福島県沖地震での保険金申請はどうすればいい? 自分で撮影・申請する「自己申告制」の導入で、これまでよりも迅速な対応が可能に!

2021年2月25日公開(2021年9月17日更新)
福崎剛

2021年2月13日に発生した福島県沖地震で被害を受けた場合、「地震保険金」が請求できる。今回はコロナ禍ということもあり、保険会社各社では、被災者自身が損害状況を報告・申請手続きをする「自己申告制」を導入した。また、こうした災害直後には、悪質な保険金申請代行業者やリフォーム業者が増えるので、注意が必要だ。(フリージャーナリスト:福崎剛)

「自己申告制」を導入し、スムーズな保険金申請が可能に 

福島県沖地震 2021年 令和3年
※写真はイメージです(画像:PIXTA)

 2021年2月13日夜に起きた福島県沖を震源とする地震は、最大震度6強の大きさで宮城県と福島県を中心に強い揺れを引き起こした。津波による被害はなかったものの、家屋の損壊や道路の亀裂など被害は小さくない。そこで、今回の地震で被害を受けた場合、どのようにして地震保険の保険金請求するのかを解説しよう。

 今回の福島県沖地震では、その被害状況が広範囲に及ぶとみられている。すでに損保会社への保険金請求の問い合わせも相当数にのぼり、3月4日時点で14,000件以上、39億6393万円の保険金が支払われている(出典:日本損害保険協会)。

 一方、地震被害に対してスピーディーに保険金を支払うために、損害保険大手各社はコールセンターの人員を増やしたり、現場の被害調査をする立会人(調査員)の派遣をスムーズにするため、被災地近くに拠点を設けるなど細やかな対応をしている。

 保険金申請に関しては原則、調査員による訪問が必要になる。ただし、今回は書類提出するだけの自己申告による申請も可能になった。これはコロナ禍ということもあり、感染防止の観点から調査員の現地調査を行わなくていいように、導入されたものだ。書類と損害状況写真の提出を自分で行う「自己申告制」を採用することで、迅速に保険金申請ができることになっている。

 地震による被害があれば、まず契約している保険会社または加入代理店へ連絡しよう。保険会社(または加入代理店)へ連絡を取ると、次の2つの被害状況の確認方法が選べる。

【地震保険金の請求方法は2種類から選べる】
① 調査員による訪問
② 書面による損害の自己申告(書類と写真を郵送かインターネットを使って送信)

 コロナ禍で導入された自己申告制について、簡単に補足しておく。保険会社へ連絡をして自己申告を選ぶと、地震保険の「建物・損害状況申告書」と「建物・損害状況申告書の手引」(以下、手引書)が送付されてくる。申告書の記入のしかたについては、記入例や図解で分かりやすく説明されている、手引書のとおりに従って記入をすすめればいい。

 申告書を記入したら、カメラやスマートフォンで損傷箇所を撮影する。なお、写真の提出がない場合は、保険金請求ができないことになるので要注意だ(写真撮影が困難な場合は、現地立ち会い調査になるため保険会社へ連絡する)。

 さて、撮影するときのポイントとしては、次の3つになる。

【自己申告時に添付する写真の撮り方】
 ① 建物の全景(手引書の撮影例を参照)
 ② 表札(名前のわかるもの)
 ③ 損傷箇所(損傷を受けた部分を撮影)

 なお、保険金の申請前に、今回の地震による損傷箇所を自費で復旧・修理した場合でも、修理した部分の写真を撮影して提出すれば、地震保険を適用できるのか保険会社で判定してくれる。

 保険金の申請がスムーズにいけば、2週間から1カ月ほどで保険金が支払われるといわれるが、損害状況などによっては時間がかかる場合もあるため、保険会社に確認しよう。

損害保険大手各社の対応状況は?

 では、今回の福島県沖地震の被災に関する対応について、損害保険大手各社に問い合わせたので、まとめておこう。いずれの保険会社も、事故受け付対け応は24時間365日行っている。

<東京海上日動火災保険>

 まずは、東京海上日動火災保険について紹介しよう。

 「地震被害の連絡については、当社のサイトからの受付フォームによる方法や、フリーダイヤルの電話による方法があります。また、加入保険代理店へ連絡していただいても、速やかに手続きを行います」(東京海上日動火災保険 広報担当者)

 必ず、東京海上日動火災のWEBサイトもしくは0120-119-110(フリーダイヤル)に直接連絡するか、契約した保険代理店に連絡を入れることだ。立会人の調査にするか自己申告制を選ぶかも相談できるので、まずは連絡してみよう。

 また、郡山市や仙台市など、拠点となるサテライトオフィスには、立会人(調査員)の増員をはかり、速やかに現地調査へ向かえる準備も整えている。

<三井住友海上火災保険>

 「自己申告制」を希望する契約者には、必要書類をスピーディーに発送できる体制を整えているのが三井住友海上保険だ。なお、送付書類に同封された返信用封筒での提出も可能で、WEBサイトからの申請とどちらかを選んで申請できるようになっている。

 「当社では、被害のご連絡をいただいたお客さまに、当社から“損害状況申告書”と“申告書作成の手引き”をお送りします。この書類は、当社担当者が社内システム上の送付ボタンを押すと、お客さまに自動的に発送される仕組みとなっていますので、多数の被害連絡をいただいている中、手作業不要となるため、迅速なお客さまへのご案内(送付)を可能としています。」(三井住友海上火災保険 広報部担当者)

