家の売却の「流れ」と「費用」とは? 不動産仲介会社の「3カ月で売却できます!」に注意しようシリーズ「不動産売却の秘訣」

2020年12月10日公開(2020年12月18日更新)
山本健司
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家の売却の流れや家を売るための段取りがわかっていないと、不動産仲介会社に付け込まれることも。家の売却で思わぬ損をしないためにも、家の売り出しから成約までの流れを理解しておきましょう。また、不動産の売却金額にばかりに気をとられがちですが、出ていくお金があることも忘れずに。売却にともなう費用についても前もって知っておく必要があります。

家の売り出しから契約までの流れを理解しよう

 家という高価な資産を、何の知識もないまま不動産仲介会社に売却を委ね、一から十まで担当者の言いなりという売主さんは、不心得な不動産仲介会社にとってネギを背負ったカモのようなものです。家の売却の専門家になる必要などありませんが、簡単にダマされて損をすることがないよう、家の売却についての最低限の基礎知識は仕入れておきましょう。

 家の売却では、どんな段取りで物事が動いていくのかがわかると、先々のことがシミュレーションできます。家の売却の流れのなかで、自分はどのタイミングでどんな準備をすればいいのか、何に注意すべきか、はっきり見えてくると思います。

 家の売り出しから成約に至るまでの大きな流れを頭に入れておくだけで、いろいろなことが主体的に考えられるようになり、不動産仲介会社の担当者と話していても、意味がよく理解できるはずです。その結果、業者がつけこむスキを減らすことができるのです。では、不動産売却のステップを見てみましょう。

(1)家の売却を考え始める

 あなたの家をいつごろ売却したいのか、売却にともなう費用や転居先についても考えておきましょう。

(2)自分の家の相場を調べる

 家の売却価格の相場を知る簡単な方法は、不動産売却のポータルサイトで、よく似た他の家の売り出し価格や成約価格を参考にすることです。国土交通省など公的機関も、中古の家の不動産取引の成約事例や地価をネット上で公開しています。

(3)不動産仲介会社数社に、物件を見ないで行う簡易査定(机上査定)を依頼する

 自分の家がいくらくらいで売却できそうか、プロの視点で見てもらいます。ポイントは、3〜5社くらいに依頼して結果を比較すること。不動産仲介会社による家の価格査定は、通常、無料で受けられます。ネットの一括査定サービスを利用してもよいでしょう。
【関連記事はこちら】>>不動産一括査定サイト&仲介業者25社で比較! メリット・デメリット、掲載不動産会社、不動産の種類で評価しよう

(4)簡易査定を頼んだ会社から、2〜3社程度に訪問査定(詳細査定)を依頼する

 あなたの家を不動産仲介会社に見せて、詳しい話を聞きます。初めて不動産仲介会社各社の担当者と対面する機会ですので、気になることはどんどん質問し、相手の知識や人柄も確かめましょう。訪問査定ではあなたの家や、家の周辺環境を細かく観察して、売り出し価格のベースとなる査定価格を出していきます。  

媒介契約
(画像:PIXTA)

(5)売却仲介を依頼する会社を選び、媒介契約を結ぶ

 不動産売却のパートナーの決定です。家の売却のために必要な準備、どのように物件を宣伝するか、担当者からあなたへの販売活動報告についてなど、売却活動中のタイムスケジュールを含めて十分に話し合ってください。

(6)必要に応じて、測量、境界の確定、確定測量図の作成

 土地や戸建ての家の売却に不可欠な図面や書類がない場合、作る必要があります。日数がかかることを前提に、担当者と相談して遅滞なく進めることが重要です。

(7)不動産仲介会社が販売活動を始める

 査定価格をもとに、あなたの家の売り出し価格を決め、物件情報をレインズに登録。広告宣伝を展開して、家の買手を募集します。情報の囲い込みをされないように、レインズへの登録状況を担当者に確認しましょう。

(8)購入希望者が現れる

 内覧の対応をします。買手が、あなたの家を気に入った場合は、後日、購入申込書が提出されます。希望購入価格、契約日、決済日(物件の引き渡し日)などに関する買手側の希望や情報が書かれています。

(9)売買条件の交渉

 雨漏りやシロアリ被害の有無など、家の状態を詳しく記載した物件状況等報告書、給湯・空調などを含む付帯設備を記した設備表を用意して、詳細な物件情報を購入希望者に開示。家の売却価格や諸条件について話し合います。契約日と物件の引き渡しをいつにするかも相談します。

