あいおいニッセイ同和損保「タフ・すまいの保険」はおすすめ? 保険料は標準的、ネット契約不可で支払い方法に制限があるのは難点か【2022年10月最新版】

2022年10月1日公開(2023年10月18日更新)
ダイヤモンド不動産研究所
監修者 鈴木竜一郎:AFP認定者

あいおいニッセイ同和損保の火災保険「タフ・すまいの保険」の特徴を紹介しよう。まず、基本補償プランは損害保証金の支払い対象となる事故の範囲をどこまで設定するかで、5種類から選択できる。さらに日常生活のリスクに備えた補償設計も可能だ。そのほか、料金プランの詳細やおすすめポイント、注意点を紹介する。

あいおいニッセイ同和損保「タフ・すまいの保険」の特徴

あいおいニッセイ同和損保「タフ・すまいの保険」は、​特約(オプション)の種類が多く、補償範囲も他社と比較して広いのが特徴。

「居住用建物電気的・機械的事故特約」「屋外明記物件特約」に加入すると、通常の火災保険の補償範囲に加えて、電気設備やガス設備、大型車庫、石垣などまで補償することができる。

なお、あいおいニッセイ同和損保は、MS &ADインシュアランスグループHDの傘下。同じく傘下の三井住友海上火災保険の「GKすまいの保険」と基本契約、特約ともにほぼ同じ内容になっている。

あいおいニッセイ同和損保と三井住友海上は、2025年度にも保険金支払いシステムの一体運営を始めるとのニュースもあり、保険商品もほぼ同じ内容で販売されているようだ。

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「タフ・すまいの保険」の基本補償と契約プラン

タフ・すまいの保険の契約プランは5種類。それぞれ、基本補償の組み合わせが異なっている。

【タフ・すまいの保険(あいおいニッセイ同和損保)の基本補償】

①火災・落雷、破裂・爆発
②風災・雹(ひょう)災・雪災
③水ぬれ
④盗難
⑤水災
⑥破損・汚損等(「外部からの物体落下など」「騒じょう」の事故を含む)

 次に、契約プランの表をみてみよう。

 【「タフ・すまいの保険」の契約プラン】

タフ・すまいの保険の5つの補償
出典:タフ・すまいの保険 WEBサイト「建物の補償

基本補償①火災、落雷、破裂・爆発~⑥破損・汚損等の、すべての補償を包括したのが「フルサポートプラン」。一方、最低限の補償だけを備えた「エコノミープラン」は、①火災・落雷、破裂・爆発、②風災・雹災・雪災のみが補償範囲となる。

また、フルサポートプランから、「⑤水災」か「⑥破損・汚損等」、またはその両方を補償範囲から外したのが「セレクトプラン」だ。それぞれ、以下のように分かれている。

・セレクト(水災なし)プラン
 ・セレクト(破損・汚損なし)プラン
 ・セレクト(水災、破損・汚損なし)プラン

なお、水災なしを選ぶことができるのは、共同住宅(マンションなど)に限られており、戸建てでは選択することができない。

 セットの名称、セットの組み合わせ内容、組み合わせの条件など全て、三井住友海上の「GK住まいの保険」と同じだ。

すべての契約に自動セットされる5つの費用補償特約

費用補償特約とは、損害自体に対する補償ではなく、損害の発生に伴って生じる費用を補償するもの。例えば、火災後の残存物撤去費用や清掃費用といったものだ。損害自体の金額はもちろん大きいが、こうした費用の負担も侮ってはいけない。

 「タフ・すまいの保険」5つの費用補償特約

費用補償特約の種類は以下の5つだが、そのうち1つは分譲マンションを賃貸に出しているオーナー向けの補償だ。そのため、持ち家の人にとっては実質4種類となる。

「防犯対策費用(事故に遭ったあと、防犯対策を講じる場合の費用を補償する)「地震火災費用(地震などによる損害を受けた場合にいくらか保険金が受け取れる)といった、一般的な費用補償は用意されているものの、その他の損保会社と比べると、多いとは言えない。

