【2026年8月版】大阪市内の成約価格は中心6区で下落、18区は急落! ワニの口は縮小傾向か?

【2026年8月版】大阪市内の成約価格は中心6区で下落、18区は急落! ワニの口は縮小傾向か?
2026年8月15日公開(2026年8月14日更新)
服部盛昭:株式会社R-Scope 不動産ライター

大阪府の中古マンション市場は、大阪市内中心6区・大阪市内18区・府北部・府南部・府東部・堺市の6エリアで需給の動きが異なり、同じ大阪府でもエリアごとに違う顔を見せている。本記事では、2026年7月度の最新データから「売出価格」と「成約価格」の推移を確認し、エリア別の最新動向を解説する。
※本記事のグラフ、データは近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)「マンスリーレポート」をもとに編集部が作成。(画像出典:写真AC)

大阪府の中古マンション価格推移の概要

 2026年7月の大阪府全体の中古マンション成約価格は3498万円。前月の3697万円から-5.4%、前年同月比でも-3.2%となった。成約件数は808件(前年比-3.6%、前月比-9.5%)と減少し、成約㎡単価も55.67万円/㎡(前年比-1.1%)と下落した。一方で新規登録件数は3419件(前年比+6.0%、前月比+1.1%)と増加が続く。

 成約価格、件数、㎡単価がそろって下落した大阪府全体に対し、大阪を6エリアに分けて見ると、内実はエリアごとに大きく異なる。

 とりわけ目を引くのが、6月に大きく開いていた成約価格と売出価格の差(いわゆる「ワニの口」)が、7月には多くのエリアで縮小方向に動いた点だ。

 ただしその中身は一様ではない。大阪市内中心6区や大阪府北部・堺市では売出価格の下落によってギャップが縮まった。

 一方、大阪市内18区では成約価格が急落したことで売出価格を上回っていた「売り手優位」の状況が消えかけており、大阪府東部・南部ではむしろギャップが拡大している。

 ギャップの縮小・拡大の方向は揃っておらず、エリアごとに異なる局面へ入りつつあるとみられる。

大阪市内中心6区:成約価格は5826万円(前年比-5.7%、前月比-2.1%)

 大阪市内中心6区(北区・中央区・西区・浪速区・天王寺区・福島区)の7月の成約価格は5826万円(前年比-5.7%、前月比-2.1%)。6月の5953万円からさらに下がり、5月の過去1年の最高値6621万円からは2カ月連続の下落となった。成約件数は192件(前年比-16.5%、前月比-16.9%)で、6エリアのなかでも落ち込みが大きい。

 売出価格は7457万円(前年比+18.9%、前月比-10.7%)。前月の8350万円から大きく下げたものの、水準としては依然高い。この結果、成約価格との差(ワニの口)は1631万円となり、6月の2397万円からは縮小した。ただし縮小した理由は「双方が下がったなかで、売出価格の下げ幅のほうが大きかった」というだけであり、売り手の強気な値付けと買い手の実勢価格との距離が根本的に埋まったわけではない。

 もうひとつの注目点は築年数の動きだ。成約物件の平均築年数は20.06年で、6月の23.00年から一気に若返った。5月は20.01年だったため、6月だけ突出して築古物件の成約が増え、7月に元の水準へ戻ったとみるのが自然だろう。あわせて専有面積も56.25㎡(前年比-5.3%、前月比-4.0%)と6エリア中もっとも狭く、㎡単価の高騰を受けてコンパクトな住戸に成約が集中する傾向がうかがえる。

大阪市内18区:成約価格は2935万円(前年比+8.8%、前月比-7.8%)

 大阪市内18区(中心6区を除く)の7月の成約価格は2935万円(前年比+8.8%、前月比-7.8%)。6月の3183万円(過去1年の最高値)から急落し、5月の3110万円をも下回った。成約件数は233件(前年比+9.4%、前月比-6.4%)で、5月・6月と2カ月続いた増加が7月に止まった格好だ。

 注目したいのは、成約価格(2935万円)と売出価格(2858万円)の差がわずか77万円まで縮まった点だ。6月はこの差が385万円あり、「市場に出てくる物件よりも高い水準で決まる」売り手優位の状態だったが、7月は売出価格がむしろ小幅に上昇した(前月比+2.1%)のに対し、成約価格の下落ペースがそれを上回ったため、その状態はほぼ消えた。

 新規登録件数は948件(前年比-3.7%)で、供給はやや持ち直している。大阪市中心部からの実需流入で押し上げられてきた18区の価格が、ここへ来て一服した可能性がある。

◆ダイヤモンド不動産研究所では、大阪6区、大阪18区のほか、大阪府北部、大阪府南部、大阪府東部、堺市の価格推移も掲載しています。◆

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