北海道県の空き家率は15.64%で全国24位! ランキング、長期推移、活用事例などを解説

北海道県の空き家率は15.64%で全国24位! ランキング、長期推移、活用事例などを解説
2025年6月5日公開(2025年6月5日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

北海道の空き家率・空き家数ランキングを公開する。全国的に問題視されている「空き家問題」は、地方だけでなく都市部でも年々増加しており、社会課題のひとつとなっている。本記事では、北海道の空き家率とその全国順位を紹介し、空き家の特徴や対策・活用方法についても解説しよう。

北海道の空き家率、長期推移、特徴

 北海道の空き家の全体概要からみてみよう。

 最新のデータ(2023年度)によると、北海道の空き家数は451,900戸、空き家率は15.64%となっている。北海道の空き家率は全国24位に位置しており、全国平均の13.84%に比べて高い

 北海道は広大な土地を有し、農村部や過疎地域の空き家が多い傾向にある。また札幌市など都市部では賃貸住宅の空室も含まれ、統計上の空き家率上昇を押し上げている。

 賃貸用や別荘などを除く「放置空き家率」はやや増加しており、郊外や離島地域では管理されず人が住む予定のない住宅が目立つ状況である。

北海道の空き家率の長期推移は?

 2023年度の北海道の空き家率は、前回調査データ(2018年度)から2.11ポイント増加。空き家数は72,100戸増加した。人口減少と高齢化の影響が顕著に現れており、今後も増加傾向が続く可能性が高い。

 以下に、1958年からの空き家率と空き家数の推移を示す。

北海道の空き家率の長期推移

北海道の空き家の推移(1958年〜2023年)

空き家率 空き家数(戸) 住宅総数(戸)
2023 15.64% 451,900 2,888,500
2018 13.53% 379,800 2,807,200
2013 14.13% 388,200 2,746,600
2008 13.71% 374,400 2,730,500
2003 11.81% 303,800 2,572,200
1998 11.24% 273,400 2,433,300
1993 10.20% 230,400 2,258,800
1988 10.53% 220,300 2,092,500
1983 8.65% 166,500 1,923,800
1978 6.77% 118,100 1,744,500
1973 6.08% 92,300 1,518,100
1968 4.58% 59,650 1,300,990
1963 3.87% 41,800 1,080,000
1958 2.30% 21,000 912,000
※空き家率は総務省統計の総合窓口「住宅・土地統計調査 / 平成30年住宅・土地統計調査 / 時系列統計表」の住宅総数と空き家数のデータを基に作成。

