タワマンの街から進化する「有明」エリアの中古マンションは買いか? 価格予測は10年後に56.7%上昇!

2026年6月27日公開(2026年6月26日更新)
後藤利恵子:フリー記者・ライター

有明が「イベント都市」へと進化を遂げている。有明アリーナ、東京ガーデンシアター、有明GYM-EX、東京ドリームパークまで、首都圏有数のイベント施設が集積した有明の今を現地取材でレポートする。中古マンション価格は前年比5.7%超の上昇、10年後予測は56.7%上昇と、住む街としての評価も急上昇中だ。(フリーライター・後藤利恵子)

タワーマンションの街「有明」が東京2020大会をきっかけに変化している

 有明にタワーマンションが建ち始めたのは、2005年頃。広大な空き地が広がっていた有明に、2000年以降、次々とタワマンが建設された。

 2008年から2021年にかけては、東京建物がこのエリアのランドマークとなる大規模タワーマンション「ブリリアマーレ有明」「ブリリア有明スカイタワー」「ブリリア有明シティタワー」「ブリリアタワー有明ミッドクロス」4棟を完成させた。

 2019年には、住友不動産が大型商業施設「有明ガーデン」に直結するトリプルタワー「シティタワーズ東京ベイ」を立てて、有明の大規模な再開発はほぼ完成。これにより、有明は豊洲と並ぶ湾岸の代表的なタワーマンションの街となった。

有明の「シティタワーズ東京ベイ」
有明の「シティタワーズ東京ベイ」(出所:PIXTA)

 その有明が、東京2020オリンピック競技大会(以下、東京2020大会)をきっかけに、イベント会場集積エリアへと進化している。

 東京2020大会では、隣接する晴海エリアを中心に選手村などの関連施設が整備され、大会終了後には住宅や商業施設へと転用された。こうした再開発の流れは有明エリアにも波及し、イベント施設や都市インフラの整備が一気に進展。有明は、東京湾岸を代表する「イベント集積エリア」として存在感を高めていった。

 東京2020大会で整備された主な施設は、バレーボールや車いすバスケットボールの試合が行われた「有明アリーナ」。有明コロシアムなどを有する「有明テニスの森」。また、自転車競技やスケートボードで使われた「有明アーバンスポーツパーク」「有明体操競技場」などがある。

 これらは、東京2020大会閉幕後もスポーツ大会や大型イベントの会場として継続利用され、単なる一過性のインフラではなく、常時稼働する集客装置として機能し始めた。

 世界各国の五輪跡地では、大きな大会用に作られた施設が常時使用に向かず、管理も含め効率が悪く赤字になるケースが多いといわれている。有明エリアの競技施設は、レガシーを残すという都の方針もあり、常時稼働するイベント会場に変わっていったことが、街の変化と大きく関係している。

有明にはどんなイベント施設があるのか?

 では、東京2020大会で使用した施設はどのように変化し、現在、有明にはどのようなイベント施設があるのだろうか。主要な施設を紹介しよう。

有明アリーナ

有明アリーナ(出典:写真AC)

 まず中核となるのが「有明アリーナ」だ。観客席とコート(ステージ)の距離が近く、どの席からも臨場感を味わえる設計。最大収容人数は約1万5,000人と、日本武道館(約1万4,000人)や代々木第一体育館(約1万3,000人)を上回る規模となっている。

 音響性能の高さにも定評があり、海外のトップアーティストが東京公演の会場に選ぶことが増えている。国内では、GLAYやMrs. GREEN APPLEなどチケット争奪戦となるような人気グループが活用している。

 もともと競技施設であるため、音楽イベント以外にも格闘技などスポーツシーンでも幅広く利用されている。とくにバレーボールは、世界大会が開催されバレーボールの聖地として定着している。2025年には井上尚弥選手の世界タイトルマッチ(ボクシング)の舞台ともなり、ビッグマッチの開催地として注目されている。

有明アリーナ 施設概要

  • 所在地:東京都江東区有明1-11-1
  • 収容人数:約1万5,000人
  • 用途:音楽ライブ、スポーツ、格闘技、国際大会
  • 特徴:首都圏有数の収容規模を持つ多目的アリーナ
  • アクセス:ゆりかもめ「有明テニスの森」から徒歩8分

東京ガーデンシアター

東京ガーデンシアターがある「有明ガーデン」(出典:PIXTA)

 最近存在感を増している施設が、大型商業施設「有明ガーデン」内にある「東京ガーデンシアター」だ。2020年にオープンした常設ホールとしては都内最大規模で、マニアックなライブに使われることでも知られている。

 収容人数は約8,000人。これほどの規模がありながら、客席の最背面からステージまでの距離は約54mと非常に近く設計されている。4層構造(バルコニー席)がステージを囲むような形状になっており、「どの席からもステージが近く、見やすい」と好評だ。

 本番当日に設営から撤去までがスムーズにできるよう設計されていることも特徴のひとつ。今や、連日異なるアーティストのライブが開催される有数のライブ会場となっている。イベントは国内外のトップアーティストからアイドル、アニメ関連まで多岐にわたり、M-1グランプリの準決勝などお笑いや演劇、企業の新製品発表会や国際会議などじつに広範囲だ。