 なお、三井住友海上の「GKすまいの保険」では、事故時諸費用(火災・風水災等限定)特約が自動付帯となっているが、「タフ・すまいの保険」では任意で追加するオプション特約になっている。

 逆に、「GKすまいの保険」で任意で追加するオプション契約となっている災害緊急費用特約が「タフ・すまいの保険」では自動セット特約となっている。

あいおいニッセイ同和損保「タフ・すまいの保険」5つの費用補償特約
<タップして続きを表示>

*特別費用保険金特約
〈保険の対象が建物を含む場合のみ〉建物の損害に対する保険金の支払い額が、1回の事故で建物保険金額に相当する額となり、保険契約が終了する場合に支払われる。
【保険金支払い額】損害保険金×10%(1事故1敷地内について200万円が限度)


*防犯対策費用特約
〈保険の対象が建物を含む場合のみ〉保険の対象である建物において、犯罪行為(警察署に届け出たものに限る)が発生した場合に再発防止のための建物の改造または防犯機器等の設置に必要な費用や、ドアの鍵が盗難にあった場合に、ドアの錠の交換に必要な費用を補償する。
【保険金支払い額】建物の改造または装置などの設置に要した実費(1回の事故につき、20万円が限度)、ドアの鍵を交換した場合は、交換に要した実費(1回の事故につき、10万円が限度)


*災害緊急費用特約
選択した契約プランで補償される事故によって、保険の対象(建物、家財)が損害を受けた結果、復旧にあたり仮修理費用や、仮住まいの賃借費用などを支出した場合に、その費用を補償する。(支出の際には、あいおいニッセイ同和損保の承認が必要)
【保険金支払い額】保険の対象の復旧にあたり、あいおいニッセイ同和損保の商品を得て支出した必要かつ有益な費用の額(1回の事故につき、1敷地内ごとに保険金額×10%、または100万円のいずれか低い額が限度)


*地震火災費用特約
地震など(地震、噴火、津波)を原因とする火災によって、保険の対象が損害を受け、次のいずれかの条件を満たす場合に補償する。
・保険の対象である建物(庭木および屋外設備は除く)や家財または家財明記物件を収容する建物が半焼以上となった場合
・保険の対象である家財または家財明記物件が全焼した場合
・屋外明記物件の火災による損害の額が、屋外明記物件の再調達価額の50%以上となった場合
【保険金支払い額】保険金額×5% (1事故1敷地内について、300万円が限度)


*バルコニー等専用使用部分修繕費用特約(分譲マンションオーナー向け)
選択した契約プランで補償される事故によって、記名被保険者が管理するバルコニー・玄関ドアなどの共用部分に発生した損害について、管理組合の規約に基づき、記名保険者が負担する修繕費用を補償する。
【保険金支払い額】1事故1敷地内について、30万円が限度

  

すべての契約に付帯するサービス

 また、「タフ・すまいの保険」には、上記の費用補償特約のほかに、「すまいの現場急行サービス」「すまいの安心サポート」という2つのサービスが自動で付帯する。

<すまいの現場急行サービス>

 「すまいの現場急行サービス」は、水回りや玄関ドアのトラブルが発生した時に専門業者を手配して対応してくれるというもの。出張料・作業料は無料だ。ただし、各種部品代、鍵の作製代などは実費となる。

<すまいの安心サポート>

 「すまいの安心サポート」は、法律や税務といった暮らしに関連する相談に乗ってくれるというもの。受付時間は平日の13時~17時とやや短い。

 なお、三井住友海上「GKすまいの保険」の付帯サービスは「フルサポートプラン」か「セレクトプラン(水災なし)」を契約した時のみに利用できるが、「タフ・すまいの保険」では全ての契約に自動付帯する。

「タフ・すまいの保険」の特約(オプション)

「タフ・すまいの保険」の特約について説明しよう。特約とは、基本補償に加えて、オプションとして加入する補償のことだ。

「タフ・すまいの保険」の特約(オプション)

