2億円超えの「ザ 豊海タワー マリン&スカイ」は誰が買っているのか? 潜入取材で分かった湾岸エリアのマンション事情!

2026年7月16日公開(2026年7月15日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

東京23区の新築マンション平均価格が1億円を突破し、高額物件では「2億円時代」に突入しつつある。中央区の大規模再開発として注目を集める「ザ 豊海タワー マリン&スカイ」のモデルルーム取材を通じ、高額住戸を一体誰が買っているのか、その購入者層や湾岸エリアの今後を解説する。

東京都心の新築マンションは2億円に迫る

 新築マンションの価格が高騰を続けている。不動産経済研究所の調査によると、2025年に東京23区で発売された新築分譲マンションの1戸あたり平均価格は1億3,613万円となっている。

 価格上昇の背景には、建設資材や人件費の高騰、都心部での用地取得競争、超高額マンションの供給増加など複数の要因がある。一方で、マンション全体の供給戸数は減少傾向にあり、「ほしい人は多いが、売り物が少ない」という需給の逼迫も、価格を押し上げる一因となっている。

 かつて「億ション」と呼ばれる住戸は、希少な高級物件と受けとめられていた。しかし、現在の東京23区のマンションは平均価格でも1億円を大きく超えている。とくに都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)の2025年の平均価格は1億9,503万円に達し、2億円に迫る水準となっている。都心の高額住戸では、2億円前後の価格帯が目立つようになってきた。
※不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2025年のまとめ

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中央区で注目の「ザ 豊海タワー マリン&スカイ」

「ザ 豊海タワー マリン&スカイ」(出典:ザ 豊海タワー マリン&スカイ公式サイト

 こうした都心マンション市場で注目を集めるのが、東京都中央区豊海町で分譲中の「ザ 豊海タワー マリン&スカイ」(THE TOYOMI TOWER MARINE & SKY)だ。

 「豊海地区第一種市街地再開発事業」として計画されたこのプロジェクトは、販売開始前から大きな注目を集めた。都営大江戸線「勝どき」駅から徒歩約10分の立地で、都営バスや東京BRT(バス高速輸送システム)も利用でき、銀座・新橋・汐留など都心方面へのアクセスは比較的良好だ。勝どき・晴海エリアのタワーマンション群の中では西端に位置し、東京湾側に開けた眺望が得られる住戸が多い点も特徴である。

 西ウイングと東ウイングの2棟構成、総戸数2,046戸という首都圏有数のスケールを誇り、ラウンジやゲストルーム、フィットネス施設、ワークスペースなど豊富な共用施設を備える。都心の湾岸エリアという立地に加え、後述する周辺の再開発による将来的な街の発展も期待されている。

<物件概要>

・所在地:東京都中央区豊海町41番
・最寄駅:都営大江戸線「勝どき」駅 徒歩約10分
・総戸数:2,046戸(一般販売対象戸数1,509戸)
・構成:西ウイング・東ウイング(地上53階・地下1階/建築確認上は54階)
・構造:RC造(一部S造)、制振構造
・専有面積:約32〜157㎡(一般販売住戸)
・間取り:1LDK〜4LDK
・事業名:豊海地区第一種市街地再開発事業(建築主:豊海地区市街地再開発組合)
・売主:三井不動産レジデンシャル、東急不動産、東京建物、野村不動産、三菱地所レジデンス、清水建設
・施工:清水建設
・竣工予定:2026年11月下旬/入居予定:2027年8月下旬
出典:ザ 豊海タワー マリン&スカイ公式サイト

「ザ 豊海タワー マリン&スカイ」の価格は2億円前後

 2026年5月中旬、筆者は「ザ 豊海タワー マリン&スカイ」のモデルルームを訪れた。取材時に提示された価格表から、70㎡台の価格の一部を紹介する(価格は販売期により異なる)。

「ザ 豊海タワー マリン&スカイ」の価格例(取材時点)

◆東ウイング
・47階 東向き 73.58㎡:1億8,980万円
・47階 南向き 71.22㎡:2億2,980万円
◆西ウイング
・47階 西向き 74.25㎡:2億980万円

 中心となるのはやはり2億円前後の価格帯だ。80㎡台の住戸(西ウイング47階北西・84.10㎡)は2億8,980万円と、3億円に迫る価格となっている。

2億円超えマンションを、いったい誰が買っているのか

 購入者としてまず思い浮かぶのが、中国をはじめとするアジアの富裕層だが、こちらは昨今、事情が変わってきている。

 東京オリンピック選手村跡地に分譲された「晴海フラッグ」では、実物を見ずに大量購入した外国人や不動産業者の存在が明らかになり、問題視された。これを機に、投機的な購入を抑えるため、一部の自治体やディベロッパーが独自に取得ルールを整えるようになった。

【関連記事】>>晴海フラッグの転売住戸を買ってもいい? 住宅ローンが通らない可能性があるなど、注意点を要チェック!

