【東京都中古マンション価格推移】都心3区の成約価格と売出価格の差(ワニの口)は約5000万円に縮小!【完全版】

【東京都中古マンション価格推移】都心3区の成約価格と売出価格の差(ワニの口)は約5000万円に縮小!【完全版】
2026年9月14日公開(2026年9月14日更新)
服部盛昭:株式会社R-Scope 不動産ライター

 以下は2026年7月版の記事です。

東京都のマンション価格推移の概要

 2026年7月の東京都全体の成約価格は7004万円(前年比+2.2%、前月比+2.5%)、成約件数は1863件(前年比-13.9%、前月比-12.8%)だった。件数の落ち込みが目立ち、都心3区・城南・城北・城西の4エリアが二桁の件数減となったほか、城東も一桁ながら前年割れが続いた。

 もうひとつの注目点が在庫の膨張ペースだ。都心3区の在庫数は前年比+50.5%(前月比+5.7%)と6エリア中もっとも高い伸びとなり、在庫の積み上がりが一段と鮮明になった。ただし、エリアによって在庫の増え方や成約物件の質(専有面積・築年数)の変化の仕方が異なっていることにも注目したい。

 それでは、東京都のエリアごとに詳しく見ていこう。

都心3区:成約価格は1億3095万円(前年比-5.9%、前月比+3.6%)

東京都心3区 マンション価格推移成約価格売出価格9000万円1億円1億1000万円1億2000万円1億3000万円1億4000万円1億5000万円1億6000万円1億7000万円1億8000万円1億9000万円2億円2億1000万円2億2000万円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/427/7

 千代田区・中央区・港区の都心3区は、7月の成約価格が1億3095万円(前年比-5.9%、前月比+3.6%)となった。2026年の底である5月の1億1723万円から、6月・7月と2カ月連続で上昇している。

 成約件数は228件(前年比-18.6%)で、前年比のマイナスは7カ月連続となった。ただし5月198件、6月223件、7月228件と直近2カ月連続で増加しており、下げ止まりの兆しが見える。

 7月の成約価格の上昇の要因は㎡単価の上昇にある。成約㎡単価は239.25万円/㎡(前月比+7.3%)と大きく伸びた一方、専有面積は54.74㎡(前月比-3.5%)と6月から縮小している。

 6月は専有面積の拡大を伴って成約価格が上昇したのに対し、7月は専有面積が縮小する一方で㎡単価が大きく上昇した。単純な物件面積の拡大ではなく、より㎡単価の高い物件の成約割合が高まったことが、平均成約価格を押し上げたとみられる。

 在庫件数は4942件(前年比+50.5%、前月比+5.7%)で、6エリアの中でもっとも高い増加率だ。売出価格は2億208万円で、成約価格との差(ワニの口)は7113万円と6エリアで突出して大きい。6月の7212万円からわずかに縮小したものの、依然として売り出し段階の強気な価格設定と実際の成約価格のギャップは埋まっていない。

城東地区:成約価格は5757万円(前年比+2.1%、前月比-5.0%)

東京東部(城東地区) マンション価格推移成約価格売出価格4000万円5000万円6000万円7000万円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/427/7

 台東区・江東区・江戸川区・墨田区・葛飾区・足立区・荒川区の城東地区は、7月の成約価格が5757万円(前年比+2.1%、前月比-5.0%)となった。6月は専有面積の拡大(60.04㎡)を伴って価格が押し上げられたが、7月は57.57㎡(前年比-1.1%、前月比-4.1%)へと縮小し、価格もそれに連動する形で下落した。

 成約㎡単価は100.00万円/㎡(前年比+3.3%)で、100万円/㎡台を維持してはいるものの前月比では-1.0%とやや弱含んだ。成約件数は429件(前年比-8.3%)で、6エリアの中では減少幅が比較的小さいエリアだ。

 一方で在庫㎡単価は118.04万円/㎡(前年比+19.5%)まで上昇しており、成約㎡単価との差は18万円/㎡近くに開いている。売出価格も6207万円(前年比+14.1%)と成約価格を450万円上回っており、城東でも売り出し価格が先行する「ワニの口」がじわりと広がりつつある

城南地区:成約価格は7905万円(前年比+12.9%、前月比+8.5%)

東京南部(城南地区) マンション価格推移成約価格売出価格4000万円5000万円6000万円7000万円8000万円9000万円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/427/7

 品川区・大田区・目黒区・世田谷区の城南地区は、7月の成約価格が7905万円(前年比+12.9%、前月比+8.5%)となり、6エリアの中でもっとも高い伸び率だった。成約㎡単価も133.83万円/㎡(前年比+8.8%)と上昇が続いている。

 価格上昇を後押ししているのが専有面積の拡大だ。6月の56.26㎡(前年比-3.4%)から7月は59.07㎡(前年比+3.7%、前月比+5.0%)へと広がっており、ファミリー向けの広めの物件が成約に多く含まれるようになった可能性がある。

