不動産売却にかかる仲介手数料や費用の相場はいくら?早見表による計算方法や印紙税、司法書士報酬、測量費など多数の項目があるので注意

2023年7月13日公開(2024年5月21日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

不動産売却の際には仲介手数料などさまざまな費用がかかる。仲介手数料以外にも印紙税、司法書士報酬、測量費などが発生するので注意が必要だ。手数料以外の費用を計算に入れておかないと予定より手元に残るお金が不足し、不動産売却後のプランにも狂いが生じかねない。不動産売却では仲介手数料など不動産売却にかかる費用のポイントを押さえ、なるべく多く売却益を残そう。
※2023年7月、印紙税の軽減措置部分を更新しました

仲介手数料など不動産売却で発生する主な費用一覧

 家やマンションなど不動産売却時には、大枠として下記の諸費用が発生する。

 このうち必ずかかるのは(1)の「仲介手数料」と(2)の「印紙税」で、それ以外は状況や売却の方針によって変わってくる

 これらの諸費用を売却価格から差し引いた残金が、実際に不動産売却で手元に残るお金となる。

 それでは不動産売却における各費用について見ていこう。

(1)不動産売却の仲介手数料の早見表

 不動産売却時に売却を依頼した不動産会社への「成功報酬」が仲介手数料だ。成功報酬と記したとおり、この手数料は売買契約が成立しない限り発生しない。

 不動産会社が支払う、検索サイトへの登録料やチラシへの掲載料、購入希望者の現地案内にかかわる費用など、基本的な販促費用はすべてここに含まれる。

 売主の依頼に基づいて行った広告等についてのみ、実費請求となるが、そういうケースはまれだ。

 不動産売却の仲介手数料の上限額は、以下のように法律で定められている。

不動産売却の仲介手数料上限額の早見表

売却価格 仲介手数料(税込) 仲介手数料の計算式
200万円   11.0万円   売却価格×5%+消費税
300万円   15.4万円   売却価格×4%+2万円+消費税
400万円   19.8万円   売却価格×4%+2万円+消費税
500万円   23.1万円   売却価格×3%+6万円+消費税
1000万円   39.6万円   売却価格×3%+6万円+消費税
1500万円   56.1万円   売却価格×3%+6万円+消費税
2000万円   72.6万円   売却価格×3%+6万円+消費税

3000万円

  105.6万円   売却価格×3%+6万円+消費税
4000万円   138.6万円   売却価格×3%+6万円+消費税
5000万円   171.6万円   売却価格×3%+6万円+消費税

 たとえば、4000万円で不動産売却が成立した場合、4000万円×3%+6万円+消費税=138.6万円が仲介手数料の上限額となる。

【4,000万円の不動産売却の仲介手数料の計算方法・計算式】
( 4,000万円 × 3% = 120.00万円 )+ 6万円+ 12.60万円(消費税)= 138.60万円(仲介手数料)

 上限とはいえ、ほとんどの不動産会社はこの枠めいっぱいの額を請求してくる。値引き交渉を行うとすれば、媒介契約を結ぶ前だが、強引に値引きに応じさせても、そのぶん他の面で不利益を被るようでは意味がない。

 また、不動産売却の仲介手数料半額や無料をうたう不動産会社もある。このような値引きには注意が必要だ。よくあるのは、不動産会社が値引きした分を補填しようとして、「両手取引」を成立させようとするケースだ。

 不動産売却において両手取引とは、売主・買主とも自社で見つけ、双方から仲介手数料を取るもの。それ自体は違法でないが、売主の承諾なく、他の不動産会社からの問い合わせを門前払いして売却が長期化したり、高く売れるはずの物件が安く売られたりする可能性が出てくる。

 仮に両手取引に走らなかったとしても、不動産会社も商売のため、手数料を割り引かれた客に力を入れて営業するとは考えづらい。その結果、売却価格を下げることになっては意味がない。

 前記したとおり、仲介手数料から基本的な販促費は捻出される。手数料の値引きも大切だが、それによって、販促費も減らされる恐れがあることを心得ておこう。

【関連記事】>>不動産売買の仲介手数料は値引きできる? 割引業者の見分け方や仕組みを解説!

