2021年1月の火災保険料値上げの実態とは?

2020年6月1日公開(2021年9月17日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

住宅には欠かせない火災保険。2019年10月の値上げに続いて、2021年1月にも再び火災保険料が改定されました。今回の改訂では、多くの地域で保険料が値上げとなるだけでなく、地域によっては最大31%も値上げとなります。保険会社の資料から分かった値上げの実態と、保険の見直しの方法を解説しましょう。

【目次】
・2020年1月  火災保険料値上げの背景
   ー自然災害の増加により保険金の支払い額が激増!
   ー火災保険料はどうやって決めているのか?
   ー参考純率の改定から1~2年後に火災保険料が改定される
・参考純率は、全国平均4.9%の引き上げ
   ー
・火災保険の見直しを検討するべき人は?
   ー(1)直近1年以内に契約更新を迎える人
   ー(2)マンション/戸建・耐火構造に住んでいる人
   ー(3)短期契約、分割支払いをしている人
・東京海上日動火災保険の新保険料は?
・あいおいニッセイ同和損保の新保険料は?
・まずは問い合わせを!

2021年1月、火災保険料が全国的に値上げに!

 2020年1月、多くの損保会社では火災保険料が改定されました。一部の地域を除いて全国的に値上げの傾向となり、2019年10月に引き続き、2年連続の値上げ傾向となりました。

 火災保険料を決めるための指標となる「参考純率」は、

◆参考純率の改定率(すべての築年数の契約を平均)
※2019年10月改定
  M構造
(マンション)
T構造
(戸建・耐火構造)
H構造
(戸建・非耐火構造)
都道府県 改定率 都道府県 改定率 都道府県 改定率
三大都市圏 東京都 +1.4% 東京都 +4.9% 東京都 +0.1%
大阪府 +8.9% 大阪府 +16.6% 大阪府 +14.9%
愛知県 +4.2% 愛知県 +11.0% 愛知県 +10.9%
最大 熊本県 +24.1% 宮崎県 +24.7% 熊本県 +31.3%
最小 静岡県 ▲3.8% 福岡県 ▲6.8% 福岡県 ▲15.9%

 実際の値上がり幅は、住んでいる地域や火災保険に入っている建物の構造、損保会社によって異なります。

が、火災保険料を決める参考指標となる「参考純率」は、全国平均で4.9%アップとなりました。

 

2020年1月  火災保険料値上げの背景

 

自然災害の増加により保険金の支払い額が激増!

 2年度連続で火災保険料が改定となった背景には、ここ数年の自然災害の増加があります。異常気象によって豪雨や大型台風が増え、支払われる保険金の額は増え続けているというわけです。

 一般社団法人 日本損害保険協会によると、主な自然災害で損害保険会社各社が支払った保険金は、「風災・ひょう災」だけでも2018年度には約1兆5000億円、2019年度も8000億円を超えています。2013年度から2017年度までに支払われてきた保険金の額は、おおむね1000億円~2000億円台となっていますから、この2年間での損害額がいかに大きいものだったかが分かります。

2013年度から2019年度までのおもな災害と、支払われた保険金の一覧
「第Ⅱ部火災保険/自然災害」(2019年度 火災保険・地震保険の概況/損害保険料率算出機構から引用抜粋)

 この自然災害の増加を受けて、大手損害保険会社4社(東京海上日動火災保険、損保ジャパン日本興亜、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険)は、ここ数年、火災保険料の値上げを繰り返してきました。

■損害保険会社大手4社の火災保険料値上げ率推移
・2015年10月 2~4%アップ
・2019年10月 6~7%アップ
・2021年1月  6~8%アップ
※(東京海上日動火災保険、損保ジャパン日本興亜、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険)

 2015年10月には2~4%、2019年10月には6~7%、そして2021年1月には各社6~8%も保険料を引き上げています。こんなにも火災保険料が上がってしまっては、家庭への負担が大きくなり続けてしまうのですが、そうせざるを得ない理由があるのが現状です。

火災保険料はどうやって決めているのか?

