2025年4月の関西・中部エリアのマンション市況(※2025年4月現在では2025年2月データが最新となる)は、先月に続き堅調を維持している。今月も関西・中部エリアの新築マンション市場動向のほか、中古マンションの市況、注目のマンションについて解説する。
関西・中部エリア新築マンションの市況【2025年2月】
2025年2月の関西・中部圏の新築マンション市場は、おおむね好調に推移している。まずは関西・中部圏の新築マンション市況について、詳しく見ていく。
関西エリア(大阪府・兵庫県・京都府・滋賀県・奈良県・和歌山)
2025年2月の新築分譲マンション発売戸数は1,450戸、対前年の同月比36.9%アップ、2カ月連続で前年を上回った。契約率は76.3%で、前年の同月比ほぼ横ばい状態。平均価格は4,424万円、㎡単価は92.5万円でともに前年の同月比では大きくダウンした。ただし、前年同月に「グラングリーン大阪the north ressidences」の発売があったためで、高水準は維持されている。
また大阪市内と神戸市内で投資用ワンルームが500戸ほど発売されている。投資用マンションを除外すると、平均価格は6,296万円。未販売在庫数は2月末時点2644戸、前月末比122戸の減少となった。
下のグラフは、過去3年間の近畿圏の新築マンション価格(平均価格)と契約率の推移を示す。

2025年2月の関西エリアの新築分譲マンションのデータ
2025年2月 | 前年同月比 | |
発売戸数 | 1,450戸 | +36.9% |
契約率 | 76.3% | −0.8ポイント |
平均価格 | 4,424万円 |
−40.2% |
㎡単価 | 92.5万円 | −21.1% |
販売在庫数 | 2,644戸 | −10.5% |
(出典:不動産経済研究所「近畿圏 新築分譲マンション市場動向 2025年1月」)
平均価格をエリア別にみると、大阪市内の平均価格は前年同月比61.9%ダウンの4,091万円。高額物件の供給がなく、投資用マンションの比率が高かったことによる。同じ理由で神戸市や京都市内も2桁ダウンとなった。
地域別戸数シェアでは大阪市内30.5%、京都市内24.8%、大阪府下19.2%、神戸市内15.8%で全体の9割を占める。
なお、2025年3月の発売戸数は1,300戸程度の見込みとなっている。2024年3月の発売戸数は1,448戸だった。
中部エリア(富山県・石川県・福井県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県)
愛知県を中心とした中部エリアについては、新築マンションの月別データのオープンソースはない。今回は、国交省が3月18日に発表した「令和7年の地価公示」を見てみよう。全国の地価動向は、全用途平均、住宅地、商業地いずれも4年連続で上昇、上昇幅も大きくなっている。3大都市圏では、とくに東京および大阪で上昇幅の拡大が続いている。
しかし名古屋だけは上昇幅がやや縮小している。名古屋の上昇幅は住宅地が+2.3%(前年比-0.5%)、商業地が+3.8%(前年比-0.5%)、全用途平均が+2.8%(前年比-0.5%)。
中部エリアの住宅地で前年比の変動率がプラスとなったのは愛知県の他に石川県と三重県。商業地で富山県、石川県、福井県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県。つまり全県で前年比の変動率がプラスとなっている。また、富山県は前年の下落から上昇に転じている。
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愛知県の分譲住宅着工戸数は、今まで戸建て住宅がマンションの倍ほどの戸数になっていたが、2020年ごろから差が縮まり始め、2024年にマンションが逆転した。(令和6年度国土交通省「住宅経済関連データ」)
戸建てが強いエリアだったが、利便性の良さでマンションを求める世帯が増え、とくに郊外の戸建てを売却してマンションに移る高齢者が増えたためだ。名古屋市内だけでなく利便性の高い周辺市町村の駅周辺には今後マンションが増えていきそうだ。
関西・中部圏の中古マンション市況【2025年2月】
次に関西・中部エリアの中古マンションの市況を見ていく。中古マンション市況は総じて堅調を維持している。
関西エリア(大阪府・兵庫県・京都府・滋賀県・奈良県・和歌山県)
関西エリア中古マンションの成約件数は前年比プラス31.7%と大幅アップ、4カ月連続で前年の同月を上回った。今年に入ってからも増加率が拡大し、コロナ禍前の水準を上回り続けている。
新規登録物件数は前年比は-0.1%とほぼ横ばい状態。しかし成約増加の中で売出件数は伸び悩む。成約㎡単価は+5.9%で20カ月連続で前年の同月を上回っている。また上昇傾向は2年にわたり変化がない。新規登録㎡単価は9.9%と9カ月連続で前年の同月を上回り、引き続き売り物件の高額化が続いている。新規登録㎡単価と成約㎡単価はともに上昇が続き、相対的に高額な中古マンションの流通は活発となっている。

