新潟県の空き家率・空き家数ランキングを公開する。全国的に問題視されている「空き家問題」は、地方だけでなく都市部でも年々増加しており、社会課題のひとつとなっている。本記事では、新潟県の空き家率とその全国順位を紹介し、空き家の特徴や対策・活用方法についても解説しよう。
新潟県の空き家率、長期推移、特徴
新潟県の空き家の全体概要をみてみよう。
最新のデータ(2023年度)によると、新潟県の空き家数は155,300戸、空き家率は15.30%となっている。新潟県の空き家率は全国28位に位置しており、全国の13.84%に比べて高い。
新潟県は、豪雪地帯で冬季に居住しない空き家も存在するが、統計上は通年無人の家のみがカウントされている。農村部の放置空き家が深刻化し、その他の空き家率も上昇している。新潟市などの都市部では、学生の減少による賃貸空室が増えているが、市場で流通しやすいため放置空き家には至りにくい。
新潟県の空き家率の長期推移は?
2023年度の新潟県の空き家率は、前回調査データ(2018年度)から0.60ポイント増加。空き家数は9,100戸増加した。人口減少と高齢化の影響が顕著に現れており、今後も増加傾向が続く可能性が高い。
以下に、1958年からの空き家率と空き家数の推移を示す。

新潟県の空き家の推移(1958年〜2023年)
年 | 空き家率 | 空き家数(戸) | 住宅総数(戸) |
---|---|---|---|
2023 | 15.30% | 155,300 | 1,015,200 |
2018 | 14.70% | 146,200 | 994,500 |
2013 | 13.58% | 132,000 | 972,300 |
2008 | 12.13% | 112,800 | 929,700 |
2003 | 10.37% | 92,100 | 888,000 |
1998 | 9.01% | 76,000 | 843,500 |
1993 | 7.83% | 60,900 | 777,300 |
1988 | 7.86% | 57,100 | 726,700 |
1983 | 6.30% | 43,500 | 690,900 |
1978 | 5.11% | 32,500 | 636,100 |
1973 | 4.15% | 24,900 | 600,200 |
1968 | 2.54% | 13,340 | 525,470 |
1963 | 1.38% | 6,500 | 472,000 |
1958 | 1.22% | 5,300 | 436,000 |
新潟県の空き家ランキング【2023年度最新版】
新潟県の市区町村の空き家の状況はどうなっているのか。以下は、空き家率が高い順のランキングだ。表の市区町村名からはそのエリアの将来の中古戸建て価格予想が確認できるので、売却などを検討している方は参考にしてほしい。
- 空き家率順
- 放置空き家率順
順位 | 市区町村名 リンク先は 将来価格予想 |
空き家率 | 空き家数(戸) | 放置空き家率※ | 放置空き家数(戸) | 住宅総数(戸) |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 佐渡市 | 28.03% | 7,780 | 24.64% | 6840 | 27760 |
2 | 糸魚川市 | 20.30% | 3,970 | 13.80% | 2700 | 19560 |
3 | 加茂市 | 18.93% | 2,150 | 11.62% | 1320 | 11360 |
4 | 柏崎市 | 18.79% | 7,570 | 9.04% | 3640 | 40280 |
5 | 村上市 | 17.38% | 4,480 | 12.42% | 3200 | 25770 |
6 | 阿賀野市 | 17.02% | 2,760 | 6.72% | 1090 | 16220 |
7 | 胎内市 | 16.89% | 2,010 | 10.42% | 1240 | 11900 |
8 | 新潟市中央区 | 16.36% | 17,590 | 5.59% | 6010 | 107510 |
9 | 新潟県 | 15.30% | 155,300 | 7.63% | 77500 | 1015200 |
10 | 妙高市 | 15.20% | 1,900 | 10.32% | 1290 | 12500 |
11 | 長岡市 | 13.46% | 16,240 | 6.11% | 7370 | 120650 |
12 | 上越市 | 13.40% | 11,070 | 7.52% | 6210 | 82590 |
13 | 新潟市西区 | 13.39% | 10,590 | 5.18% | 4100 | 79110 |
14 | 魚沼市 | 13.36% | 1,900 | 7.59% | 1080 | 14220 |
15 | 新潟市 | 13.12% | 50,100 | 5.74% | 21900 | 381800 |
16 | 燕市 | 12.99% | 4,290 | 8.27% | 2730 | 33030 |
17 | 五泉市 | 12.96% | 2,520 | 9.82% | 1910 | 19450 |
18 | 新潟市西蒲区 | 12.80% | 2,790 | 8.03% | 1750 | 21800 |
19 | 新潟市東区 | 12.61% | 8,260 | 5.18% | 3390 | 65500 |
20 | 新発田市 | 12.52% | 5,060 | 7.70% | 3110 | 40410 |
21 | 三条市 | 11.95% | 4,590 | 7.55% | 2900 | 38410 |
22 | 新潟市秋葉区 | 11.56% | 3,640 | 7.91% | 2490 | 31480 |
23 | 十日町市 | 11.48% | 2,210 | 9.09% | 1750 | 19250 |
24 | 小千谷市 | 10.71% | 1,440 | 6.40% | 860 | 13440 |
25 | 見附市 | 10.06% | 1,540 | 5.68% | 870 | 15310 |
26 | 新潟市南区 | 9.64% | 1,630 | 5.85% | 990 | 16910 |
27 | 新潟市北区 | 9.49% | 2,940 | 6.13% | 1900 | 30980 |
28 | 新潟市江南区 | 9.22% | 2,630 | 4.38% | 1250 | 28530 |
29 | 南魚沼市 | 8.70% | 2,150 | 4.25% | 1050 | 24700 |
空き家率がもっとも高い市区町村は佐渡市
新潟県で空き家率がもっとも高かったのは佐渡市の28.03%だ。
佐渡市は離島ゆえの交通不便と若年層の本土への移住が顕著である。観光需要も季節集中型で定住需要が乏しく、老朽建築の再利用の進まないまま、空き家化が続いている。
深刻化している「放置空き家」率がもっとも高いのは佐渡市
近年注目されている空き家問題だが、中でも深刻化しているのが、賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家、つまり放置空き家である。
2023年の住宅・土地統計調査によると、全国の放置空き家数は3,856,000戸で、住宅総戸数に占める放置空き家の割合は5.93%に達している。
放置空き家は、管理されずに放置状態にあるケースが多く、倒壊・火災等の安全性の問題、ゴミの不法投棄や不審者の侵入等による治安悪化、周辺の不動産価値の低下などの問題を引き起こす。特に地方では人口減少に伴い放置空き家が増加し、集落の維持が困難になるケースも出ている。
新潟県の放置空き家率がもっとも高かったのは、佐渡市で24.64%となっている。
国は「空家等対策の推進に関する特別措置法」により特定空家等への対策を強化しているが、所有者不明や相続放棄による管理者不在の空き家も多く、対応が難しい状況である。空き家の発生予防と利活用促進の両面からの対策が急務となっている。
新潟県の空き家対策や活用事例は?
新潟県では、増加する空き家問題に対応するため、所有者への早期対策の呼びかけや、空き家の活用や処分を支援するパンフレットの配布を行っている。また、空き家セミナーや出前講座を通じて、県民への啓発活動を実施している。
さらに、「新潟県版空き家バンク」の運用や、市町村との連携による補助制度の整備など、多角的な取り組みを展開している。
新潟県における空き家活用事例
十日町市の越後妻有アートトリエンナーレでは、空き家や廃校を現代アート作品の展示空間や美術館として活用している。地域に点在する空き家が芸術作品と融合することで国内外から多くの来訪者を集め、過疎地域の活性化に貢献している。
三条市下田地域農村部で古民家を改修した、「Sanju~燕三条古民家の宿」は、市が所有物件の運営を有限責任事業組合CRAFT VILLEGE INC.に委託した事業。若手農業家を中心に、観光者、移住検討者、地域住民が共に交流し、賑わいの創出と共に、移住定住促進へとつなげていくものである。
所有する空き家はどうすればいい?
相続などにより所有する空き家がある場合、売却、解体、賃貸活用の3つの対策が考えられる。
売却する