 そもそも、火災保険料とはどのように決められているのでしょうか。

 火災保険をはじめとした損害保険は、契約者が少しずつお金を出し合い、万が一のことがあった際には、集められたお金から保険金が支払われるという仕組みで運用されています。将来に起こりうるリスクに備える商品であるため、実際に事故などが起こるまで、保険金額がいくら支払われるのかは分かりません。

 そのため、保険料を決めるにあたっては、「保険料率」という、保険料の目安となる数値を参考にして損害保険会社各社がおのおの設定することになっています。この保険料率とは、支払い保険金の原資となる「純保険料率(参考純率)」と、損保会社の運営資金となる「付加保険料率」で構成されています。

・純保険料率(参考純率)…事故により損害が発生したときに、保険会社が支払う保険金に充てられる部分
・付加保険料率…損害保険会社が事業を行うために必要な経費の部分

 「純保険料率(参考純率)」は、損害保険各社で組織する「損害保険料率算出機構」が、自然災害のリスクや、社会状況を見据えながら適正な水準であるかを検証して、算出しています。もしも適正な水準になければ、純保険料率(参考純率)を改定するために金融庁長官に変更届を提出、適合性審査結果通知を得て、公表しています。

 純保険料率(参考純率)が引き上げられれば、それをもとにして損保各社は保険料の値上げを実施しますが、その割合は各社に委ねられています。

参考純率の改定から1~2年後に火災保険料が改定される

 2021年1月の火災保険料改定は、2019年10月末に改定された参考純率を基にしています。参考純率の改定が決定してから、火災保険料に反映されるまでには1~2年程度かかるのです。

 さらにいうと、参考純率はこれまでに発生した自然災害のデータを参照して損害額を予測、算出されるのですが、参照されている災害データは改定が決まる1年以上前のもの。参考純率が算出される基となる時期から、実際に火災保険料が値上げされるまでには、2~3年程度のタイムラグが生じるのです。

火災保険料値上げの時期と、参考純率を決定するためのデータにはタイムラグがある

 例えば、2014年6月に決定した参考純率は、2012年度(2013年3月)までの保険統計データに基づいて算出しています。この参考純率をもとにして、実際に火災保険料が値上げされたのが、2015年10月。そのため、2015年10月の改定時には2014年4月以降のデータは含まれていないということになります。

 近年もっとも保険金の支払い額が多かったのは、2018年度(1兆3,578億円)でしたが、そのころのデータを含んだ参考純率が決定したのは2019年10月。この参考純率をもとにして、2021年1月に火災保険料が値上げされています。

 ただし、話はこれで終わりません。2019年度の保険金支払い総額は8982億円と非常に高額でした。また、2020年7月には集中豪雨によって熊本県では球磨川が氾濫し、九州各地に甚大な水害をもたらしています。こうした保険金の支払い増加分は、2021年1月の火災保険料値上げ分には考慮されていません。

 実際、その分が考慮された参考純率の改定が2021年5月に発表となりましたが、全国平均で%の引き上げとなっています。つまり、2022年10月ごろには、火災保険料はさらに値上げとなることが確定となっているのです。
【関連記事】>>火災保険は2022年度、10%から15%程度の値上げ! 沖縄県の木造は+36.6%もの値上げに

参考純率は、全国平均4.9%引き上げられた

 今年の値上げについて話を戻しましょう。2019年10月、損害保険料率算出機構が「火災保険の参考純率を平均4.9%引き上げた」と発表しました。この参考純率が、2021年1月の値上げに反映されています。

 4.9%アップくらいなら大した影響はないのでは、と思いがちですが、この数値はあくまでも平均値であり、実際には都道府県や建物構造によって大きく異なります。場合によっては熊本県・H構造(戸建・非耐火構造)のケースのように、改定率が+31%になるエリアもありました。

出所:損害保険料率算出機構。保険金額を建物2000万円、家財1000万円とした場合実際の保険会社の保険料は、各社が決定するが、上表を参考にして決まる

 一方で、嬉しい知らせもあります。「築浅住宅を対象とした割引(建物のみ)」の導入です。築5年未満の物件であれば平均28%の割引、築5年以上10年未満は平均20%の割引となります。これは、老朽化した建物の方が災害リスクが高いということで、

 その結果、築10年以上の建物については、以下のような参考純率となりました。熊本県のH構造(戸建・非耐火構造)は、なんと35%の値上げです。

◆参考純率の改定率(築10年以上)
※2019年10月改定
  M構造
(マンション)
T構造
(戸建・耐火構造)
H構造
(戸建・非耐火構造)
都道府県 改定率 都道府県 改定率 都道府県 改定率
三大都市圏 東京都 +6.3% 東京都 +9.6% 東京都 +1.9%
大阪府 +14.1% 大阪府 +21.7% 大阪府 +17.3%
愛知県 +9.2% 愛知県 +18.1% 愛知県 +15.4%
最大 熊本県 +30.3% 宮崎県 +34.1% 熊本県 +35.0%
最小 静岡県 +0.8% 福岡県 ▲0.8% 福岡県 ▲13.9%

