中古マンションのメリットや注意点を解説! 
物件選びで失敗しないためのポイントとは?中古マンション購入前の注意点(1)

2020年12月15日公開(2021年3月2日更新)
高田七穂

中古マンションの魅力は、新築に比べて価格が安いことのほか、実際の部屋を見て決められるのも魅力の一つ。もちろん、部屋の中身だけでなく、共用部分や管理の状況なども事前に確認しておきたいものです。ここでは、中古マンション選びで失敗しないためのノウハウを解説します。(不動産・住生活ライター 高田七穂)

不動産会社が中古マンションをすすめる理由は、「現物を見て買えるから」

中古マンションのメリット
中古マンションは現物を見て買えるメリットがある(出所:PIXTA)

 不動産関係者の中には、「マンションを買うなら中古がいいのではないですか」とアドバイスする人がいます。同条件の新築と比べると価格の安さが理由の一つですが、現物を納得いくまで確認できるというメリットもあるからです。

 “現物”とは、購入しようとしている室内の状況だけにとどまりません。眺望、日当たりの変化、共用施設の使用状況、住民マナーなどすべてが含まれています。新築マンションと違い、実際の部屋とマンションの現状が分かるという点は、購入の大きな判断材料となります。

 また、別の不動産関係者はこんなメリットも口にします。それは、「築後2、3年たった物件なら、初期のクレームがだいたい出つくしている」ということです。

 たとえば、新築入居当初に起きやすいのが「一部の部屋の壁にカビが生えてきた」という話です。必ず起きるわけではありませんが、新築当初は、コンクリートがまだ水分を放出しています。閉め切って生活をしていると、カビが発生しやすくなるのです。

 こんなときは、24時間換気システムのスイッチを切らないことに加え、換気口を開けっぱなしにしておくことで軽減されますが、それでも、壁がびっしょりと濡れてしまい、なかなかカビが退治できないことがあります。

 こういった状況は築後2年から3年ほど経過し、コンクリートの乾燥が進んでくれば落ち着いてきます。中古マンションでは、こういったことも含めて、現状を確認できるのは大きなメリットです。

「リフォームできる」のも中古マンションのメリット

 新築マンションでは、立地や周辺が気に入ったとしても、間取りや設備は事前に決められているか、いくつかの中から選ぶようになっています。自分の好きなものにできるわけではありません。

 しかし、中古マンションをリフォームすれば、管理規約の定めを守る必要はあるものの、室内の間取りや水回りの設備などを自分好みにできます。マンション購入と同時にリフォームをすれば、物件価格にリフォーム費用を含めてローンを組むこともできます

 条件を満たせば住宅ローン減税の対象になり、税金の還付も受けられます。 このように、リフォームで自分好みの部屋にできるというのも中古マンション購入のメリットと言えるでしょう。

中古マンションを選ぶ際の注意点

 中古マンションを選ぶメリットを解説しました。では、ここからは中古マンションを選ぶ際の注意点について見てみましょう。

注意点①
「メンテナンス」は適切に行われているか?

中古マンションのメンテナンス
計画的にメンテナンスが行われているかを確認する(出所:PIXTA)

 中古マンションを選ぶ人が気にするのは築年数ではないでしょうか。「築年数が浅ければ安心」というイメージがありますが、必ずしもそうとは言いきれません。

 築年数に加えてチェックすべきこと、それはメンテナンス(修繕)のありかたです。マンションの寿命は一概に言えませんが、一般的な鉄筋コンクリート建築の耐久性が65年程度とされています。ですが、これは適切に施工され、定期的に修繕を行った上でのこと。正しいメンテナンスがなされなければ、何年持つか分からないのです。

 ですから、中古マンションを選ぶ場合も、築年数を比較するだけではなく、計画的にメンテナンスされているか確かめることが大切です。

 実際に購入するマンションで修繕が実施されていれば、購入前の重要事項説明でその内容が分かります。外壁や屋上、共用廊下など建物1棟についての修繕状況について、記録があれば購入者に説明されるようになっています。また、記録がなかったとして、築年数が10年~15年程度であれば、近く修繕が行われる可能性があります。修繕に対してどのような動きがあるのかを調べておきましょう。

