【東京都中古マンション価格推移】都心3区は成約価格が過去1年で最低に! 売り手と買い手の価格差が拡大【完全版】

【東京都中古マンション価格推移】都心3区は成約価格が過去1年で最低に! 売り手と買い手の価格差が拡大【完全版】<br />
2026年6月16日公開(2026年6月16日更新)
服部盛昭:株式会社R-Scope 不動産ライター

 以下は2026年5月の記事です。

東京都の中古マンション価格推移の概要

 4月全体の特徴は、成約件数の落ち込みと価格上昇だ。都区部5エリアはいずれも前年同月比で成約件数がマイナスとなり、特に城南は10%超の減少。一方で全エリアの成約㎡単価は前年比でプラスを維持しており、「取引が減っても価格は下がらない」という状態が続いている。

 また、売出価格も多くのエリアで高止まりしており、売出価格の強気な水準が在庫に蓄積されていく流れは4月も変わっていない。

都心3区 成約価格は2カ月連続で回復も、在庫の「積み上がり」はとまらず

東京都心3区 マンション価格推移成約価格売出価格9000万円1億円1億1000万円1億2000万円1億3000万円1億4000万円1億5000万円1億6000万円1億7000万円1億8000万円1億9000万円2億円2億1000万円2億2000万円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/4

 千代田区・中央区・港区の都心3区は、4月の成約価格が1億3930万円(前年比+9.0%、前月比+0.7%)となった。2月は1億3354万円、3月は1億3829万円と2カ月連続で前月比プラスとなっており緩やかな回復基調で、数字だけを見れば安定しているように映る。

 しかし注目すべきは在庫の動きだ。在庫件数は4400件で前月比+4.6%、前年比+43.0%と、6エリアの中で突出した増加率だ。1年前の2025年4月末時点では3077件だったことを踏まえると、1年で1300件以上が積み上がった計算になる。

 在庫物件の平均㎡単価は330.08万円/㎡に達しており、成約㎡単価243.34万円/㎡との開きは約87万円/㎡にのぼる。売出価格は2億440万円(前年比+13.3%)で、成約価格1億3930万円との差は約6500万円だ。「高値で売り出す→なかなか売れない→在庫になる」というサイクルが繰り返されており、売り手の強気な価格設定と買い手の慎重な選別が交錯した状態が続いている。

 成約物件の築年数は20.60年と6エリアの中で最も若く、㎡単価は6エリア断トツのトップだ。在庫が膨らむ中でも一定の成約は成立しており、在庫1300件超の積み上がりと成約価格の安定が同時進行するという、都心3区らしい市況が4月も続いた。

城東エリア 成約件数は3月の急増から一転、4月は減少

東京東部(城東地区) マンション価格推移成約価格売出価格4000万円5000万円6000万円7000万円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/4

 台東区・江東区・江戸川区・墨田区・葛飾区・足立区・荒川区の城東地区は、4月の成約件数が439件で前年比-9.1%となった。直近の推移を見ると1月401件→2月502件→3月615件と回復を続けてきたが、4月は一転して減少した。

 成約価格は5689万円(前年比+5.7%)で、前月比では-5.2%の下落だ。専有面積にも変化が見られる。3月の成約物件の平均専有面積は60.04㎡だったが、4月は56.43㎡と約3.6㎡縮小した。成約に至った物件の「サイズ感」が変化しているのかもしれない。

 4月の城東地区の特徴として、売出価格6240万円(前年比+24.1%)が成約価格5689万円を551万円上回る水準にある。

 在庫件数は4868件(前年比+2.6%)と微増が続いているが、他エリアと比べると増加ペースは緩やかだ。3月に広めの物件が集中的に取引された後、4月は専有面積が縮小したことを踏まえると、どのサイズ帯の物件が動くかは月によってばらつきがある。5月以降の専有面積の動きにも引き続き注目したい。

城南エリア 築古物件の滞留と売出価格の強気が並走

東京南部(城南地区) マンション価格推移成約価格売出価格4000万円5000万円6000万円7000万円8000万円9000万円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/4

 品川区・大田区・目黒区・世田谷区の城南地区は、4月の成約価格が7185万円(前年比+2.9%、前月比-7.7%)となった。3月が7781万円と高水準だっただけに、4月の下落幅はやや大きく映る。ただし前年同月の成約価格6985万円を上回っていることは変わらなく、価格水準そのものの崩れではないだろう。

