【大阪府の中古マンション価格推移】市内の成約価格は17%以上の上昇も成約件数は減少、物件格差が明確に!【完全版】

【大阪府の中古マンション価格推移】市内の成約価格は17%以上の上昇も成約件数は減少、物件格差が明確に!【完全版】
2026年6月17日公開(2026年6月17日更新)
服部盛昭:株式会社R-Scope 不動産ライター

2026年5月の大阪府内中古マンション市場は、エリアを問わず成約価格の上昇と成約件数の減少が同時に進んだ。買い手全体の動きは鈍いにもかかわらず、立地や管理状態など条件のよい物件には需要が集中し、高値での成約が続いている。市場全体が盛り上がっているわけではなく、「売れる物件」と「売れない物件」の差がじりじりと広がっている。
※本記事のグラフ、データは近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)「マンスリーレポート」をもとに編集部が作成。(画像出典:写真AC)

大阪府の中古マンション価格推移の概要

 本記事で用いる2つの価格の意味を整理しておきたい。「売出価格」(新規登録価格)とは、売主が希望する価格として市場に登録した金額だ。「成約価格」は買い手がついて実際に契約が成立した価格を指す。この2つの差が大きいほど、売り手と買い手の価格認識にズレが生じているということだ。

 5月の近畿圏全体の中古マンション成約価格は、3349万円と12カ月連続で前年を上回った。成約件数は1554件(前年同月比-7.8%)と4カ月連続の減少。一方で成約㎡単価は48.72万円/㎡(同+9.0%)と4カ月連続で上昇が続く。新規登録件数は5800件(同-5.3%)と減少した。件数が減少するなかでも価格が上昇し続けているのは、条件のよい物件だけが高値で売れているという状況が考えられる。

大阪市内中心6区 成約価格は過去1年で最高値、成約件数は過去1年で最少。下がり始めた売出価格

大阪市内中心6区 マンション価格推移成約価格売出価格4000万円5000万円6000万円7000万円8000万円9000万円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/426/5

 大阪市内中心6区(北区・中央区・西区・浪速区・天王寺区・福島区)の5月の成約価格は6621万円(前年同月比+17.1%、前月比+9.4%)となり、過去1年間で最も高い水準となった。一方、成約件数は202件(前年比-18.5%)と、こちらは過去1年で最も少ない。高値で売れた物件と、全く動かない物件とに割れている状態だ。

 5月の売出価格は7968万円で、前月比では-4.4%と300万円以上下落している。成約価格との差は1347万円と依然大きく、売り手の強気な姿勢が続いている。ただ、売出価格が2カ月連続で下がってきた点は見逃せない。これまで一本調子で上昇してきた売り手の期待値が、ここへきて現実に引き寄せられ始めている可能性がある。

 成約件数の回復には、売り手側のさらなる価格修正が鍵を握る。売出価格の下落傾向が続くかどうかが、今後の取引量を左右する焦点になる。

大阪市内18区 成約価格が売出価格を上回る。好立地・高品質な物件に需要が集中

大阪市内18区 マンション価格推移成約価格売出価格2000万円3000万円4000万円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/426/5

 大阪市内18区(中心6区を除く)の成約価格は3110万円(前年比+20.0%、前月比+12.4%)と、5月単月の伸びとしては突出している。成約件数は240件(前年比-2.8%)にとどまり、6エリアのなかでは件数の減少幅が最も小さく、価格・件数ともに相対的な底堅さがある。

 成約価格(3110万円)が売出価格(2804万円)を上回っている点にも注目だ。市場に出てくる物件の多くは比較的廉価な帯にある一方、実際に売れているのは相対的に高品質・好立地の物件に偏っていると予想することができる。

 人気エリアや築浅・リノベ済み物件に対して、価格を問わず即座に動く買い手が一定数おり、それが成約価格を押し上げていると考えられる。エリア全体の需要は維持されながらも、物件のポテンシャルによる価格差がはっきりと表れているようだ。

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大阪府北部 売出価格が前月比-8.3%と急落。成約価格との逆転が広がる

大阪府北部 マンション価格推移成約価格売出価格2000万円3000万円4000万円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/426/5

 大阪府北部(淀川以北の大阪市外エリア。池田市・箕面市・豊中市・吹田市・茨木市・高槻市など)の成約価格は3401万円(前年比+7.5%、前月比+0.5%)となった。成約件数は168件(前年比-5.6%)。