 また、送付書類にはチャットボットにアクセスできるQRコードも案内しており、当該書類を写真撮影して送信することも可能だ。

 三井住友海上でも、WEBサイトもしくはコールセンター(0120-258-189)にて事故受け付けを行っている。

 <損害保険ジャパン>

 損保ジャパンでは、「自己申告」を選択した場合、郵送・WEBサイトのほか、LINEで申請する方法も用意している。

 「当社では、電話やインターネットに加え、LINEで建物の被害に伴う保険金の請求を頂くことが可能です。24時間いつでもお客様のご都合の良い時間にご連絡いただけます」(損保ジャパン広報部担当者)

 さらにコールセンターでは、全国の非罹災地域の部署に電話を転送することで回線を増やしスムーズな連絡対応を実現している。また、申告書の記載方法などの問い合わせ専用窓口を東京と大阪に開設しているほか、損保ジャパンのWEBサイトで保険請求書・損害状況申告書など請求に必要な書類の作成と、記載方法をYoutube動画で紹介している。

※コールセンター
0120-727-110(損保ジャパン/旧損保ジャパン日本興亜での契約者)
0120-250-119(旧日本興亜損保での契約者)

■被災者の保険料の払い込み猶予もある

 今回の地震で被害を受けた人で、「災害救助法」が適用された地域(主に福島県)に住んでいる人であれば、保険料の払い込みが最長6カ月間猶予されることになった。これは、被災して保険料の払い込みが困難な場合を想定した救済措置で、保険料の支払いが止まってもすぐに契約解除とならないというものだ。災害救助法が適用された地域は、以下の通り。

<2021年2月13日 福島県沖地震で災害救助法が適用された地域>
【福島県】
福島市、郡⼭市、⽩河市、須賀川市、相⾺市、南相⾺市
伊達市、本宮市、伊達郡桑折町、伊達郡国⾒町
岩瀬郡鏡⽯町、⼤沼郡会津美⾥町、双葉郡広野町
双葉郡楢葉町、双葉郡富岡町、双葉郡浪江町、相⾺郡新地町

 払い込みが猶予されるのは、災害救助法が適用された地域に限るため、保険に加入している居住地が対象になっているかどうか、地元の自治体や保険会社に確認しよう。

 また、払い込み猶予の対象となるのは地震保険、火災保険、自動車保険、傷害保険などで、満期を迎える損害保険の継続手続きに関しても猶予されることになる。

保険申請代行業者や
リフォーム業者などの誘いには注意!

 実は、地震など大きな自然災害が発生した直後は、保険申請代行業者やリフォーム業者などによるトラブルが多くなる傾向にある。

 「火災保険や地震保険の保険金を使って、自己負担なく自宅の修理ができます」などと言い、強引な契約や、うその修理報告、高額なキャンセル料や成功報酬料金を請求されるといったものだ。こうした業者の実態については、こちらの記事(“保険金請求の申請代行”は使っていいのか?)で詳しく解説している。

 「『保険金が使える』と言って勧誘する業者が来てもすぐに契約せずに、まずは、ご加入先の損害保険会社または代理店にご相談ください」と、日本損害保険協会広報の木村拓登氏は話す。

 この10年間で保険金が使えるという住宅修理トラブルは約24倍に増大しており、悪質な手口はますます巧妙になっているという。損保各社でも、保険金トラブルに巻き込まれないように、注意喚起を呼びかけている。

<保険金請求代行業者の主な手口> 
①電話や訪問などで「自己負担なく修理できるので見積もりを作らせてほしい」と強引に契約を迫る。 
②被害状況を確認するといって屋根に上り、故意に屋根瓦をずらすなどして修理範囲を広げる。
③途中で修理を断ると法外なキャンセル費用を請求する。

 このほかにも巧妙な手口で近づくことが予想されるので、くれぐれもすぐに業者と契約をせずに一度保険会社か加入保険代理店に相談するのが最善だ。

万が一に備え、地震保険に加入しよう

 地震によって家屋や家財の損傷が発生した場合、地震保険に加入している場合は保険金が支払われる。地震保険は、火災保険とのセットでしか加入できず、火災保険の保険金額の3~5割の範囲内で、建物が5000万円、家財は1000万円を上限に契約保険金を決めるというものだ。

 支払われる保険金は、実際の修理費ではく、損害程度を「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4区分(※保険始期日が平成28年以前の契約は、全損、半損、一部損の3区分)にして、その程度に応じて一定割合が支払われるようになっている。

 たとえば、地震による被害(津波なども含む)で受けた損害が、時価額の50%以上となった場合、もしくは焼失・流失した部分の床面積が、建物の延べ床面積の70%以上となった場合には「全損」という扱いになり、地震保険の保険金額100%が支払われる…といった具合だ。

 地震保険金の支払いが、実際に損害を受けた費用ではなく、「一定割合の支払い」で統一されているのは、そもそも地震保険は政府と民間の損害保険会社が共同で運営している制度で、被災者の生活復旧を最優先としているからだ。地震被害は一度起きると広範囲にわたるため、多数の被災者に迅速に保険金を支払えるように、このようになっている。

 2011年の東日本大震災以降、地震保険の加入は増えている。地震保険の付帯率は約67パーセントにまで上がっており、万一に備えて加入者が増える傾向にある。まだ加入していないなら、この機会に地震保険の契約をしてみるのもおすすめだ。
【関連記事】>>2021年には地震保険が最大14.7%の値上げ! 高額な地震保険は本当に必要なのか、お得な加入方法はないのかを検証!

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