「タフ・すまいの保険」では特約が非常に豊富。なかでも、「日常生活賠償特約」は非常に重要だ。日常生活において、偶然、他人に損害賠償を支払わなくてはならなくなってしまった場合に保険金が支払われる。自転車事故の場合も補償の対象になるので、この特約に加入しておけば、自転車保険に別途加入する必要はない。

また、「屋外明記物件特約」は、その他の損保会社が取り扱わない、大型車庫や石垣なども保険の対象にすることができる。「居住用建物電気的・機械的事故特約」では、水災発生時、基本補償の「水災」の要件を満たさない(床下浸水のみなど)場合でも、電気設備やガス設備の故障を補償してくれる。

また、「受託物賠償特約」では預かりものを壊した際の補償、「自宅外家財特約」では、旅行中に携行していた家財や別荘の家財の補償があるなど、日常生活のトラブルに対して手厚い補償が受けられる特約も目立つ。

あいおいニッセイ同和損保「タフ・すまいの保険」の特約(オプション)

*日常生活賠償特約 ※重要!
日本国内または国外において住宅(別荘等を含む)の所有・使用・管理または日常生活における偶然な事故により、他人を死傷させたり、他人の物を損壊させ法律上の損害賠償責任を負った場合の損害、または日本国内において電車などの損壊を伴わない運行不能について法律上の損害賠償責任を負った場合の損害を補償する(ジェットコースターなど遊園地等で使用されるものは除く)。
【保険金支払い額】1回の事故につき3億円が限度

 

*水災支払限度額特約
水災の事故の場合に、損害保険金の支払限度額を「保険金額×30%」に制限することにより、保険料を安くする。希望に応じて、支払限度額を「保険金額×10%」にすることも可能。後述する「特定機械設備水災補償特約」とは同時にセットできない。「フルサポートプラン」または「セレクト(破損汚損なし)プラン」の場合のみ加入できる。

 

*事故時諸費用(火災・風水災等限定)特約
選択した契約プランで損害保険金が支払われる場合(③ 水ぬれ、⑥破損 、汚損などを除く)、事故発生時に臨時で発生する費用として支払われる(損害保険金とは別)。
【保険金支払い額】損害保険金10%(1回の事故につき、1敷地内ごとに300万円が限度)


*居住用建物電気的・機械的事故特約
電気設備やガス設備などの機械設備に、基本補償では補償対象とならない「電気により発生した焦損・炭化・絶縁破損などの物的損害を伴う事故」や、「機械の稼働により発生した亀裂・折損・変形・剥離などの物的損害を伴う事故」が発生した場合に、1回の事故につき、建物保険金額を限度に補償する。※建物の面積金額が「なし」または「1万円」の場合は、免責金額3万円が適用され、その他の場合は、建物と同額の免責金額が適用される。※「フルサポートプラン」または「セレクト(水災なし)プラン」で、保険の対象に「建物」を含むご契約にセットできる。ただし、築年数が10年超の建物についてはこの特約を新たにセットすることはできない。
※1「フルサポートプラン」または「セレクト(破損汚損なし)プラン」で、保険の対象に「建物」を含む契約にセット可能。水災の補償がない契約、水災の補償を一部補償としているご契約にはセット不可
※2「水災支払限度額特約」、「水災一時金特約」と同時にセットすることはできない。
【保険金支払い額】再調達価額(1回の事故につき1敷地内ごとに最大100万円まで)


*特定機械設備水災補償特約
台風・豪雨等による洪水などにより、電気設備やガス設備等の機械設備に損害が発生し、床下浸水等で基本補償における浸水条件を満たさない場合に、1回の事故につき1敷地内ごとに最大100万円まで補償
【保険金支払い額】再調達価額(建物の保険金額が上限)


