福岡県の中古マンションランキング・トップ85！ 大濠公園、赤坂、浄水通りなどの購入・売却価格は？

福岡県で「最も高く売れるマンション」はどこなのか。福岡県の中古マンションの″売却価格″の高い順に作成したランキングをもとに、全国のマンションに精通する住宅評論家の櫻井幸雄氏が解説。記事の最後では、福岡県の中古マンションの相場が分かる「価格ランキング」を、1位から100位まで公開する。（執筆：住宅評論家・櫻井幸雄、データ提供：マンション情報サイト『マンションレビュー』）

福岡県の中古マンション価格ランキング・トップ10

　まずは、福岡県の中古マンションで、売却価格が高い上位10物件を見てほしい。

順位	マンション名/概要	70㎡換算価格	ライフルホームズで周辺物件を見る
1	グランドメゾン　ザ・大濠 坪単価：654万円 所在地：福岡市中央区大濠（唐人町駅徒歩10分） 築年月：2017年1月 総戸数：23戸	1億3,853万円	周辺物件
2	パークコート大濠 坪単価：467万円 所在地：福岡市中央区大濠（唐人町駅徒歩10分） 築年月：2002年3月 総戸数：35戸	9,887万円	周辺物件
3	プレミスト天神赤坂タワー 坪単価：443万円 所在地：福岡市中央区大名（赤坂駅徒歩2分） 築年月：2018年10月 総戸数：220戸	9,386万円	周辺物件
4	ブリリアタワー西新 坪単価：420万円 所在地：福岡市早良区西新（西新駅徒歩1分） 築年月：2021年1月 総戸数：306戸	8,904万円	周辺物件
5	パークホームズ大濠二丁目 坪単価：411万円 所在地：福岡市中央区大濠（唐人町駅徒歩5分） 築年月：2017年6月 総戸数：43戸	8,707万円	周辺物件
6	パークホームズ大濠一丁目 坪単価：407万円 所在地：福岡市中央区大濠（六本松駅徒歩8分） 築年月：2019年9月 総戸数：7戸	8,620万円	周辺物件
7	パークホームズ西新トラッドマークス 坪単価：397万円 所在地：福岡市早良区西新（西新駅徒歩3分） 築年月：2018年7月 総戸数：36戸	8,403万円	周辺物件
8	プレサンスロジェ薬院二丁目 坪単価：385万円 所在地：福岡市中央区薬院（薬院大通駅徒歩3分） 築年月：2020年11月 総戸数：50戸	8,159万円	周辺物件
9	MJR平尾駅前 坪単価：381万円 所在地：福岡市中央区那の川（西鉄平尾駅徒歩2分） 築年月：2021年3月 総戸数：46戸	8,065万円	周辺物件
10	グランドメゾン赤坂けやきレジデンス 坪単価：376万円 所在地：福岡市中央区赤坂（赤坂駅徒歩7分） 築年月：2018年4月 総戸数：31戸	7,965万円	周辺物件
70㎡換算価格と坪単価は、中古マンションの売出価格から算出。10年以内に3件以上の販売履歴があったものが対象。また、投資用マンションは除く。※データは2023年1月時点

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大濠公園、赤坂、浄水通りなど、一等地の中古マンションが高騰する福岡県

　福岡県でマンション分譲が行われるとき、「値段が高くても人気物件となる場所」、つまり一等地と目される場所はいくつかに限定される。

　まず、大濠公園の周辺。そして、天神の中心エリアに位置する赤坂や大名、そして、大濠公園と天神の中間に位置する浄水通りエリア。浄水通りに近い西鉄天神大牟田線の薬院駅周辺や平尾駅周辺、そして大濠公園や浄水通りの外側に位置する西新や藤崎も近年は高級住宅ゾーンの仲間入りをしている。

　そのことを示すように、福岡の中古マンションで70㎡換算価格の高いマンションをリストアップすると、大濠、赤坂、浄水、薬院、西新という地名が付いた物件が並ぶ。

　また、この記事の最後では上位100位までの物件を公開しているが、11位以降で複数ランクインしている六本松も、大濠の近接地。百道浜も、西新の近接地だ。

　同時に、福岡で高級マンションを分譲する不動産会社の社名も限られている。

　まず、「グランドメゾン」ブランドを展開する積水ハウス、「パークコート」や「パークホームズ」を展開する三井不動産レジデンシャル。「ザ・パークハウス（2011年以前はパークハウス）」を分譲する三菱地所レジデンス。そして、九州旅客鉄道（略称JR九州）、大和ハウス工業も積極的に新築マンションを展開している。