 2021年1月の火災保険料改定では、これに準じた保険料を採用しているはずなので、熊本県の木造住宅においては同等程度の割合で、保険料が値上がりしている可能性があります。

 火災保険料は、損害保険料率算出機構が算出したこの参考純率と、保険会社が設定した付加保険料の合計をもとに設定されます。今回の参考純率の改定に伴い、損害保険会社は、2021年1月に火災保険料を引き上げます。2019年10月に火災保険料を引き上げたばかりなのに、再び値上げをするのです。

 「それくらいのパーセンテージならまあ許容範囲かな」と思いがちですが、この数値はあくまで平均値であり、都道府県や建物構造、契約プランによっては先程示した31%以上高くなるケースもあるでしょう。つまり、10万円だった保険料が、13万円以上になってしまうケースもあるのです。

 さらに追い打ちをかけるように、2021年1月には地震保険の保険料も値上がりすることが決定しています。全国平均で5.1%の引き上げです。加入者にとっては「ダブルパンチ」となります。

【関連記事はこちら】>>2021年には地震保険が最大14.7%の値上げ!

 なお、各都道府県ごとの値上がり・値下がり幅はかなり差があります。値上げだけでなく、値下がりする都道府県もあるのです。以下の図は、2019年10月の保険料見直し時の値上げ・値下げ状況ですので、参考にしてください。

M構造(マンション)の火災保険料改定(2019年10月)

※この改定幅はある大手損害保険の保障充実タイプを都道府県ごとに図解したものです。改定幅は保険会社や契約プランによって異なります。

 いちばん気になる「自分はどれくらい上がるのか?」については、保険会社によって、また居住する都道府県や建物構造、築年数、契約プラン、特約、保障条件の内容によって大きく違ってきます。10万円値上がりになる人もいれば、ほとんど変わらない人もいるし、1万円値下げになる人もいます。

 確実に言えることは、全体的には値上がりになるケースが多い、ということです。2021年1月以降、次回更新時に自分の保険料がどれくらい変わるのかに関しては、まずは一度、現在契約している保険会社に問い合わせをしてみることをお勧めします。おそらく、2020年の年末ごろになると、具体的な保険料が分かるでしょう。

こんな人はぜひ見直しを検討しましょう

 火災保険は、住宅購入時になんとなく勧められるがまま入ったきり、そのままにしている人が多いものです。今回の火災保険・地震保険の値上げを機に、見直しを考えてはいかがでしょうか。
 以下のような人は、見直しにより保険料が安くなる可能性が高そうです。

(1)直近1年以内に契約更新を迎える人
(2)マンション/戸建・耐火構造に住んでいる人
(3)短期契約、分割支払いをしている人

(1)直近1年以内に契約更新を迎える人

 直近1年以内に更新時期を迎える人は、現在が保険の見直しをするチャンスです。見直し方法は以下の通りです。

 2020年12月末までに、現在の契約を解約し、新しい契約に入り直すのです。保険料は2021年1月以降、値上げとなる人が多いので、現在の安い保険料が適用されるうちに新契約を結ぶのです。

 現在の契約を解約すると損をしてしまう気もしますが、実は解約払戻金が戻ってきます。ただし、解約払戻金は日割りで細かく戻ってくるわけではなく月割りで計算する会社が大半です。

 なお、本当に値上げになるかどうかは、各社の保険料の設定によります。そのため、2020年末が近づいてきたら、保険会社に、

①2020年末に入り直した保険料
②2021年以降の保険料

を出してもらい比較しましょう。「①2020年末に入り直した保険料」のほうが安ければ、すぐに入り直しをするべきでしょう。

(2)マンション/戸建・耐火構造に住んでいる人

 先ほどの表の通り、M構造(マンション)やT構造(戸建・耐火構造)、特に築年数が10年以上経過している場合には、ほぼ確実に保険料が値上がりとなります。一度値上げ幅を保険会社に確認してみるとよいでしょう。

 その上で、2020年末までに現在の保険を解約して、再契約したほうがお得なのであれば、乗り換えましょう。

(3)短期契約、分割支払いをしている人

 保険契約は、入り方によって保険料が大きく違います。保険会社やディベロッパーに勧められるがまま、契約すると、割高な契約になっていることがあります。

 まず「契約期間」。現在、火災保険の保険期間は最長10年、地震保険の保険期間は最長5年となっていますが、おすすめされるのは1年契約、5年契約がほとんどです。10年契約にするだけで、長期割引が適用となります。