*類焼損害・失火見舞費用特約
■類焼損害保険金…自宅の火災、破裂・爆発事故によって、近隣の建物や収容動産に発生した損害を補償する。類焼先に他の保険契約がある場合には、その保険契約などから支払われる保険金に不足する部分に対して支払われる。
【保険金支払い額】1回の事故につき1億円限度
■失火見舞費用保険金…建物やその収容家財などからの火災、破裂・爆発事故によって、近隣の建物や収容動産に損害が発生したために支出した見舞金などの費用が補償される。
【保険金支払い額】1被災世帯あたり30万円が限度、かつ1回の事故につき全被災世帯合計で契約建物(家財)に対して支払われた損害保険金の30%が限度


*受託物賠償特約
日本国内において、他人から預かったものやレンタル品などの受託物を損壊、紛失、または盗難にあったことにより、法律上の損害賠償責任を負った場合に、損害が補償される。受託物とは、被保険者が使用または管理する他人の財物で、被保険者が日本国内において日常生活上の必要に応じて他人から受託した財物をいう。ただし、通貨・有価証券類、貴金属・骨董(とう)、自動車・原動機付自転車・船舶・航空機、銃器・刀剣、動物・植物、公序良俗に反する物など受託物に含まれないものがある。
【保険金支払い額】特約保険金額を「30万円」「100万円」のいずれかから選択。支払われる保険金は1回の事故につき特約保険金額が限度。
※示談交渉サービスが利用できる。ただし、損害賠償請求に関する訴訟が日本国外の裁判所に提起された場合は示談交渉サービスの対象外となる。


*弁護士費用特約
■弁護士費用等…日本国内における偶然な事故によって、ケガをしたり、自宅や家財が損害を受け、損害賠償請求を弁護士等に委任した場合の費用が補償される。
【保険金支払い額】1回の事故につき、被保険者1名ごとに300万円が限度
■法律相談費用…日本国内における偶然な事故によって、ケガをしたり、自宅や家財が損害を受けた場合の弁護士などへの法律相談費用が補償される。
【保険金支払い額】1回の事故につき、被保険者1名ごとに10万円が限度


*自宅外家財特約
選択した契約プランで補償される事故によって、日本国内外で携行中の家財や、日本国内の別荘等に収容する家財に発生した損害が補償される。※「フルサポートプラン」または「セレクト(水災なし)プラン」で、保険の対象に家財を含む契約にセット可能。特約保険金額は、「10万円」「20万円」「30万円」「40万円」「50万円」「100万円」のいずれかから選択する。
【保険金支払い額】1回の事故につき、特約保険金額が限度。免責金額は家財の免責金額と同額。

 

*家財明記物件特約
選択した契約プランで補償される事故によって、貴金属などに損害が発生した場合に補償する。保険金額は、再調達価額を基準に設定(1000万円を超える契約は不可)。
【保険金支払い額】1回の事故につき、家財明記物件保険金額が限度。免責金額は家財の免責金額と同額(免責金額なしの場合も、破損・汚損による損害については、1回の事故につき免責金額5万円)

 

*屋外明記物件特約
選択した契約プランで補償される事故によって、屋外明記物件に損害が場合に補償する。保険金額は、再調達価額を基準に設定。
【保険金支払い額】1回の事故につき、屋外明記物件保険金額が限度。免責金額は建物の免責金額と同額。

    

*ライフライン停止時仮すまい費用等特約
事業者からの電気、ガスまたは水道の供給が12時間以上停止し、一時的に旧住することが困難となった場合に必要とする仮すまい費用等が実費で補償される。ただし、地震等による停電は除く。
【保険金支払い額】仮住まいにかかった実費(1回の事故につき10万円限度)

 

*借家賠償・修理費用特約(賃貸住宅入居者向け)
事故によって借用住宅が損壊等した場合の賠償金や修理費用を補償。
【保険金支払い額】借家賠償:特約に設定した保険金額が限度。 修理費用:1回の事故につき300万円限度

  

*家賃収入特約(賃貸オーナー向け)
火災等の事故によって賃貸している建物からの家賃収入が得られなくなった場合の損失額を補償。
【家賃収入特約の保険金額】 「家賃月額」×「約定復旧期間の月額」