 売出価格の動きにも注目したい。売出価格は2948万円(前月比-8.3%)と、1カ月で約270万円下落した。成約価格が売出価格を453万円上回るという状況になっており、市場に出てくる物件の価格帯が実際の取引水準よりも低くなっている。売り手が強気な値付けをやめ、現実的な価格で売り出す動きが広がっているとすれば、それ自体が取引の活性化につながる可能性がある。一方で、新規供給件数も472件(前年比-18.3%)と大幅に減っており、出てくる物件自体が少なくなっていることも見逃せない。

 北部エリアは築年数30.01年と府内では古めの物件が多い。それでも需要が持続しているのは、千里中央や高槻・茨木といった主要駅周辺の利便性が評価されているためだろう。中心部の価格高騰を受けて北部へ流入する実需層の動向にも引き続き注目したい。

大阪府東部 売出価格と成約価格の差がわずか78万円。6エリアで最も取引が成立しやすい市場

大阪府東部 マンション価格推移成約価格売出価格1000万円2000万円3000万円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/426/5

 大阪府東部(淀川以南・大和川以北の大阪市外エリア。門真市・守口市・枚方市・東大阪市・八尾市など)の成約価格は2387万円(前年比+26.7%、前月比+7.0%)となった。成約件数は106件(前年比-6.2%)。

 成約価格(2387万円)と売出価格(2309万円)の差はわずか約78万円だ。売り手が提示する価格と、買い手が実際に払う価格がほぼ一致しており、値段のすれ違いが起きにくい。中心6区の乖離が1347万円に達していることと比較すると、その差は歴然だ。6エリアのなかで取引が最も成立しやすい市場といえる。

 ㎡単価は34.19万円/㎡(前年比+23.3%)と近畿圏のなかでも2桁の上昇が続いており、価格帯の手ごろさから実需の買い替えや子育て世代の購入が活発だ。大阪市内の価格上昇が続くなか、中心部の価格高騰により、手ごろな価格を求める層の東部エリアへの流入は今後も続きやすく、成約価格の上昇傾向が維持される可能性が高い。

大阪府南部 登録件数+16.4%だが成約件数-32.7%。供給が増えるほど売れない市場に

大阪府南部 マンション価格推移成約価格売出価格1000万円2000万円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/426/5

 大阪府南部(大和川以南。堺市を除く。岸和田市・泉大津市・河内長野市・羽曳野市・富田林市など)の成約価格は1663万円(前年比+18.8%、前月比+13.6%)。3月・4月とほぼ横ばいだった水準から、5月に一気に上振れた。一方、成約件数は37件(前年比-32.7%)と、6エリアのなかで最大の落ち込みだ。

 特徴的なのは需給の逆転だ。新規登録件数は270件(前年比+16.4%)と増えているのに、成約件数は大幅に減っている。売り出しが増えれば取引も増えるのが通常だが、南部では逆の動きが起きている。買い手が物件の条件を厳しく絞り込んだ結果、大半の物件が売れ残り、成約するのはごく一部の条件のよい物件だけになっている。成約価格が売出価格(1542万円)を上回っていることも、その裏づけだ。

 築年数28.40年という水準を踏まえると、管理状態や立地条件が特に問われやすいエリアだ。交通利便性や買い物環境に差が出やすい地域特性もあり、物件ごとの条件格差が成約可否を大きく左右している。登録件数が積み上がり続ける一方で成約が伸び悩む状況が続けば、いずれ売り手側が価格を引き下げざるを得ない局面も訪れるかもしれない。

堺市全域 前月比+44.1%の価格急上昇も要注意。月ごとのブレが大きい少数件数市場

堺市全域 マンション価格推移成約価格売出価格1000万円2000万円3000万円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/426/5

 堺市全域の成約価格は2885万円(前年比+12.9%、前月比+44.1%)と、前月比では突出した伸びを記録した。

 この+44.1%という数字は、そのまま市況の好転と受け取らないほうがよい。成約件数が46件と少ないため、高価格帯の物件が数件まとまって成約しただけで平均値が大きく動く。3月2436万円→4月2001万円→5月2885万円と月ごとの振れが非常に大きく、4月の2001万円から急回復した反動という面も大きい。

 一方で、売出価格は2416万円(前年比-0.8%、前月比-3.7%)と下落しており、成約価格との差が約469万円に広がった。売り出し物件の価格帯が下がるなかでも、実際に売れる物件の水準は高いまま維持されている点は、他エリアと共通する傾向だ。堺市は北部・中部・南部で市場環境が大きく異なるエリアでもあり、全域の平均値で動向を判断することには本来限界がある。月次の数字よりも3カ月・6カ月単位の流れで見ていくことが重要だ

大阪府の中古マンションの価格相場、将来価格は?

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