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「相続登記における対抗要件」の変更平成31年度 相続法 (民法相続編)の改正のポイント(5)

【5】2019年9月12日公開(2020年6月10日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

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「相続登記における対抗要件」の変更で、遺言による不動産相続にも登記が不可欠に! "平成31年度の相続法(民法相続編)改正"で注目のポイントの一つ「相続登記における対抗要件」の変更について、基本的な用語の解説から、改正された背景、起こり得るトラブルやその対処法まで、徹底的に解説する!(取材協力・監修:法律事務所アルシエン 武内優宏弁護士)

相続では従来、不動産登記より「遺言」が優先

 相続が発生すると、不動産の所有権は各相続人において法定相続分によって「共有」される。その後、遺産分割協議で別の分け方をすることは可能だが、法定相続分(共有持ち分)の登記は共有物の保存行為にあたり、相続人がそれぞれ単独でできる。

 さらに、相続人の債権者も、債権の相手方(債務者)である相続人の法定相続分の不動産(共有持ち分)については、債権の担保を確保するため、その相続人名義での「登記」を行える。これを「債権者代位」という。

 お金を貸した相手がお金を返してくれない場合、お金を貸した人は相手が相続する分を担保として確保できる、ということだ。

 ところが従来、有効な「遺言」があり、遺言において特定の相続人に対して特定の不動産を相続させると指定されている場合(いわゆる「相続させる旨の遺言」)は、登記の有無に関わらず、相続人の間のみならず第三者に対しても、遺言が優先するとされていた。

 すなわち、ある相続人の債権者がその相続人が相続した不動産(共有持ち分)について債権者代位で登記を行ったとしても、後から有効な遺言が出てきて、別の相続人が不動産を全て相続すると指定されていた場合、債権者はみすみす担保を失うことになってしまう。

 このように、相続人の債権者は不安定な地位に置かれていたのである。(ただし、遺言の指定であっても、「相続させる」という遺言ではなく、特定の相続人や相続人以外の第三者に「遺贈する」という遺言の場合、他の権利者である相続人や第三者とは対抗関係に立ち、先に登記を行ったほうが権利主張できる)

第三者への権利主張に不可欠な不動産登記

不動産登記とは

 そもそも不動産登記とは何か。

 相続では、亡くなった人(被相続人)の財産に属した権利と義務が基本的に全て、相続人に引き継がれる。このうち、権利とは主に不動産や動産の所有権、および預貯金などの債権だ。

 そして、「登記」が問題となるのが不動産である。

 「登記」とは、一定の権利関係を広く社会に知らせるため、誰でも見ることができる公的なデータベース(※)にその情報を記載することをいう。(※不動産登記や商業登記はかつて各地の法務局が紙の台帳に記載していたが、1990年代から順次、コンピュータ化され、現在は紙の台帳は閉鎖されている。不動産登記の場合、2008年に全てコンピューターに移行し、「登記簿謄本」は「登記事項証明書」に名称が変わるなどしている。)

 個人や法人と取引する相手方が、不測の事態を被らないようにすることがその目的だ。具体的には、不動産登記、商業登記、法人登記、船舶登記などがある。

 「不動産登記」では、土地と建物についてそれぞれ別に、所在地や広さなどの物理的現況と、権利者の住所氏名などの権利関係が記載されている。

 「不動産登記」で重要なのは、取引の当事者間では登記なしでも相手方に権利を主張できるが、第三者に対しては登記があってはじめて権利主張ができることだ。

 これを「対抗要件」あるいは「対抗力」といい、登記の先後を争う当事者の関係を「対抗関係」という。

 例えば、ある土地の所有者が悪意を持って別々の2人と売買契約を結んだ場合、不動産登記(この場合は売買を原因とする移転登記)を先に備えたほうが「対抗要件」を備え、その土地の所有者となる。

 不動産登記を備えることができなかった買主は、売主に売買代金の返還と損害賠償を求めるしかない。

 逆にいうと、不動産に関する所有権などの権利は、不動産登記を備えていないと、いつなんどき、他人によってひっくり返されるかもしれない状態にあるということだ。

今後は遺言による不動産相続にも登記が不可欠に

 こうした不動産登記の対抗力の例外のひとつが、先ほど述べた相続における「遺言」の扱いである。

 今回の民法改正では、債権者の不安定な地位の改善を目的に、「有効な遺言があったとしても、不動産の相続を確定するには原則通り、登記が必要である」ということに変更となった。

 具体的には、民法相続編に新たに次のような条文が盛り込まれたのである。条文中、「次条及び第九百一条の規定により算定した相続分」というのが、いわゆる法定相続分のことである。

【第八百九十九条の二】
相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗できない。
※2項省略

 つまり、たとえば相続人である兄弟のうち、遺言によって法定相続分を超える不動産を相続することになった兄も、すぐに登記の手続きをしないと第三者に対して自分の権利を主張できなくなる。

 もし、他の相続人である弟が自ら、または弟の債権者が債権者代位によって、相続した不動産について法定相続分どおりの共有登記を行ったとする。その後に、さらに弟の債権者によって弟の共有持ち分を差し押さえたり抵当権を設定する内容の登記をされてしまうと、兄は、弟の債権者に対して、差し押さえや抵当権設定が無効だと主張することはできなくなってしまうのだ。

 この改正は、2019年7月1日より施行されている。

遺言で不動産を渡すには「公正証書遺言」で

 なお、この改正を踏まえ、亡くなった人(被相続人)が遺言で特定の相続人に法定相続分を超える不動産を渡そうとするなら、公証役場で公証人に作成してもらう「公正証書遺言」を利用したほうがよい。

 なぜなら、公正証書遺言であれば、それを登記所に持っていけばすぐ、指定された不動産の相続登記が行えるからだ。

 一方、亡くなった人(被相続人)が自分で作成する「自筆証書遺言」についてはどうだろうか。

 自筆証書遺言は今回の民法改正で要式の緩和などが行われたが、相続人を確定するため亡くなった人(被相続人)の戸籍を過去に遡って集めたり、遺言書の検認を行ったりすることがやはり必要で、最低でも2~3ヵ月かかってしまう。

 また、2020年7月10日から施行される自筆証書遺言の保管制度を利用した場合も、遺言書の検認は不要になるものの、保管されている遺言の閲覧や証明書の取得には全ての相続人の戸籍の提出が必要になると見込まれている。そのため、やはり相続登記を行うまでに一定程度の時間を要すことになる。
【関連記事はこちら】>>自筆証書遺言と公正証書遺言、おすすめはどっち? 法改正による要件緩和や保管制度のメリットを検証!

 その間に、他の相続人が登記を行い、さらにその相続人の債権者が不動産を差し押さえたりしたら、法定相続分を超えて遺言で不動産を相続しようとする相続人は負けてしまう。

 先ほども述べたように、法定相続分(共有持ち分)の登記であれば、各相続人やその債権者は単独でできるからだ。

  不動産における登記の重要性は、相続においても決定的なものになったといってよいだろう。遺言によって特定の相続人に不動産を引き継がせようという場合には、十分な注意が必要だ。

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