千葉県の中古マンションランキング・トップ100！ 船橋、市川、柏などの価格と値上がり率が高い物件は？【完全版】

千葉県で「最も価格が高いマンション」「最も値上がりしたマンション」はどこなのか。千葉県の中古マンションの価格ランキング・トップ100と価格上昇率ランキングトップ15を公開！ 併せて、マンションに精通する櫻井幸雄氏が注目物件を解説する。（執筆：住宅評論家・櫻井幸雄、データ提供：マンション情報サイト『マンションレビュー』）

千葉県の中古マンション「価格」と「上昇率」ランキング・トップ15

　まずは、千葉県の中古マンション「価格」と「価格上昇率（分譲時比）」ランキングのトップ15を見てみよう。

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千葉県の中古マンション価格トップ10は、築浅物件が並ぶ

　千葉県で中古価格が高くなったマンションは、完成してからまだ日が浅い物件。いわゆる「築浅」のマンションだ。

価格ランキング1位は「エクセレントシティ市川マスタリー」

　最も価格が高くなったのは、千葉県市川市の「エクセレントシティ市川マスタリー」で、70㎡換算価格が8211万円。

　東京23区並みの価格だが、市川市は千葉県内でも最も東京寄りに位置しており、スカイツリーや都心の超高層ビルが間近に見える位置で、歴史の古い寺社も多い。

　そのため、市川に住む人は「都民」のような感覚でいる、といわれてきた。市川市のマンションは、新築も中古も高くなる傾向が強いのだ。

2位の「エクセレントシティ津田沼奏の杜」は、1位と同じ新日本建設のマンション

　そして、価格ランキングで2位となったのは、習志野市津田沼の「エクセレントシティ津田沼奏の杜」。

　1位の「エクセレントシティ市川マスタリー」と2位の「エクセレントシティ津田沼奏の杜」には、2つの共通点がある。

　1つ目の共通点は、物件名から分かる通り、事業主が同じで新日本建設となる。そして2つ目は、共に令和3年（2021年）の完成だ。

　2021年の完成ということは、分譲されたのはコロナ禍に入る前年の2019年から。その年、千葉県の不動産市況は特殊な状況下にあった。

　当時、東京23区内の新築マンションで人気物件が続出し、神奈川県横浜市や埼玉県さいたま市のマンションも売れた。

　その一方で、千葉県のマンションは注目度が下がり、新規に発売されるマンションが大幅に減った時期となる。

　不動産経済研究所の発表によると、2019年に千葉県で発売されたマンションの戸数は3200戸。これは、前年の2018年に5008戸も売り出されたのと比べて、36％もの減少だった。

　つまり、2019年の千葉県では物件不足が生じていたことになる。理由は、マンション購入者の目が都心や湾岸、横浜方面に向き、千葉のマンションを買いに来てくれないだろう、と思われたからだ。

　そのなかで、新日本建設は千葉県内での用地取得に力を入れる時期が続き、コンスタントに新規物件を発売。新浦安エリアや市川市内で新築マンションを発売し続けていた。

　そのマンションが現在、千葉県内で希少な築浅物件として存在価値を高めている、と考えられる。

　7位の「津田沼ザ・タワー」、8位の「エクセレントシティ本八幡駅前サザンライズ」、9位の「プラウド市川マークス」も、令和2年の完成。これらも数少ない築浅の中古マンションということになる。

トップ10内で築10年以上は3物件、その共通点は駅近のタワマン

　建設されてから10年以上たっている中古マンションで価格が高い物件となると、3位の「グランドターミナルタワー本八幡」が平成25年（2013年）の完成で、今も70㎡換算価格が7911万円という高い水準にある。

　4位の「エアレジデンス新浦安」は平成15年（2003年）の完成、5位の「アイリンクタウンいちかわザタワーズウエストプレミアレジデンス」は、平成21年（2009年）の完成で、この3物件は駅に近い超高層マンションという共通要素も備えている。

価格ランキング3位の「グランドターミナルタワー本八幡」

 「グランドターミナルタワー本八幡」は、都営新宿線本八幡駅から徒歩1分で、京成八幡駅からも徒歩1分。都営新宿線本八幡駅とは地下のエントランスで直結しており、ほかにJR総武線本八幡駅も徒歩4分となる。商業施設も隣接し、便利なマンションだ。

