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「結露」が引き起こす、住宅と健康への被害とは?! 結露ができる原因と対策を紹介

2023年10月31日公開(2023年11月15日更新)
椎名前太:住宅・不動産ライター

寒くなりはじめ、暖房のスイッチを入れるようになると気になってくるのが「結露」。毎年、冬の季節になると窓まわりがびっしょりと濡れてしまう家も多いのではないだろうか。とはいえ、結露は1年中発生する可能性があり、その影響は建物の耐久性だけでなく住む人の健康にまで及ぶ。そこで、なぜ結露は発生するのか、被害を最小限にとどめるための対策法あるのか、などを解説しよう。(住宅・不動産ライター 椎名前太)

結露が発生するメカニズムとは?

冬になると結露が増える
結露が起きるのは、冬だけではない(出所:PIXTA)

 結露対策を行うには、まず結露が発生するメカニズムを知ることが重要だ。

 空気に含まれる水蒸気の量は、空気の温度によって異なっている。その時々の温度で含むことのできる水蒸気の量を「飽和水蒸気量」というが、冷たい空気ほど飽和水蒸気量は少なく、暖かいほど多い。

 飽和水蒸気量と、空気中の水蒸気量が等しくなる温度を「露点」という。そして、空気が冷えると露点も下がり、空気中に含んでいられなくなった水蒸気が水になって現れる。これが結露だ。

 例えば、冬にエアコンなどで暖められた空気が、外気によって冷やされた窓ガラスやサッシに接することで結露は発生する。このように、窓や壁の表面にできる結露を「表面結露」という。

 その原理は夏も同じで、外の暖かい空気がエアコンで冷えた床下などに接することで結露となる。床下や壁の内部で発生する結露を「内部結露」という。特に、内部結露は、見えないところを腐らせてしまうこともあるので注意が必要だ。

結露は、建物の劣化だけではなく健康被害も引き起こす!

 結露による被害と聞くと、まず「窓のまわりが濡れて気持ち悪い」「水分で壁紙がはがれる」「水滴に汚れが付く」といったすぐに目に見えることを思い浮かべるかもしれない。だが、結露がもたらす被害はもっと根が深い。結露の被害で特に注意したいことは主に2つ。「建物の躯体への影響」と「健康への影響」だ。

建物の躯体への影響 

 木材は「腐朽菌(ふきゅうきん)」という木を腐らせる菌の繁殖によって腐る。腐朽菌は「水分」「適温」「養分(木材など)」「酸素」の4つの条件がそろうと繁殖し始める。これらの条件のうち、適温・養分(木材など)・酸素の3つについては、一般的な住宅では防ぎようがない。つまり、住宅内で腐朽菌を繁殖させないためには、結露(水分)を発生させないことが非常に重要なのだ

結露 カビ
結露によって木枠に水分が浸透すると、木材が腐る原因になる(出所:PIXTA)

 腐朽菌が繁殖すれば床や壁などを構成する木材が腐ってしまう可能性がある。さらに、木造住宅では柱などの躯体部分も腐らせ、強度を著しく低下させることもあり得る。

 現在、日本の住宅に使用される多くの木材は防腐処理をしているが、その効果のほとんどは数十年といったところだ。また、マンションなどRC造(鉄筋コンクリート造)なら安心と思うかもしれないが、そうとも言えない。多くの住宅は、床などに木材を使用しているし、コンクリートのひびから水分が侵入する心配もある。

健康への被害

 家の中といった気密性の高い空間で、結露を放置しているとカビが生える。カビの胞子は、ぜん息など健康被害の原因となる。また、カビはダニの餌になり、ダニの死骸や糞も、ぜん息や気管支炎、アトピー性皮膚炎の原因物質といわれている。

 従って、結露をそのままにしておくとカビが増え、カビが増えればダニも繁殖するという悪循環で、われわれの健康に被害を及ぼすというわけだ。特に高齢者や小さい子どもは被害を受けやすいので注意が必要だ。

最も重要なのは「家の断熱性を高めること」

 結露は、冬の冷たい空気、夏の暖かい空気が家の中に侵入することで発生する。従って、結露しにくい家を選ぶ・建てるには、第一に「断熱性」「気密性」を実現している家を選択したら良いだろう。具体的には、以下のようなことが考えられる。

「Low-E複層ガラスサッシ」を選ぶ

基本的には窓から熱が出入りする
出所:2011年12月省エネルギー部会社団法人日本建材・住宅設備産業協会提出資料

 夏の屋外から室内へ流入する熱のうち約70%は窓から入る。同様に冬の室内の熱の60%近くは窓から出て行く。従って、結露防止のためには窓の断熱性をできるだけ高めることが得策だ。

 具体的には、「Low-E複層ガラスサッシ」以上の性能がほしい。Low-Eガラスとは、特殊金属膜をコーティングしたもので、熱の伝導を少なくする性質がある。複層ガラスとは、ガラスを2枚、3枚と重ね合わせたもので、間には断熱性能を高めるアルゴンガスなどを注入する。また、窓枠の素材にも注目したい。

