事故物件や違反建築など「訳あり物件」の売却ポイントを解説! 業者買い取りは最後の一手!?シリーズ「不動産売却の秘訣」

2021年3月16日公開(2021年4月9日更新)
山本健司
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事故物件や違反建築など、売却が難しそうな不動産でも、意外に売却の可能性はあるもの。不動産仲介会社に勧められるまま、安い買取り業者に出す前に、まず一般市場で売却することを前提に、少しでも高値で売れるよう不動産仲介会社と交渉しましょう。

「違反建築」の物件を売りたいときは?

違反建築や事故物件の売却
事故物件や違反建築を売りたい(出所:PIXTA )

 それでは、売却が難しそうに思える不動産をケースごとに見ていきましょう。まずは「違反建築」を売却する場合です。「違反建築」とは、建築基準法をはじめとする法例や条件を満たしていない不動産のこと。土地面積の何パーセントまでなら1階部分を建ててもよいという、建ぺい率の定めを超えて建ててしまった建物は、「違反建築」の代表例です。
※建ぺい率とは、建物を真上から見たときに、敷地面積に占める建物の割合のこと。

 「違反建築だから売れない」とよく言われるのは、 金融機関の融資がつきにくいことが主な原因です。実際は、ある程度までなら住宅ローンが使える金融機関がありますので、多少評価は下がっても売ることはできます

 ただし、違反の度合いが目に余る場合は、建物を取り壊して、土地として売ったほうがよいケースもあります。 販売するときは「違反建築」であることを告知し、興味を持ってくれたお客さまには、融資が受けられる金融機関の情報を営業担当者から伝えてもらいます。

 また将来、行政から違反の是正命令が出る可能性もありますから、そうしたリスクも正直に、購入希望者に説明しましょう。

「既存不適格建築物」を売りたいときは?

 建物が建った後で道路の拡幅工事が行われ、敷地が削られた結果、建ぺい率をオーバーしてしまっている場合があります。このように不可抗力で法令の規定から外れてしまったのが、「既存不適格建築物」です。以前は高い建物を建ててもよかった地域なのに、その後規定が変わって、高い建物は建てられなくなった場合も、現状の建物は「既存不適格」になります。

 「既存不適格物件」は、違反建築と似ているようで、不可抗力によるという点で全く別物です。「違反建築」と違い、「既存不適格」では住宅ローンも問題なく通るケースが多くあります

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「再建築不可」の物件を売りたいときは?

 敷地が建築基準法上の道路に接していない場合、あるいは、建築基準法上の道路に接する長さが2mに満たない場合、その敷地には家を建てることができません。これが「再建築不可」です。ただし、交通、安全、防火、衛生上支障がないとして、特定行政庁が許可した場合は、建物を建てることができます
※特定行政庁とは、建築主事を置く市町村、または都道府県の行政機関のこと。建築確認申請や違法建築物に対する措置を管轄する。

 また、隣接する土地の所有者に購入してもらう、あるいは、道路と接する長さが足りない分の土地を譲っていただくなど、隣地の持ち主との交渉によって売却する方法もあります。こうした交渉をいとわず行う不動産会社が良い会社です。

 考えられるアプローチをすべて試してもだめなら、再建築はできません。それでも建築確認を必要としないリフォームは可能ですから、そのまま自分が住み続けたり、投資用物件として販売したりといった方法があります。

「事故物件」を売りたいときは?

 「事故物件」とは、自殺、殺人など人が亡くなる事件や、火災、犯罪などの事件があった不動産のことです。評価が下がる原因は、ひとえに心理的嫌悪感で、物件自体の価値がなくなってしまうわけではありません。売却方法として、以下のような方法があります。

  • ・ハウスクリーニングやリフォームをしてから売りに出す
  • ・大幅に値引きして売る、人々の記憶が薄れるまで待ってから売る
  • ・戸建て住宅なら更地にして売る
  • ・最終手段として買い取り業者に売る

 マンションの場合、事件や事故があった住戸の売却は、やはりそう簡単ではありませんが、マンション全体の価格は全く変わらず、ほとんどの場合、「事故物件」以外の住戸は問題なく売れます。

 「事故物件」を売る場合は、その旨を購入希望者に告知する義務があります。自然死は不動産評価にほとんど影響しませんが、それでもその物件において人が亡くなっていれば、告示義務は生じます。老衰で安らかに息を引き取った場合でも、闘病生活の末に自宅で家族にみとられて旅立った場合でも同じです。

 告知義務を怠って売却すると、事実が分かったとき、多額の賠償金を請求される場合があります。たとえ何十年前のできごとでも、知っている限りのことは不動産会社に話して、相談するようにしましょう。

【関連記事はこちら】>>事故物件(孤独死、自殺、他殺物件)不動産の相場と
高く売却するための方法は?

「大きな土地」を売りたいときは?