(10)契約成立

 家の売却価格や条件の折り合いがついて買手が決まったら、売買契約を結びます。売却代金のうちから手付金が支払われます。仲介手数料の半分を、このタイミングで不動産仲介会社に支払うこともあります。

(11)決済の準備

 決済とは、売買契約を完結することです。そのために必要な書類を揃えますが、時間がかかる可能性があるので、早めに担当者から説明を受け、速やかに動けるようにしておきましょう。家の明け渡しと引っ越しの準備も並行して進めるので、忙しくなります。

(12)決済日

 鍵と権利証を買手に引き渡し、所有権が移転します。家の売却代金の残金を受け取り、住宅ローンが残っている場合は一括返済。不動産仲介会社に残りの仲介手数料(分割でなければここで全額)を支払います。

(13)税務申告

 家の売却による譲渡所得については、確定申告が必要です。
【関連記事はこちら】>>不動産売却時にかかる「税金」を、安くする方法は? 自宅、賃貸、相続した空き家など、不動産ごとに異なる控除など節税方法や、税金の計算式を紹介

「あなたの家、3カ月で売却できます」にダマされない!

 さて、査定の際にひとつ注意することがあります。それは、売主さんが「わたしの家の売却まで、どれくらい時間がかかりますか?」と聞くと、「3カ月です」と答える不動産仲介会社がいること。不動産仲介会社との契約期間は上限が3カ月なので、契約期間内に売り切りたいというのが本音で、こういう答えがよく返ってきます。
【関連記事はこちら】>>家を売るときの契約方法は、「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」でメリットが大きいのはどれ?

 最初の3カ月が過ぎると、その後は売主さんが希望すれば、3カ月ごとに契約を更新することになります。自信がない担当者は、売主さんが他社に鞍替えしてしまうのをおそれて、価格が少し下がっても、あなたの家を早く売ってしまおうと考えかねません。そんな理由で、家の売却価格の値下げをされてはかないません。3カ月で家が売れるという前提で、お金や引っ越しの準備に振り回されるのも迷惑な話です。疑わしいと思ったら、3カ月で家が売れるという根拠を聞いてみてください。曖昧な言葉に、惑わされないようにしましょう。

家を売るにもお金がかかる

 一方、家を売却するにもそれなりのお金がかかることをご存じでしょうか? 実は家の売却で必ずかかる費用と、必要に応じてかかる費用があります。

・家を売るときに、必ずかかる費用とは?

 まず、必ず必要なのは、売買契約書に貼る印紙代と不動産仲介会社への仲介手数料です。売買取引が完了すると、〈売買価格×3%+6万円+消費税〉を支払います。

 引っ越し費用も必ず発生します。今の家から退去して仮住まいをするなら、引っ越し費用は2倍かかります。新生活のための資金と合わせて、考えておきましょう。また、売却年度の固定資産税も多くの場合、売主さんがひとまずその年の分を納付することになります。ただし、所有権移転後の日数分は、家の引き渡しの際に買主さんに清算してもらうことができます。
【関連記事はこちら】>>不動産売却の費用の相場は、売値の3~10%! 仲介手数料、印紙税、司法書士報酬、測量費、税金など、多数の項目があるので注意!

・家を売るときに、必要に応じてかかる費用とは?

 必要に応じてかかるお金もあります。例えば、土地の境界があいまいで、売却に必要な測量図がないなら、測量や確定測量図の作成費用が必要になるでしょう。建物を取り壊して土地だけ売る場合は、解体費や廃棄物処分費。建物込みの場合は、修理代やハウスクリーニング代などがかかることもあります。
【関連記事はこちら】>>マンションを高く売却するなら、リフォームしよう! 「必要最低限に抑える」「相見積もりをとる」など、成功するためのリフォーム5カ条を紹介!

 一方、住宅ローンが残っている人は、売買契約の成立と同時に、売却代金でローン残債を一括返済します。足りない場合は自己資金で補わなくてはならないので、それも織り込んで、無理のない資金計画を立てるようにしてください。

まとめ

・段取りがわかっていると行動しやすく、不動産仲介会社にナメられない

・時間を要する書類作成などは早めに準備する

・自分の都合で、あなたの家を売り急ぐ担当者もいるので注意

・家の売却には、必ずかかる費用と必要に応じてかかる費用がある

【関連記事はこちら】>>不動産会社・営業担当者の正しい選び方とは? 騙されたくない人向けに「7カ条」を公開!