 日本で普及しているアルミサッシは、熱を伝えやすく、結露しやすい。そこで、窓枠の素材としてお薦めなのは、樹脂や木などの熱を伝えにくい素材を採用したサッシだ。価格はかなり高くなるが、効果は高いのでぜひ検討したいところだ。

「熱交換換気システム」に変更する

 2003年7月以降、すべての住宅は24時間換気システムを設置することが義務付けられている。しかし、一般的な換気システムでは、冬の冷たい空気や夏の暖かい空気を建物内に取り入れてしまう。そこで、「熱交換換気システム」である。

 これは24時間換気システムの一つで、冬は室内の暖められた空気を利用して外から入る空気を暖め、夏は室内の冷えた空気を利用して外から入る空気を冷やすものだ。このシステムを設置すれば室内の温度を一定に保つと同時に結露を防ぐこともできる。ただし、難点として導入コストが一般的な24時間換気よりも高いということと、フィルターの定期メンテナンスが必要ということがある。導入前に費用対効果をよく吟味したい。

住宅性能表示制度を利用し、住まいの性能を確認する

 「住宅性能表示制度」とは、耐震性や省エネ性など国が定めた10分野の住宅性能を等級で表示するものだ。この中には「断熱等性能等級」もある。こちらの最高等級である「4」を取得できれば、特に窓や換気システムを指定しなくても断熱性は高いと判断していいだろう。

 ただし、この制度の利用には10万円前後の費用がかかる。そこで公的なお墨付きが必要ないのであれば、建築(リフォーム)依頼先に「同等の仕様にしてほしい」と相談すれば大体のところは対応してくれるはずだ。

マンションの場合は換気のしやすい物件を選ぶ

 マンションの場合は、そもそも一戸建てよりも断熱・気密性が高いといえる。だからといって結露しないわけではなく、むしろ換気などを怠ると気密性が高いゆえに結露がひどくなるケースもある。

 また、新築マンションの場合は、気密性が高い上に数年間はコンクリートが乾ききっていないため結露しやすい。結露がしにくいマンションとしては、外廊下や浴室に窓があるなど、換気のしやすい物件がお薦めだ。

「結露を発生させずに暮らす」方法とは

 上記の「結露しにくい家を選ぶ・建てる」方法は、これから家を買ったり選んだりする人が主な対象だ。ここでは、現在住んでいる家で「結露が発生しないように暮らす方法」を紹介しよう。

窓に断熱フィルム、断熱シートを貼る

 窓の断熱性を高める方法として断熱フィルムや断熱シートを貼るという手がある。断熱フィルム、シートはホームセンターやネット通販などで手軽に購入可能だが、ガラスの種類によって熱割れの可能性があるため、商品の選定と施工はプロに依頼した方が無難だ。

 また、専用の断熱シートを利用しなくても、荷物の梱包などに使われる「エアクッション(プチプチ)」などを窓に張り付けることで、効力は弱まるが多少の改善が期待できる。ちなみにマンションの場合は、管理組合の許可が必要なこともあるので事前に確認しよう。

二重窓にする

 「二重窓」とは、既存の窓の内側にもう一枚窓を取り付けるもの。これで断熱性能が向上する。また、室内に接する窓枠への結露防止にも役立つ。こちらもマンションの場合は、管理組合の許可がいることが多いので事前に確認したい。

 二重窓が取り付けられない場合は、窓近辺の気温を上げるための電化製品「窓用ヒーター」などが利用できる。自動車のフロントガラスのエアコンと同じように、窓近辺を温めることで窓への結露を防止することが可能だ。

水蒸気が発生する暖房器具を使わない

 石油ストーブやガスファンヒーター(FF式除く)などの暖房器具は、燃焼によって水蒸気が発生する。結露対策を考えるなら、空調はエアコンなど電気を利用する暖房器具を利用したい。

室内で湿気を発生させない

 洗濯物の部屋干しや浴室のドアの開けっ放し、加湿器の過剰な使用などは、室内で湿気を発生させることにつながり、結露の原因となるので避けたい。

換気を怠らない

 「電気代がもったいない」と24時間換気システムのスイッチを切ってしまうケースもあるようだがこれは良くない。24時間換気システムは、常に稼働することで室内の空気環境が最適になるように設計されているからだ。

 2003年以前に建てられた住宅で、24時間換気システムが無い場合は、定期的に窓を開けたり換気扇を回して部屋の換気をするようにしたい。また、クローゼットや押し入れなど収納スペースは定期的に扉を開けて換気することも忘れないように。布団など湿気を吸うものは、直接床に置かずにすのこなどの上に置いて空気の通りを確保したい。

 以上のように結露を防ぐにはさまざまな方法がある。これらを知ったからには実践あるのみだ。面倒がらずにマメなメンテナンスを心がけたい。

【関連記事はこちら】>>本当に子育てしやすい住まいはどっち? マンションと戸建て、それぞれのメリットを紹介!

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