大阪府の中古マンション市場は、大阪市内中心6区・大阪市内18区・府北部・府南部・府東部・堺市の6エリアで需給の動きが異なり、同じ大阪府でもエリアごとに違う顔を見せている。本記事では、2026年9月度の最新データから「売出価格」と「成約価格」の推移を確認し、エリア別の最新動向を解説する。
※本記事のグラフ、データは近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)「マンスリーレポート」をもとに編集部が作成。(画像出典:写真AC)
大阪府の中古マンション価格推移の概要
売出価格(新規登録価格):売主が希望して売りに出した時点の価格
成約価格:実際に買い手がついて契約が成立した価格
・売出価格はあくまで売主の希望値であり、そこから値引き交渉などを経て成約に至るため、通常は売出価格の方が成約価格よりも高くなる
・この2つの価格差が大きいほど、売り手と買い手の相場観のズレが大きいことを意味する
2026年9月の大阪府の中古マンションの成約価格は3485万円(前年比-5.3%、前月比+1.8%)、成約㎡単価は53.15万円/㎡(前年比-4.3%、前月比+3.1%)だった。
各エリアの成約件数は、大阪市383件、大阪府北部160件、東部105件、堺市54件、南部(堺市除く)45件、合計で747件。前年同月の932件から-19.9%、前月の753件から-0.8%となった。
今月の注目は、売出価格と成約価格の差の拡大だ。中心6区では売出価格が7849万円、成約価格が6046万円で、差は1802万円と1000万円を超えた。前年9月の882万円から約2倍に開いている。成約件数も前年比-30.1%と6エリアで最も減っており、売り手の希望価格に買い手が追い付いていない可能性がある。
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大阪市内中心6区:成約価格は6046万円(前年比+2.2%、前月比-2.9%)
大阪市内中心6区(北区・中央区・西区・浪速区・天王寺区・福島区)の9月の成約価格は6046万円(前年比+2.2%、前月比-2.9%)。5月の6621万円を直近の高値として、6月以降は5826万〜6225万円の範囲で推移している。価格は大きく崩れていないものの、成約件数は181件(前年比-30.1%)で、3月から7カ月連続の前年割れ。8月に続いて減少率は3割を超えた。
対照的に、新規登録件数は1297件(前年比+37.8%)と増加し、売出価格は7849万円(前年比+15.4%)に上昇した。成約価格との差は1802万円で、前年9月の882万円から約2倍に広がっている。売り出す側は高値を期待する一方、実際に取引される物件の平均価格はそれほど上がっていない。
売り出される物件が増え、価格も上がっているが、成約は進んでいない。成約価格が前年比プラスを保っているのは、高値を受け入れた買い手の物件だけが成約しているためとも読める。希望価格に合う買い手が見つかりにくくなれば、やがて売出価格も下落する可能性は高い。
大阪市内18区:成約価格は2897万円(前年比+0.4%、前月比-0.4%)
大阪市内18区(中心6区を除く)の9月の成約価格は2897万円(前年比+0.4%、前月比-0.4%)で、直近3カ月は7月が2935万円、8月が2908万円と小幅な下落が続き、3カ月の変動幅は約1.3%にとどまる。また、成約件数は202件(前年比-23.5%、前月比-10.6%)と減少傾向だ。
売出価格が成約価格の水準まで近づいていることに注目だ。売出価格は2885万円(前年比+11.8%、前月比+3.0%)で、成約価格を12万円下回る。
前年9月は売出価格が成約価格より306万円低く、その差が1年でほぼ解消された。新規登録物件の平均専有面積は55.12㎡と、成約物件の61.78㎡より約6.7㎡小さい。今後は同程度の予算でも、選べる広さが変わる可能性がある。価格だけでなく、売り出される住戸の面積にも注目したい。
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大阪府北部:成約価格は3160万円(前年比-6.4%、前月比+1.9%)
大阪府北部(池田市・箕面市・豊中市・吹田市・摂津市・茨木市・高槻市など)の成約価格は3160万円(前年比-6.4%、前月比+1.9%)。2月の3564万円を直近の高値とすると11.3%低い。7月の3372万円から8月に3099万円(前月比-8.1%)まで下げ、9月は持ち直した。成約㎡単価は43.03万円/㎡(前年比-2.7%、前月比+0.7%)。価格の下落率が㎡単価より大きいのは、専有面積が73.43㎡(前年比-3.8%)と縮小したことが影響している。