 「支払い方法」も注意しましょう。ほとんどの人が、年払いでの支払いにしています。実は、契約時にすべての支払う「一括支払い」という制度があり、かなり割引率が高いのです。10年契約にしていても、毎年支払う場合と、「10年一括払い」などの長期契約では、トータルの保険料が2割近くも違うのです。

 以下はある大手保険会社の「長期一括割引」です。

2年契約(一括払い)5.25%割引
5年契約(一括払い)14.0%
割引
10年契約(一括払い)18.0%
割引
※長期一括割引の一例。なお、「年払い」など分割の場合は逆に、割増保険料(5%程度)が加算されることがある。

 現在の金利情勢を考えると、この「長期一括払い」は明らかに割安な商品です。保険代理店やディベロッパーは、自分たちの販売手数料が低くなる、長期一括契約を、わざわざ勧めてくれることはありません。10年分の保険料を支払う余裕があるのであれば、必ず自分から、「10年一括払いにしたい」と申告しましょう。

すでに長期契約をしている人は注意!
 もしも現在の契約が5年契約、10年契約である人は、見直しには注意が必要です。長期契約をしている人の場合、保険料は契約当時のままなので、その後保険会社が値上げをしているのであれば、すでに保険料が割安なっています。2020年末に契約を入り直すと、高い契約に乗り換えることになってしまうので、必ず見積もりをもらうようにしましょう。

東京海上日動火災保険の新保険料は?

 ところが、すでにいくつかの損保会社では、新保険料に関する研修が行われているという。今回、「東京海上日動火災保険」と「あいおいニッセイ同和損保」の内部資料を一部入手できたので、新保険料がどの程度値上げになるのか見ていこう。

 まずは、東京海上日動火災保険の新保険料を確認しよう。

 東京海上日動火災保険では、三大都市圏(東京、大阪、福岡)の新保険料を入手できた。資料によると、参考純率が上がった地域(東京、大阪)は、新保険料もおおむね値上がり、参考純率が下がっていた福岡は値下げの傾向にある。まったく同じ数値ではないが、参考純率の改定率と、新保険料の増減率は、だいたい比例した結果となった。

【表4】東京海上日動火災保険の新保険料の例
(築10年以上)

東京海上日動火災保険の新料金例
東京海上日動火災保険の資料から一部抜粋 
【その他条件】家財破損限度額50万円、共通免責金額0円(破損のみ5千円)、築浅割引なし、臨時費用補償特約付き

 東京と大阪はすべての構造で値上げとなっており、福岡だけがT構造とH構造で値下げになる。​以下で、それぞれの地域について確認していこう。

<東京都:すべての構造でやや値上げの方針>

 東京都の場合、築10年以上の住宅における参考純率の改定率(表3)は、M構造で+6.3%、T構造で+9.6%、H構造で+1.9%だった。そして、東京海上日動火災保険の新保険料の値上げ率を見ると、M構造は+7.4%、T構造は+6.2%、H構造は+1.8%となっており、参考純率の改定率とほとんど同じような数値が並ぶ。

【新保険料の増減率(東京)】
 M構造+7.4%、T構造+6.2%、H構造+1.8%

【参考純率の改定率(東京)】
 M構造+6.3%、T構造+9.6%、H構造+1.9%

 金額ベースで見てみると、1年間当たり、M構造が390円、T構造が1880円、H構造が700円の値上がりとなる。

<大阪府:すべての構造で平均約17%の値上げ>

 大阪府の場合はどうだろうか。

【新保険料の増減率(大阪)】
 M構造+16.4%、T構造+17.9%、H構造+17.6%

【参考純率の改定率(大阪)】
 M構造+14.1%、T構造+21.7%、H構造+17.3%

 大阪府の新保険料は、どの建物構造でも値上げしていて、平均すると約17%の値上げ率となった。大阪府は、比較する3都市の中で一番値上げ幅が大きい。H構造では、年間6560円も保険料が上がっている。こちらも、参考純率の改定率と、新保険料の増減率がおおむね同じ幅になっているように見える。

<福岡県:木造戸建て、鉄骨戸建ては保険料値下げ>

 参考純率の改定率が最小だった福岡県の新保険料も見てみよう。福岡県では、T構造とH構造において、参考純率が引き下げることが分かっている。そのため新保険料でも値下げが予想されていた。

【新保険料の増減率(福岡)】
 M構造+10.4%、T構造▲3.2%、H構造▲13.6%

【参考純率の改定率(福岡)】
 M構造は不明、T構造▲0.8%、H構造▲13.9%

 福岡県については、M構造の参考純率は公開されていなかった。そして、実際のM構造の新保険料は、10.4%の増加であった。参考純率が下がっていたT構造とH構造では、新保険料も値下がりとなっている。

