不動産売却のタイミングはいつがベスト? 
売り時によっては自宅の価値がなくなる可能性もある!
シリーズ「不動産売却の秘訣」

2020年12月18日公開(2021年4月9日更新)
山本健司

自宅など不動産の売却をする場合、家の築年数や売りに出す時期が非常に大切になります。売り時を間違えると、建物の価値がゼロになってしまうこともあるので注意が必要です。また、まず売却してから次の住居を決める「売り先行」か、次の住居を確保してから売る「買い先行」か、どちらにするのかを考えておくことも重要になります。

売却のタイミングは、築10年〜15年の間が目安

 不動産の売り時を判断する要素として、不動産市況と物件の築年数があります。

 一般の方が不動産市況を正確に読むのはかなり難しいので、こちらは信頼のおける不動産仲介会社のプロに相談するほうが確かでしょう。

 一方、物件の築年数は、売主が自分で売り時を判断するための、より分かりやすい指標といえます。

 住宅は入手したその日から、建物価値が下がっていきます。一番価値が高いのは言うまでもなく新築時ですが、人が住んで1、2年たつと、早くも評価は下がり、築15年目くらいを境に、さらに大きく価値を落とします。

 したがって、築年数をもとに物件自体の資産価値を考えると、築15年を迎える前後がひとつの節目。売却のベストタイミングとしては、「築10年から15年の間」が目安となります。

 特に戸建て住宅では、築20年を経過すると、建物の価値がゼロ評価になってしまうことがありますので、気をつけてください。

▪保有期間は5年を超えてから売るほうが、税率面では有利

 不動産を売って利益が出た場合、譲渡所得税と住民税、および東日本大震災の復興財源に繰り入れる復興特別所得税がかかります。税率は、売却年の1月1日時点で、その不動産を何年保有していたかをもとにして計算されます。

譲渡所得税率

  所有期間
長短区分 短期譲渡所得 長期譲渡所得
期間 5年以下 5年超 10年超所有軽減税率の特例
居住用 39.63%
・所得税(※)30.63%
・住民税9%
20.315%
・所得税15.315%
・住民税5%

①課税譲渡所得
6千万円以下の部分14.21%
・所得税10.21%
・住民税4%

 

②課税譲渡所得
6千万円超の部分20.315%
・所得税15.315%
・住民税5%

非居住用 39.63%
・所得税30.63%
・住民税9%
20.315%
・所得税15.315%
・住民税5%
※所得税には復興特別所得税が含まれます

保有期間が5年以下の場合は、譲渡所得の39.63%
(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%)

保有期間5年超なら、譲渡所得の20.315%
(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)

 上記のとおり、税率は5年を境に大きく変わりますので、所有期間が5年を超えての売却は、税金面からは得だといえます。最適な売却時期を考えるうえで、決定的な要素というわけではありませんが、判断材料のひとつとして知っておくとよいでしょう。

 なお、譲渡所得にはさまざまな特別控除がある。自宅として購入した不動産を売却した場合に最高3000万円までが売却益から差し引かれる「居住用財産の3000万円控除」が代表的。詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてほしい。
【関連記事はこちら】>>不動産売却時にかかる「税金」を、安くする方法は? 自宅、賃貸、相続した空き家など、不動産ごとに異なる控除など節税方法や、税金の計算式を紹介

売却時期は、1月から3月が売り時

 不動産売買では1年という単位のなかにも、売却のベストタイミングが存在します。

売り時は1月から3月
画像:PIXTA

 1年のうちで家やマンションが売りやすいのは、ズバリ、1月から3月です。

 就職・転職、転勤、子どもの学校の新学期と、年度替わりの4月を前に引っ越す人が多いためで、不動産業に携わる私たちが、年間で一番忙しくなる時期です。

 事情が許すのであれば、短期間で買手が見つかりやすいこの時期に照準を合わせて、売却準備をするのがおすすめです。

「売り先行」「買い先行」どちらにする?

 住み替えを考え始めると必ず突き当たるのが、「いまの家を売るのと、新しい家を買うのと、どちらを先に進めるべきか」、あるいは、「住んだまま売るか、引っ越してから売るか」という問題です。それぞれのメリット、デメリットを見てみましょう。

■「売り先行」のメリットは、余裕をもって売却できること。デメリットは、仮住まいが必要になること

 住み替えを検討する人の多くは、いま住んでいる家のローンがまだ残っています。このため、まず家を売って、そのお金でローンの残りを一括返済し、それから住宅ローンを組み直して新しい家を買う、という流れをとるのが一般的です。

 こうした「売り先行」では落ち着いて家の売却に臨めるので、買手との交渉にもじっくり取り組めます。確定した売却価格をもとに、資金計画を立てやすいというメリットもあります。

 ただし、売買契約が成立したら、引き渡し日までに物件から確実に退去できるよう、速やかに住み替え先を決めなくてはなりません。間に合うように新居が確保できないと、仮住まいが必要になることもありますから、引き渡し日の調整を含めて担当者とよく相談しておきましょう。

 新居の購入契約は急がないまでも、物件探しはある程度早い時期から心掛けておくと安心です。

■「買い先行」のメリットは、次が決まっている安心感。ただし資金計画に注意を!