  

*家主費用特約(賃貸オーナー向け)
賃貸住宅(注1)内での死亡事故(注2)発生に伴う空室期間、家賃値引期間分の家賃の損失や、清掃、脱臭、遺品整理等にかかる費用を補償.
(注1)居住者が賃借する戸室(バルコニー等の専用使用部分を含む。)を指し、共用部分は含まない。一戸建ての場合には、付属建物およびその敷地を含む。
(注2)死亡事故とは賃貸住宅内での自殺、犯罪死または賃貸住宅の物的損害を伴う孤独死を指す。
【保険金支払い額】 死亡発見日から90日以内に賃貸住宅が空室となり、30日以上続く空室期間または空室期間短縮のために家賃を値引きした分の家賃損失分。また、原状回復のための費用や遺品整理費用などに打ちても100万円限度に補償

 

*賃貸建物所有者賠償(示談代行なし)特約(賃貸オーナー向け)
賃貸建物の保守、管理等に関する賠償事故を補償。
【保険金支払い額】1回の事故につき特約保険金額限度(1000万円、3000万円、5000万円、1億円、2億円、3億円、5億円、10億円から選択)

  

*賃マンション居住者包括賠償特約(賃貸オーナー向け)
賃貸マンションや賃貸アパートのすべての居住者を対象に日常生活での賠償事故をまとめて補償。
【保険金支払い額】1回の事故につき特約保険金額限度(1000万円、3000万円、5000万円、1億円、3億円から選択)

 

独自の割引制度はほとんどない

 火災保険商品は、損保会社によって独自の割引制度が用意されていることが多いが、「タフ・すまいの保険」ではこうした割引制度がほとんどないと言える。

 保険の対象が建物の場合、築年数に応じて保険料が割安となる「築年数別料率」があるが、この割引制度はどの損保会社も取り入れているものだ。割引率は契約内容に応じて異なり、詳しくは代理店などで確認することが必要になる。

免責金額の設定と注意点

免責金額とは、保険金が支払われる際に差し引かれる額のこと。「タフ・すまいの保険」では、建物と家財それぞれの免責金額を設定することができる。

・建物…なし、1万円、3万円、5万円、10万円から選択
・家財…なし、1万円、3万円、5万円から選択

ただし、免責金額なしを選択した場合でも、破損、汚損等による損害については、1回の事故につき5万円の免責金額が適用されるので注意したい。

なお、契約プランや付帯する特約によっては、この免責金額が適用されないケースもある。例えば、「風災、雹災、雪災の場合、損害額20万円以上のみ補償」とする契約や、「水災一時金特約」をセットした場合などだ。

「タフ・すまいの保険」で注意すべきポイントは?

自社サイトでの見積もりが不可

「タフ・すまいの保険」は、代理店もしくは一括見積もりサイト経由でないと、見積もりが取れない

 多くの損害保険会社は、自社サイトに見積もりフォームを用意しており、簡単に見積もりが取れることを考えると、不便な点だと言えるだろう。

 なお、地震保険については見積もりが取れるが、地震保険料はどの損保会社で契約しても同一料金なので、あまり参考にはならない。

「タフ・すまいの保険」の保険料は?

先述したが、「タフ・すまいの保険」は、現在、WEB上で見積もりを取ることができない。そのため、詳細を確認したい場合は、あいおいニッセイ同和損保かその代理店、もしくは一括見積もりサイト経由で連絡することが必要だ。

あいおいニッセイ同和損保「タフ・すまいの保険」の保険料は?