近畿圏(関西エリア)の中古マンションの市場動向と需給状況【2025年2月】
2025年2月 | 前年同比 | |
成約件数 | 1,863件 | +31.7% |
平均成約㎡単価 | 45.98万円 | +5.9% |
新規登録物件数 | 5,983件 | −0.1% |
新規登録㎡単価 | 47.63万円 | +9.9% |
近畿圏の中古マンション市場動向(出典:東日本不動産流通機構「マンスリーレポート ダイジェスト 2025年2月号」)
成約件数をエリア別にみると、12地域すべてのエリアで前年比アップとなり、大阪府南部(+5.6%)以外はすべて2〜3桁増と中古マンション市場は依然と活況を呈している。
成約㎡単価は12地域中の10地域が前年比で上昇、大阪市と京都市、兵庫県他(神戸市と阪神間を除く兵庫県内)は2桁上昇となり、大阪市は20カ月連続で上昇している。
中部エリア(富山県・石川県・福井県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県)
中部エリアの中古マンションの市況【2025年2月】
2025年2月 | 前年比 | |
成約件数 | 575件 | +15.9% |
平均成約㎡単価 | 32.98万円 | +4.1% |
新規登録物件数 | 2,019件 | −5.9% |
新規登録㎡単価 | 33.15万円 | +1.0% |
中部圏の中古マンション市場動向(出典:中部圏不動産流通機構「月例速報マーケットウォッチ2025年2月」)
成約件数は前年同月比15.9%アップ、成約価格も平均で2488万円と前年の同月比7.5%アップ。新規登録㎡単価もアップ、新規登録物件数のみ下がっている。平均成約の築年数は変わらないが専有面積が75.44㎡(前年比・前月比で2㎡ほど拡大)に。新規登録価格は2,305万円と前年の同月比-0.3ポイントとほぼ横ばいになっている。
エリア別にみると、取り引きのメインとなる愛知県で成約件数が25.5%アップの443件。成約㎡単価および成約価格もともにアップしている。中部圏の在庫状況は2025年2月時点で8740戸となり、㎡単価は前年比わずかにアップとなったが、価格は前年の同月比で1年以上下がり続けている。
今月の注目のマンションは大阪福島区「レグナスタワー新梅田」
次に、今月の注目マンション「レグナスタワー新梅田」を紹介する。
一建設は、大阪市福島区福島7丁目12番5他(地番)に地上30階、延べ面積14106.62㎡、総戸数123戸のタワーマンションを計画している。

なにわ筋沿いに位置するロケーションだ。
交通ロケーションについて
「レグナスタワー新梅田」の交通ロケーションは下記の通り。
・JR大阪環状線福島駅徒歩3分
・JR東西線新福島駅徒歩5分
・阪神本線福島駅徒歩5分
最寄りとなるJR大阪環状線福島駅からは徒歩3分、福島駅徒歩3分以内のタワーマンションは過去10年遡っても1物件のみだ(投資用マンションを除く)。
JR大阪環状線福島駅からはJR大阪駅までは1駅。また同線は大阪市内の主要駅を一周している。徒歩5分のJR東西線は京橋や北新地方面など、大阪の主要なビジネス街へ徒歩5分の阪神本線は西宮や神戸方面へ繋がっている。
「レグナスタワー新梅田」は、JR大阪駅の西口からも徒歩10分。 うめきた(大阪駅北地区)プロジェクトの「グラングリーン大阪」に近く、梅田エリアが生活圏となる。さらに2031年開業予定の新線「なにわ筋線」により、関西空港へのタイムディスタンスも短縮できる。
現地の様子は
「レグナスタワー新梅田」は着工したばかりで、2027年11月に竣工する(予定)。公式ホームページがオープンされ、販売予定時期は2025年9月下旬、現在はエントリーを受け付けている。
接道は北側、東側、西側の3方向道路。なにわ筋をはさんだ東側には14階建て、南隣りには15階建てのマンションが建っている。

