神奈川県の空き家率は9.80%で全国45位! ランキング、長期推移、活用事例などを解説

神奈川県の空き家率は9.80%で全国45位! ランキング、長期推移、活用事例などを解説
2025年6月15日公開(2025年6月16日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

神奈川県の空き家率・空き家数ランキングを公開する。全国的に問題視されている「空き家問題」は、地方だけでなく都市部でも年々増加しており、社会課題のひとつとなっている。本記事では、神奈川県の空き家率とその全国順位を紹介し、空き家の特徴や対策・活用方法についても解説しよう。

神奈川県の空き家率、長期推移、特徴

 神奈川県の空き家の全体概要をみてみよう。

 最新のデータ(2023年度)によると、神奈川県の空き家数は467,100戸、空き家率は9.80%となっている。神奈川県の空き家率は全国45位に位置しており、全国の13.84%に比べて低い

 神奈川県は、横浜市や川崎市などの都市部では新築需要が旺盛で、空き家率は低めである。賃貸および売却用空き家が中心で、いわゆる放置空き家は少ない。湘南地域の別荘や保養所なども市場へ流れやすく、中古住宅の需要が高いため空き家率の低下につながっている。

神奈川県の空き家率の長期推移は?

 2023年度の神奈川県の空き家率は、前回調査データ(2018年度)から0.96ポイント減少。空き家数は17,600戸減少した。一定の改善傾向が見られるものの、引き続き注視が必要な状況である。

 以下に、1958年からの空き家率と空き家数の推移を示す。

神奈川県の空き家率の長期推移

神奈川県の空き家の推移(1958年〜2023年)

空き家率 空き家数(戸) 住宅総数(戸)
2023 9.80% 467,100 4,765,000
2018 10.76% 484,700 4,503,500
2013 11.19% 486,700 4,350,800
2008 10.54% 428,600 4,067,800
2003 10.44% 391,600 3,752,000
1998 10.24% 349,100 3,409,100
1993 8.82% 271,200 3,073,600
1988 7.24% 195,700 2,702,800
1983 7.68% 182,300 2,374,200
1978 7.23% 154,200 2,133,500
1973 5.81% 105,000 1,805,800
1968 4.30% 58,550 1,360,720
1963 2.63% 24,100 916,000
1958 2.31% 15,000 650,000
※空き家率は総務省統計の総合窓口「住宅・土地統計調査 / 平成30年住宅・土地統計調査 / 時系列統計表」の住宅総数と空き家数のデータを基に作成。

神奈川県の空き家ランキング【2023年度最新版】

 神奈川県の市区町村の空き家の状況はどうなっているのか。以下は、空き家率が高い順のランキングだ。表の市区町村名からはそのエリアの将来の中古戸建て価格予想が確認できるので、売却などを検討している方は参考にしてほしい。