北海道の空き家ランキング【2023年度最新版】

 北海道の市区町村の空き家の状況はどうなっているのか。以下は、空き家率が高い順のランキングだ。

  • 空き家率順
  • 放置空き家率順
順位 市区町村名 空き家率 空き家数(戸) 放置空き家率 放置空き家数(戸) 住宅総数(戸)
1 夕張市 39.35% 2,180 17.1% 950 5,540
2 三笠市 39.29% 2,330 18.4% 1,090 5,930
3 歌志内市 36.82% 740 26.9% 540 2,010
4 白老町 31.24% 3,440 12.7% 1,400 11,010
5 赤平市 30.56% 1,910 10.9% 680 6,250
6 芦別市 28.11% 2,240 11.9% 950 7,970
7 美唄市 21.42% 2,350 12.3% 1,350 10,970
8 深川市 21.16% 2,380 9.9% 1,110 11,250
9 新ひだか町 20.58% 2,690 8.2% 1,070 13,070
10 室蘭市 20.11% 9,790 8.4% 4,080 48,690
11 余市町 19.52% 1,870 9.5% 910 9,580
12 遠軽町 19.34% 2,110 12.1% 1,320 10,910
13 留萌市 19.26% 2,230 6.2% 720 11,580
14 函館市 19.25% 28,210 6.9% 10,170 146,510
15 釧路市 19.09% 18,160 6.6% 6,260 95,150
16 倶知安町 18.91% 1,730 8.0% 730 9,150
17 札幌市中央区 18.44% 32,100 4.9% 8,560 174,070
18 中標津町 18.17% 2,270 6.3% 790 12,490
19 砂川市 18.00% 1,670 8.2% 760 9,280
20 登別市 17.99% 4,360 8.4% 2,040 24,240
21 七飯町 17.83% 2,690 10.1% 1,530 15,090
22 小樽市 17.36% 11,140 7.9% 5,060 64,160
23 釧路町 17.34% 1,790 8.6% 890 10,320
24 滝川市 17.15% 3,790 7.6% 1,680 22,100
25 網走市 17.03% 3,260 6.5% 1,250 19,140
26 士別市 17.02% 1,600 8.8% 830 9,400
27 伊達市 17.02% 2,960 9.9% 1,720 17,390
28 苫小牧市 16.76% 15,300 7.0% 6,380 91,300
29 根室市 16.49% 1,990 8.7% 1,050 12,070
30 名寄市 16.47% 2,360 8.0% 1,150 14,330
31 富良野市 16.36% 1,800 6.2% 680 11,000
32 八雲町 16.25% 1,310 10.0% 810 8,060
33 岩見沢市 15.19% 6,040 5.5% 2,170 39,770
34 札幌市北区 15.11% 24,740 2.9% 4,770 163,690
35 稚内市 15.03% 2,670 6.4% 1,140 17,760
36 美幌町 14.81% 1,380 7.9% 740 9,320
37 北斗市 14.46% 3,120 7.2% 1,550 21,570
38 札幌市東区 14.41% 21,830 2.2% 3,390 151,460
39 札幌市白石区 14.24% 18,240 1.4% 1,850 128,110
40 旭川市 14.15% 25,670 4.1% 7,470 181,430
41 北見市 14.12% 8,890 4.7% 2,950 62,980
42 札幌市南区 14.10% 10,100 4.5% 3,230 71,620
43 札幌市 13.81% 155,800 2.8% 31,800 1,128,200
44 紋別市 13.70% 1,730 9.3% 1,170 12,630
45 札幌市豊平区 13.55% 19,050 1.2% 1,720 140,630
46 当別町 13.43% 1,120 5.5% 460 8,340
47 千歳市 13.38% 6,830 3.0% 1,550 51,060
48 恵庭市 11.74% 4,050 3.0% 1,040 34,500
49 帯広市 11.72% 10,810 3.6% 3,290 92,200
50 札幌市西区 11.38% 13,560 4.1% 4,940 119,190
51 芽室町 10.94% 930 4.2% 360 8,500
52 江別市 10.90% 6,270 2.7% 1,560 57,540
53 幕別町 10.80% 1,320 6.4% 780 12,220
54 音更町 10.67% 2,200 4.7% 960 20,620
55 札幌市厚別区 10.39% 6,520 1.9% 1,200 62,740
56 札幌市手稲区 8.93% 6,030 1.6% 1,080 67,500
57 石狩市 8.42% 2,210 4.4% 1,150 26,260
58 北広島市 7.78% 2,050 3.5% 920 26,350
59 札幌市清田区 7.37% 3,620 2.1% 1,040 49,150
※空き家率は政府統計の総合窓口「住宅・土地統計調査 令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 全国・都道府県・市区町村の住宅総数と空き家数のデータを基に作成。放置空き家率は、同データの賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家が総戸数に占める割合。
 

空き家率が最も高い市区町村は夕張市

 北海道で空き家率が最も高かったのは夕張市の39.35%だ。夕張市の空き家率が高くなっている要因として、石炭産業の衰退に伴う人口激減が挙げられる。炭鉱町として栄えたが閉山後に若年層が流出し、高齢化が進行している。使われなくなった住宅が多数残り、市の財政破綻も重なって空き家対策が遅れている。

深刻化している「放置空き家」率が最も高いのは歌志内市

 近年注目されている空き家問題だが、中でも深刻化しているのが、賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家、つまり放置空き家である。

