福島県の空き家率・空き家数ランキングを公開する。全国的に問題視されている「空き家問題」は、地方だけでなく都市部でも年々増加しており、社会課題のひとつとなっている。本記事では、福島県の空き家率とその全国順位を紹介し、空き家の特徴や対策・活用方法についても解説しよう。
福島県の空き家率、長期推移、特徴
福島県の空き家の全体概要をみてみよう。
最新のデータ(2023年度)によると、福島県の空き家数は131,000戸、空き家率は15.18%となっている。福島県の空き家率は全国29位に位置しており、全国の13.84%に比べて高い。
福島県では、会津や中通りの山村部で古い民家が長らく放置され、所有者や管理者が不在で活用が難しいケースが少なくない。東日本大震災の被災地域では、津波や地震で住宅そのものが失われたため、2013年調査では統計上の空き家率は低下している。その後、復興事業の進展により除却や再建が進んだ一方で、2018年以降は再び空き家率が上昇する地域もあり、課題が続いている。
福島県の空き家率の長期推移は?
2023年度の福島県の空き家率は、前回調査データ(2018年度)から0.84ポイント増加。空き家数は7,500戸増加した。人口減少と高齢化の影響が顕著に現れており、今後も増加傾向が続く可能性が高い。
以下に、1958年からの空き家率と空き家数の推移を示す。

福島県の空き家の推移(1958年〜2023年)
年 | 空き家率 | 空き家数(戸) | 住宅総数(戸) |
---|---|---|---|
2023 | 15.18% | 131,000 | 862,900 |
2018 | 14.34% | 123,500 | 861,300 |
2013 | 11.73% | 91,800 | 782,300 |
2008 | 12.99% | 105,000 | 808,200 |
2003 | 12.30% | 96,200 | 781,800 |
1998 | 9.89% | 72,000 | 728,200 |
1993 | 8.01% | 53,500 | 668,100 |
1988 | 8.23% | 51,400 | 624,700 |
1983 | 6.37% | 36,800 | 578,000 |
1978 | 5.27% | 28,400 | 539,100 |
1973 | 3.83% | 18,600 | 485,700 |
1968 | 3.04% | 13,280 | 436,490 |
1963 | 1.85% | 7,400 | 401,000 |
1958 | 1.32% | 4,800 | 363,000 |
福島県の空き家ランキング【2023年度最新版】
福島県の市区町村の空き家の状況はどうなっているのか。以下は、空き家率が高い順のランキングだ。表の市区町村名からはそのエリアの将来の中古戸建て価格予想が確認できるので、売却などを検討している方は参考にしてほしい。
- 空き家率順
- 放置空き家率順
順位 | 市区町村名 リンク先は 将来価格予想 |
空き家率 | 空き家数(戸) | 放置空き家率※ | 放置空き家数(戸) | 住宅総数(戸) |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 南相馬市 | 22.03% | 6,730 | 8.54% | 2,610 | 30,550 |
2 | 会津美里町 | 20.52% | 1,590 | 13.94% | 1,080 | 7,750 |
3 | 喜多方市 | 19.91% | 3,900 | 14.29% | 2,800 | 19,590 |
4 | 相馬市 | 18.77% | 3,040 | 9.20% | 1,490 | 16,200 |
5 | 会津若松市 | 18.33% | 10,790 | 7.95% | 4,680 | 58,850 |
6 | 白河市 | 15.98% | 4,420 | 7.05% | 1,950 | 27,660 |
7 | いわき市 | 15.30% | 25,170 | 6.60% | 10,860 | 164,530 |
8 | 会津坂下町 | 14.08% | 870 | 12.46% | 770 | 6,180 |