 大規模商業施設「有明ガーデン」内にあるため、ライブの前後に食事や買い物をしたり、そのまま温泉(泉天空の湯)やホテルを利用できるという、他の会場にはない利便性もある。

東京ガーデンシアター 施設概要

  • 所在地:東京都江東区有明2-1-6(有明ガーデン内)
  • 収容人数:約8,000人
  • 用途:コンサート、舞台、企業イベント
  • 特徴:有明ガーデン内に立地する約8,000人規模の劇場型ホール。商業施設との一体運用
  • アクセス:ゆりかもめ「有明」から徒歩4分

有明GYM-EX

出典:東京ビッグサイト公式サイト

 「有明GYM-EX(ジメックス)」は、東京2020大会の「有明体操競技場」を改修して誕生した、圧倒的な大空間が特徴の展示場だ。現在は東京ビッグサイトの分館として運営されている。名称は、GYMnastics(体操競技場)とEXhibition(展示場)を掛け合わせて「GYM-EX」となった。

 特徴は、日本最大級の木造建築の建物。アーチ状の屋根には国産のカラマツ材などが用いられており、近代的ながらも木の温かみを感じるデザインが世界的に高く評価されている。1階の展示ホールは柱が一本もない大空間となっており、展示会やスポーツイベント、大型の試験会場など、自由度の高いレイアウトが可能だ。

 開催された主なイベントは、終活や葬儀に関する大規模な展示会「エンディング産業展」や「アマチュア無線フェスティバル」、HKT48やNGT48などが出演した「Boosty Winter Party 2026(2026年2月)」などが挙げられる。

 パラスポーツの大会・体験イベントやeスポーツ大会も行われている。劇場型の東京ガーデンシアターや興行アリーナの有明アリーナに対し、有明GYM-EXは可変式会場のため用途が広く、とくにじっくり見て回ったり体験したりするイベントに向いている

有明GYM-EX 施設概要

  • 所在地:東京都江東区有明1-10-1
  • 収容人数:数千人規模(可変)
  • 用途:ライブ、展示会、eスポーツイベント
  • 特徴:可変型で柔軟な運用が可能な中規模会場
  • アクセス:ゆりかもめ「有明テニスの森」から徒歩5分

出典:東京ビッグサイト公式サイト
有明GYM-EX 施設案内(東京ビッグサイト)

記者が有明を歩いて注目施設を紹介

 では、ここからは筆者が実際に歩いてみてきた2つの施設や街の様子を紹介しよう。

livedoor URBAN SPORTS PARK

 ひとつは「livedoor URBAN SPORTS PARK(有明アーバンスポーツパーク)」だ。

スケートボードの競技会場はそのまま利用されている「livedoor URBAN SPORTS PARK(有明アーバンスポーツパーク)」スケートボードの競技会場はそのまま利用されている(撮影:記者)

 2024年10月に開業した、初心者からトップアスリートまでが利用できる複合スポーツ施設。もともとは東京2020大会の新種目であったスケートボードやBMXの競技会場であった。

 スケートボード(ストリート)では地元・江東区出身の堀米雄斗選手が、スケートボード(パーク)では四十住さくら選手が金メダルを獲得し、脚光を浴びた会場でもある。こうした選手の活躍も話題となり、大会終了後に民間が再整備し本格的なスポーツ施設として利用することが決まった

 東雲運河沿いにある広大な敷地にあり、さまざまなアーバンスポーツが楽しめる。施設入口には誰でも利用できるテラスつきのカフェがあり、記者が訪れた平日午後にはペット連れの家族や外国人の若者の姿もあり、のんびりとした雰囲気だった。

 施設の目玉は、競技会場をそのまま残したスケートボードパーク。小学生高学年から中学生くらいの子どもたちがプロ級の腕前で練習しており、休日には初心者向けのスクールもあるという。ほかにもボルダリング施設や3人制バスケットボールのコートがある。

 2026年4月には運河沿いの一部に人工の砂浜エリアが誕生した。都の運営する「有明親水海浜公園」だが、スポーツパークと一体となった水辺のレクリエーション拠点となっている

 近くにはホワイトサンドのビーチバレー施設もあり、思わず都心であることを忘れる。水辺に近寄ると魚が跳ねる様子も見ることもでき、東京湾の水質が向上しているのを感じた。将来的には、カヤックやSUPなどマリンスポーツの出発・到着拠点として整備する計画もある。

人工的につくられた砂浜エリア「livedoor URBAN SPORTS PARK(有明アーバンスポーツパーク)」
人工的につくられた砂浜エリア「有明親水海浜公園」(撮影:記者)

livedoor URBAN SPORTS PARK(有明アーバンスポーツパーク) 施設概要

  • 所在地:東京都江東区有明1-13-7
  • 開業:2024年(段階的整備・開放)
  • 主用途:都市型スポーツ施設/イベントスペース/交流拠点
  • 特徴:五輪レガシーを活用した都市型スポーツ拠点。若年層・体験型イベントを取り込む
  • アクセス:ゆりかもめ「有明テニスの森」駅徒歩3分

