奈良県の空き家率は14.64%で全国32位【2025年版】 ランキング、長期推移、活用事例などを解説

奈良県の空き家率は14.64%で全国32位【2025年版】 ランキング、長期推移、活用事例などを解説
2025年7月12日公開(2025年7月10日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

奈良県の空き家率・空き家数ランキングを公開する。全国的に問題視されている「空き家問題」は、地方だけでなく都市部でも年々増加しており、社会課題のひとつとなっている。本記事では、奈良県の空き家率とその全国順位を紹介し、空き家の特徴や対策・活用方法についても解説しよう。

奈良県の空き家率、長期推移、特徴

 奈良県の空き家の全体概要をみてみよう。

 最新のデータ(2023年度)によると、奈良県の空き家数は93,600戸、空き家率は14.64%となっている。奈良県の空き家率は全国32位に位置しており、全国の13.84%に比べて高い

 奈良県は、大阪のベッドタウンだった生駒市や香芝市などでの親世代宅の放置が進み、吉野郡など山間地域でも家一軒丸ごと無人化する例が目立っている。奈良市中心部の町家にも空き家が増え、観光客に向けた利活用を検討する動きがみられる。

奈良県の空き家率の長期推移は?

 2023年度の奈良県の空き家率は、前回調査データ(2018年度)から0.52ポイント増加。空き家数は6,400戸増加した。人口減少と高齢化の影響が顕著に現れており、今後も増加傾向が続く可能性が高い。

 以下に、1958年からの空き家率と空き家数の推移を示す。

奈良県の空き家率の長期推移

奈良県の空き家の推移(1958年〜2023年)

空き家率 空き家数(戸) 住宅総数(戸)
2023 14.64% 93,600 639,500
2018 14.12% 87,200 617,600
2013 13.74% 84,500 615,000
2008 14.58% 86,400 592,600
2003 13.46% 75,700 562,200
1998 12.21% 64,200 525,800
1993 9.74% 46,100 473,100
1988 9.30% 38,900 418,100
1983 8.23% 30,800 374,300
1978 7.74% 25,700 331,900
1973 5.78% 15,700 271,400
1968 4.52% 9,510 210,620
1963 2.59% 4,400 170,000
1958 1.85% 2,800 151,000
※空き家率は総務省統計の総合窓口「住宅・土地統計調査 / 平成30年住宅・土地統計調査 / 時系列統計表」の住宅総数と空き家数のデータを基に作成。

奈良県の空き家ランキング【2023年度最新版】

 奈良県の市区町村の空き家の状況はどうなっているのか。以下は、空き家率が高い順のランキングだ。表の市区町村名からはそのエリアの将来の中古戸建て価格予想が確認できるので、売却などを検討している方は参考にしてほしい。

  • 空き家率順
  • 放置空き家率順
順位 市区町村名
リンク先は
将来価格予想
空き家率 空き家数(戸) 放置空き家率 放置空き家数(戸) 住宅総数(戸)
1 五條市 28.65% 4,220 23.08% 3400 14730
2 御所市 24.38% 3,030 17.94% 2230 12430
3 宇陀市 18.71% 2,460 14.83% 1950 13150
4 三郷町 18.34% 2,270 11.07% 1370 12380
5 天理市 17.98% 5,450 5.71% 1730 30310
6 奈良市 16.97% 32,160 8.08% 15300 189460
7 桜井市 16.50% 4,390 8.50% 2260 26600
8 大淀町 16.12% 1,220 8.59% 650 7570
9 大和高田市 14.63% 4,520 7.38% 2280 30890
10 河合町 13.77% 990 7.79% 560 7190
11 上牧町 12.61% 1,310 4.62% 480 10390
12 葛城市 12.29% 1,940 4.56% 720 15790
13 王寺町 12.12% 1,410 4.13% 480 11630
14 大和郡山市 12.08% 4,720 5.78% 2260 39070
15 橿原市 10.81% 6,200 3.47% 1990 57350
16 広陵町 8.85% 1,200 4.94% 670 13560
17 生駒市 8.27% 4,160 4.45% 2240 50310
18 田原本町 8.21% 1,070 5.60% 730 13040
19 香芝市 6.89% 2,230 3.80% 1230 32360
20 斑鳩町 6.66% 790 3.54% 420 11860
21 平群町 4.27% 330 4.14% 320 7730
※空き家率は政府統計の総合窓口「住宅・土地統計調査 令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 全国・都道府県・市区町村の住宅総数と空き家数のデータを基に作成。放置空き家率は、同データの賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家が総戸数に占める割合。

