中古マンションは「築20年」が狙い目の理由とは? 櫻井幸雄氏が23区内注目3物件を公開!

2026年5月31日公開(2026年5月28日更新)
櫻井幸雄:住宅評論家

価格上昇が続く新築分譲マンションに対し、築20年程度の中古マンションが賢い選択として注目されている。価格の納得感、設備水準、ローンの組みやすさ、そして売り手の事情まで、買い手と売り手のニーズが一致する今こそ狙い目だ。23区の具体的な物件も掲載するので参考にしていただきたい。(住宅評論家・櫻井幸雄、マンション価格データ提供:マンションレビュー

中古マンション購入で失敗したくないなら「築20年」が賢い選択

中古マンションの購入は築20年前後が賢い選択
中古マンションの購入は築20年前後が賢い選択(出所:写真AC)

 価格上昇が止まらない東京23区内の新築分譲マンション。それよりも価格が抑えられるのが、中古マンションの魅力だが、一口に中古マンションといっても、その内容はさまざま。価格が新築マンションと大差ない「築浅物件」もあるし、価格がこなれる分、建物が古い「築古物件」もある

 築浅マンションは、建物が完成してから5年以内のものを指すことが多いが、最近は10年以内でも築浅と呼ばれる傾向がある。

 新築分譲マンションは2015年あたりから値上がりが顕著になったため、築10年のマンションでも新築時価格はかなり高かった。そのため、思ったほど安く買えないのが築浅マンションの特徴だ。

 その点、築古マンションならば価格が抑えられる。しかし、40年以上たった建物は耐久性に不安が生じるし、設備やサービスが時代遅れになっていることが多い。

 最近は築古なのに住戸内を丸ごと刷新したリノベマンションもあるが、中古マンションは新築マンションよりチェックすべきポイントが多く、物件探しに苦労することが多くなる。

 そこでおすすめしたいのが「築20年」をキーワードに物件探しをすることだ。じつは今、築20年程度の中古マンションがいろいろな意味で賢い選択といえる状況が生じている。

「築20年」マンションが狙い目の理由

 築10年までの築浅マンションは価格設定が高め。一方で、築40年を超えると価格はこなれるものの、古さが際立つ。収納スペースが少なく、浴室に隣接する押し入れ内にカビが生えていたり、天井が低い、オートロックも付いていないといったあらが目立ちがちだ。

 その点、建設されてから20年前後の中古マンションならば価格に納得感が生じる一方、建物に古くささを感じない。それが、築20年の中古マンションが狙い目となる最初の理由だ。

 たとえば、築20年の中古マンションであればセキュリティーを守るオートロックが付き、警備会社と契約を行う24時間管理を備えるケースが多い。窓には複層ガラスが入っているので結露が生じにくいし、24時間換気装置で室内にカビが生じにくいのも20年程度前のマンションからだ。

 24時間ゴミ出しOKで、大規模マンションであればディスポーザー(生ゴミ処理設備)付きが多くなる。加えて、住戸の専有面積は広めで75㎡を超える3LDKを探しやすい。最新マンションよりゆとりは上なのだ。

 20年ほど前となると21世紀に入った頃で、「都心マンションブーム」が起きた時期である。都心部で販売されたマンションが多いのも、築20年マンションの特徴だ。当時は「再開発マンション」が盛んにつくられたし、湾岸エリアで大量の超高層タワーマンションが供給された。

 つまり「築20年」であれば23区内で大規模物件が豊富。総戸数が多いことで中古の売り物件を探しやすいという利点もある。

 中古マンションを購入する場合、建物があまりに古いと住宅ローンを組みにくいことがある。ローンが組めても返済期間が20年まで、15年までと制限されがちなのだ。しかし、築20年であれば、まず問題なく長期返済の住宅ローンを組むことができる

