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火災保険の対象には「家財」も必要? 保険の対象になるもの・ならないものや、保険金額の決め方を確認しよう!

2020年11月11日公開(2020年11月12日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

100年以上の歴史をもつ出版社・ダイヤモンド社が運営する、不動産メディア「ダイヤモンド不動産研究所」の編集部です。徹底した消費者目線で、誰にでも分かりやすく、不動産について分析・解説します。

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家が火事で全焼すれば、家財だけでも損害は数百万円から1,000万円以上になりますが、これを補償できるのが、家財を対象とする火災保険です(家財保険ともいいます)。火災保険では「建物」と「家財」は別契約となり、自分で家財の火災保険に加入していない限り、家財は補償対象にはなりません。家計とのバランスのなか、家財の保険の保険金額をいくらに設定するべきなのか、考えてみましょう。

持ち家の人は家財も保険に入っているか、まずは確認

 持ち家の場合、火災保険に加入する際に、補償対象を「建物のみ」「家財のみ(家具・家電・衣服など)」「建物+家財」の3つから選択します。

家財保険の対象とは?

 そのため、すでに火災保険に加入していても、家財が補償対象になっているとは限りません。

 特に、住宅ローンを組む際に火災保険に加入した人は、家財の補償を付けていないケースもあります。というのも、銀行は住宅ローン契約を結ぶ条件として「火災保険への加入」を求めますが、これは返済中に火災が起きたときに、建物の担保価値を損なわないようにするためです。そのため、住宅ローンを借り入れる場合、保険対象に建物は必須ですが、家財については契約者自らが希望しなければ、加入していない場合があるのです。

 「火災に遭うと、損害は建物だけでは済みません。小さな火事で済んでも、煙や消火活動によって、家財が被害を受けることがあります。保険金によって建物は修復できても、家財が揃わなければ、元の生活には戻れませんから、家財の保険は重要です」(生活設計塾クルー、ファイナンシャルプランナー、清水香氏)

 仮にもらい火だった場合でも、失火責任法という法律により、火元に重大な過失がなければ賠償金の請求もできません。家財についても火災保険でカバーしておくことは必須といえるでしょう。ただし、家財についても火災保険に加入すれば、その分、保険料が上がります。ですから、適切な保険金額を設定することが大切です。

賃貸住宅は、多くのケースで家財の保険に加入済

 一方、アパート、マンションなどの賃貸住宅では、入居の契約時に火災保険への加入を条件にしているところがほとんどです。その際に加入するのは、建物ではなく、家財を対象とする火災保険です。建物については、所有者(家主)が加入しています。

 家主が入居者に家財保険への加入を条件にしている目的は、入居中のトラブルを防止するためです。家財の保険とセットになっていることの多い「借家人賠償責任保険」にも加入することが多く、入居者が火災を起こした場合でも、原状回復にかかる費用などを保険でまかなうことができます。

 同様に「個人賠償責任(自動車事故を除く、事故全般を幅広く補償する保険)」も基本的にセットになっているため、漏水事故を起こした場合でも補償を受けられ、損害を受けた入居者への賠償金に充てることができます。

 念のため確認は必要ですが、以上のように、賃貸住宅に住んでいる人の多くはすでに家財の保険に加入済みです。ただし、加入していても、保険金額が適切であるとは限りません。また、賃貸でも火災保険は自分で選べるので、補償内容に過不足があるようなら、別の商品に切り替えてもかまいません。

家財の保険で補償対象になるもの、
ならないものを知っておこう

 それでは、家財にかける保険金額を考える第一歩として、家財とは何かについて理解しておきましょう。家財とは、建物内にある電化製品や家具、衣類、食器など、「生活用の動産(動かせる財産)」のことです。動かすことのできない浴槽や調理台、畳、ふすま、建物に取り付けてあるエアコンなどは、家財ではなく、建物として扱われます。

 また、“生活用”であるため、什器や商品など業務用途のものは対象外となります。同じ観点から大型のバイクや自動車は対象外ですが、自転車および総排気量125cc以下の原動機付き自転車は家財として補償対象になります。動物や植物など生き物は対象外です。

家財保険の対象とは?
(画像:PIXTA)

 現金、小切手、株券、手形その他の有価証券、印紙、切手、預貯金証書、クレジットカード、プリペイドカード、電子マネー、乗車券などについても対象外です。ただし、現金や通貨、預貯金証書が盗難に遭った場合は一定額(保険会社によります)を限度に補償されます。

 一方、高額な貴金属や宝石、絵画や骨董などの美術品は、生活用家財ではありませんが、多くの保険会社で契約時に申し出て「明記物件」とすることで、一定額の補償を行っています。同じ高級品でも、ブランド物のバッグや時計などについては、明記物件としなくても補償しているところが多いようです。

表:家財保険の対象になるもの・ならないもの

家財保険の対象になるもの・ならないもの

 ただし、いずれの家財も外出や他人に貸すなど、家から持ち出した場合には補償されません(補償を受けるには、別途、特約を付ける必要があります)。

 また、「破損・汚損損害等補償特約」を付けると、火災だけでなく、不測かつ突発的な事故によって家財に損害が生じたときも補償を受けられるようになります。子どもがボールを投げてテレビの液晶部分を割ってしまい、買い替えたり、修理したり場合でも、その費用を契約に従って補償してもらえます。