 2023年の住宅・土地統計調査によると、全国の放置空き家数は385万6,000戸で、住宅総戸数に占める放置空き家の割合は5.93%に達している。

 放置空き家は管理されず、倒壊や火災などの安全性の問題、ゴミの不法投棄や不審者の侵入などによる治安悪化、周辺の不動産価値の低下などの問題を引き起こす。とくに地方では人口減少に伴い放置空き家が増加し、集落の維持が困難になるケースも出ている。

 北海道の放置空き家率が最も高かったのは、歌志内市で26.9%となっている。

 国土交通省は「空家等対策の推進に関する特別措置法」により特定空家等への対策を強化しているが、所有者不明や相続放棄による管理者不在の空き家も多く、対応が困難な状況になっている。空き家の発生予防と利活用促進の両面からの対策が急務となっている。

北海道の空き家対策や活用事例は?

 北海道では、増加する空き家問題に対応するため、空き家の有効活用や市町村支援に取り組んでいる。

 ​2021年3月に見直された「北海道の空き家等対策に関する取組方針」に基づき、「空き家情報バンク」の運営や、空き家ガイドブックの作成・配布を行い、道民への周知啓発を図っている。​

 また、市町村が特定空家等を判断するための手引きを提供し、技術的な支援も実施。​移住・定住促進の観点から、空き家を活用した地域活性化にも力を入れている。​これらの取り組みにより、空き家の適正管理と地域の魅力向上を目指している。​

北海道における空き家活用事例

 北海道では各自治体が独自の空き家活用策を展開している。例えば、奈井江町では「空き家活用アイデアコンテスト」を実施し、住民からの創造的な提案を募ることで空き家の新たな可能性を模索している。

 また、中川町では多拠点居住サービス「ADDress(アドレス)」と協定を締結し、都市部の会員が町内の空き家に滞在できる仕組みを構築した。

所有する空き家はどうすればいい?

 相続などにより所有する空き家がある場合、売却、解体、賃貸活用の3つの対策が考えられる。

売却する

所有する空き家の対策①売却する
所有する空き家の対策①売却する(出所:PIXTA)

 今後も使う予定がなく、解体や賃貸にも魅力を感じないならば、売却を検討しよう。

 都心部などでは、不動産会社による仲介を通じて買い手を探すのが一般的だが、売却期間が数カ月以上かかる場合もある。

 一方、不動産会社による直接買取ならばスピーディに契約でき、契約不適合責任が免除されるメリットもあるが、売値は仲介に比べて低くなりがちだ。

 地方や限界集落では買い手を見つけるのが困難な場合もあり、各都道府県の「空き家バンク」を活用して移住希望者とマッチングするか、不動産買取専門業者に相談する手もある。

 さらに、相続した土地ならば「相続土地国庫帰属制度」の利用も視野に入れて、全体的な負担を減らす手段を探ることが大切である。

所有する不動産、いくらで売れる?

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解体する

所有する空き家の対策②解体する
所有する空き家の対策②解体する(出所:PIXTA)

 建物が老朽化して倒壊リスクが高い場合、解体を早めに検討するのが望ましい。特に豪雪地帯などでは、降雪前に建物を取り壊しておけば周囲への被害を防げる。

 解体費用はかかるが、放火や倒壊などのリスクを考慮すれば、結果的に周囲とのトラブルやメンテナンスの負担を減らすことにつながる。解体後の土地にすぐ利用予定がない場合は、時間貸し駐車場やマッチングサービスを使って暫定的に運用するのも一つの手だ。

 今後も使い道がなければ、早めの売却によって固定資産税などの負担が軽減されることにもなる。

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賃貸活用する

所有する空き家の対策③賃貸活用する
所有する空き家の対策③賃貸活用する(出所:PIXTA)

 空き家がそのまま使える、あるいはリフォームすれば活用可能な場合は、賃貸住宅として貸し出すのが一般的な選択肢となる。

 ファミリー向け物件が不足している地域では、安定した賃料収入が期待できるかもしれない

 また、短期利用のニーズを狙うならば、シェアスペースとしてイベントや集まりに提供する手法や、観光需要が回復しつつある中で民泊として運用する方法もある。

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