 以上のように、築20年マンションには好ましい条件がいくつもそろっているわけだ。

「20年落ち」なら、売り時でもある

 この数年、東京23区内や大阪、名古屋の中心部では「20年落ち」の中古マンションも大きく値上がりした。値上がりを続け「まだまだ上がる」と言われた数年間、所有者はなかなか売る気になれなかった。

 ところが2026年に入り「さすがに値上がりもストップ」と言われ出すと、売り手は「そろそろ売ってもよい」と思い始める。今は、そういう時期だ。以前のように強気の値付けはできないのだが、そもそも築20年の中古マンションは買ったときが安かった

 近年、2004年あたりのマンションが最も低価格だったといわれ、都心部でも70㎡程度の3LDKが5,000万円台や6,000万円台で購入できた。それが、3倍の1億5,000万円程度まで値上がりしたのが2024年あたりだ。

 現在はもう少し値引きしないと成約しないが、それでも1億3,000万円とか1億2,000万円…元値が5,000万円台や6,000万円台だったことを考えれば十分に利益が出る。この先、ずるずると値下がりしていく可能性を考えれば、今はまだ売り時といえる。

【関連記事】>>マンションは築20年が売りどき!? 値下がり率や資産価値、売却時の注意点などを解説!

買い手と売り手のニーズがマッチしている

 売り手が「売却適齢期」に入ってきたことも売却を後押ししている。20年前に新築分譲マンションを買った人の多くは、現年齢で50代の半ば。サラリーマンならば60歳の定年が見えてくる時期だ。

 定年を迎えても住宅ローン返済が残る場合、「都心のマンションを売り、郊外で安いマンションを現金購入してローンのない人生にする」ことが魅力的に見えてくる。

 超高層タワーマンションの場合、15年目あたりから修繕積立金が上がるケースがある。管理費と修繕積立金で毎月4万円払っていたのが、月額8万円に上がったという事例もある。

 高額のランニングコストは住み続ける限りずっと続く。定年を迎えて毎日通勤する必要もなくなれば都心にいる必要性も薄れ、郊外でローン返済がなく、ランニングコストを抑えたマンションでリタイア生活を始めたくなる時期なのだ。

 つまり、築20年の中古マンションは、買い手にとって手頃な買い物となり、売り手にとって手放したい頃合いの物件ということになる。双方の事情がうまくマッチするわけだ。

東京23区内で注目の築20年マンションを公開!

 では、築20年の中古マンションは具体的にどんなマンションがあるのか。

2006年完成の芝浦アイランド グローヴタワー
2006年完成の芝浦アイランド グローヴタワー(出所:写真AC)

 たとえば、JR山手線田町駅から徒歩8分の「芝浦アイランド グローヴタワー」がある。2006年に完成し、新築分譲時は約47㎡の1LDKが3,150万円からの価格設定で販売された。180㎡近い上層階住戸は2億円を超えたが、中層階までの3LDK・80㎡程度ならば5,000万円台・6,000万円台で購入できた。

 その3LDKが今、1億5,000万円とか1億7,000万円で売り出されている。実際の成約価格はもう少し安くなると考えられるので1億3,000万円程度か。60㎡程度の2LDKならば1億円程度のケースもあるだろう。

 それなら手が届くという購入者が少なくないはずだ。山手線の外側に位置する東京23区内で「築20年」の中古マンションが7,000万円台や8,000万円台で購入可能なら、それも狙い目といえる。

 ほかには、どんなマンションがあるのだろうか。それを知るために有効な資料が筆者の手元にある。2005年から全国の人気マンションを取材し続け、その第1回発表が、まさに20年前の2006年1月だった。

 約20年前、東京23区内で人気となった新築物件のうち、今、中古として狙いたい「総戸数が100戸以上のマンション」に絞った3物件を公開しよう。ぜひ、マンション購入の参考にしてほしい。

◆ダイヤモンド不動産研究所では、櫻井幸雄氏が注目する18物件を公開していますので、ぜひ参考にしてください◆ 

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