これまでタワーマンションの多くは分譲時より値上がりするケースが多かったが、いつまでもそれが続くとは限らない。

 不動産価格の値下がりこそ、「タワマン節税」の最大のリスクになりつつあるのかもしれない。

【関連記事はこちら】
>> 「タワマン節税」は相続税対策としてまだ使える!? 売却と購入のタイミングに注意して活用を!

一般社団法人を利用した相続税対策とは?

 もうひとつの一般社団法人を使った相続税対策についても、国では2018年度(平成30年度)から規制強化を図った。こちらは「タワマン節税」よりも大きな影響が生じている

 規制強化とその影響の前に、一般社団法人を使った相続税対策がどのようなものだったのかを振り返っておこう。

 かつて社団法人の設立には官庁の許可が必要だったが、2008年(平成20年)に制度が大幅に見直された。それまでの社団法人は一般社団法人と公益社団法人に分けられ、一般社団法人については設立要件が大幅に緩和されたのだ。

 社員(構成員)が2名以上いて登記すれば設立でき、官庁の許可は必要なくなった。公益活動だけでなく営利活動をすることもでき、同族の資産を管理する法人として利用することもできるようになった。

 そこで、同族で一般社団法人を設立し、相続税対策を行う手法が広がったのである。

 具体的にはまず、親が一般社団法人を設立し、収益不動産や同族会社の自社株式などの資産を移す。もちろん、親が一般社団法人に資産を移すときは、資産を売却するか贈与するかによって異なるが、贈与税などの税金が課税されることが多い。

 しかし、一般社団法人には出資持分という概念がなく、いったん一般社団法人に資産を移せば、親が亡くなっても相続税はかからない。

 子など相続人は一般社団法人の社員や理事となり、資産を管理しながら役員報酬等を受け取り続ける。こうして、一般社団法人が所有する形で、資産を子孫にまで引き継いでいこうというのである。

税法改正で現在は大きく制限されることに

 2018年度(平成30年度)の税制改正では、こうした一般社団法人の節税メリットが大きく制限されることになった。

 第一に、親(個人)から一般社団法人に資産を移転するときの課税の規定が明確になった。

 従来から、個人が一般社団法人に資産を贈与して、贈与した個人の贈与税・相続税が不当に減少する結果になる場合は、一般社団法人に贈与税・相続税が課税されることになっていた。

 そして、「不当に減少する結果」にあたらない場合として、次の4つがあげられていた。

(1) 持分の定めのない法人の運営組織が適正であり、定款等に理事等に占める親族関係者の割合が3分の1以下とする定めがあること

(2) 贈与又は遺贈者、法人の役員等、もしくは社員又はこれらの者の親族等に施設利用、金銭貸付、資産譲渡、給与支給、役員選任その他の財産の運用及び事業の運営に関し特別の利益を与えないこと

(3) 定款等において、法人解散の場合に残余財産が国、地方公共団体その他の公益法人等に帰属する定めがあること

(4) その公益法人等につき公益に反する事実がないこと

 従来はこの規定の適用関係に曖昧な点があったが、2018年(平成30年)4月1日以降からは上記の4つのうちひとつでも満たさなければ「不当に減少する結果になる場合」にあたることとされた。

 第二に、相続税の節税目的で設立された多くの一般社団法人で、理事が死亡したときに相続税が課税されることになった。

 対象となるのは、次の条件に当てはまる一般社団法人だ。

(1) 相続の直前で、役員に占める同族役員の割合が2分の1を超える

(2) 相続前の5年間で、役員に占める同族役員の割合が2分の1を超える期間が合計3年以上あった

 「同族役員」とは、被相続人とその配偶者、3親等内の親族、オーナー企業の従業員など特殊の関係がある人であり、過去5年以内に理事であった人が死亡した場合も同様に課税される。

 具体的には、次の算式で計算した金額が被相続人(亡くなった人)から一般社団法人に遺贈されたとみなされるのだ。

一般社団法人の純資産額 ÷ 被相続人(死亡した理事)を含む同族役員の数 = 遺贈で取得したとみなされる金額


 簡単に言えば、同族役員の誰かが亡くなれば、純資産額の頭割りで相続税がかかるというわけだ(ただし、個人から一般社団法人に資産を移転したときに贈与税が課税されていた場合は、その金額を相続税から差し引かれる)。

 そもそも、相続税対策として一般社団法人を設立するケースでは、資産の管理を将来も同族で行っていくことが大前提であり、同族役員の割合が2分の1を超えることはある意味、必須である。

 その前提を崩すことは考えにくく、今後、一般社団法人を利用した相続税対策のメリットは大きく減少することになるだろう

 なお、上記2つの改正は、2018年(平成30年)4月1日以降に一般社団法人の理事が死亡した場合に適用されるが、同日より前に設立された法人については経過措置がある。

 ひとつは、同日より前に設立された法人に対する適用が、2021年4月1日以降に理事が死亡した場合とされること。もうひとつは、2018年(平成30年)3月31日以前の期間は「役員に占める同族役員の割合が1/2を超える期間」には含まれないこと、である。

そもそも露骨な節税対策はリスクが高い

 「タワマン節税」にしろ、一般社団法人を利用した相続税対策にしろ、以前に比べると次第に難しくなっていることは間違いない。

 そもそも、相続税の節税だけを目的にした露骨なやり方にはリスクがある。

 国税庁ではかねてより、税負担の公平の簡単から場合によっては「財産評価基本通達6項」を活用するとしている。

 「財産評価通達」とは、相続税における財産評価の基本的なやり方を示したものだ。その6項で「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」としており、これまでも通常の固定資産税評価額ではなく実際の取引価格で課税されたケースがある。

 「節税」というとつい「やらなければ損」というイメージがあるが、多くの税金は収入や利益に対してかかるものであり、そもそも十分な収入や利益がないところには「節税」もない。

 相続税対策もそれは同じで、所有する資産の収益性や価値をどう高め、維持するかが先決だ。タワーマンションや一般社団法人の利用についても、そうした基本を忘れずに取り組むべきであろう。

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対応物件の種類 分譲マンション、一戸建て、土地、一棟アパート・一棟マンション、投資マンション(1R・1K)、一棟ビル、区分所有ビル(1室)、店舗・工場・倉庫、農地、再建築不可物件、借地権、底地権、その他(共有持分についても査定・売却対象)
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(東京マザーズ上場「アドウェイズ」の子会社)
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