空き家率がもっとも高い市区町村は五條市

 奈良県で空き家率がもっとも高かったのは五條市の28.65%だ。

 五條市は平成15年以降、慢性的な人口の減少と高齢化に加え、西吉野や大塔地区の過疎化が顕著で、新耐震基準前の老朽化した住宅が撤去されずに残存している。

深刻化している「放置空き家」率がもっとも高いのは五條市

 近年注目されている空き家問題だが、中でも深刻化しているのが、賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家、つまり放置空き家である。

 2023年の住宅・土地統計調査によると、全国の放置空き家数は3,856,000戸で、住宅総戸数に占める放置空き家の割合は5.93%に達している。

 放置空き家は、管理されずに放置状態にあるケースが多く、倒壊・火災等の安全性の問題、ゴミの不法投棄や不審者の侵入等による治安悪化、周辺の不動産価値の低下などの問題を引き起こす。特に地方では人口減少に伴い放置空き家が増加し、集落の維持が困難になるケースも出ている。

 奈良県の放置空き家率がもっとも高かったのは、五條市で23.08%となっている。

 国は「空家等対策の推進に関する特別措置法」により特定空家等への対策を強化しているが、所有者不明や相続放棄による管理者不在の空き家も多く、対応が難しい状況である。空き家の発生予防と利活用促進の両面からの対策が急務となっている。

奈良県の空き家対策や活用事例は?

​ 奈良県では、空き家問題への対応として、県と市区町村が連携し「奈良県空き家対策連絡会議」を設置し、情報共有や対策を協議している。市区町村職員の対応力の向上を目的に、弁護士や司法書士による研修や先進事例の紹介も実施する。

 また、特定空き家などに対する行政による代執行や略式代執行も行われており、除却工事費や残存物品の処理費に対する国庫補助の拡充が求められている。 ​

奈良県における空き家活用事例

 五條市では空き家となっていた古民家を改修し、移住者向け古民家ホテルとして再生した事例がある。歴史ある建築様式を保存しながら現代的な快適性を備えた宿泊施設として機能し、観光振興と移住促進の両面で効果を上げている。

 生駒市は、地域課題の解決や魅力の創出につなげることを目指すプロジェクト「恋文不動産」に取り組んでいる。その一環として、築80年を超えた古民家がゲストハウス「natomi宿」として生まれ変わった。昼間はレンタルスペースを併設し、宿泊者だけでなく、地元民との交流の場となることを目指すものである。

所有する空き家はどうすればいい?

 相続などにより所有する空き家がある場合、売却、解体、賃貸活用の3つの対策が考えられる。

売却する

所有する空き家の対策①売却する
所有する空き家の対策①売却する(出所:PIXTA)

 今後も使う予定がなく、解体や賃貸にも魅力を感じないならば、売却を検討しよう。

 都心部などでは、不動産会社による仲介を通じて買い手を探すのが一般的だが、売却期間が数カ月以上かかる場合もある。

 一方、不動産会社による直接買取ならばスピーディに契約でき、契約不適合責任が免除されるメリットもあるが、売値は仲介に比べて低くなりがちだ。

 地方や限界集落では買い手を見つけるのが困難な場合もあり、各都道府県の「空き家バンク」を活用して移住希望者とマッチングするか、不動産買取専門業者に相談する手もある。

 さらに、相続した土地ならば「相続土地国庫帰属制度」の利用も視野に入れて、全体的な負担を減らす手段を探ることが大切である。

所有する不動産、いくらで売れる?

不動産を売却するなら、まずは「不動産一括査定」で売却価格の目安を知ろう。

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解体する

所有する空き家の対策②解体する
所有する空き家の対策②解体する(出所:PIXTA)

 建物が老朽化して倒壊リスクが高い場合、解体を早めに検討するのが望ましい。特に豪雪地帯などでは、降雪前に建物を取り壊しておけば周囲への被害を防げる。

 解体費用はかかるが、放火や倒壊などのリスクを考慮すれば、結果的に周囲とのトラブルやメンテナンスの負担を減らすことにつながる。解体後の土地にすぐ利用予定がない場合は、時間貸し駐車場やマッチングサービスを使って暫定的に運用するのも一つの手だ。

 今後も使い道がなければ、早めの売却によって固定資産税などの負担が軽減されることにもなる。

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賃貸活用する

所有する空き家の対策③賃貸活用する
所有する空き家の対策③賃貸活用する(出所:PIXTA)

 空き家がそのまま使える、あるいはリフォームすれば活用可能な場合は、賃貸住宅として貸し出すのが一般的な選択肢となる。

 ファミリー向け物件が不足している地域では、安定した賃料収入が期待できるかもしれない

 また、短期利用のニーズを狙うならば、シェアスペースとしてイベントや集まりに提供する手法や、観光需要が回復しつつある中で民泊として運用する方法もある。

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