 一方、次の住まいをしっかり確保してから、いま住んでいる家を売却するのが「買い先行」。新居探しにたっぷり時間がかけられますし、いま住んでいる家を引き払う時点で、すでに次の住まいが決まっているという安心感が得られます。

 難しいのは、売却のタイミングです。

 いま住んでいる家のローンが完済していない場合は、売却したお金で残りの住宅ローンを支払ったうえで、新居の住宅ローンを組むことになりますが、なかなか買い手がつかないと資金の予定が立ちません。

 新居はもう決めてしまっているので、安く叩かれても売らざるを得なくなったり、場合によっては新居の購入をキャンセルする事態もあり得ます。買い先行では、資金繰りができるかどうかがポイントになります。
【関連記事はこちら】>>「住み替え」の流れとノウハウを紹介! 「不動産売却」と「買い替え」のどちらを先にすればいいのかを徹底解説

住宅ローン完済と新居購入に使える「住み替えローン」とは?

 資金計画ですが、売却する住まいの住宅ローンを完済していれば、新居購入のための住宅ローンを新しく組むことができます。前の住宅ローンが残っていても、不動産の売却代金で残債を一括返済すれば大丈夫です。

 ところが、実際には、売却代金が住宅ローン残債に満たないことが、少なからずあります。

 残債があると抵当権を抹消できず、売買契約自体が成立しません。そこで自己資金で補塡して住宅ローンを完済するわけですが、それも難しい場合は、銀行によっては「住み替えローン」というものが使える場合があります。

 「住み替えローン」とは、家を売却しても住宅ローンが完済できないときに限って、残債分と新居の購入資金を、まとめて借りられるローンです。

・自宅を売却しても、ローンが残る人 → 住み替えローンが使えます
・自宅を売却してローン完済できる人 → 住み替えローンは使えません

 住み替えに便利な住宅ローンですが、「住まいの売却日と、新居の購入日を同日にしなければならない」という条件がつく場合があります。

 住み替えローンの利用を検討するのであれば、うまく日程を合わせられるかどうか、不動産会社の担当者に早い段階で相談する必要があります。

不動産売却のタイミング

・最適な売り時の目安は、築10年から15年の間

・税金面では保有期間5年超が有利

・時期は、1月から3月がベストシーズン

・売り先行では引き渡し日までに新居の確保が必要

・買い先行は資金繰りがカギ

◆ミライアスの売却査定(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地
相談実績数 2万7411件 「ミライアス」の公式サイトはこちら
サービス開始 2018年
運営会社 ミライアス株式会社(東京都渋谷区)
営業エリア 東京都、神奈川、埼玉、千葉県
【ポイント】平均成約日数33日のスピード成約を誇るだけでなく、売り出し価格と売却価格の乖離率も4.5%と低い(2020年3月実績)。売り手も買い手も喜ぶ、最大750万円の建物・設備補償は、大手に引けを取らない充実ぶり。
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<不動産売却の基礎知識>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産仲介会社に査定をしてもらうのがいい。

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を一度入力すれば、複数社から査定してもらうことができる。査定額を比較できるので、不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

SUUMO(スーモ)売却査定
リクルートのSUUMO(スーモ)でも、無料で一括査定ができる

 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産仲介会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産仲介会社が増加している。

 「大手に頼んでおけば安心」という人も多いが、不動産業界は大手企業であっても、売り手を無視した手数料稼ぎ(これを囲い込みという)に走りがちな企業がある。

 なので、一括査定で複数の不動産仲介会社と接触したら、査定価格ばかりを見るのではなく、「売り手の話を聞いてくれて誠実な対応をしているか」、「価格の根拠をきちんと話せるか」、「売却に向けたシナリオを話せるか」といったポイントをチェックするのがいいだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

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対応物件の種類 マンション、戸建て、土地
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サービス開始 2009年
運営会社 株式会社リクルート住まいカンパニー(東証一部子会社)
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対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
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サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
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対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
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サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
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対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 2399社
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点。弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
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◆イエイ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1700社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、サービス開始から10年以上という実績があるほか、対象となる不動産の種類も多い。「お断り代行」という他社にないサービスもある。弱点は、経営母体の規模が小さいこと。
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◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定は3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取り扱い物件がマンションしかない点。
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◆おうちダイレクト「プロフェッショナル売却」(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟アパート、店舗、事務所
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サービス開始 2015年
運営会社 ヤフー株式会社、SREホールディングス株式会社(ともに東証一部子会社)
紹介会社数 最大9社
【ポイント】ヤフーとソニーグループが共同運営する一括査定サイト。不動産会社に売却を依頼後も、ヤフーとおうちダイレクトのネットワークを使い、購入希望者への周知をサポートしてくれる。
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