不動産売却時の仲介手数料を支払うタイミングは?

 前記した通り、仲介手数料は契約が成立した場合にかかる費用なので、支払いは契約締結後に行う。不動産売却では、多くの場合、売買契約成立の段階ではまだ物件の引き渡しが完了していない。

 そのため、不動産売却時の仲介手数料の支払いは、半額を売買契約時に、残り半額を引き渡し時に行うのが一般的だ。

 ただし、契約時に一括で支払う場合もあるので、仲介手数料を支払うタイミングは事前に確認しておくことが必要となる。

(2)印紙税

 印紙税とは、売買契約書に貼付する印紙代のこと。不動産売却時の収入印紙の金額は契約書の記載金額によって、下記のように定められている。

不動産譲渡の契約書にかかる主な印紙税額

売却価格(契約書に記載の契約金額) 印紙税額(軽減措置適用後※)
1000万円超~5000万円以下   1万円
5000万円超~1億円以下   3万円
1億円超~5億円以下   6万円
※不動産売買における印紙税には軽減措置が設けられ、平成26年4月1日から令和6年3月31日までに作成された不動産売買契約書には軽減税率が適用されます

(3)抵当権抹消登記費用(および住宅ローン完済費用

 家や土地に抵当権が設定されている場合、抵当権の抹消費用として、「不動産の個数×1000円」の登録免許税がかかる。たとえば、普通の一軒家の場合、不動産の個数は土地と建物の2つなので、抵当権抹消登記費用は合計2000円となる。

 法務局に自力で申請したり、よりリーズナブルな司法書士に依頼したりすることで、コストダウンは可能だ。抵当権の抹消にかかわる司法書士の報酬は5000円~2万円程度となっている。

 ただし、これらが可能なのは、住宅ローンを完済していて、抵当権だけがそのままになっているケースに限られる。住宅ローンの残債があるときは、買主にこれから融資する銀行手配の司法書士に委託するのが一般的だ。

 法的には、残債があっても自分で手続きしたり、司法書士を手配したりできる。しかし、現実に銀行が応じることは少ない。なぜなら、売主と司法書士に手を組まれて、銀行側が詐欺に遭うリスクがあるからだ。

 なお、残債を一括返済する場合、繰り上げ返済扱いとなる。住宅ローンの契約内容によって、繰り上げ返済手数料がかかることもあるので注意したい。

(4)ハウスクリーニング・補修費用

 内覧者に好印象を与えるため、不動産売却時には部屋全体もしくは部分的にハウスクリーニングを頼む人も多い。トイレや浴室、キッチン、レンジフード、壁クロスなどは、見た目の印象が部屋の印象に直結する部分。1カ所につき、5000円~2万円程度が相場となっている。

 激しい汚れや痛みについては、リフォームも視野に入ってくる。特に、トイレや浴室などの状態によっては、それだけで内覧者に嫌悪感を抱かせかねない。

 一方で、リフォームをする以上、売却価格のアップにつながることが前提となる。上限をかけても100万円くらいにとどめ、効果の高いものに絞って行うのがいいだろう。

 不動産会社の担当者ともよく相談して決めたい。下表が主な部分の補修費用だ。

主な補修費用一覧(本体交換の場合)

キッチン 100万~300万円
トイレ 20万~30万円
洗面所 15万~30万円
給湯器 30万~40万円
浴室 100万~200万円
クロス0.15万~0.25万円/㎡
フローリング1.5万円/㎡
畳1.5万~3万円/畳

【関連記事】>>マンションを高く売るなら、リフォームしよう! 「必要最低限に抑える」「相見積もりをとる」など、成功するためのリフォーム5カ条を紹介!