<補償タイプ別でも、新保険料の値上げ率が違う>

 地域だけではなく、補償タイプによっても新保険料の増減率に違いがある。

 東京海上日動火災保険では、基本的な補償タイプを、「充実タイプ」「スタンダードタイプ」「火風タイプ」と、いくつかのパターンに分けている。充実タイプが最も補償範囲が広く、スタンダードタイプはそこから破損等リスクを除いたもの、火風タイプは火災と風災に限定した補償となっている(破損、盗難、水濡れ、水災が除外)

 水災補償が入っている充実タイプとスタンダードタイプは、参考純率の改定率とほぼ同じ割合で、料金が改定されている。一方、水災補償が入ってない火風タイプでは、新保険料の値上がり率は低い。

東京海上日動火災保険プラン別新料金(東京
東京海上日動火災保険の資料から一部抜粋、編集部作成。試算条件については※参照

※【条件】保険期間:1年(一時払い)、建物の保険金額 M構造:1000万円、T構造:3000万円、H構造:2000万円、家財破損限度額50万円、共通免責金額0円(破損のみ5千円)、築浅割引なし、臨時費用補償特約付き

 ちなみに、大阪の場合は火風タイプのT構造で最も値上がり率が高かった。一方、福岡だと火風タイプは大幅な値下げとなっている。このように、実際の新保険料は地域や補償タイプによって大きく差があるので、実際に見積もりをしてみなければ、分からない。

あいおいニッセイ同和損保の新保険料は?

 つぎに、あいおいニッセイ同和損保の新保険料を見てみよう。あいおいニッセイ同和損保の場合、最も補償範囲が広いフルサポートプランでも、大きく値上がりしていない。

【表5】あいおいニッセイ同和損保の新保険料の例
(フルサポートプランの場合)

あいおいニッセイ同和損保 新料金(東京・築15年)
あいおいニッセイ同和損保の新保険料の資料から一部抜粋、編集部作成。条件は以下※参照

 今回は、契約件数が多い東京にクローズアップしてみよう。

 東京都の参考純率の改定表(表3)によると、築10年以上の参考純率はすべての構造でアップしている。ところが、あいおいニッセイ同和損保では、M構造の料金は据え置き、T構造とH構造も、参考純率の改定率ほど上昇率は高くない。

【条件】フルサポートプラン(実損払)、保険期間1年(一時払い)、保険金額:M構造1000万円、T構造2500万円、H構造2000万円、家財保険金額500万円、免責金額なし(家財破汚損のみ3000円)、事故時諸費用20%・300万円限度、地震火災費用5%・300万円限度、災害緊急費用付帯、特別費用保険金特約付帯、防犯対策費用特約付帯、バルコニー等専用使用部分修繕費用特約・専有個室(建物あり契約)のみ付帯

 あいおいニッセイ同和損保の値上がり率が低かった理由はわからないものの、2019年10月に値上げしすぎたため、今回是正したとも推測できそうだ。

 東京海上日動火災が参考純率に準じた料金値上げだったのを考えると、会社によって値上げ幅は大きく違う。やはり、きちんと見積もりを取ってみないと、どれぐらい値上がりするか、はっきりしないようだ。

まずは問い合わせを!

 今回の保険料改定に伴い、各保険会社も引き続き契約を更新してもらうために、保障内容をより充実させたり、特約の新設、新たな割引を導入するなど、さまざまな取り組みを行う予定です。とはいえ、値上げに見合った保障内容の充実があるかというと疑問です。

 今回の保険料率引き上げは、自身の保険を見直すにはとても良いタイミングです。
 見直しの流れは以下のようにするといいでしょう。

・2020年1月以降に更新した場合、自分の保険料がどう変わるのかを現在契約中の保険会社に確認
・大幅な値上がりになるとわかった場合には、2020年末までに、契約し直すことでお得になるのかを診断してもらう
・その際、契約プラン、保障内容を見直したり、他の保険会社で見積もりをとって比較検討してみてもよい

 保険は「なんとなく」入って「なんとなく」そのままにしてしまいがちです。最近は、火災保険の一括見積もりなど便利なサイトも増えているので、ぜひこの機会に自身の保険を見直してみてはいかがでしょうか。

 

自然災害が増えてきたことで、各損保会社が支払い保険金として積み立てている「異常危険準備金」が減ってきており、会社によっては一時に比べて残高が半分になっていることも。毎年1兆円を超えるような保険金の支払いが続けば、異常危険準備金が底をついてしまう可能性もあって、元金となる火災保険料を値上げしたというわけです。

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