特徴的なのは、成約物件の平均築年数が32年7カ月と、前年同月の29年2カ月から3年5カ月上昇したことだ。取引される物件が築古側に寄れば、平均成約価格も押し下げられやすい。購入者が築年数より立地や予算を優先している、という見方もできる。
成約件数は160件(前年比-17.9%、前月比-7.0%)で、6カ月連続の減少。2025年9月以降の13カ月で最も少ない。新規登録件数は579件(前年比+11.1%、前月比+17.4%)と増えているため、在庫が積み上がっている可能性が高い。今後、売出物件の増加が継続するか、成約件数が持ち直すかによって市場の見え方は変わってくる。
大阪府南部(堺市除く):成約価格は1293万円(前年比-18.5%、前月比-7.7%)
大阪府南部(堺市を除く、岸和田市・泉大津市・河内長野市・羽曳野市・富田林市など)の成約価格は1293万円(前年比-18.5%、前月比-7.7%)で、7月の1511万円、8月の1402万円(前月比-7.2%)に続いて3カ月連続で下落し、2025年9月以降の13カ月で最も低くなった。成約㎡単価は17.75万円/㎡(前年比-22.4%、前月比-6.5%)。価格、㎡単価とも6エリアで最も低く、前年比の下落率も最大である。
成約物件の築年数は35年8カ月で、前年同月の29年6カ月から6年2カ月、前月の32年4カ月からも3年4カ月増加した。専有面積は72.89㎡(前年比+5.1%)と広がっていることから、築年数の高い低価格帯の取引が増え、平均値が下がったとみられる。前年9月の㎡単価が22.87万円/㎡(前年比+18.6%)と2025年9月以降で最も高かった反動も重なり、前年比の下落率が大きく見える面もある。
売出価格は1579万円(前年比+5.0%、前月比+7.4%)と上がっており、成約価格を285万円上回る。新規登録物件の築年数は33年6カ月で、成約物件より2年2カ月新しい。売りに出された物件より古く価格の低い物件に、買い手がついた可能性がある。成約件数は45件(前年比-4.3%、前月比-29.7%)と少なく、単月の平均値が変動しやすい点には注意が必要だ。
大阪府東部:成約価格は2280万円(前年比+0.1%、前月比-0.1%)
大阪府東部(門真市・守口市・枚方市・東大阪市・八尾市など)の9月の成約価格は2280万円(前年比+0.1%、前月比-0.1%)で、前年同月、前月とも同水準だった。
成約㎡単価は33.03万円/㎡(前年比+3.5%、前月比+4.4%)と上昇し、前年同月比のプラスは10カ月連続となった。価格が動かず㎡単価だけが上がったのは、専有面積が69.03㎡(前年比-3.2%、前月比-4.3%)と縮小したためで、8月の72.15㎡より約3.1㎡小さい物件の成約が増えた影響が大きい。
成約件数は105件(前年比-6.3%、前月比+25.0%)で、前月からは大きく増加した。売出価格は2251万円と成約価格を29万円下回り、両者の平均価格も近い。ほかのエリアで価格差が拡大するなか、東部は総額の安定と前月からの取引回復が目立つ。
堺市全域:成約価格は2227万円(前年比-16.9%、前月比-15.4%)
堺市全域の9月の成約価格は2227万円(前年比-16.9%、前月比-15.4%)と、前月比では6エリアで最も大きく下落した。成約㎡単価も31.34万円/㎡(前年比-15.3%、前月比-12.4%)となった。2025年9月以降では、2026年4月の2001万円に次ぐ低さである。5月は2885万円(前月比+44.1%)まで跳ね上がっており、月ごとの振れが大きいエリアだ。
振れの背景は母数の小ささにある。成約件数は54件(前年比-1.8%、前月比+5.9%)で、減少率は6エリアで最も小さいものの、築年数や広さの異なる物件が数件入れ替わるだけで平均値が動く。築年数は29年5カ月と前月の32年4カ月より2年11カ月若く、専有面積も71.06㎡(前年比-1.9%)と大きくは変わらない。物件の構成だけでは下落を説明しにくく、8月に前月比+13.3%と高値をつけた反動も含まれる可能性がある。
堺市は新規登録件数が193件(前年比-4.0%)と、6エリアで唯一前年を下回った。一方、売出価格は2647万円(前年比+12.8%)に上昇し、成約価格との差は420万円となった。売り出しが減るなかでも平均売出価格は上がっており、ほかのエリアとは異なる動きだ。
大阪府の中古マンションの価格相場、将来価格は?
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東京そのほか
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