不動産販売の世界では、ありもしない物件広告(おとり広告)で客寄せして、集まった客に別の物件を強引に売りつけようとする手口が存在する。そんな手口に騙されてしまっては大変な損害を被るし、騙されなかったとしても時間や費用の無駄になってしまう。事前に「おとり広告」であることを見抜く方法はないのだろうか。(住宅ジャーナリスト・山下和之)
不動産の「おとり広告」とは、どんな広告なのか?
不動産の「おとり広告」とは、どんな広告を指すのだろうか。公正取引委員会では、次のように定義している。
1. 取引の申出に係る不動産が存在しない場合
- ・広告やビラ等に表示した物件が広告、ビラ等に表示している所在地に存在しない場合
- ・広告やビラ等に表示している物件が実際に販売しようとする不動産とその内容、形態、取引条件において同一性を認めがたい場合
2. 実際には取引の対象となりえない場合
- ・表示した物件が売却済の不動産又は処分を委託されていない他人の不動産である場合
- ・表示した物件に重大な瑕疵があるため、そのままでは当該物件が取引することができないものであることが明らかな場合
3. 実際には取引する意思がない場合
- ・顧客に対し、広告、ビラ等に表示した物件に合理的な理由がないのに案内することを拒否する場合
- ・表示した物件に関する難点をことさらに指摘する等して当該物件の取引に応ずることなく顧客に他の物件を勧める場合
(※参考:「不動産のおとり広告に関する表示」等の運用基準)
3人に1人が、中古物件の「おとり広告」被害に遭遇
「おとり広告」では、そもそも存在しないのに客の関心を引きそうな物件をでっちあげた広告や、売ることができない他人の物件、自社物件でも売る意思のない広告を掲載している。
こうして客を集めて「その物件は、つい先ほど決まってしまいました。他にもいい物件があります」などと言って、たいして魅力的とはいえない物件を代わりに売ろうとする。そんな物件に引っかかって、契約してしまっては大きな損害だ。途中で「おとり広告」とわかって、契約せずともそれまでにかけた時間や費用が全くの無駄になってしまう。
そんな中、不動産情報ポータルサイト「LIFULL HOME’S」を運営するLIFULLが、「おとり広告」の実態調査を行った。結果、中古物件の購入を検討したことのある人のうち、36.8%が「おとり広告」の可能性がある物件に遭遇したことがあると答えている。ほぼ3人に1人が被害に遭っているわけで、これからマイホーム探しをしようと考えている人も、いつ被害に遭うか分からない。
周辺の不動産会社を複数回って評判を聞く
では、実際におとり広告に遭ったと回答した人は、どのような状況でそう思ったのか見てみよう。下の図表1にあるように、「先着で申込が入ったと案内を受けた」が最多の69%で、「不動産会社が何らかの事情で案内を拒否した」(45%)が次に続く。なかには「他の不動産会社からおとり物件であると教えてもらった」「知人が購入済みだった」といった回答もあった。
図表1 おとりの可能性があると判断した理由(単位:%)
こうしたケースを防ぐには、不動産会社をいくつか回ってみて、広告を掲載している会社の評判を聞いてみるのが参考になるだろう。同じエリアで活動している不動産会社であれば、いつまでも同じ広告を掲載しているような会社は、おとり広告の常習犯とわかるはずだ。
人手不足などの関係で、契約が成立しても、すぐには広告を削除できないことがあるかもしれないが、それが何週間、何カ月も放置されているようであれば、意図的に削除せず、おとり広告として使っている可能性が高い。
そんな会社は地域で評判になり、きちんと規約を守って営業している会社にとっては、業界の評判を落とす同業他社として気になっているはずだ。事情を説明すれば、そのあたりのことも教えてくれるのではないだろうか。ただし、他社を貶めるために悪く言う場合もあるかもしれないので、複数の会社で確認するようにしたいところだ。
過去に問題を起こした不動産会社か確認する
無事契約したい物件が見つかったとしても、安心せずに、国土交通省や都道府県のホームページで、問題を起こしている会社でないかどうか、調べておくのがいいだろう。
国土交通省のホームページで、トップページの下にある「ネガティブ情報等検索サイト」をクリックすると、過去の行政処分などの経歴をチェックできる。
ステップ1の事業分野で「不動産の売買・管理」を選ぶと、「宅地建物取引業者」「不動産鑑定士」などの項目が出てくる。「宅地建物取引業者」を選択し、時期やエリアなどを指定してクリックすると、行政処分を受けた会社の一覧と処分内容が表示される。そこに契約したい会社の名前がないことを確認しておこう。
また、ここでは事業者名でもチェックできるので、社名を入れると処分の内容が出てくる。処分を受けていなければ「0件」と表示されるので、ある程度安心できるのではないだろうか。
また、各都道府県の不動産業担当部署でも、その都道府県内で活動している不動産会社の「業者名簿」を閲覧できる。免許証番号などの基本情報から、しばしば社名を変更しているような会社ではないか、経営状況、資産状況はどうかなどが分かり、「指示又は業務停止の処分」を受けていないかどうかも見られるようになっている。
都道府県庁に出かけなくても、インターネットで閲覧できる都道府県もあるので確認しておくのがいいだろう。
物件選択の目にも影響が出る可能性
慎重に見極めないと、「おとり広告」に引っかかってさまざまな被害を受けることになる。実際「おとり広告」に遭遇した人に、どんな被害を受けたかと聞いた調査では、表2の結果となった。
最も多かったのは、「該当物件を調べる時間が無駄になった」の48.9%で、次に「精神的なストレスや疲労を感じた」(44.6%)、「物件探しの全体への意欲が低下した」(37.0%)、「該当物件を掲載する不動産会社や、該当物件に向かう時間が無駄になった」(34.2%)と続いている。
現在の居住地とは異なる場所で物件を探している場合、広告を掲載している不動産会社や物件のある場所までそれなりの時間がかかり、交通費もかかる。それも1人ではなく、夫婦、家族で出かけるとなればコスト負担が大きくなるが、それがまったくの無駄になってしまうわけだ。
お金や時間だけではない。無駄足となることによってストレスを感じ、ひいては物件探しの意欲低下につながり、物件選択の目が甘くなったり、逆に厳しくなり過ぎるなど、選択眼に影響を与えかねない。
現在の住まいの退去期限が決まっている場合、「おとり広告」に時間を取られると十分な時間が無くなり、妥協を余儀なくされることがあるかもしれない。場合によっては、時間切れから今回は購入を見送って、先送りにせざるを得なくなるケースも出てくるだろう。
まとめ
いずれにしても、「おとり広告」は、物件探しをしている人に大きな影響を与える可能性がある。どんな「おとり広告」が多いのかを頭に入れて、まずはこうした広告に引っかからないようにして物件選びを行いたい。
希望物件が見つかったときには、念のためにこれまでに問題を起こしていない会社かどうかを確認した上で、契約に臨むような慎重な姿勢が求められる。
東京そのほか
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