  • 空き家率順
  • 放置空き家率順
順位 市区町村名
リンク先は
将来価格予想
空き家率 空き家数(戸) 放置空き家率 放置空き家数(戸) 住宅総数(戸)
1 湯河原町 34.15% 5,730 10.43% 1750 16780
2 三浦市 18.92% 4,050 9.29% 1990 21410
3 逗子市 17.13% 5,170 5.40% 1630 30180
4 横須賀市 15.55% 30,270 6.58% 12800 194640
5 秦野市 14.71% 12,290 2.83% 2360 83530
6 葉山町 14.33% 2,150 7.60% 1140 15000
7 二宮町 13.77% 1,830 9.33% 1240 13290
8 大磯町 13.62% 2,150 7.16% 1130 15790
9 厚木市 12.45% 14,720 4.06% 4800 118190
10 小田原市 12.37% 11,820 2.88% 2750 95570
11 横浜市中区 11.73% 10,800 5.46% 5030 92100
12 平塚市 11.70% 14,850 3.70% 4700 126960
13 南足柄市 11.34% 2,080 4.41% 810 18350
14 横浜市西区 11.14% 7,210 4.43% 2870 64750
15 座間市 11.05% 7,430 3.09% 2080 67250
16 鎌倉市 10.80% 9,290 5.36% 4610 86040
17 横浜市南区 10.71% 12,930 2.23% 2690 120770
18 川崎市幸区 10.59% 9,580 4.23% 3830 90490
19 横浜市保土ヶ谷区 10.32% 11,460 2.61% 2900 111010
20 横浜市神奈川区 10.20% 15,120 2.84% 4210 148260
21 川崎市多摩区 10.19% 13,340 1.71% 2240 130860
22 川崎市川崎区 9.90% 13,770 2.63% 3660 139160
23 横浜市港南区 9.86% 10,620 4.87% 5240 107700
24 藤沢市 9.61% 21,160 4.17% 9190 220170
25 大和市 9.45% 12,050 2.39% 3050 127500
26 横浜市磯子区 9.44% 8,340 3.45% 3050 88340
27 横浜市旭区 9.34% 11,120 3.15% 3750 119080
28 横浜市鶴見区 9.19% 14,750 2.61% 4190 160470
29 海老名市 9.18% 6,160 1.68% 1130 67080
30 茅ヶ崎市 9.16% 10,680 3.61% 4210 116650
31 横浜市栄区 9.00% 5,280 2.30% 1350 58650
32 川崎市 8.97% 75,100 2.40% 20100 836900
33 相模原市緑区 8.77% 7,330 4.07% 3400 83570
34 大井町 8.74% 670 2.22% 170 7670
35 横浜市瀬谷区 8.72% 5,130 2.14% 1260 58800
36 横浜市 8.68% 168,600 2.65% 51500 1942700
37 横浜市金沢区 8.63% 8,480 1.40% 1380 98270
38 開成町 8.42% 680 4.95% 400 8080
39 川崎市宮前区 8.40% 9,670 3.29% 3790 115130
40 相模原市中央区 8.40% 11,680 2.73% 3800 139080
41 愛川町 8.32% 1,570 2.75% 520 18880
42 横浜市戸塚区 8.32% 11,070 2.64% 3510 133130
43 川崎市中原区 8.29% 12,320 1.68% 2490 148620
44 相模原市 8.18% 30,200 3.20% 11800 369300
45 川崎市麻生区 8.15% 7,210 3.21% 2840 88500
46 綾瀬市 8.08% 3,090 2.96% 1130 38240
47 横浜市緑区 8.07% 7,160 1.16% 1030 88700
48 寒川町 7.86% 1,760 3.40% 760 22380
49 相模原市南区 7.62% 11,170 3.12% 4570 146670
50 川崎市高津区 7.41% 9,200 1.02% 1270 124190
51 伊勢原市 6.96% 3,880 2.39% 1330 55710
52 横浜市港北区 6.29% 12,060 2.11% 4050 191630
53 横浜市青葉区 6.19% 8,820 1.34% 1910 142460
54 横浜市都筑区 5.98% 5,510 2.35% 2160 92110
55 横浜市泉区 4.08% 2,710 1.41% 940 66470
※空き家率は政府統計の総合窓口「住宅・土地統計調査 令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 全国・都道府県・市区町村の住宅総数と空き家数のデータを基に作成。放置空き家率は、同データの賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家が総戸数に占める割合。

空き家率がもっとも高い市区町村は湯河原町

 神奈川県で空き家率がもっとも高かったのは湯河原町の34.15%だ。

 湯河原町は、温泉地として別荘やセカンドハウスが集中する一方、利用者は観光シーズンに偏在。長期的な空室が多数を占めるため、統計上は空き家と見なされている。

深刻化している「放置空き家」率がもっとも高いのは湯河原町

 近年注目されている空き家問題だが、中でも深刻化しているのが、賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家、つまり放置空き家である。