9 | 二本松市 | 14.03% | 3,120 | 5.31% | 1,180 | 22,240 |
10 | 郡山市 | 13.95% | 22,770 | 4.93% | 8,050 | 163,240 |
11 | 矢吹町 | 13.43% | 920 | 5.84% | 400 | 6,850 |
12 | 伊達市 | 13.32% | 3,180 | 7.50% | 1,790 | 23,870 |
13 | 福島市 | 12.95% | 18,080 | 5.18% | 7,230 | 139,600 |
14 | 西郷村 | 12.63% | 1,210 | 4.80% | 460 | 9,580 |
15 | 本宮市 | 12.21% | 1,550 | 7.33% | 930 | 12,690 |
16 | 田村市 | 12.13% | 1,620 | 8.09% | 1,080 | 13,350 |
17 | 須賀川市 | 11.29% | 3,490 | 5.82% | 1,800 | 30,910 |
18 | 三春町 | 11.06% | 750 | 7.67% | 520 | 6,780 |
空き家率がもっとも高い市区町村は南相馬市
福島県で空き家率がもっとも高かったのは南相馬市の22.03%だ。
福島県南相馬市では、東日本大震災による原発事故に伴う避難指示区域の設定により、帰還者が限定的な状況が続いている。加えて、高齢化による入院や死亡などで居住できない「その他の空き家」が増加し、全国および福島県の平均を上回っている。
深刻化している「放置空き家」率がもっとも高いのは喜多方市
近年注目されている空き家問題だが、中でも深刻化しているのが、賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家、つまり放置空き家である。
2023年の住宅・土地統計調査によると、全国の放置空き家数は3,856,000戸で、住宅総戸数に占める放置空き家の割合は5.93%に達している。
放置空き家は、管理されずに放置状態にあるケースが多く、倒壊・火災等の安全性の問題、ゴミの不法投棄や不審者の侵入等による治安悪化、周辺の不動産価値の低下などの問題を引き起こす。特に地方では人口減少に伴い放置空き家が増加し、集落の維持が困難になるケースも出ている。
福島県の放置空き家率がもっとも高かったのは、喜多方市で14.29%となっている。
国は「空家等対策の推進に関する特別措置法」により特定空家等への対策を強化しているが、所有者不明や相続放棄による管理者不在の空き家も多く、対応が難しい状況である。空き家の発生予防と利活用促進の両面からの対策が急務となっている。
福島県の空き家対策や活用事例は?
福島県では、空き家問題への総合的な対応として「福島県空き家対策総合支援事業」を展開している。この事業は、市町村と連携し、空き家のリフォーム、解体、インスペクション(住宅診断)などに対する補助金を交付するものである。とくに、定住や交流人口の拡大、新婚・子育て世帯の居住水準向上、避難者および被災者の住宅再建の支援を目的としている。
各市区町村が地域の実情に応じた補助制度を設けており、県はこれらの取り組みを財政的に支援することで、空き家の適正管理と利活用を促進し、地域の活性化を図っている。
福島県における空き家活用事例
南相馬市では、「空き家流通サポート事業」に参画するomusubi不動産が、空き家を資産ではなく地域資源として再生させる取り組みを行っている。所有者と入居希望者の間をつなぎ、DIY賃貸やシェア利用など柔軟な活用方法を提案。イベントやワークショップを通じて地域の人材や移住希望者を巻き込み、空き家を拠点とした新しい暮らしや仕事の場を創出している。
会津若松市では、2018年に古い空き家をリノベーションしたゲストハウス「tsuranari」がある。高額な改修を避け、必要最低限のリノベで50点の状態を提示。利用者や地域の人が関わることで価値を育てるという独自の発想が特徴だ。単なる宿泊施設にとどまらず、会津の暮らしや文化を体感できる交流拠点として、地域再生と空き家利活用の好例となっている。
所有する空き家はどうすればいい?