テレビ朝日が参入した最新トレンドスポット「東京ドリームパーク」

 ふたつ目は、2026年3月27日に開業したテレビ朝日が手がける「東京ドリームパーク」だ。テレビコンテンツをリアル体験できる場となっている

 9階建ての複合型エンタテインメント施設で、核となるのは「SGCホール有明」(スタンディングで5,000人収容)と「EX THEATER ARIAKE」。「EX THEATER ARIAKE」では、4月25日からこけら落とし公演として加藤シゲアキが脚本・演出を手がける舞台「AmberS(アンバース)」が上演され、テレビ局主導のオリジナル舞台作品として注目されている。また、6階にはレストラン、7階・8階にはイベントの展示スペースがある。

 建物前のプロムナードにも、イベントに合わせた展示物がレイアウトされ、撮影スポットとなっている。取材に訪れた4月下旬は「100%ドラえもん&フレンズ in 東京」に合わせ、さまざまなドラえもんのマスコットが並び、平日にもかかわらず多くのカップルや子ども連れの家族が撮影を楽しんでいた。

 昼時のレストランはほぼ満席で、決して便利な立地ではないが、オープンから間がないこともあり想像以上の人が集まっていた。テレビ局の新しい試みとして、今後の認知度向上が注目される。

「東京ドリームパーク」全景
「東京ドリームパーク」全景(撮影:記者)

東京ドリームパーク 施設概要

  • 所在地:東京都江東区有明3丁目3番8
  • 開業:2026年3月
  • 主な施設:SGCホール有明(約3,700席(着席)/約5,000人(スタンディング))、EX THEATER ARIAKE
  • 特徴:音楽と舞台の複合施設。メディアとリアルイベントの融合
  • アクセス:ゆりかもめ「東京ビッグサイト」徒歩5分

有明が抱える交通インフラや騒音の課題

 このように有明エリアは、3,000人から1万5,000人程度の収容力を持った施設が複数存在し、主催者も開催するイベントの規模に合わせて会場を選ぶことができる。

 ただ、大きな問題は交通だ。有明エリアには臨海線「国際展示場」駅があるが、この駅から徒歩圏内の施設は限られる。そのため新交通ゆりかもめ「有明テニスの森」か、もしくはバスの利用者がイベント開催日の特定の時間帯に集中する。そもそもゆりかもめは大量輸送には向いていないため、イベント動線が集中する豊洲から有明間は大混雑となる

 東京駅方面からの都バスは大幅に増便されているが、インバウンド需要もあり、イベントのある日は途中乗車ができないほど混雑し、地元住民が利用できないという不満も出ている。会場の増加が、交通の便が良いとは言えない有明の交通インフラの限界を顕在化させている。

 また、有明は複数のタワーマンションが建てられても、道幅が広く建物が密集していない場所と言われてきた。しかし、イベント客の増加で状況が変化してきている。会場近くのマンション住民から、イベント参加者の騒ぎ声などの騒音クレームが出ているという。今後こうした問題を地域全体で調整していく必要があるだろう。

 有明は、お台場など狭いエリアに会場を集積させる従来のスタイルとは一線を画す、分散型のモデルだ。東京湾に面した開放感ある環境や、最新設備の揃った会場はどこもおおむね好評だ。今後のさらなる発展は、交通インフラの整備次第だといえるかもしれない。

有明エリアの中古マンション市況

 以上のように進化を続ける有明だが、住む街としての人気も高まっている。最後に、現在の有明エリアの中古マンション市況について触れておきたい。

 ゆりかもめ有明駅周辺の中古マンション相場は、7,296万円(486万円/坪)。​10年前比+89.3%となっている(出典:ダイヤモンド不動産研究所「有明駅(東京都)の中古マンション価格相場」)。また、隣接する有明テニスの森駅周辺では8,327万円(438万円/坪)10年前比+95.3%と約2倍に上昇している(出典:ダイヤモンド不動産研究所「有明テニスの森駅(東京都)の中古マンション価格相場」)

 また、ダイヤモンド不動産研究所の不動産価格データベースによると、10年後の有明駅の中古マンション価格は56.7%上昇すると予測されている(グラフのノーマルシナリオ)。

 有明エリアの具体的な中古マンションを挙げると、根強い人気を誇るのが、大型商業施設「有明ガーデン」直結の「シティタワーズ東京ベイ」だろう。利便性の高さから築7年を経ても、2億円超を狙える価格水準となっている。

 さらに、東京湾の景色が一望できる部屋を多く持つ「ブリリアマーレ有明」や「ブリリア有明スカイタワー」といったタワー群も活発に取引されている。

 物件価格が豊洲に迫るなか、有明は中古マンション市場でも湾岸エリアの主役に躍り出つつある。

有明の中古マンションを見る
(ライフルホームズのサイトへ)

 

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