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相続では、なぜ「不動産」が問題になるのか?
これから始まる「大相続時代」に備えよう

2020年7月27日公開(2020年8月18日更新)
古井一匡

古井一匡(ふるい・かずただ)氏:1960年富山県生まれ。1983年京都大学文学部卒。編集プロダクションを経てフリーに。住宅・不動産を中心に投資、金融、経営などお金とビジネス系の書籍、雑誌記事、ネットコンテンツなどの企画・編集・ライティングを手がける。著書に『矛盾の経営』(英治出版)、『住宅脳クイズ100問』(共著、住宅新報社)、『地震に強い新・住宅の条件―阪神・淡路大震災からの教訓』(共著、メディアファクトリー)などがある。

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相続にあたって特に重要なのが、土地、建物などの不動産です。多くの場合、遺産の大部分は不動産が占めているからです。遺産分割で家族が揉めないようにしたり、相続税がかかるときに納税をスムーズに行えるよう準備したり、税額を合理的に抑えたり、場合によっては“負動産”の処分を検討したり……相続と不動産は切っても切れない深いつながりがあります。相続と不動産のより良い関係のために何が問題なのか、どうすればいいのか考えていきましょう。(協力・監修:税理士法人 弓家田・富山事務所 弓家田良彦氏)

死亡数は今後も20年間、増え続ける

 厚生労働省が2020年6月5日に発表した最新の人口動態統計によれば、2019年に生まれた子どもの数(出生数)は86万5234人で過去最少でした。一方、死亡者数は138万1098人で、こちらは戦後最多を更新しました。

 年間死者数が100万人超えた2003年と比較すると、今では年間死者数が約40万人増えたことになります。日本の高齢化率(65歳以上)は人口の約3割に達しており、今後も上昇していくため、死者の数は増え続けるでしょう。

死亡数と死亡率の推移と将来推計
写真を拡大 図表「死亡数と死亡率の推移と将来推計」 出典:平成28年版厚生労働白書

 国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、年間死者数は2039年の167万人でピークを迎えますが、その後もしばらくは150万人前後の水準が続きます。

 つまり、日本ではこれから20年以上にわたり、毎年140万件から最大170万件近い相続が発生するのです。まさに「大相続時代」が始まっているといっても過言ではありません。

遺産のうち半分は「不動産」という意味

 人が亡くなると必ず発生するのが「相続」です。

 「相続」とは、具体的には、「亡くなった人(被相続人)が生前に持っていた財産上の権利義務を、一定範囲の人(法定相続人)へ包括的に引き継ぐこと」を言います。日本では民法の第5編(相続編、第882条~第1044条)において、相続関係の規定が設けられています。

 「相続」で最も大きなポイントは、亡くなった人(被相続人)が生前に持っていた財産上の権利義務を「誰が」「どのように」引き継ぐかです。

 財産上の権利とは「資産」、義務は「負債」です。負債についてはここでは触れないとして、「資産」にはさまざまなものがあります。

 一般に人は年齢を重ねるほど、さまざまな資産を蓄えており、相続される資産は増えていきます。たとえば、総務省の『平成26年全国消費実態調査』によると、70歳以上の世帯は4759万円の資産を保有しており、そのうち半分以上は土地(宅地)や建物(住宅)などの不動産です。

世帯主の年齢階級別1世帯当たり家計資産の内訳(二人以上の世帯)
写真を拡大 図表「世帯主の年齢階級別1世帯当たり家計資産の内訳(二人以上の世帯)」 出典:総務省『平成26年全国消費実態調査

 また、国税庁の統計によると、相続財産の内訳(平成29年分、相続税額のある申告ベース)において最も多いのが土地の36.5%であり、家屋の5.4%と合わせて41.9%を不動産が占めています。

相続財産の金額の構成比の推移
写真を拡大 図表「相続財産の金額の構成比の推移」 出典:国税庁『平成29年分の相続税の申告状況について

 1990年前後のバブル景気のピーク時には、相続財産に占める土地の比率は7割を超えていたことと比較すると、長期的なトレンドとしては、土地の割合が下がって現金・預貯金等の割合が増えていることが分かります。

 ただ、ここ2~3年の地価上昇により、不動産の比率は再び上がっている可能性があります。

相続税がかからない場合の方が、「モメる」という現実

 相続財産の内訳は国によって違いますが、先進国の中でも日本は土地を中心とした不動産が大きな割合を占めているのが特徴です。

 そして、相続財産の中で不動産はいろいろな点において、特殊な資産です。

・不動産は、価値が分かりにくい

 第一に、現預金や株式(上場株)、債券などのようにその価値が明確ではありません。

 なぜなら、土地にしろ建物にしろ、ひとつずつ立地や広さなどが異なっており、2つとして同じものはないからです。

 また、取引市場はありますが、新築以外は契約価格が対外的に公表されることが少なく、いくらで取引されたのかがよく分かりません。しかも、膨大な物件数に比べて市場で取引されるのはごく一部に限られます。

 こうしたことから、土地の価格については「一物四価」などとも言われるほどです。四価とは、「市場価格」「公示地価」「相続税路線価」「固定資産税評価額」のことで、一般的には「市場価格」を10とすると、「公示地価」は8、「相続税路線価」は6、「固定資産税評価額」は5が目安だと言われますが、場所によっては市場価格と相続税路線価が変わらないような場所もあるので要注意です。

・不動産は、分割しにくい

 相続財産として不動産が特殊な第二の点は、分割しにくいということです。

 現預金はすぐ、どのような割合でも簡単に分けることができます。株式(上場株)も市場で売却して現金化すれば、分割は簡単です。

 それに対して不動産は、土地であれ建物であれ、簡単に分割できません。売却して換金しようにも、取引市場の状況によってはすぐに買い手がつくかどうかも分かりません。

・不動産は、維持費がかかる

 さらに、相続財産としての不動産は、そのまま置いておくだけで固定資産税や都市計画税、分譲マンションであれば管理費などのコストがかかります。

少額の不動産こそ、トラブルを生みやすい

 以上のような事情から、相続財産のほとんどが、自宅の土地や建物などの不動産である場合、その分割を巡ってさまざまなトラブルが発生します。

 相続の遺産分割を巡るトラブルは、家庭裁判所に持ち込まれることも多く、年々、その件数は増えています。

 しかも、遺産分割事件として家庭裁判所に持ち込まれる訴訟の3/4は「対象となる金額が5000万円以下」である点に注目です。

遺産分割事件のうち認容・調停成立件数  遺産の価額別―全家庭裁判所
写真を拡大 図表「遺産分割事件における訴訟金額」 出典:最高裁判所『司法統計年報(家事事件編)』平成30年

 上述の「70歳以上の世帯の平均保有資産は4759万円」からすれば、富裕層でなくとも、多くの相続トラブルが発生していることになります。

 その理由の一端は、いま触れたように不動産の価値の判断が難しく、また不動産の分割がしにくいことにあるのは間違いないでしょう。

まとめ~「大相続時代」に備える鍵は、不動産にあり

 ほかにも、相続財産に地価の高いエリアの不動産が多数含まれる場合には「相続税をどのように支払うか」「相続人の間でどのように不動産を分けるか」といった問題など、不動産の相続ではトラブルの可能性が付いて回ります。

 相続はいつ発生するか分かりませんが、なるべく早いうちから相続に備え、不動産をどのようにしておくのがよいか、さまざまな角度から検討し、対策を講じておくことが重要です。

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