相続などにより所有する空き家がある場合、売却、解体、賃貸活用の3つの対策が考えられる。
売却する

今後も使う予定がなく、解体や賃貸にも魅力を感じないならば、売却を検討しよう。
都心部などでは、不動産会社による仲介を通じて買い手を探すのが一般的だが、売却期間が数カ月以上かかる場合もある。
一方、不動産会社による直接買取ならばスピーディに契約でき、契約不適合責任が免除されるメリットもあるが、売値は仲介に比べて低くなりがちだ。
地方や限界集落では買い手を見つけるのが困難な場合もあり、各都道府県の「空き家バンク」を活用して移住希望者とマッチングするか、不動産買取専門業者に相談する手もある。
さらに、相続した土地ならば「相続土地国庫帰属制度」の利用も視野に入れて、全体的な負担を減らす手段を探ることが大切である。
不動産を売却するなら、まずは「不動産一括査定」で売却価格の目安を知ろう。
「無料査定スタート」を押すだけで、現在表示している地域の査定依頼ができる。無料で最大6社の査定額を受け取れるので、ぜひ活用してみよう。
提携する不動産仲介会社が1,700社以上と多く、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地など幅広い種類の不動産にも対応している(サービス提供:リビンマッチ)。
解体する

建物が老朽化して倒壊リスクが高い場合、解体を早めに検討するのが望ましい。特に豪雪地帯などでは、降雪前に建物を取り壊しておけば周囲への被害を防げる。
解体費用はかかるが、放火や倒壊などのリスクを考慮すれば、結果的に周囲とのトラブルやメンテナンスの負担を減らすことにつながる。解体後の土地にすぐ利用予定がない場合は、時間貸し駐車場やマッチングサービスを使って暫定的に運用するのも一つの手だ。
今後も使い道がなければ、早めの売却によって固定資産税などの負担が軽減されることにもなる。
サイト名 | ![]() |
![]() |
![]() |
---|---|---|---|
おすすめポイント | ・全国約100自治体と空き家除却促進の協定締結を結んでおり、安心して見積もりが取れる ・解体工事会社の倒産等により工事が履行されなくなってしまった場合の「完工保証」も無償で用意している |
・逆オークション方式なので安い業者が見つかりやすい ・しつこい電話営業がない ・依頼をキャンセルしたい場合は無料でキャンセル連絡を代行してくれる |
・1回の見積もり依頼で最大6社の見積もりを無料で受け取れる ・もし解体工事が完了しなかった場合は着手金を補償してくれる ・解体補助金申請サポートにも対応 |
費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
掲載会社数 | 2,000社以上(2024年12月時点) | 700社以上(2020年12月時点) | 1000社以上 |
対応エリア | 全国 | 全国 | 全国 |
運営会社名 | 株式会社クラッソーネ | バリュークリエーション株式会社 | 社団法人 あんしん解体業者認定協会 |
無料で見積もり依頼(公式サイト) | 無料で見積もり依頼(公式サイト) | 無料で見積もり依頼(公式サイト) |
賃貸活用する

空き家がそのまま使える、あるいはリフォームすれば活用可能な場合は、賃貸住宅として貸し出すのが一般的な選択肢となる。
ファミリー向け物件が不足している地域では、安定した賃料収入が期待できるかもしれない。
また、短期利用のニーズを狙うならば、シェアスペースとしてイベントや集まりに提供する手法や、観光需要が回復しつつある中で民泊として運用する方法もある。
空き家をどう活用するのがいいかプロに提案してほしいという方は、無料の「空き家解決プラン提案サービス」を利用するのも一つの方法だ。
タウンライフ空き家解決(無料プラン提案) | |
特徴 | ・簡単な質問に答えるだけで空き家のプロがベストな解決策を無料で提案 ・診断結果に合わせて複数社から無料で提案してもらえる ・補助金の提案もしてもらえる |
---|---|
運営会社 | タウンライフ株式会社 |
福島県の空き家に関する FAQ
- Q福島県の空き家率は高い?空き家数は?
- A
総務省の統計データ(2023年度)によると、福島県の空き家数は131,000戸、空き家率は15.18%である。福島県の空き家率は全国29位に位置しており、全国の13.84%に比べて高い。
全国の空き家ランキングはダイヤモンド不動産研究所のページで詳しく解説されている。
- Q福島県で、空き家率が高い「市区町村」はどこ?
- A
総務省の統計データ(2023年度)によると、福島県で空き家率がもっとも高かったのは南相馬市の22.03%。放置空き家率がもっとも高かったのは、喜多方市で14.29%である。全国の空き家ランキングはダイヤモンド不動産研究所のページで詳しく解説されている。
- Q所有する空き家はどうすればいい?
- A
相続などにより所有する空き家がある場合、売却、解体、賃貸活用の3つの対策が考えられる。売却する場合は、不動産会社や一括査定サイトから紹介された不動産会社を通じて売却するほか、不動産会社への買取依頼もできる。老朽化により倒壊の恐れのある空き家は解体。リフォームで空き家を活用できるなら賃貸活用も考えられる。詳しくは、記事の「所有する空き家はどうすればいい?」を確認しよう。
- Q空き家を放置したらどうなる?