 「ザ 豊海タワー マリン&スカイ」でも、外国人・日本人を問わず、登録申し込みに細かなルールが設けられていた。たとえば、次のような項目がある。

主な登録申し込みルール

・申し込み者1組につき、1住戸まで
・申し込み者は実際にモデルルームに来場すること
・現金購入の場合は、預貯金や有価証券の残高証明が必要
・買い換えの場合、売却は見込みではNG。現不動産の売買契約書などの証明書が必要

 高額マンションを買う余裕のある海外富裕層の数自体が減っているとの見方もあり、こうした厳しいルールも相まって、営業担当者によれば実際の購入希望者のうち外国人は1割程度だという。

近隣の住み替え需要がメイン

 営業担当者によれば、購入希望者の約8割は勝どきや豊洲など近隣からの住み替え需要だという。

 ただし、買い替えの場合でも、現在の住まいの売却がすでに決まっている人か、十分な資金を持つ富裕層に限られる。前記の登録申し込みルールもあり、申し込みができる日本人も絞られているとのことだ。

 この価格帯では住宅ローンを組むハードルも高い。金融機関の一般的な目安では、年収1,000万円で借入可能額はおおむね7,000万円程度とされる。仮に2億円の住戸をペアローンで購入する場合、単純計算でも夫婦それぞれに相応の年収が必要となり、かつて「パワーカップル」と呼ばれた世帯年収1,500万円程度でも手が届きにくくなっている。

 さらに、金利が上昇局面にあることも、購入判断を難しくしている。ローンを組む30代、40代の世帯は、1割程度というところだろう。

 一方、1LDKなどの住戸には、値上がりを見込んだ投資目的の購入者も一定数いるという。第1期から段階的に価格が上がってきたこともあり、こうした購入者の関心を集めているようだ。

 ただし営業担当者によれば、どの住戸もすぐ売れるという状況ではなくなってきているという。

 実際、眺望の良い高層階では抽選になる住戸もある一方、すべての住戸に倍率がつくわけではない。他の都心物件にも共通するが、取得ルールの厳格化と価格の高騰により、購入検討者の裾野はやや狭まっているとみられる。

【関連記事】>>「ザ・豊海タワー マリン&スカイ」のモデルルームを地権者がリポート! 勝どき在住者の視点でマンションの立地も解説

再開発で湾岸エリアの価値上昇が期待される

 販売に以前ほどの勢いがなくなりつつあるとはいえ、「ザ 豊海タワー マリン&スカイ」が高い注目を集める背景には、エリア全体の将来性への期待がある。勝どき駅周辺では複数の再開発の計画・検討が進んでおり、実現すれば駅前の様子は大きく変わる可能性がある

勝どき駅前の再開発

 もっとも注目されるのが、勝どき駅A3a出口前に位置する「勝どき駅南側10〜17番地区」(市街地再開発事業等地区一覧画像の20)。2021年8月に再開発準備組合が設立され、三井不動産や東急不動産などが参画している。

 また、その南側に位置する「勝どき駅南側8、9番地区」(市街地再開発事業等地区一覧画像の17)では、2015年11月から三井不動産と野村不動産が中心となって再開発を検討している。さらに、駅北東側の「勝どき二丁目2〜7番地区」(市街地再開発事業等地区一覧画像の23)でも再開発計画がある。

 これらが実現すれば駅周辺の利便性の向上が見込まれるが、いずれも都市計画の手続きはこれからの段階にあり、完成時期は現時点で確定していない。

市街地再開発事業等地区一覧(出典:中央区「令和7年度第6回庁議(令和7年5月27日) ⑪/ 報告事案 【都市整備部】」)

築地市場跡地の再開発

 もう一つの大型プロジェクトが、「ザ 豊海タワー マリン&スカイ」から約2kmに位置する築地市場跡地の再開発だ。約19ha(東京ドーム約4個分)の敷地に、大規模なスタジアムを核として、MICE施設、ホテル、商業施設、オフィス、住宅、水辺空間などを整備する計画が進められている。2030年代前半以降の開業を目指し、東京の新たな国際交流拠点として期待されている

築地市場跡地の再開発イメージ図(出典:築地まちづくり株式会社「築地地区まちづくり事業基本計画」)

 勝どき駅前と築地市場跡地、二つの再開発への期待は大きい。豊海タワーの購入希望者が見据えているのは、こうした周辺エリアの将来的な街の価値と、それに伴う資産価値の向上だといえる。

勝どきエリアの中古マンションは今が買いどきか

 勝どき・晴海エリアでは、新築価格の高騰を背景に、中古タワーマンションの需要も高まっている。東京カンテイのデータによると、勝どき駅周辺の中古マンション平均坪単価は、この数年で大幅に上昇した。

勝どき駅周辺の中古マンション相場の推移(平均坪単価)

・2023年:約429万円
・2024年:約503万円
・2025年:約765万円(前年から約52%上昇)
出典:東京カンテイ「駅別中古マンション価格/都営地下鉄大江戸線①」(2025年6月24日号)

 勝どきエリアの中古市場で取引の中心となっているのは、以下のような物件だ。いずれも1億円台の住戸が中心となっている。

・パークタワー勝どき ミッド/サウス
・勝どきザ・タワー
・ドゥ・トゥール EAST・WEST
・THE TOKYO TOWERS
・パークタワー晴海
・HARUMI FLAG SKY DUO

 一方で、中古マンションの価格が今後も一本調子で上昇し続けるとは限らない。2025年後半以降は売り出し物件も徐々に増えており、眺望や方角、管理状態、修繕積立金などの条件によって、同じエリア内でも物件ごとの価格差が広がる傾向がみられる

 最近では一部で価格を下げる物件も出ている。中古マンションの高騰は一服し、条件次第では今が買い時との見方もある。

【関連記事】>>勝どきの中古マンション価格相場は? 10年後の価格推移も公開

まとめ

 「ザ 豊海タワー マリン&スカイ」の購入者の中心は、近隣からの住み替え世帯だとわかった。住んでいるマンションを売却し、足りない資金はローンで補うケースも見られるが、現金での購入者も多いとのこと。ペアローンで資金の大半を調達して購入できる世帯は、1割程度に限られる。

 都心の新築マンション価格が2億円台に突入してきている一方、中古マンション価格は上昇が一服し始めた。複数の大型再開発が進む勝どき・晴海エリアでは、割高感の出てきた新築に代えて、中古マンションを狙う動きも出始めている。

 

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