(2022年10月以前の契約プランの場合)

【火災保険料 試算条件】
・新築戸建て、木造(H構造)、所在地東京
・保険金額:建物2000万円、家財500万円
・契約期間10年(年払い)
・付帯特約:
災害緊急費用、防犯対策費用、地震火災費用(5% 300万円限度)、特別費用、権利保全行使費用

(2021年1月試算 )

まずは、すべての基本補償を対象にしているフルサポートプランの場合だ。

  フルサポートプラン  基本補償すべてに免責金額なし

年間保険料53,888円(10年契約で538,880円)

【補償対象】
①火災、落雷、破裂・爆発
②風災・雹災・雪災
③水ぬれ
④盗難
⑤水災
⑥破損、汚損等

 10年契約一括払いで合計保険料は53万8,880円。1年間当たりの保険料は5万388円となる。

 次に、フルサポートプランから「破損・汚損等」の補償を除いた、セレクト(破損汚損なし)プランの場合を見てみよう。

  セレクト(破壊汚損なし)プラン  基本補償すべてに免責金額なし

年間保険料51,540円(10年契約で515,400円)

【補償対象】
①火災、落雷、破裂・爆発
②風災・雹災・雪災
③水ぬれ
④盗難
⑤水災

 こちらの1年間当たりの保険料は5万1,540円と、フルサポートプランと比較してみると、年間保険料が2,300円程度の差でしかなかった。

 最後に、最低限の補償である「火災、落雷、破裂・爆発」「風災・雹災・雪災」だけを補償範囲とする、エコノミープランの保険料を見てみよう。

  エコノミープラン  基本補償全てに免責金額なし

年間保険料39,754円(10年契約で397,540円)

【補償対象】
①火災、落雷、破裂・爆発
②風災・雹災・雪災

エコノミープランだと、1年間当たりの保険料は3万9,754円となった。フルサポートプランと比べると年間14,000円程度、保険料を抑えることができた。

なお、すべての補償を含んだ契約プラン「フルサポートプラン」の保険料は、他社と比較しても標準的な金額となっている。

「タフ・すまいの保険」のメリット・デメリット、どんな人におすすめ?

【メリット】「屋外明記物件特約」をつけると車庫や石垣も補償対象に

 一般的な火災保険では、車庫や石垣といった屋外の設備が補償対象にならないことが多い。しかし、「タフ・すまいの保険」では「屋外明記物件特約」をオプションで付帯することによって、屋外の大型車庫や石垣も補償対象になる。

 他にも、自宅から持ち出した家財を補償する特約(自宅外家財特約)や、電気設備を補償する特約(居住用建物電気的・機械的事故特約)、賃貸オーナー向け特約などと、オプションの特約が豊富なのが特徴的だ。

 また、基本補償プランの免責金額が、建物は5段階、家財は4段階から金額を選択できる火災保険は他にあまりない。免責金額を高く設定すれば、保険料を抑えることができる。

 すべての契約プランに対して、「すまいの現場急行サービス」「すまいの安心サポート」といった無償サービスが利用できるのもメリットのひとつだ。

【デメリット】割引制度が少ない

 「タフ・すまいの保険」の割引制度は「築浅割引」しか存在しない。築年数に応じた保険料割引制度は、ほとんどすべての損保会社が採用しているため、一般的だ。

 また、オプションで付けられる特約が豊富だと説明したが、あまりに種類が多すぎるので、すべてを自分で選択するのは難しいだろう。

 WEB上で簡単に見積もりが取れないのも難点だと言える。自分の家の保険料を知りたい場合は、損保会社か代理店へ連絡しなくてはならない。

 あいおいニッセイ同和損保「タフ・すまいの保険」は、どんな人におすすめ?

「タフ・すまいの保険」は、免責金額が細かく設定できることと、任意でつけられるオプション特約が充実しているのが特徴だ。

そのため、戸建て住宅で大型車庫や石垣などを敷地内に持っている人は、「屋外明記物件特約」に加入すれば、これらを補償範囲内にできるため、おすすめだ。ちなみに、他社だと補償範囲とならないことが多い。

なお、保険料については標準的な水準で、他社と比べて特段安いというわけではない。

契約プランは5種類に固定されているため、自分の必要な補償だけを契約するといったカスタマイズ性はないため、自由度は低い。また、独自の割引制度もないため、少しでも保険料を抑えたいという人は、一度、別の商品の見積もりをしてみることをおすすめする。

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