2026年2月の東京都心6区の中古マンション価格が0.2%下落に転じたと東京カンテイが公表しました。ただ、現場で日々取引と向き合っている立場として、今回の「下落」をセンセーショナルに受け取るのは少し違うのではと感じます。都心マンションは本当に下落したといえるのか、その背景を見ていきます。(一心エステート株式会社代表取締役:高田一洋)
目次
都心6区のマンション価格は、本当に下落したのか?
東京カンテイ「市況レポート」によると、2026年2月の東京都心6区の中古マンション(70㎡換算)の平均希望売り出し価格が1億8761万円と、前月比-0.2%と下落を記録しました。
約3年ぶりにマイナスへ転じたこのニュースは、主要メディアにも取り上げられ「いよいよ天井か」「マンションバブル崩壊の序章では」といった言葉が飛び交いました。
2020年1月から6年で2倍以上に膨んだ、都心6区の中古マンション価格の上昇トレンドが初めて止まったとなれば、話題になるのは当然です。ただ、この数字を見て、まず私が思ったのは「三田ガーデンヒルズの影響が大きいのではないか」ということです。
三田ガーデンヒルズといえば、一時は坪3000万円前後まで上昇した超高額物件の象徴でした。ところが直近では、同マンションの70㎡換算で5000万円前後の値下がりが報告されていますし、10%程度ディスカウントされた売り出し事例も確認されています。
三田ガーデンヒルズの価格が下がった理由としては、転売目的で物件を仕入れていた不動産会社が1年の返済期限のある短期融資を利用しており、その期限の迫った在庫が重なったことで、価格が調整された、つまり値下げされたことが考えられます。
加えて、三田ガーデンヒルズの近隣で、大型新築タワーマンションの分譲が動き始めました。「パークコート麻布十番東京ザタワー」など、坪単価1800〜2000万円台で出てくる大規模再開発の新築物件が市場に現れたとき、「中古で坪3000万円出すなら、新築タワーの方が良いのでは」という比較が生まれるのは、市場の当然の原理です。坪3000万円という価格の魔法が解けた、というのが正直なところです。
都心6区全体で見れば、2026年2月に流通した中古マンションは4400戸強。その中での-0.2%の前月比変動は、一部エリアの価格調整が統計を引き下げた可能性が高いです。大きな潮流の転換というより、特定物件の在庫整理が数字に出たと見るべきでしょう。
実際、東京23区全体の平均は、前月比+1.9%の1億2349万円で22カ月連続の上昇、城南・城西6区(品川・世田谷など)は、24カ月連続上昇で初の1億円超えを達成しています。都心6区だけの「0.2%減」を切り取って大騒ぎするのは、少し早計かもしれません。
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不動産業界にとって「下落」は歓迎なのか
正直に言えば、マンション価格が上がり続ける方が、不動産業界の人間が楽なのは事実です。今日より明日、明日より来月の方が価格が高くなるという前提があれば、買い手も「今が最後のチャンス」と動きやすいですし、売り手も高値で売却できます。売買が活性化する環境が作られやすいのです。
一方で、「価格が下がれば一般の人が買いやすくなる」という期待の声もよく聞きます。しかし現実には、都心6区で70㎡・1億8000万円台が5%や10%下がったとして、一般的なサラリーマン家庭に手が届くものでしょうか。中小企業に勤めながら、都心の中古マンションに1億5000万円出せる人はそうそういません。多少の価格調整で「庶民が手に届く市場」に戻ることは、しばらくの間はないと思っています。
都心の超高額帯マンションは、もはや富裕層、大企業勤務のパワーカップル、海外投資家が競い合う別次元の市場になりつつあります。そこを前提に、どう戦略を組み立てるかを考えることが、現場では必要だと感じています。
不動産市場から中国人富裕層の姿が消えた
価格の話と別に、現場で明らかに感じている変化があります。それは、中国人からの反響と来客が目に見えて減ったことです。
