不動産売却で成約する秘訣は「広告」にあり! 
ポータルサイトやレインズなど、売主がチェックするポイントも解説シリーズ「不動産売却の秘訣」

2021年2月19日公開(2021年4月9日更新)
山本健司

不動産を売却するとき、その物件ができるだけ多くの人の目に留まるようにしたほうが、成約の可能性は高くなります。その方法は、物件周辺住戸へのポスティング、新聞折り込みチラシ、不動産ポータルサイト、コンピューターネットワークシステム「レインズ」への登録などさまざまですが、中でも重要なのはインターネットを使った宣伝広告です。同時に、営業担当者任せにするのではなく、効果的な広告がされているか売主自らが目を光らせることが大切になります。

不動産売却の成功の決め手は、いかに効果的な広告ができるか

不動産売却成功の決めては広告宣伝にある
ネット広告で効率よく販売活動ができているか(出所:PIXTA)

 不動産会社による物件の販売活動には、コンピューターネットワークシステム「レインズ」への登録、広告の作成、内覧(物件の見学)対応などが含まれますが、その中心は、いかに効果的な宣伝広告を行って、不動産を探している人々に的確にアプローチするかです。

 宣伝広告には、チラシ、住宅情報誌への掲載、看板、インターネットサイトにスマホ広告とさまざまな方法があり、不動産会社の担当者はこれらを組み合わせて、身近なところから不特定多数にまで情報を拡散していきます。

 たとえばまず、自社の顧客リストから、興味を持ちそうな顧客にダイレクトメールを送り、物件の周辺地域ではポスティングや新聞への折り込み広告。インターネットでも情報を公開して、より広い範囲から買いたい人を募るという具合です。

 販売活動を担う営業担当者が、あなたのためにベストを尽くしてくれるよう、担当者からただ報告を受けるだけでなく、売主も販売活動の進捗には常に注意を払いましょう。特に、不特定多数に情報を届けることができるインターネットは、現代の不動産販売に不可欠なツールです。インターネットを不動産会社の担当者が使いこなして、効率良く販売活動を展開しているか、こまめに様子を聞いて確認してください。

ホームズなど「不動産ポータルサイト」は、もっとも注目すべき広告媒体

 不動産売買におけるインターネットの活用には、大きく分けて3種類あります。

 ひとつは、「レインズ」、もうひとつは「自社サイトでの広告」、そして「不動産ポータルサイト」です。

 最近は全世代的に、LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)やSUUMOといった「不動産ポータルサイト」で物件を探す人がとても多いので、そこに情報が載ることは非常に効果があります。もはや欠くことのできない販促手段だといえるでしょう。

 私の会社も自社でお客さまを募集する際には、ポータルサイトを利用しています。また、私たちは情報の囲い込みをしないことを明言しているため、ほかの不動産会社もポータルサイトや各不動産会社のホームページにどんどん情報を載せてくれます。その結果、主要なポータルサイトをきちんと押さえ、より多くの人に物件情報を見てもらうことができるのです。この仕組みを知ったうえで、営業担当者がポータルサイトを有効利用しているかを確かめましょう。

掲載中の物件情報は、売主も必ずチェックする

 あなたが売り出した不動産の情報は、どのポータルサイトに、どのような形で掲載されていますか? はっきり分からなければ、すぐ担当者に確認しましょう。必ず売主さん自身がサイトを見て、情報掲載に不備がないかチェックすることも重要です。

・売り出し価格やそのほかの物件情報に間違いはありませんか?
・掲載されている情報量は今のままで十分でしょうか?
・買手の立場になって見たとき、もっと知りたい情報はありませんか?
・物件の写真は、実物を見てみたくなるような、明るく魅力的なものが使われていますか?

 写真の印象が悪いのは致命的です。そもそもお客さまの目を引きませんし、まるで購買意欲をそそりません。担当者に指摘をして、もっと良い写真に差し替えるなど、速やかに適切な対応を取ってもらいましょう。販売活動全般に共通した注意点です。

新聞折り込み広告やポスティングが有効なケースも

 インターネットでの広告には、ひとつ弱点があります。関心があって自ら情報を探している人でないと、目に触れにくいことです。家を売りに出していることを、あまり近所に知られたくないといった売主さんには、好都合かもしれませんが、そうでなければ、チラシや新聞折り込みを使ったオーソドックスな広告活動で、ネット宣伝の弱点を補完する必要があります。