大きな土地の売却
小学校の教室4〜5個分(300㎡)の大きな土地(出所:PIXTA)

 大きな土地を売却する場合、不動産仲介会社に売却の相談をすると、「大きすぎる土地は、一般の人には売れないですよ。不動産会社に下取りをしてもらいましょう」と、言われることが多いと思います。

 しかし地域によっては、そのエリアの一般的な住宅区画より少し大きいくらいの土地なら、欲しい人がいるかもしれません。300㎡(約100坪)以上の不動産については、事業資産を買い替える目的で、税金の特例を使って購入する人が出てくる可能性があります。あるいは、相続税対策でアパートが欲しい、一棟マンションを建てたいという人もいるはずです。

 大きな土地の売却経験がある担当者なら、周辺の環境、土地の広さや形状などを総合的に見て、住宅用地以外の用途でもっと評価が上がる可能性はないかなど、真剣に売却をサポートしてくれるでしょう。

売主事情の「訳あり物件」を売りたいときは?

 物件自体ではなく、所有者の事情や契約関係に問題があるケースでは、不動産仲介会社の営業担当者が、状況を正確に把握しておくことが何よりも重要です。まずは売主さんの事情を詳しく説明してください。ここではよくある2つのケースを紹介します。

ケース1:住宅ローンが払えなくなった物件を売却する

 「任意売却」 物件の所有者が、もし途中で住宅ローンを払えなくなると、物件は差し押さえられ、「競売」にかけられてしまいます。

 ただ、住宅ローンを滞納していて、なおかつ物件を売却しても債務が残る場合でも、不動産仲介会社が間に入って金融機関との調整をはかることで、所有者は物件を一般の売却に出すことが可能です。強制的に競売で処分されるのではなく、所有者の意思で売ることができるので「任意売却」と呼ばれています。「任意売却」は、「競売」が避けられる選択肢のひとつと言えます。

 「任意売却」なら高く売れる可能性がありますし、売買契約の契約日や物件の引き渡し日についても、ある程度希望を提示することが可能です。物件を売却しても完済できなかった住宅ローンの残債は、その後も返済し続けなくてはなりませんが、「競売」ではなく「任意売却」によって、多少なりとも残債を圧縮できる(高く売れる)わけです。なお、「任意売却」について詳しく知りたいという人は、住宅ローンが破綻したら「任意売却」の検討を!の記事をご覧ください。

 こうした手段がありますので、住宅ローン返済で困っている方は、ためらわずに営業担当者に相談してください。担当者は状況を理解したうえで、売却の戦略を立ててくれます。

ケース2:サブリース契約付き「オーナーチェンジマンション」を売却する

 所有する賃貸借物件を、入居者がいる状態のままで売却し、オーナーが代わることを「オーナーチェンジ」といいます。

 「オーナーチェンジマンション」は、利回りを表示して売るのですが、このときサブリース契約を結んでいると、それが障害になります。サブリース契約とは、不動産会社が借り上げをした物件を転貸して賃借人と交わしている契約のことです。

 ある不動産会社がオーナーとサブリース契約を結び、月12万円の家賃を入居者から取って、オーナーに10万円を支払っていたとします。オーナーの家賃収入は年間120万円ですから、利回り5%と仮定すると、その物件の価値はおよそ2400万円です。

 一方、サブリース契約がなければ、家賃収入は毎月12万円で年間144万円。同じ5%の利回りで評価額は2880万円となり、ずっと高く売れます。 高く売りたいなら、サブリースを外してから販売に移るか、外せる保証を取るべきです。

 しかし、不動産会社は「借地借家法」を主張して、サブリースを外さないことがあります。また、サブリースが解除できても手続きに3カ月前後かかることが多いので、不動産仲介会社の担当者と情報を共有し、腰を据えてサポートしてもらいましょう。
※借地借家法(28条)では、正当な理由がない限り、更新拒絶は認められず、期間満了によっても賃貸貸借契約は終了されないとする。

 さまざまなケースを紹介してきましたが、訳あり物件でも事情があっても、業者買い取りは最後の一手。まずは不動産仲介会社に売却の努力をしてもらうほうが、売却金額が高くなることが多いのです。粘り強く交渉するようにしましょう。

【関連記事はこちら】>>不動産一括査定サイト&査定業者25社で比較! 売却価格の相場を無料で査定するおすすめサイトやメリット・デメリットなど徹底解説!

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<不動産売却の基礎知識>
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 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産仲介会社に査定をしてもらうのがいい。

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を一度入力すれば、複数社から査定してもらうことができる。査定額を比較できるので、不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

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 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産仲介会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産仲介会社が増加している。

 「大手に頼んでおけば安心」という人も多いが、不動産業界は大手企業であっても、売り手を無視した手数料稼ぎ(これを囲い込みという)に走りがちな企業がある。

 なので、一括査定で複数の不動産仲介会社と接触したら、査定価格ばかりを見るのではなく、「売り手の話を聞いてくれて誠実な対応をしているか」、「価格の根拠をきちんと話せるか」、「売却に向けたシナリオを話せるか」といったポイントをチェックするのがいいだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

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サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
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対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
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運営会社 Speee
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対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
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サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
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運営会社 セカイエ
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サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
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対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟アパート、店舗、事務所
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サービス開始 2015年
運営会社 ヤフー株式会社、SREホールディングス株式会社(ともに東証一部子会社)
紹介会社数 最大9社
【ポイント】ヤフーとソニーグループが共同運営する一括査定サイト。不動産会社に売却を依頼後も、ヤフーとおうちダイレクトのネットワークを使い、購入希望者への周知をサポートしてくれる。
おうちダイレクトの一括査定依頼サービス「プロフェッショナル売却」はこちら
 
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