家財の無駄のない保険金額の決め方

 いよいよ本題の家財の保険金額の決め方です。この点については、持ち家の人も賃貸の人も同じです。保険金額は、高すぎても低すぎても良くありません。保険金額を高めに設定しても、受け取れるのは実際の損害額が限度になります。一方、保険金額を低めに設定すると、万が一のときに、損害を保険金でまかないきれなくなります。

 家財の保険金額の算出方法には、「再調達価額」(新価基準)で計算する方法と、「時価」(再調達価額から経年劣化による消耗分を差し引いた金額)で計算する方法がありますが、現在はほとんどの火災保険で再調達価額による計算方法を採用しています。

 再調達価額は、損害を受けた家財を再取得(あるいは修理)するのにかかる費用を保険金額とするもので、たとえば、5年前に10万円で購入したテレビが現在5万円で販売されていれば、保険金額は5万円となります。つまり、無駄のない保険金額を設定するには、各家財を再調達した場合にかかる現時点の費用を、ざっくり積算するのがベストな方法となります。

 各保険会社が出している、家財の評価額の目安表を用いるのも一つの方法です。世帯主の年齢や家族構成などに応じて平均的な評価額を算出したもので、各社でバラツキはあるものの、それほどの金額差はありません。家財は生活をしていくうえで必要な財産のため、家族構成と相関性があるからです。

表:家族構成別、標準世帯における家財の評価額例(再調達価額) 

家族構成別、標準世帯における家財の評価額例(再調達価額) 

 また、下記のように、専有面積などに応じて平均的な評価額を決める方法もあります。

表:延べ床面積から見た家財の保険金額の目安

延べ床面積から見た家財の保険金額の目安

  ただ、参考値とはいえ、少し高めと感じる人は少なくないようです。こちらはあくまで参考として、ご自身の生活レベルから、家財がどれぐらいあるかを考慮して、保険金額を設定するといいでしょう。

火災保険の免責金額を設定して、
保険料を抑える手もある

 また、保険料を抑えたいのであれば、免責金額を設定する方法もあります。免責といっても、保険会社が故意による損害などに対して、保険金を支払う責任を負わない「免責」とは違います。契約者が契約時に自ら設定するもので、一定の損害額(免責金額)については自己負担とする取り決めのことです。その分、保険料は安くなります。

 免責金額の上限は保険会社によりますが、0円から20万円くらいの間が一般的で、免責により保険料がどれくらい安くなるかは、保険会社や契約期間などの条件によります。およそ免責金額10万円に対して、年間数千円程度です。とはいえ、保険料が年間5,000円安くなれば、10年で5万円を節約できる計算になります。

 「火災保険は、貯蓄でまかなえない大きな損害について、コストを負担して備えるものです。よって、貯蓄でまかなえる金額まで免責金額を設定することは、合理的な選択といえます」(前出、清水香氏)​

地震保険の補償範囲は
火災保険と同じになるので注意!

 ご存じの人も多いと思いますが、地震保険は、火災保険に原則付帯する保険です。地震および津波や噴火を原因とする損害が一定の基準に達した場合に保険金が支払われるものです。政府と損害保険会社が共同で運営する保険のため、どの火災保険に付帯させても、加入条件が同じであれば、補償内容や保険料も同じです。

 最近は「地震補償保険」という単独で加入できる地震保険も登場していますが、こちらは民間の保険会社独自の商品であり、一般に地震保険と呼ばれているものとは異なるため、ここでは除外してお話しします。

 地震保険の補償対象は火災保険と同じく「建物」「家財」「建物+家財」の3つに分かれます。ただし、その補償対象は火災保険の契約と同一になる点に注意しましょう。火災保険で建物だけを補償対象にしている人は地震保険についても、建物しか補償を受けられないということです。火災保険は建物だけ、地震保険は建物と家財の両方を補償対象にするような選択はできません。

 地震保険の保険金額は、主契約の火災保険の30~50%の範囲で設定でき、建物は5,000万円、家財は1,000万円が上限となります。同じ地震保険でも建物と家財では支払い条件が異なり、家財については以下のとおりです。

表:地震保険の「家財」についての認定基準と補償額

地震保険の「家財」についての認定基準と補償額

 簡単にいえば、家財全体を見て、どれだけ落下したり倒れたりして壊れたかが、地震保険金の支払い基準になります。

 「火災保険金額の50%が地震保険金の上限となるため、原状回復に充分な保険金とはなりませんが、公的支援が限られる中、有力な備えの手段といえます」(前出、清水香氏)

 なお、地震などが発生した日の翌日から数えて10日経過後(たとえば、地震が発生したのが1月1日であれば、1月12日以降)に生じた損害や、紛失・盗難によって生じた損害については、補償の対象外となります。

 また、余震なども含めた複数回の地震による損害は、最初の地震発生日から72時間(3日)以内であれば、1回の地震とみなします。たとえば、最初の地震で一部損となり、2日後の地震で全損となったケースでは、1回の地震とみなされて全損扱いに。一方、最初の地震で一部損となり、4日後の地震で全損となったケースでは、前者は一部損、後者は全損として、それぞれに対して保険金が支払われます。

 火災保険および地震保険の家財の補償について見てきましたが、保険は最悪の事態の備えとして加入すべきものです。損害に遭ったときに、生活を立て直せる金額を保険金額とすることが何よりも大事です。

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