◆ミライアスの売却査定(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地
相談実績数 2万7411件 「ミライアス」の公式サイトはこちら
サービス開始 2018年
運営会社 ミライアス株式会社(東京都渋谷区)
営業エリア 東京都、神奈川、埼玉、千葉県
【ポイント】平均成約日数33日のスピード成約を誇るだけでなく、売り出し価格と売却価格の乖離率も4.5%と低い(2020年3月実績)。売り手も買い手も喜ぶ、最大750万円の建物・設備補償は、大手に引けを取らない充実ぶり。
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シリーズ「不動産売却の秘訣」

・不動産会社の選び方
・不動産売却の流れと費用
・売り時
・不動産の価格を調べる
・売り出し中の宣伝
・問い合わせが入らない
・購入希望者がみつかった後の手続き
・どの購入希望者にいくらで売るべきか
・物件タイプ別 売却時の注意点
・売れなさそうな物件、売主に事情がある物件
・譲渡所得が出た場合の確定申告
・売却時に活用したい控除

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<不動産売却の基礎知識>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産仲介会社に査定をしてもらうのがいい。

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を一度入力すれば、複数社から査定してもらうことができる。査定額を比較できるので、不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

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リクルートのSUUMO(スーモ)でも、無料で一括査定ができる

 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産仲介会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産仲介会社が増加している。

 「大手に頼んでおけば安心」という人も多いが、不動産業界は大手企業であっても、売り手を無視した手数料稼ぎ(これを囲い込みという)に走りがちな企業がある。

 なので、一括査定で複数の不動産仲介会社と接触したら、査定価格ばかりを見るのではなく、「売り手の話を聞いてくれて誠実な対応をしているか」、「価格の根拠をきちんと話せるか」、「売却に向けたシナリオを話せるか」といったポイントをチェックするのがいいだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

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◆SUUMO(スーモ)売却査定(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地
掲載する不動産会社数 約2000店舗 不動産一括査定サイト「SUUMO(スーモ)売却査定」の公式サイトはこちら
サービス開始 2009年
運営会社 株式会社リクルート住まいカンパニー(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 不動産サイトとして圧倒的な知名度を誇るSUUMO(スーモ)による、無料の一括査定サービス。主要大手不動産会社から、地元に強い不動産会社まで参加しており、査定額を比較できる。
SUUMO(スーモ)売却査定はこちら
◆HOME4U(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
掲載する不動産会社数 1500社 不動産一括査定サイト「HOME4U」の公式サイトはこちら
サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、日本初の一括査定サービスであり、運営会社はNTTデータグループで安心感がある点提携会社数は競合サイトと比較するとトップではないが、厳選されている。
HOME4U無料査定はこちら
◆イエウール(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1600社以上 不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、掲載する会社数が多く、掲載企業の一覧も掲載しており、各社のアピールポイントなども見られる点。弱点は、サービスを開始してまだ日が浅い点。
イエウール無料査定はこちら
◆LIFULL HOME'S(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 2399社
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点。弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
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◆イエイ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1700社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、サービス開始から10年以上という実績があるほか、対象となる不動産の種類も多い。「お断り代行」という他社にないサービスもある。弱点は、経営母体の規模が小さいこと。
イエイ無料査定はこちら
◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定は3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取り扱い物件がマンションしかない点。
マンションナビ無料査定はこちら
◆おうちダイレクト「プロフェッショナル売却」(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟アパート、店舗、事務所
掲載する不動産会社数 9社 おうちダイレクトの一括査定依頼サービス「プロフェッショナル売却」の公式サイトはこちら
サービス開始 2015年
運営会社 ヤフー株式会社、SREホールディングス株式会社(ともに東証一部子会社)
紹介会社数 最大9社
【ポイント】ヤフーとソニーグループが共同運営する一括査定サイト。不動産会社に売却を依頼後も、ヤフーとおうちダイレクトのネットワークを使い、購入希望者への周知をサポートしてくれる。
おうちダイレクトの一括査定依頼サービス「プロフェッショナル売却」はこちら
 
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