 物件によっては、比較的年齢が高い層に向くものもありますから、スマホやパソコンにあまり触れない人たちの目にも、情報が確実に届くよう、担当者に頼んでください。

 住宅情報誌は、時間があるときにじっくりと、物件情報を比較検討したいお客さまに合っています。周辺地域で集中的に宣伝するには、新聞への折り込み広告や、ポスティングも有効です。

 こうした方法を総動員して、ターゲット層への物件の露出を確保することが成約への道ですから、担当者には絶対に手を抜いてもらうわけにいきません。売主さんも気づいたことは遠慮なく指摘し、不明点はその都度確認するなどして、担当者の販売活動を応援していただくとよいと思います。

レインズは頼れるネットワークシステム

 不動産仲介業者が物件情報を交換する場としてつくられたのが、「レインズ」というコンピュータネットワークシステムです。「レインズ」は、東日本、西日本、中部、近畿の4エリアに分かれて運営されており、日本のほぼすべての不動産会社が加入しています。

 一般の人には公開されていませんが、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営するもので、いわば大規模な不動産情報プラットフォームであり、データベースです。不動産会社はレインズで売り出し物件の情報を調べ、不動産を探しているお客さまに営業活動を行うことができます。あなたの物件の情報をレインズで見て、多くの不動産会社が買いたい人を探してくれるのですから、売主さんにとっても、本来とても頼れるシステムです。

レインズで横行する「囲い込み」の手口とは?

 ところが残念なことに、そのレインズでも、堂々と情報の囲い込みが行われています。他社が買手を連れてこないよう、「すでに別のお客さまと交渉が進んでいます」といったウソの口実で、他社を排除する不動産会社が少なくないのです。

 なかには、「もう契約中です」というあきれたウソで、情報を隠してしまう会社もありました。さらに新手の囲い込みも出てきています。私がレインズでお客さまにぴったりな物件を見つけて、紹介するため、販売を担当している不動産会社に連絡をすると、相手はこう言うのです。

 「はい、この物件はたしかに販売中です。ただ、売主さまの予定が合わなくて、ご希望の日程で内覧を設定できません」

 その後は何度連絡しても、その都度ああだ、こうだと理由をつけて、いつまでたっても売主さんに取り次いでくれません。最後は担当者自身が、外出中、出張中、会議中、直行・直帰、今日は休みと、なぜかつかまらなくなってしまいます。こんなことをしてまで囲い込みをする理由は、言うまでもなく“両手仲介”のためです。

【関連記事はこちら】>>大手不動産仲介は「囲い込み」が蔓延?! 住友不動産販売の「両手比率」は、62.75%! 不動産売却時は「両手比率」が高い会社に注意を

広告転載区分が「不可」だと情報は広がらない

 レインズの売り出し価格の掲載スペースには、広告転載区分という欄があります。私の会社が売却物件を掲載するときは、必ずこの欄で「可」を選択します。広告転載が「可」ということは、「当社はこの物件を囲い込みません。他社からの買主さまも歓迎しますので、どんどん広告して、買いたいお客さまを見つけてください」という意味です

 不動産は、広告への露出が多ければ多いほど高く早く売れますが、自分の会社だけでは動ける範囲が限られます。情報を全部レインズに出して、みんなで買いたい人を探してもらうほうが、チャンスは多いに決まっているのです。

 しかし他社に買手を仲介されては困ると考える不動産会社は、情報の拡散をきらって、広告掲載区分を「不可」で登録します。売主さんにとって、これはデメリット以外の何ものでもありません。レインズに登録されているはずなのに、何の反応もない、内覧の申し込みも入らないという場合は、もしかすると広告転載区分が「不可」になっていて、情報が外に広がっていないことが原因かもしれません。

 平気で囲い込みをする不動産会社は、売主さんにバレたときのための言い訳も用意しています。

 (不動産会社)「物件情報が多く出ていると、売り急いでいると思われてしまいます」
 (いえ、誰もそんなことは思いませんよ)

 (不動産会社)「チラシを大量に配布しますから、問題ありませんよ」
 (いいえ、本当にチラシをまくかどうかも含めて、問題です)

 社会はとっくに、紙媒体からネット媒体にシフトしています。チラシだけでは、情報拡散の範囲に限界があります。ごまかさずに、レインズできちんと情報を公開すればいいだけの話です。

登録証明書を確認して、囲い込みリスク対策を

 売主さんは当然、自分の物件の情報が、レインズにどのように掲載されているか知りたいでしょう。レインズを一般の方が閲覧することはできませんが、不動産会社が立ち会えば、自分の物件の登録状況、販売状況を見ることができます。やましいところがなければ、快く見せてくれるでしょうから、担当者に頼んでみてください。

