京都府の中古マンションランキング・トップ100！烏丸御池、四条、河原町などの価格と値上がり率が高い物件は？【完全版】

京都府で「最も価格が高いマンション」「最も値上がりしたマンション」はどこなのか。京都府の中古マンションの価格ランキング・トップ100と価格上昇率ランキングトップ10を公開！ 併せて、マンションに精通する櫻井幸雄氏が注目物件を解説する。（執筆：住宅評論家・櫻井幸雄、データ提供：マンション情報サイト『マンションレビュー』）

京都府の中古マンション価格ランキング・トップ10

　まずは、京都府の中古マンション「価格ランキング」と「価格上昇率ランキング（分譲時比）」の上位10物件を見てみよう。

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京都府の中古マンション価格ランキング・トップ10は、2014年以降に完成した物件がほとんど

　京都府の中古マンションで、現在、飛び抜けて高い値段で取引されているマンションとはどんな顔ぶれになるのか。その現在価格は新築分譲時と比べてどれほど高くなっているのか、という価格上昇率とともに解説したい。

　といっても、「高額の中古マンションはこれ」というような説明だけでは面白くないので、一歩踏み込んだ解説を試みたい。

　まず、価格上位10物件の顔ぶれについて。中古マンションで価格が高いのは、平成26年（2014年）以降に完成した築浅のマンションばかりだ。

　これには2つの理由がある。ひとつは、当たり前だが新しい建物のほうが高く取引されるから。もうひとつの理由は、京都市内における高さ制限の関係だ。

　京都市は2007年に市内広域で建築物の高さを31ｍまでとする「新景観政策」が実施された。それ以降、歴史的市街地エリアでマンション価格の上昇が顕著になった。

　歴史的市街地と位置づけられる中心エリアでは、それまで地上45ｍの高さまで許されたマンションが、地上31ｍまでしか許されなくなった。

　これは、それまで15階建てが建設できた場所で、10階建てのマンションしか建設できないことを意味する。

　結果、分譲できる住戸の数が減り、1戸1戸の価格が上がることになった。実際、それ以降に分譲された新築マンションは価格が上昇。

　しかし、高さ制限の強化で価格上昇が起きた後も、マンション需要は衰えることがなかった。

セカンドハウス需要でマンション価格はさらに値上がり

　価格が上がっても売れ行きは落ちず、さらなる値上がりを呼んだ。その理由が、「セカンドハウス需要」だった。

　京都だったら、古刹（こさつ）巡りや散策、買い物、グルメ探索のスポットが多く、シニア夫婦も楽しいし、若い息子夫婦も喜ぶ。東京、大阪から新幹線やマイカーで行きやすいのも京都の利点。歴史的市街地エリアであれば、新幹線の駅からも近い。

　高原の別荘を購入するよりも、利用頻度は高そうだ。そう考える富裕層が多かったため、京都では歴史的市街地だけマンション価格が上昇した。

　その周辺に位置する、地元の人たちがマンションを購入する場所――たとえば、阪急電鉄桂駅周辺やJR山陰本線丹波口駅周辺、そして伏見区エリアなどとの間に、大きな価格差が生じてしまった。

　今回、価格が高いマンションとしてランクインした物件も、歴史的市街地に立地するものが大半。なかでも、地下鉄烏丸線の烏丸御池駅を中心とする場所の物件が多い。

　それは、商業施設・飲食店が集まり、「セカンドハウスを持ちたい場所」として絶大な人気を集める場所であるからだろう。

　烏丸御池に近い三条通では道の両側に店舗が並び、そのなかには京都ならではのショップが多い。

　東京、大阪にはない店があり、大人の気持ちをワクワクさせる要素が多い。それこそが京都の魅力だ。

　京都府の中古マンション価格ランキング1位〜3位の顔ぶれを見てみると、

・1位「ザ京都レジデンス御所東」
・2位「グランリソシエ京都四条」
・3位「プレサンスグラン京都東洞院」

　と中心部のマンションが並ぶ。

注目のマンションは、4位の「ザ・パークハウス 京都鴨川御所東」

　そのなかで、特に注目したいのは4位にランクインしている「ザ・パークハウス 京都鴨川御所東」だ。

　というのも、「ザ・パークハウス 京都鴨川御所東」こそ、京都で最も中古価格が高いとみなされるからだ。

　それが4位になった理由は、住戸による価格差が大きいから。「ザ・パークハウス 京都鴨川御所東」は、鴨川に面した「別館」と呼ばれる住棟と、住宅地に面した「本館」と呼ばれる住棟がある。価格が高いのは鴨川向きの「別館」住戸だ。

 「別館」では、新築分譲時に7億4900万円という値段を付けた住戸も売りに出された。当時、西日本で分譲されたマンションとしては最高となる驚きの価格だった。

　それでも売れ行きはよく、2015年12月に行われた第1期26戸は即日完売した。

　歴史的市街地エリアで、鴨川沿いにマンションが分譲されるのは11年ぶりだった。プレミア立地のマンションが誕生することで、“二度とない立地で二度とない価格帯”が実現したものと考えられる。

 　その最高額の住戸は、鴨川を正面に眺める最上階で約287㎡の広さがあるもの。「ザ・パークハウス 京都鴨川御所東」では、鴨川に向いた住棟「別館」に高額住戸が集まるものの、鴨川向きではない「本館」の価格水準は抑えられている。

　2015年12月に分譲された第1期26戸は、「本館」にある約43㎡の1LDKから「別館」にある約287㎡の3LDKまでが含まれ、全体の最多価格帯は6400万円台だった。

　現在、中古で売り出される住戸は、「本館」のものがほとんど。鴨川に向いた住戸は手放す人がいない。もし売り出されれば、坪単価の高さで文句なしの第1位になるだろう。

7位の「プレティナージュ御池東洞院」

　このほか、建物のつくりのよさで秀でたマンションとなるのが、7位の「プレティナージュ御池東洞院」。京都らしい意匠も特徴となる芸術作品のようなマンションだ。

　平成20年（2008年）の完成で、上位の中では比較的古いマンションとなるが、その価値は高く評価されている。

価格上昇率ランキングでは、高さ制限が緩かった時代のマンションが上位を占める

　京都府の中古マンション価格上昇率ランキングで上位にランクインするマンションは、歴史的市街地の高さ制限が厳しくなる2007年よりも前に建設された物件が上位を占めた。

　2006年までであれば、京都の歴史的市街地でも今より背の高い建物を建設でき、フロアが多い分、1戸あたりの価格が抑えられた。

　そして、セカンドハウス需要が盛り上がる前だったので、割安に分譲された。

　それが、昨今の相場価格上昇に伴い中古価格が上昇。新築時価格よりも値上がりした、という状況が生まれたわけだ。

トップ10のマンションの値上がりは、68%以上

　1位の「アパガーデンスクエア四条烏丸」から、10位の「藤和シティホームズ烏丸五条」まで、価格上昇率はすべて+68%以上。

　住戸によっては、買ったときの2倍で売れるケースもありそうだ。

　烏丸御池駅、京都市役所駅、四条駅など、いずれも便利な駅を最寄りとする立地のマンションだが、分譲当時は3000万～4000万円台だった。

　以前は安かった、とため息が出そうだが、2001年から2004年くらいまでのマンション価格が安かったのは東京も同様。その当時は、東京の山手線内側でも4000万〜6000万円で購入できる3LDKが見つかった。

　今から考えれば20年近く前は、東京も京都も中心部のマンション価格がずっと安かったのである。

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京都府の中古マンション価格ランキング
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　 最後に、京都府の中古マンションで、価格が高いマンション上位100物件を紹介しよう。