西側には道路をはさんで14階建てマンションがある。

なにわ筋に面する東側は視界が抜けている。

北側は道路を挟んで15階建てマンションがある。
全体的に言えば、南東、東、北東、北西の方角で比較的眺望が抜けそうだ。それ以外も15階より上階ならよさそうだ。

「レグナスタワー新梅田」の特徴は
「レグナスタワー新梅田」の事業主は関東エリアを中心戸建てとマンションの分譲を手掛けている飯田グループホールディングスの一(はじめ)建設である。その最上位ブランドであるレグナスの、関西エリアで初の物件となる。
現時点では仕様や価格などの詳細は不明だが、公式ホームページや過去の物件を見るかぎり、少なくとも過剰な高級仕様というわけではなさそうだ。省エネ性能を追求した「ZEH-M」、各階ゴミ置き場、内廊下、キッチンディスポーザーなどタワーマンションとしての基本スペックは網羅しているが、特段にアップグレードされた施設や設備というわけではない。
ただ、プランニングは2LDK〜3LDK、専有面積47.32㎡〜134.14㎡、サービスバルコニーを含めて各住戸にかなりの広さが確保されている。スーペリアフロア(15Fから25F)、コンフォートフロア(4Fから14F)の予定プランを見ると、ウォークインクローゼットやシューズインクローゼットといった大型収納が配置されている。
加えて「レグナスタワー新梅田」の特徴は立地面(駅近・うめきたエリアなど)のメリットが大きいといえる。
現在施工中の「グラングリーン大阪 THE SOUTH RESIDENCE」がある「梅田ランプ西」の交差点まではおよそ300mあまり、徒歩4〜5分という距離感だ。
梅田エリアは新しい街だが、福島エリアには商店街や高架下などレトロで多様な飲食店が集中している。隠れ家のような名店が数多く存在し、食べ歩きも楽しめる。関西エリアの住民の中には福島の多様な飲食、飲み屋に通うためにこのエリアに住みたいという人も少なくない。
まとめ
関西・中部エリアの今後のマンション市況については、金利上昇や供給の見込みのほか、首都圏の動向も注意したい。あるデベロッパーの用地担当の話によると、「引き続き売り地情報が減少する上に用地価格が高騰し事業計画を立てづらい状態が続いている」という。さらに、販売エリアマネジャーによると「都心の新築マンションの3割程度は外国人が取得している」という。つまり、販売価格も今後さらに上昇する見込みが強いといえそうだ。
レグナスタワー新梅田(物件詳細はこちら)
- 価格
- 未定
- 完成時期
- 2027年11月下旬予定
大阪府大阪市福島区福島7丁目12番5他(地番)
東海道本線(JR西日本) 「大阪」駅 徒歩10分 (西口)、福知山線 「大阪」駅 徒歩10分 (西口)、大阪環状線 「大阪」駅 徒歩10分 (西口)、大阪環状線 「福島」駅 徒歩3分、東西線 「新福島」駅 徒歩5分、阪神本線 「福島」駅 徒歩5分
- 間取り
- 2LDK~3LDK
- 専有面積
- 47.32m²~134.14m²
- 総戸数
- 123戸(他管理人室1戸)
- 売主
- 一建設株式会社
- 施工会社
- 多田建設株式会社西日本事業本部・佐藤工業株式会社大阪支店 共同企業体

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※データは2024年9月25日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
※関西圏は大阪府・兵庫県・京都府・滋賀県・奈良県・和歌山県の6府県エリア
※中部圏は富山県・石川県・福井県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県の7県エリア
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1位プレディア神戸舞子レジデンス(物件詳細はこちら)
2.8倍
- 価格
- 未定
- 完成時期
- 2026年6月下旬予定
兵庫県神戸市垂水区舞子台1丁目19番1(地番)
JR神戸線「舞子」駅徒歩7分、他
- 間取り
- 2LDK~4LDK
- 専有面積
- 65.54㎡・94.16㎡
- 総戸数
- 350戸
- 資料請求
- 985件
- 売主
- JR西日本プロパティーズ、三菱地所レジデンス
- 施工会社
- 株式会社長谷工コーポレーション