- A
倒壊・火災等の安全性の問題、ゴミの不法投棄や不審者の侵入等による治安悪化、周辺の不動産価値の低下などの問題を引き起こす。特に地方では人口減少に伴い放置空き家が増加し、集落の維持が困難になるケースも出ている。国や自治体は対策を強化しており、「特定空家等」または「管理不全空家等」に認定されると、固定資産税・都市計画税の税額が高くなったり、行政代執行により空き家が解体されるケースもある。
- Q「特定空家等」「管理不全空家等」に認定されるとどうなる?
- A
空き家が「特定空家等」や「管理不全空家等」に認定されると、自治体から安全対策や修繕・除却の指導を受ける。改善が行われない場合、勧告や命令が出され、最終的には行政代執行による強制的な解体・撤去(解体費用は所有者に請求)が行われる可能性がある。また、固定資産税の住宅用地特例がなくなり、税額が大幅に増えることもある。さらに、50万円以下の過料(罰金の一種)が課されるケースもある。
サイト名 | ![]() |
![]() |
![]() |
---|---|---|---|
おすすめポイント | ・全国約100自治体と空き家除却促進の協定締結を結んでおり、安心して見積もりが取れる ・解体工事会社の倒産等により工事が履行されなくなってしまった場合の「完工保証」も無償で用意している |
・逆オークション方式なので安い業者が見つかりやすい ・しつこい電話営業がない ・依頼をキャンセルしたい場合は無料でキャンセル連絡を代行してくれる |
・1回の見積もり依頼で最大6社の見積もりを無料で受け取れる ・もし解体工事が完了しなかった場合は着手金を補償してくれる ・解体補助金申請サポートにも対応 |
費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
掲載会社数 | 2,000社以上(2024年12月時点) | 700社以上(2020年12月時点) | 1000社以上 |
対応エリア | 全国 | 全国 | 全国 |
運営会社名 | 株式会社クラッソーネ | バリュークリエーション株式会社 | 社団法人 あんしん解体業者認定協会 |
無料で見積もり依頼(公式サイト) | 無料で見積もり依頼(公式サイト) | 無料で見積もり依頼(公式サイト) |
空き家率ランキングエリアメニュー |
※不動産一括査定サイトとは、売却したい不動産の情報と個人情報を入力すれば、無料で複数社に査定依頼ができます。査定額を比較できるので売却相場が分かり、きちんと売却してくれる不動産会社を見つけやすくなる便利なサービスです。
◆SUUMO(スーモ)売却査定 | |
無料査定はこちら >> |
|
特徴 | ・圧倒的な知名度を誇るSUUMOによる一括査定サービス ・主要大手不動産会社から地元に強い不動産会社まで2000社以上が登録 |
---|---|
対応物件 | マンション、戸建て、土地 |
紹介会社数 | 10社(主要一括査定サイトで最多)※査定可能会社数は物件所在地によって異なります |
運営会社 | 株式会社リクルート住まいカンパニー(東証プライム子会社) |
|
◆すまいValue | |
|
|
特徴 | ・大手不動産会社6社が運営する一括査定サイト |
---|---|
対応物件 | マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟アパート、一棟ビル |
対応エリア | 北海道、宮城、東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、愛知、岐阜、三重、大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、和歌山、岡山、広島、福岡、佐賀 |
運営会社 | 大手不動産会社6社(東急不動産、住友不動産販売、三井のリハウス、三菱地所の住まいリレー、野村の仲介+、小田急不動産) |
|
一括査定サイトと合わせて
利用したい査定サイト!
◆ソニーグループの「SRE不動産」売却査定 | |
|
|
特徴 | ・両手仲介・囲い込みを行わない ・上場企業のソニーグループが運営 ・売却専門の担当者がマンツーマンで高値売却を追求 |
---|---|
対応物件 | マンション、戸建て、土地(建物付きを含む)、収益用不動産 |
対応エリア | 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県 |
運営会社 | SREホールディングス株式会社(ソニーグループ) |
|
タウンライフ空き家解決(無料プラン提案) | |
特徴 | ・簡単な質問に答えるだけで空き家のプロがベストな解決策を無料で提案 ・診断結果に合わせて複数社から無料で提案してもらえる ・補助金の提案もしてもらえる |
---|---|
運営会社 | タウンライフ株式会社 |