(5)インスペクション費用、瑕疵保険の検査料・保険料

 いずれも、ハウスクリーニングや補修費用と同様に、物件の価値(=売却価格)を高めるための費用(手数料)だ。不動産売却時に手数料を支払うかどうかは、売主の判断による。

 インスペクションとは「検査」の意味で、住宅の専門家であるインスペクターに建物の健康状態を診断してもらうために手数料がかかる。

 たとえば、戸建てなら「基礎に鉄筋は配してあるか」「シロアリの被害はないか」、マンションなら「給排水管に不具合はないか」「床に傾きがないか」などを検査してもらう。

 基本的な目視による診断費用は5万~10万円ほどとなっている。

 インスペクションの結果は報告書にまとめられ、買主にとって購入の判断材料になる。マイナス情報があっても、買主側で対処できる問題なら、逆に安心して買ってもらえることが少なくない。買い手を不安にさせるのは「問題がある」こと以上に、「問題があるかわからない」ことだからだ。

 一方の、既存住宅売買瑕疵保険とは、中古物件の引き渡し後に、構造的な不具合が発生した場合、1000万円までの補修費用を最長5年間保証するもの。加入するために検査料と保険料がかかるが、現状、瑕疵保険に入っていない中古物件が多いため、加入していると大きなアドバンテージになる。

 瑕疵保険に入るには、インスペクションとは別に瑕疵保険専門の検査機関の検査を受け、合格する必要がある。検査費用と保険料を合わせて、4万~8万円ほど。支払うのは加入時の1回だけとなっている。

 なお、2018年4月に改正宅建業法が改正となり、インスペクションをした場合、重要事項説明で宅建業者は買主に対して、不動産売却時にインスペクションの結果について説明を行うことが義務化された。

 もし、欠陥が見つかった場合でも、説明しなければならず、悪い結果を隠すことはできないので、何らかの不具合を感じている売主にとっては悩ましいところだろう。

(6)そのほか、不動産売却の前後にかかる費用・税金

 (1)~(6)のほかにも、不動産売却の前後にかかる費用がいくつかある。

解体費用

 たとえば「解体費用」。

 しかし、余程の事情がない限りは、解体せずに現況のまま売却することをおすすめする。更地にすると、住宅用地の特例を受けられなくなって、翌年から固定資産税や都市計画税が高くなってしまうためだ。売却が長引けば長引くほど、税金負担が増す。

 そのため、買主が更地を望む場合、「更地渡し」という特約を付けて、引き渡し時までに更地にする条件で売買契約を結ぶのが賢明だ。

 解体費用は地方よりも都会のほうが高く、さらに接道している道路の広さなど、作業のやり易さなどによっても変わってくる。

 東京都内の一般的な解体工事の場合、坪(3.3㎡)単価の相場は、次のとおりです。

・木造住宅3万~4万円
・鉄骨造4万~5万円
・RC造5万~6万円程度

地方の場合、これより1万円程度安いことが多い。

 なお、不動産業者経由で頼んだ場合、バックマージンが乗せられることもある。安く済ませるには、自分で複数の業者から見積もりを取ったほうがいいだろう。

【関連記事】>>古家付き土地の売却、解体費用の相場はいくら? 確定申告時の税金や特別控除についても解説!

 また、空き家などを整理する場合には「廃棄処分費」が発生する。言うまでもなく、家電や家具、本などは専門の買取業者に依頼すれば、いくらかのお金になる。

 不用品回収業者にまとめて依頼する場合、廃棄処分費は、エレベーターの有無やゴミの量などによって大きく変わってくるが、おおよその目安は下記のとおりだ。

廃棄処分費の相場

部屋の広さ 処分費用
1K・1R   3万円~
1DK   3万5000円~
1LDK・2DK   6万円~
2LDK・3DK   9万円~
3LDK・4DK   15万円~

引越し費用

 ほかにも、どこかへ移り住む場合は「引越し費用」が手数料としてかかる。荷物の量のほか、季節によっても金額が変わってくる。2~4月は手数料の料金設定が高くなるところが多い。

 なお、引っ越し業者の中には、不要品の引き取りサービスを行っているところもある。手間はかかるが、コストダウンを図るなら、引っ越し業者と、上述した不用品回収業者の双方から見積もりを取るといいだろう。

【関連記事】>>引越しを安く済ませる方法7選を解説! 引越し料金の内訳を理解して、お得な引越しを実現しよう!