 また、不動産仲介会社と専任媒介契約や、専属専任媒介契約を結ぶと、レインズの「登録証明書」が売主さんに発行されます。この「登録証明書」の一番右上にある「取引状況」を見てみましょう。そこに「公開中」と書かれていれば販売公開された状態で、囲い込みはされていないことがわかります。

レインズ登録証明書
写真を拡大 レインズ「登録証明書」のチェックポイント

 レインズに登録された日付や図面が登録されているかも確認しましょう。「登録証明書」のIDとパスワードを使えば、直接レインズにログインして、自分の物件の最新の情報や取引状況を確認することもできます。

 このように「登録証明書」は何かと役に立ちますので、媒介契約を結ぶ際には専任媒介契約(もしくは専属専任媒介契約)を選択し、そのうえで、「レインズに登録したら、『登録証明書』がもらえますよね?」と、担当者に確認しておきましょう。それだけで、侮れないお客さまだと相手に思わせることができ、リスク対策になります。
【関連記事はこちら】>> 不動産一括査定サイト&仲介業者25社で比較! メリット・デメリット、掲載不動産会社、不動産の種類で評価しよう

まとめ

・ネットサイトやスマホ広告での宣伝を確実に行ってもらう

・宣伝広告は売主自身も必ず見てチェックする

・レインズ上で、広告掲載「可」、取引状況表示は「公開中」となっていることが重要

・レインズの登録証明書を確認し、IDで掲載、取引状況を確認する

◆ミライアスの売却査定(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地
相談実績数 2万7411件 「ミライアス」の公式サイトはこちら
サービス開始 2018年
運営会社 ミライアス株式会社(東京都渋谷区)
営業エリア 東京都、神奈川、埼玉、千葉県
【ポイント】平均成約日数33日のスピード成約を誇るだけでなく、売り出し価格と売却価格の乖離率も4.5%と低い(2020年3月実績)。売り手も買い手も喜ぶ、最大750万円の建物・設備補償は、大手に引けを取らない充実ぶり。
ミライアス売却査定はこちら
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<不動産売却の基礎知識>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産仲介会社に査定をしてもらうのがいい

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を一度入力すれば、複数社から査定してもらうことができる。査定額を比較できるので、不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

■おすすめの無料「不動産一括査定サイト」はこちら!
◆SUUMO(スーモ)売却査定(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地
掲載する不動産会社数 約2000店舗 不動産一括査定サイト「SUUMO(スーモ)売却査定」の公式サイトはこちら
サービス開始 2009年
運営会社 株式会社リクルート住まいカンパニー(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 不動産サイトとして圧倒的な知名度を誇るSUUMO(スーモ)による、無料の一括査定サービス。主要大手不動産会社から、地元に強い不動産会社まで参加しており、査定額を比較できる。
SUUMO(スーモ)売却査定はこちら
◆HOME4U(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
掲載する不動産会社数 1500社 不動産一括査定サイト「HOME4U」の公式サイトはこちら
サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、日本初の一括査定サービスであり、運営会社はNTTデータグループで安心感がある点提携会社数は競合サイトと比較するとトップではないが、厳選されている。
HOME4U無料査定はこちら
◆イエウール(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1600社以上 不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、掲載する会社数が多く、掲載企業の一覧も掲載しており、各社のアピールポイントなども見られる点。弱点は、サービスを開始してまだ日が浅い点。
イエウール無料査定はこちら
◆LIFULL HOME'S(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 2399社
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点。弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
LIFULL HOME'S無料査定はこちら
◆イエイ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1700社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、サービス開始から10年以上という実績があるほか、対象となる不動産の種類も多い。「お断り代行」という他社にないサービスもある。弱点は、経営母体の規模が小さいこと。
イエイ無料査定はこちら
◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定は3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取り扱い物件がマンションしかない点。
マンションナビ無料査定はこちら
◆おうちダイレクト「プロフェッショナル売却」(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟アパート、店舗、事務所
掲載する不動産会社数 9社 おうちダイレクトの一括査定依頼サービス「プロフェッショナル売却」の公式サイトはこちら
サービス開始 2015年
運営会社 ヤフー株式会社、SREホールディングス株式会社(ともに東証一部子会社)
紹介会社数 最大9社
【ポイント】ヤフーとソニーグループが共同運営する一括査定サイト。不動産会社に売却を依頼後も、ヤフーとおうちダイレクトのネットワークを使い、購入希望者への周知をサポートしてくれる。
おうちダイレクトの一括査定依頼サービス「プロフェッショナル売却」はこちら
 
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