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※データは2024年8月28日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
販売中の人気新築マンション
1位ジオ池田グランプレイス(物件詳細はこちら)
3.6倍
- 価格
- 5,730万円〜1億1,280万円
- 完成時期
- 2026年3月下旬(予定)
大阪府池田市栄町740番1、893番3、896番、3465番(地番)
阪急電鉄宝塚線「池田」駅徒歩2分
- 間取り
- 2LDK~4LDK
- 専有面積
- 62.02~94.96㎡
- 総戸数
- 108戸
- 来場者数
- 345人
- 売主
- 阪急阪神不動産
- 施工会社
- 株式会社森組

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2位リビオシティ神戸名谷(物件詳細はこちら)
2.8倍
- 価格
- 4,858万円〜8,090万円
- 完成時期
- 2026年1月下旬(予定)
兵庫県神戸市須磨区西落合一丁目1番1・1番3・1番4(地番)
神戸市営地下鉄西神・山手線「名谷」駅徒歩3分
- 間取り
- 2LDK~4LDK
- 専有面積
- 56.06~81.77㎡
- 総戸数
- 268戸
- 来場者数
- 710人
- 売主
- 日鉄興和不動産・関電不動産開発
- 施工会社
- 岩田地崎建設株式会社

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3位ザ・パークハウス 大阪梅田タワー
1.8倍
- 価格
- 未定
- 完成時期
- 2025年8月(竣工予定)
大阪府大阪市北区中津1丁目4番3の一部(地番)
阪急神戸線他「大阪梅田」駅徒歩10分他
- 間取り
- 1LDK+DEN~3LDK
- 専有面積
- 55.53~128.00㎡
- 総戸数
- 173戸
- 来場者数
- 274人
- 売主
- 三菱地所レジデンス・安田不動産・JR西日本プロパティーズ
- 施工会社
- 株式会社熊谷組
4位パークホームズ千里中央ザ レジデンス シティフロント【完売】
1.3倍
- 価格
- 5,888万円〜6,118万円
- 完成時期
- 2025年2月下旬竣工予定
大阪府豊中市新千里東町3丁目1316
北大阪急行南北線「千里中央」駅徒歩10分他
- 間取り
- 3LDK
- 専有面積
- 68.45〜73.23㎡
- 総戸数
- 151戸
- 来場者数
- 111人
- 売主
- 三井不動産レジデンシャル、長谷工コーポレーション、総合地所
- 施工会社
- 株式会社長谷工コーポレーション
5位ジオ京都桂川テラス(物件詳細はこちら)
1.1倍
- 価格
- 3,900万円〜7,200万円
- 完成時期
- 2026年1月(予定)
京都府京都市南区久世上久世町637番1(地番)
JR東海道本線「桂川」駅徒歩9分他
- 間取り
- 1LDK+S~3LDK
- 専有面積
- 60.35~79.34㎡
- 総戸数
- 128戸
- 来場者数
- 116人
- 売主
- 阪急阪神不動産、巖本商事
- 施工会社
- 株式会社メルディアDC

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6位ルネ江坂 江の木町
1.0倍
- 価格
- 3,848万円〜8,698万円
- 完成時期
- 2024年12月(予定)
大阪府吹田市江の木町12番24(地番)
Osaka Metro御堂筋線・北大阪急行「江坂」徒歩9分
- 間取り
- 1LDK~3LDK
- 専有面積
- 46.40~86.90㎡
- 総戸数
- 149戸
- 来場者数
- 132人
- 売主
- 総合地所
- 施工会社
- 株式会社長谷工コーポレーション
7位ローレルコートあびこBAUS(物件詳細はこちら)
1.0倍
- 価格
- 未定
- 完成時期
- 2025年9月予定
大阪府大阪市住吉区苅田7丁目73番1(地番)
Osaka Metro御堂筋線「あびこ」駅徒歩2分
- 間取り
- 2LDK〜3LDK
- 専有面積
- 57.97~75.07㎡
- 総戸数
- 107戸
- 来場者数
- 92人
- 売主
- 近鉄不動産、中央日本土地建物
- 施工会社
- 株式会社長谷工コーポレーション

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※データは2024年8月28日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
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