所得税や住民税

 以上のほか、「所得税」や「住民税」もあるが、通常、自宅の売却であれば3000万円までの売却益には税金がかからない

 ただし、いくつかの例外があるので、詳しくは下記の記事で確認しよう。

【関連記事】>>「家の売却にかかる税金」はいくら? 自宅、賃貸、相続した空き家など、不動産ごとに異なる控除や、税金の計算式を紹介

(7)測量費

 不動産売却における測量は、隣接する土地との境界を明らかにする目的で行われる。専門業者が測量を行い、仮の境界を定めた後、土地の権利者が立ち合って確認する。合意に至った場合、「境界確認書」という書類を交わし、「確定測量図」が作成される。

 すでにこの確定測量図が作成されている場合、改めて測量する必要はない。

 一方、同じ測量図であっても、法務局で取得可能な「地積測量図」や、隣地の所有者の境界確認のない「現況測量図」は売買契約では使用できない(「現況測量図」については、隣地の所有者の立ち合いのもとに境界確認がとれていて、売主・買主双方の承諾を得られる場合は認められる)。

 確定測量図がなくても売却はできるが、ご近所トラブルを避けるため、近年はないと、買い手を見つけるのが難しくなっている。

 特に私道のある場合、境界を明らかにするとともに、通行や掘削(水道管、下水管等を取り換える際に道路を掘ることを認める)の承諾書を取ることが必須だ。

 測量の手配は不動産会社にやってもらえるので、手間はかからない。ただし、測量費は仲介手数料に含まれないため、売主が手数料を別途負担することになる。

 金額は土地の形状や面積、接道状況などによって変わってくるが、一般的な戸建ての場合、手数料は30万~50万円が相場だ。

 ただし、市有地や国有地に接しているなど、官民立ち合いが必要になるケースでは、手数料は60万~150万円ほどになる。

 手数料の支払いについては、売却代金から差し引くところが多い。そうでない不動産会社でも、手元の資金に余力がなければ、相談に乗ってもらえるだろう。

 確定測量図がないと売却価格を相当引き下げる必要が出てくるため、それなりのコストはかかるが測量費を支払ったほうが断然お得だ。

 ただ、費用をかけて測量を行っても、隣地の合意が取れないことも出てくる。そんなときは「筆界特定制度」(筆界=境界)というものがあり、法務局に測量の資料を提出するなどして、筆界特定登記官に境界を特定してもらうこともできる。

 特定まで平均で約11カ月かかってしまうことがネックだが、測量自体が無駄になることはない。

不動産売却の仲介手数料には特例がある

 不動産売却の仲介手数料には、低廉(ていれん)な空き家に対する特例があります。低廉な空き家とは、売却価格が400万円(税別)以下の不動産のことです。低廉な空き家の場合、不動産会社は交通費や人件費を含めた現地調査費を仲介手数料にプラスし、「18万円+消費税」を上限に売主に請求できます。

 これまでなら、不動産会社は100万円程度の古い空き家の不動産売却の依頼を受けても、現地調査費や作業費を考えれば、利益が期待できないため仕事として受けることが難しいという現状がありました。

 不動産売却の仲介手数料の特例によって、請求可能な上限額が増えたため、空き家問題の改善が期待されています。

不動産売却にかかる手数料は3〜10%
削れる経費は削り「売却益」の最大化を狙おう

 ここまでみてきたように、不動産売却の前後にかかる費用は多数あり、売値に対して手数料が3%~10%程度かかる。手数料の支払いがある以上、売却金額をまるまる手に入れられるわけではないので、気をつけよう。

 なお、不動産売却の費用(手数料)の中には、工夫次第で金額を抑えられるものがある。

 たとえば(3)の「抵当権抹消登記費用」は、自力で作成、または、よりリーズナブルな司法書士を探すことで節約できる。

 よりリーズナブルな専門業者に依頼する点では、(8)の「解体費」も同様だ。

 また、(6)の「インスペクション費用」と「瑕疵保険の検査費用」、(8)の「廃棄処分費」と「引っ越し費用」のように、依頼先をひとつにまとめることでコストダウンを図る方法もある。

 一方で、(4)の「測量費」や(5)の「ハウスクリーニング・補修費」、(6)の「インスペクション費用、瑕疵保険の検査料・保険料」のように、売却する不動産の競争力アップや、売却価格のアップを狙うための費用もある。

 削れる費用、かけるべき費用を知って、手数料の支払いを抑え不動産売却益の最大化を目指してみてほしい。

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