 城南地区で今月特に目を引くのが、売出価格の動きだ。4月は8103万円(前年比+34.4%、前月比+5.7%)と前月比で大きく上昇した。成約価格との差は約918万円で、売り手が市場に強気な価格で物件を送り込み続けている状況が確認できる。

 在庫件数は4200件で前年比-1.9%と、6エリアの中で数少ない前年割れを維持している。

城北エリア ㎡単価が6エリア最高の伸び率。「条件の良い物件」に需要

東京北部(城北地区) マンション価格推移成約価格売出価格3000万円4000万円5000万円6000万円7000万円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/4

 文京区・豊島区・北区・板橋区・練馬区の城北地区は、4月の成約㎡単価が111.51万円/㎡(前年比+18.4%)と、6エリアの中で最も高い上昇率だった。成約価格も6005万円(前年比+14.3%、前月比-3.3%)で、価格水準は前月からやや落ち着いたものの、前年同月の5254万円を大きく上回る水準が続いている。

 特徴的なのが成約価格と新規登録価格の関係だ。4月の新規登録価格は5535万円(前年比+15.8%)で、成約価格6005万円を約470万円下回っている。「売り出された物件の平均より高い値段の物件が売れている」という状態だが、成約件数が前年比-8.9%と絞られていることとあわせて見ると、条件の良い物件に需要が集まっていると考えるべきだろう。

 在庫件数は3935件(前年比+11.8%)と増加傾向にあり、新規登録件数も前年比+16.2%と供給が積み上がっている。「城南・城西に比べて割安感がある」と評価されてきた城北エリアだが、価格の急上昇が続けばその相対的な割安感は薄れる。

城西エリア 成約価格が大幅下落も売り手の強気は変わらず

東京西部(城西地区) マンション価格推移成約価格売出価格5000万円6000万円7000万円8000万円9000万円1億円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/4

 新宿区・渋谷区・杉並区・中野区の城西地区は、4月の成約価格が8359万円(前年比+11.5%、前月比-8.7%)となった。3月の9159万円から約800万円の大幅な下落だ。1月8634万円→2月8369万円→3月9159万円→4月8359万円という直近4カ月の推移を見ると、3月の急騰が突出した動きであり、4月はその反動として通常の価格水準に戻ったと解釈できる。

 一方、売り手側の姿勢は変わっていない。売出価格は9696万円(前年比+28.8%、前月比+10.6%)と前月比で大きく上昇しており、売出価格と成約価格の差は約1337万円に達する。

 都心アクセスの良い立地を求めるパワーカップルやDINKs世帯が、価格が上昇する局面であっても取引をけん引しているとみられる。しかし、成約件数が前年比-6.4%と減少していることも踏まえると、売出価格と成約価格の差が1300万円超に広がる中で、予算に合う物件を見つけにくくなった買い手が慎重になっていると受け取ることもできる。

 在庫件数は4328件(前年比+12.9%)と積み上がりが続いており、この需給のミスマッチが5月以降どう動くかが焦点だ。

多摩地区 唯一の成約件数プラス。「売り手優位」な状況にも

東京都(多摩地区) マンション価格推移成約価格売出価格3000万円4000万円5000万円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/4

 多摩地区(八王子市・立川市・武蔵野市・調布市など)は、4月の成約件数が373件(前年比+4.8%)と、都区部5エリアがすべて前年割れとなる中で唯一のプラスとなった。成約価格は3879万円(前年比+16.9%)と昨対で上昇はしたが、前月比-3.3%とわずかに減少した。

 注目したいのが成約価格と売出価格の関係だ。4月の売出価格は3759万円で、成約価格3879万円を120万円下回っている。つまり多摩地区では「売り出されている物件の平均価格より高い価格で取引が成立している」状態であり、これは城南とともに需要の強さを示している。在庫件数は3408件(前年比-5.9%)と2カ月連続で減少しており、売れば売るほど在庫が絞られていく状況が続いている。

 多摩地区の成約物件の平均専有面積は67.00㎡と、6エリアの中で最も広い。都心に比べて価格を抑えつつ広めの住戸を確保できることが、ファミリー層からの需要を支えているとみられる。

 5月以降も件数の維持と価格のさらなる上昇が続くのか、それとも価格上昇が件数を圧迫し始めるのかが、次のチェックポイントになりそうだ。

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