今後も使う予定がなく、解体や賃貸にも魅力を感じないならば、売却を検討しよう。
都心部などでは、不動産会社による仲介を通じて買い手を探すのが一般的だが、売却期間が数カ月以上かかる場合もある。
一方、不動産会社による直接買取ならばスピーディに契約でき、契約不適合責任が免除されるメリットもあるが、売値は仲介に比べて低くなりがちだ。
地方や限界集落では買い手を見つけるのが困難な場合もあり、各都道府県の「空き家バンク」を活用して移住希望者とマッチングするか、不動産買取専門業者に相談する手もある。
さらに、相続した土地ならば「相続土地国庫帰属制度」の利用も視野に入れて、全体的な負担を減らす手段を探ることが大切である。
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解体する

建物が老朽化して倒壊リスクが高い場合、解体を早めに検討するのが望ましい。特に豪雪地帯などでは、降雪前に建物を取り壊しておけば周囲への被害を防げる。
解体費用はかかるが、放火や倒壊などのリスクを考慮すれば、結果的に周囲とのトラブルやメンテナンスの負担を減らすことにつながる。解体後の土地にすぐ利用予定がない場合は、時間貸し駐車場やマッチングサービスを使って暫定的に運用するのも一つの手だ。
今後も使い道がなければ、早めの売却によって固定資産税などの負担が軽減されることにもなる。
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