 2023年の住宅・土地統計調査によると、全国の放置空き家数は3,856,000戸で、住宅総戸数に占める放置空き家の割合は5.93%に達している。

 放置空き家は、管理されずに放置状態にあるケースが多く、倒壊・火災等の安全性の問題、ゴミの不法投棄や不審者の侵入等による治安悪化、周辺の不動産価値の低下などの問題を引き起こす。特に地方では人口減少に伴い放置空き家が増加し、集落の維持が困難になるケースも出ている。

 神奈川県の放置空き家率がもっとも高かったのは、湯河原町で10.43%となっている。

 国は「空家等対策の推進に関する特別措置法」により特定空家等への対策を強化しているが、所有者不明や相続放棄による管理者不在の空き家も多く、対応が難しい状況である。空き家の発生予防と利活用促進の両面からの対策が急務となっている。

神奈川県の空き家対策や活用事例は?

 ​神奈川県では、空き家対策として「神奈川県空家等対策計画(モデル計画)」を策定し、市町村の取り組みを支援している。​

 また、神奈川県居住支援協議会が国土交通省の補助を受け、「空き家調査・利活用等マニュアル」や「空き家相談テキスト」を作成し、自治体の実務を支援している。​

 さらに、空き家の予防策として「空き家にしない『わが家』の終活ノート」を作成し、所有者への啓発を行っている。​

神奈川県における空き家活用事例

 南足柄市は神奈川県建築士事務所協会県西支部と協定を締結し、専門家の視点を取り入れた空き家実態調査を実施している。建築士による客観的な調査により空き家の状態を正確に把握し、適切な活用方針の策定に役立てている。

 横須賀市では「『ヨコスカ×空き家』プロジェクト」を展開し、空き家を活用した移住促進モデル事業を推進している。市内の空き家を改修して移住者向け住宅として提供するとともに、移住相談や地域情報の提供も一体的に行っている。

所有する空き家はどうすればいい?

 相続などにより所有する空き家がある場合、売却、解体、賃貸活用の3つの対策が考えられる。

売却する

所有する空き家の対策①売却する
所有する空き家の対策①売却する(出所:PIXTA)

 今後も使う予定がなく、解体や賃貸にも魅力を感じないならば、売却を検討しよう。

 都心部などでは、不動産会社による仲介を通じて買い手を探すのが一般的だが、売却期間が数カ月以上かかる場合もある。

 一方、不動産会社による直接買取ならばスピーディに契約でき、契約不適合責任が免除されるメリットもあるが、売値は仲介に比べて低くなりがちだ。

 地方や限界集落では買い手を見つけるのが困難な場合もあり、各都道府県の「空き家バンク」を活用して移住希望者とマッチングするか、不動産買取専門業者に相談する手もある。

 さらに、相続した土地ならば「相続土地国庫帰属制度」の利用も視野に入れて、全体的な負担を減らす手段を探ることが大切である。

所有する不動産、いくらで売れる?

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解体する

所有する空き家の対策②解体する
所有する空き家の対策②解体する(出所:PIXTA)

 建物が老朽化して倒壊リスクが高い場合、解体を早めに検討するのが望ましい。特に豪雪地帯などでは、降雪前に建物を取り壊しておけば周囲への被害を防げる。

 解体費用はかかるが、放火や倒壊などのリスクを考慮すれば、結果的に周囲とのトラブルやメンテナンスの負担を減らすことにつながる。解体後の土地にすぐ利用予定がない場合は、時間貸し駐車場やマッチングサービスを使って暫定的に運用するのも一つの手だ。

 今後も使い道がなければ、早めの売却によって固定資産税などの負担が軽減されることにもなる。

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賃貸活用する

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所有する空き家の対策③賃貸活用する(出所:PIXTA)

 空き家がそのまま使える、あるいはリフォームすれば活用可能な場合は、賃貸住宅として貸し出すのが一般的な選択肢となる。

 ファミリー向け物件が不足している地域では、安定した賃料収入が期待できるかもしれない

 また、短期利用のニーズを狙うならば、シェアスペースとしてイベントや集まりに提供する手法や、観光需要が回復しつつある中で民泊として運用する方法もある。

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