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「相続不動産」を売却する際の注意点とは?
共同相続、兄弟で相続するときに失敗しがちな3つのケース

【第27回】2019年6月28日公開(2020年6月10日更新)
梶本幸治

最近、不動産の売却相談をされる方は、相続か離婚を売却理由とされる方がほとんどです。「不動産の査定をして下さい」と依頼して来られる方が50代の方なら「あっ!相続かな」と思いますし、30代の方なら「あっ!離婚かな」と思ってしまうほどです。そこで今回は"2大売却理由"の一つである「相続不動産の売却」について、共同相続だったり、兄弟がいるケースの注意点をお伝えしていこうと思います。

【関連記事はこちら】>>「相続」や「離婚」で、不動産をすぐに売りたい! ”買い取り業者”の上手な使い方

不動産の「価格査定」の前に、ひと声かける

「梶本さん、最近ウチの会社に不動産売却のご相談をくださる方は、相続か離婚かのどちらかばかりです。他の売却理由、例えば買い替えのために売却されたりするお客様は、いったいどこへ行ってしまったのでしょうか?」 先日、私がコンサルティングをさせていただいている不動産仲介会社の営業部長が、次のようなことをおっしゃっていました。

 そこで、共同で相続するときに失敗しがちな3つのケースを紹介しましょう。

 最初に、不動産の価格を知るための「不動産価格査定」の場面から見ていきます。

 単独で不動産を相続した場合は特に問題ないのですが、ご兄弟等、複数人で不動産を相続された場合は少し気をつけていただきたいことがございます。

 不動産の価格を知るためには、不動産仲介会社に価格査定を依頼する必要がございますが、依頼する前に他の共同相続人の方々にもお声がけいただきたいのです。

 「なんだ、そんなことか。ウチの兄弟は仲が悪いわけではないし、単に査定を依頼するだけなら事前に伝えておく必要もないだろう」と思われたかもしれませんが、ここで結構つまずく方が多いのです。

 例えば、ご実家を三人兄弟で相続したとしましょう。相続時は未了ですが、この三人以外に相続人はいないと想定します。

 相続人の内のお一人が「実家を処分したらいくらになるのだろう」と思い、不動産仲介会社に査定を依頼しました。そして、その査定価格を他の兄弟に伝えたとします。

 他の二人ともが「へー。それくらいの金額になるのだね」と普通に受け止めてくれれば良いのですが、そうならないケースも多いのです。

共同相続、兄弟で相続するときの注意点

 「私たち兄弟が生まれ育った実家なのに、われわれの了解も無く不動産仲介会社に査定を依頼するなんて、なんて奴だ。そういえば今思い出したけど、あいつは兄弟の中でも一番わがままで、小学校のときにあんなことがあり、中学生のときもこんなことがあり、大学に入ってからも結婚したときも常に自分勝手だった。私は実家の売却には反対だ!」なんてケース、私もたくさん見て参りました。

 事前にひと声かけていれば何の問題もなかったのに、一つプロセスを飛ばしたばかりに、不動産売却の話が共同相続人の間でまとまらなくなってしまうのです。兄弟の場合、こじれ出すと修復不可能なほどにもめることもありますので、注意したいところです。

「相続登記」しておけば売却も安心

 次に相続登記を行う場面を見ていきます。

 不動産仲介会社に売却を依頼する時点では、必ずしも相続登記を済ませておく必要はないのですが、先ほどのケース同様、複数人で相続する場合は、売り出し時点で相続登記を済ませておかれた方がスムーズでしょう。

 レアなケースですが、被相続人(亡くなった親御さん)に、相続人の知らない子どもがいて、その方も同意されないと相続不動産を売却出来ないなんてこともございますので、やはり事前に相続登記を済ませておかれることをおすすめします。

 相続登記はご自身で行うこともできますが、登記の専門家である司法書士に依頼することが一般的です。しかし、司法書士なんてなかなか日常で出会うこともなく、どの司法書士に依頼すればいいのか悩むところです。このような場合、不動産価格査定を依頼した不動産仲介会社に、司法書士を紹介してもらうことができます。

 不動産仲介会社は日頃から司法書士と仕事をしていますから、信頼のおける司法書士を紹介してくれるでしょう。また、司法書士も日頃一緒に仕事をしている不動産仲介会社からの紹介であれば、色々と細やかな配慮をしてくれる可能性もございます。

 ただし、司法書士を紹介してくれた不動産仲介会社にそのまま売却も依頼するケースが多いので、「査定を依頼した不動産仲介会社には、売却を依頼したくないなぁ。他の不動産仲介会社に相談したいなぁ」と思っておられる場合は、他の不動産仲介会社を探し、その会社から司法書士の紹介を受けた方がいいでしょう。

売却する際は、売却条件を事前に相談

 そして、いよいよ実際に不動産を売却する場面についてお話しします。ここでもまた、共同相続の場合の注意点を見ていきましょう。

 複数人で相続している場合、どうしても意思決定が遅くなりがちです。

 例えば、5000万円で売りに出している相続不動産に対し、4700万円で購入したいという買い手が現れた場合、共同相続人の間での話し合いに時間がかかってしまって返事ができないでいると、買い手はシビレを切らして、他の物件へ気持ちが移ってしまうかも知れません。

 そのようなことがないように、売却条件に関しては事前に相続人の間で決めておくといいですね。

 「5000万円で売りに出しているけれど、4500万円までなら価格交渉に応じよう。さらに、売り出しから半年経っても売れ残るようなら、売り出し価格自体を4500万円に下げよう」などと事前に決めておけば、買い手が現れたときも慌てずに、即回答することができます。

 ご実家など、思い入れのある相続不動産を売却するのは寂しいものです。

 しかし、思い入れのある不動産だからこそ、空き地や空き家のまま放置するのは可哀想でもあります。

 あなたの相続された不動産が、素敵な買主様に出会えればいいですね。
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<不動産売却の基礎知識>
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