 気になるのは成約件数の落ち込みだ。7月は323件(前年比-20.6%)で、6月の-9.8%から減少幅が倍以上に拡大した。件数が絞られる中で広めの物件が優先的に成約している構図とすれば、資金力のある層に需要の中心が移っている可能性もある。売出価格は8168万円(前年比+27.0%)で成約価格を上回っており、在庫件数も4590件(前年比+12.3%)と積み増しが続く。

城北地区:成約価格は5927万円(前年比+8.1%、前月比-1.9%)

東京北部(城北地区) マンション価格推移成約価格売出価格3000万円4000万円5000万円6000万円7000万円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/427/7

 文京区・豊島区・北区・板橋区・練馬区の城北地区は、7月の成約価格が5927万円(前年比+8.1%、前月比-1.9%)となった。成約㎡単価は107.37万円/㎡(前年比+3.7%、前月比-0.2%)で、6月の107.54万円/㎡からほぼ横ばいの水準を保っている。

 大きく動いたのは成約件数だ。7月の成約件数(前年比-18.6%、前月比-23.6%)は285件で、6月の前年比-4.6%から減速のペースが一気に強まった。上半期は相対的な割安感から実需の受け皿として底堅い件数を維持してきたが、7月に入って勢いに陰りが見え始めている。

 一方で成約物件の築年数は6月の27.13年から7月は25.32年へと若返った。専有面積は55.20㎡で、前年同月比では+4.2%と拡大したものの、前月比では-1.8%とやや縮小した。在庫件数は4166件(前年比+18.7%、前月比+3.2%)、在庫価格は5693万円(前年比+27.9%、前月比+2.5%)と積み上がりが続いている。一方で売出価格(5842万円、前月比+3.0%)は成約価格をわずかに下回っており、6エリアの中では城北だけが成約価格が売出価格に先行する構図となっている。件数の減速と成約物件の若返りが同時に進んでおり、実需の受け皿としての役割がどこまで続くか注視したい。

城西地区:成約価格は8226万円(前年比+10.5%、前月比-2.9%)

東京西部(城西地区) マンション価格推移成約価格売出価格5000万円6000万円7000万円8000万円9000万円1億円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/427/7

 新宿区・渋谷区・杉並区・中野区の城西地区は、7月の成約価格が8226万円(前年比+10.5%、前月比-2.9%)となった。成約㎡単価は156.93万円/㎡(前年比+10.3%)だが、前月比では-4.5%と6月までの上昇に足踏みが見られる。

 在庫㎡単価は200.47万円/㎡(前年比+16.7%、前月比+0.3%)と、6月時点で「200万円/㎡の大台目前」だった水準をついに突破した。在庫件数も4815件(前年比+21.6%、前月比+2.3%)と増加が続いており、成約㎡単価との差は43万円/㎡以上に達している。この差は6月時点の35万円/㎡台からさらに広がっており、在庫の高値化に成約側が追いついていない状況が続いている。

 成約件数は244件(前年比-23.3%、前月比-9.3%)と6エリア中もっとも大きな減少率となっただけでなく、水準としてもこの1年でもっとも少ない件数だ。2025年7月から2026年6月までの12カ月間でみても、もっとも少なかった2026年1月の248件をさらに下回っており、在庫の積み上がりとは対照的に成約の勢いが細っていることがうかがえる。

 もうひとつの変化が築年数だ。成約物件の平均築年数は6月の26.25年から7月は29.08年へと、1カ月で2.8年以上も跳ね上がった。限られた成約の中で築年の古い物件の比率が高まったとみられる。高額な在庫がなかなか動かない一方、成約側では相対的に手頃な築古物件へと需要がシフトしている可能性がある。

多摩地区:成約価格は3795万円(前年比+11.8%、前月比-2.1%)

東京都(多摩地区) マンション価格推移成約価格売出価格3000万円4000万円5000万円24/124/424/724/1025/125/425/725/1026/126/427/7

 多摩地区(八王子市・立川市・武蔵野市・調布市など)は、7月の成約価格が3795万円(前年比+11.8%、前月比-2.1%)となった。

 成約件数は354件(前年比+3.8%)で、6エリアの中で唯一前年比プラスを維持している。前月比では-15.7%(420件→354件)となったが、6月がやや突出していた反動とみられ、5月の367件と比べれば大きな崩れではない。

 専有面積は64.93㎡(前年比+1.2%、前月比-1.7%)で、6エリアの中でもっとも広い。都区部と比べた広さの優位性が、実需層を引きつける最大の要因という構図はこれまでと変わらない。

 供給面では、在庫件数が3340件(前年比-8.6%、前月比+3.1%)とほぼ1年にわたり前年割れが続いており、新規登録件数も1167件(前年比-6.9%、前月比+8.4%)と細りが目立つ。ただし前月比ではどちらも増加しており、供給減少にも一服感が出ている可能性がある。

 売出価格は3774万円(前年比+11.0%、前月比+0.3%)で、成約価格3795万円がこれをわずかに上回る状態が続く。城北地区ほど差は大きくないが、供給が絞られるなかで買い手が価格を下支えする「売り手優位」の構図が、多摩地区でも継続している。

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