　駅北口側の再開発で誕生した地上40階、総戸数が400戸を超える大規模マンションでもある。そのスケールメリットで共用施設が充実。いわゆるタワマンであるが、人気も価格も落ちる気配がない。

価格ランキング4位の「エアレジデンス新浦安タワー」

 「エアレジデンス新浦安タワー」はJR京葉線新浦安の駅前に立ち、ウエストとイーストの2棟からなる超高層タワーマンションだ。これも駅に近く、徒歩4分の距離となる。

　2001年から2002年にかけて分譲されたときの価格は、約85～97㎡の3LDKで6000万円台。新築分譲当時、港区高輪で売られた新築マンション（駅から歩いて10分程度）と価格が変わらなかった。

　そのため、「信じられないほど高い」との声もあった。だが、「駅に近いし、一流ホテルのようなサービスも受けられる」と人気を集め、一気に売れてしまった。

　その後、中古市場でも値段が下がらず、2005年には新築時価格よりも35％も値上がりして、千葉県内のマンションで値上がり率ナンバーワンとなり、都心部を含む首都圏全域のランキングでも上位の値上がり率となった。

　その後、東日本大震災で一時的に価格が下がったが、再び上昇している。そうなると、東日本大震災後に一時的に価格が下がったときが買い時だったということになる。

価格ランキング5位の「アイリンクタウンいちかわザタワーズウエストプレミアレジデンス」

 「アイリンクタウンいちかわザタワーズウエストプレミアレジデンス」は、中央・総武線市川駅から徒歩1分の、再開発エリア内に建設された超高層タワーマンションである。

 「アイリンクタウンいちかわザタワーズウエストプレミアレジデンス」は、工事中に施工ミスがみつかり、一部が造り直される事件となった。

　騒動の渦中では「これで資産価値はゼロになった」などと書き込みをされてしまったが、資産価値が落ちることはなく、工事ミスを見つけて修正しているので、むしろ安心という評価も生まれている。

　千葉県内でも都心に近い市川市内で、駅近・再開発という人気要素を2つ備えるマンションは、やはり強いと思い知らされる。

千葉県で値上がりした中古マンションは？

　千葉県の中古マンションで、値上がり率が高かった中古マンションはどのような物件か。

価格上昇率1位は「プラウドタワー船橋」

　千葉県の中古マンションで価格上昇率が高い物件をみると、騰落率が＋61％の「プラウドタワー船橋」が第1位となった。

　JR中央・総武線の船橋駅から徒歩1分。船橋駅の北口側なので、南口側よりも若干ではあるが落ち着いているのも利点となる。

　建物にはSI（スケルトン・インフィル）方式を採用。これは、建物の躯体（スケルトン）に高強度コンクリートを使用して丈夫で長寿命のものにする方式。

　その上で、内部（インフィル）の変更や更新、メンテナンスをしやすくする。将来の自由度が増し、メンテナンスの費用が安くなって、長く暮らすことのできるマンションを実現しているわけだ。

トップ15には「プラウド船橋」が複数ランクイン

　価格上昇率ランキングで、上位に複数物件がランクインしているのが「プラウド船橋」で、トップ15には以下の物件が並ぶ。

・「プラウド船橋一街区」＋51％
・「プラウド船橋二街区」＋46％
・「プラウド船橋三街区」＋46％
・「プラウド船橋五街区」＋44％

　「プラウド船橋」は、東武野田線新船橋駅周辺で行われた約17万6000㎡もの大規模複合開発で生まれたマンションだ。

　商業施設や総合病院、保育施設、公園とともに、全体で1497戸の住戸があり、住宅棟によって複数の名前が付けられているので、それぞれがランクインしているわけだ。

　新船橋駅に近いのは一街区と二街区。五街区は開放感が大きくなるなど、棟によって異なる長所がある。いずれも「イオンモール船橋」に近いなど、生活利便性は高い。

　新築時の価格は70㎡を超える3LDKが2600万円台から、といった水準で割安感が大きかった。そのため、2012年夏に一街区・二街区と合わせて583戸を一気に売り出し、すべてを即日完売させた。

　抽選販売であるにもかかわらず、販売センターには早朝から多くの人が並んだ。それは、今では考えられないような光景だった。

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千葉県の中古マンション価格ランキング
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　最後に、千葉県の中古マンションで、価格が高いマンション上位100物件を紹介しよう。