 また、自分の購入したい住戸に管理費などの滞納金がないかも確認しておきます。さらに、管理組合によってはこれまでの履歴を詳細にまとめているところがある一方、紙一枚で簡単な年表程度の修繕履歴のところもあります。事前に修繕履歴を入手し、複数の中古マンションを比較すると、管理組合の意識がよく分かります。

 メンテナンスの状況は仲介した不動産会社のほか、マンションを管理している管理会社や管理員からも情報を得たいものです。ただ、室内については記録がないこともあるので、不動産会社を通じて、しっかり聞いてもらいましょう。

 管理会社や管理員に尋ねる場合は、最近どのような修繕が行われたのかを聞いておきましょう。まだ行われていなければ、近々マンションを修繕する予定はあるか、十分な修繕積立金があるかも必ず尋ねましょう。

 契約直前に行われる重要事項説明では、修繕積立金会計収入総額などが説明されますが、早めに聞いておいたほうがよいものです。健全な財務状況であることを確認しておかないと、入居したあとに修繕積立金が値上がりすることがあるかもしれません。

【関連記事はこちら】>>修繕積立金の安い新築マンションには要注意!? 20年後には積立負担額が2倍以上になる可能性も!

 なお、東京都では、共用部分の性能と管理について、一定の水準を満たす分譲マンションを認定・登録する「東京都優良マンション登録表示制度」を実施しています。こういったところで情報を得るのも一つの方法でしょう。

注意点②
十分な「耐震基準」を満たしているか?

 中古マンションで心配されることとして、耐震性の問題が挙げられます。特に1981年以前に建てられたマンションは「旧耐震」と呼ばれ、現在の耐震基準より低い基準でつくられています。

 地震に対してより強い建物を設計するため「建築基準法」が改正され、施行されたのは1981年6月1日。それ以前に建築確認申請が役所に提出されたマンションはこの新耐震基準に合致していません。

 ただし、1981年以前に建築されたマンションであっても、管理組合が独自に耐震診断を受け、新耐震基準に合致していないと分かれば、新耐震基準に適合させる工事を実施しているケースもあります。 旧耐震で建てられた中古マンションでは、重要事項説明の段階で、不動産会社から耐震診断を実施しているかどうかが説明されます。また、実施している場合は、耐震補強工事が必要かどうか、大規模修繕工事が行われるのであれば、耐震補強工事が予定されているかを確認しておきます。

 とはいえ、重要事項説明は、契約直前に行われるもの。この段階でこういったことを知るのはやや遅いといえるでしょう。ですから、条件に合った中古マンションが見つかったら、早いうちに耐震性能について、不動産会社に尋ねておきたいものです。

プロによる「住宅診断(インスペクション)」も有効

 中古マンションを選ぶときの注意点を挙げましたが、このほかにも、安心して住むには建物の劣化を調べる必要があります。しかし、購入者自身が構造など建物の現況を知るのは難しいもの。壁や床に隠れて見えない部分も多く、素人が不具合を調べるのは、簡単ではありません。

 そこで利用したいのが、建築士などによる「住宅診断(インスペクション)」です。

 インスペクションの費用は、地域や内容によって異なりますが、5万円から10万円程度が多いようです。修繕計画や修繕履歴なども調べてもらえることがあります。依頼するなら、実績数の多いところにしましょう。

 また、この「インスペクション」を依頼する場合は、一級建築士の資格保持者で中古マンションの調査経験のある人にお願いしたいものです。国土交通省では調査者向けに「既存住宅インスペクション・ガイドライン」を公表しています。目を通しておき、調査会社の調査項目と比較して依頼先を決めるのがいいでしょう。

 このようにいくつか注意点はあるものの、中古マンションには意外なメリットがあります。マンション購入を検討するときは、新築マンションだけに限定せず、中古マンションも視野に入れ、選択肢を広げてみてはいかがでしょうか。

【関連記事はこちら】>>不動産が値下がりしにくい街は? 5年後の勝ち組エリア

【中古マンション購入前の注意点】

1.中古マンション選びのポイント
2.中古マンション見学のポイント
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