以前は、港区や湾岸エリアの高額物件を購入するマーケットに、中国本土からの富裕層が一定数いました。中国に資産を置いておくことへの不安から、日本の都心マンションをいわばセカンドアセットとして購入するケースです。特に上海などの富裕層が、資産を逃がす先として東京を選ぶ流れが続いていました。
ところが、高市政権の発足や台湾有事への懸念が高まって以降、中国本土から日本へのフライト数が減少したのと同じタイミングで、こうした層の動きがぱたりと止まった印象があります。弊社の場合、基本的に日本居住者との取引が中心なので直接的な影響は限定的ですが、業界全体として「中国人がいなくなった」という声は確かによく耳にします。
これは、価格上昇によって中国人同士の転売が成立しにくくなったことも背景にあるようです。転売が前提の価格上昇ゲームは、市場が頭打ちになった瞬間に成り立たなくなる。それがいま起きているということでしょう。
こうした状況の中で、私が懐疑的に思うのは「中国人が来なくなったから、価格が下がった」という短絡的な見方です。中国人富裕層がいなくなったからといって、日本人が買わなくなるわけではありません。そこは切り離して考える必要があります。
東京のマンション価格上昇が続くであろう理由
では今後のマンション価格はどう動くのか。私の見方は「短期的には踊り場、長期的には上昇継続」です。
まず、都心6区については調整局面が続く可能性はあります。ただし、これは「暴落」ではなく、異常なスピードで上がってきた価格が正常化しているだけでしょう。踊り場は市場に必ずあります。今がその踊り場に差し掛かっているとすれば、なるべくしてなったといえます。
一方、同心円状に価格は外側へ波及していきます。実際、城南・城西6区はすでに1億円を超え、城北・城東11区も上昇を続けています。都心6区の価格上昇が一服したとしても、その外側のエリアの価格は引き続き上昇していく傾向が続くでしょう。1都3県全体で見れば、まだ上値を追う余地は十分あります。
中長期で上昇を見込む根拠のひとつは、国際比較での割安感です。日本の都心不動産は、年収倍率(※)で見ると10倍前後の水準です。ニューヨークは15倍、上海は30倍前後と言われます。「高い」と言われても、グローバルで見れば東京の不動産はまだ割安な部類に入るのです。(※年収倍率:住宅価格の中央値を世帯年収の中央値で割った数値で、その国の住宅の買いやすさを示す世界共通の指標)
加えて、インフレの流れも無視できません。建設コストは上昇し続けており、新築マンションの価格は構造的に下がりにくい状況が続きます。東京都心の人口は、2030年まで増加が続く見通しであり、新築マンションの供給戸数は年々減少しています。需要が減らないのに供給が絞られ、建設費が上がるなら、新築価格は上がり続ける。そしてプライスリーダーたる新築が上がれば、中古も引っ張られます。この構造は、簡単には変わらないでしょう。
地政学的なリスク、トランプ政権下の関税問題、米中対立が市場を揺るがしているのも事実です。ただ、永続するというよりかは、いずれ収束へ向かうでしょう。その後には反動の経済拡大局面が来ると私は見ています。短期の下振れリスクを恐れて市場を静観するより、長い目で資産形成を考えることが重要です。
潮目が変わったのではなく、踊り場にいる状態
「37カ月ぶりの下落」というキャッチーな見出しに対して、私の答えは「潮目というより踊り場」です。-0.2%の前月比変化は、統計上ほぼ横ばいと見るべき水準であり、一部物件の在庫調整が数字を引き下げた側面が大きいでしょう。中国人富裕層の動向変化は確かに現場でも感じますが、だからといって日本人の購買意欲が失われているわけではありません。
マンションを欲しいと思っている人は、今もたくさんいます。外部要因が取り払われたとき、改めて不動産市場の底堅さが明らかになるでしょう。今必要なのは、目先の数字に過剰反応することではなく、市場本来の需給構造をしっかり見極めることだと思います。
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