　このほか、地元の不動産会社である福岡地所も、以前は高級マンションを数多く展開していた。が、今はマンション分譲が途切れている。

福岡県の中古マンション価格ランキング2位は
希少な土地に建つ「パークコート大濠」

　今回、福岡県の中古マンション第2位となったのは、三井不動産（現・三井不動産レジデンシャル）の「パークコート大濠」（下のストリートビュー参照）。2002年に完成した全35戸の小規模マンションだ。

　その建設地は、大濠公園の西側で、在福岡米国領事館の並び。この「在福岡米国領事館の並び」というのが、「大濠のなかの大濠」とされる場所。一等地の中の一等地だ。該当する場所の面積は小さく、新築分譲マンションが出ることはめったにない。この希少性から、「パークコート大濠」は約20年前の物件でも別格扱いされ、高価格で取引されているものと考えられる。

　今回のランキングで最も高額な中古マンションとなった「グランドメゾン ザ・大濠」（下のストリートビュー参照）もまた、在福岡米国領事館の並びとなる。

　5位の「パークホームズ大濠二丁目」もまた大濠アドレスだが、残念ながら、大濠公園に面した在福岡米国領事館の並びではない。それでも在福岡米国領事館に近い場所なのが高評価の理由だろう。

　また、3位の「プレミスト天神赤坂タワー」は福岡市中央区の赤坂とそれに隣接する大名エリアのマンションだ。

　赤坂・大名は福岡駅の西側で、中洲とは反対側に位置する。近年、天神と呼ばれる場所は拡大しており、赤坂・大名も天神の一画と考えてよい。

　近年、天神のなかでも赤坂と大名エリアは活気が増している。福岡市営地下鉄赤坂駅が利用しやすい場所で、赤坂駅からは天神駅、博多駅、福岡空港駅に直結しており、フットワークがよい。

　そして、エリア内には「けやき通り」と呼ばれる場所がある。「けやき通り」は、最先端のブティックやレストランが集まる場所。そして、魅力ある場所である。

　東京、大阪よりも先に上陸する海外のショップ、レストランもあり、九州随一の高感度ゾーンといえる。ケヤキの並木は東京の表参道に似た風情があり、刺激を受けるし、心が弾む思いがする。住みたいと思う人が多く、マンション価格が高騰するのも当然だろう。

福岡中心部のマンション価格上昇を象徴する
「プレミスト天神赤坂タワー」

　思い返してみると、「けやき通り」に集まる人が増えはじめたのは平成に入ったあたりから。中央区に福岡ドームができ、香椎浜にはネクサスワールド（国内外の建築家が競作した集合団地）ができた頃で、そのあたりから福岡は一段と大都市の趣を強めるようになった。

　さらに、九州新幹線が開業した2011年以降、熊本や鹿児島から日帰りで福岡に遊びに来る人が増えて、福岡の活気はさらに増し、マンション価格の上昇が止まらなくなった。

　大都市・福岡の最先端ゾーンとして「勢い」が感じられる場所、それが天神であり、けやき坂のある大名・赤坂エリアである。

　3位にランクインしている「プレミスト天神赤坂タワー」（下のストリートビュー画像参照）が建つのは、中央区大名2丁目。福岡市営地下鉄空港線「赤坂」駅から徒歩2分に位置する24階建て超高層マンションだ。

　赤坂の交差点に近く、けやき通りが身近。加えて、福岡駅へも徒歩5分となり、岩田屋や三越、大丸といったデパート、商業施設を日常使いできる立地となる。

 「プレミスト天神赤坂タワー」は、街路樹付きの歩道が整備された明治通り沿いにあり、福岡市中央区役所のはす向かい。建設地の一角には、かつて武家屋敷があったことを伝える「飯田屋敷の大銀杏」が保存されている。

　全220戸の規模の大きさは、赤坂・大名エリアでは希少。大規模のスケールメリットで共用施設が充実し、ゲストルームが2室とフィットネスルームなどが設けられ、コンシェルジュも配置されている。

　エントランスには2層吹き抜けのホールがあり、21階と22階部分にも2層吹き抜けのラウンジを設置。各フロアに24時間ゴミ出し場が設けられる。大林組の施工で、最新の制震構造も採用されるなど、建物の魅力は多い。

　住戸は1LDK〜4LDKで、キッチンにはディスポーザー（生ゴミ粉砕処理機）と食器洗い乾燥機が標準設置され、トイレは手洗いカウンター付きに。最新の設備・サービスで居住満足度の高いマンションとなっている。

 「プレミスト天神赤坂タワー」の分譲は2017年に行われ、分譲当時は「値段が高い」という評価が多かった。しかし、建物が完成して5年経った今は、「新築価格は安かった」といわれるようになった。

　福岡中心部のマンション価格上昇を象徴するようなマンションである。

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　 最後に、福岡県の中古マンションで、売却価格が高いマンション上位100物件を紹介しよう。