東京・目黒区で、人気の高い新築マンションが分かる、「新築マンション人気ランキング」を作成した。目黒区は、「城南」と呼ばれるエリアに属し、八雲、碑文谷、青葉台、東山などの高級住宅街があるが、新築物件には比較的割安な物件も多い。これは、住宅評論家の櫻井幸雄氏が、ディベロッパー33社を調査して作ったランキングだ。マンション選びの参考にしよう。(画像)中目黒川沿い/出典:PIXTA
目黒区の新築マンション市況:注目度が高まる「品川駅」外周エリア
リニア中央新幹線の開業(今のところ品川―名古屋間が2027年予定)を見越して、注目度が高まる品川駅周辺。しかし、品川駅で海側に位置する「港南口側」はオフィス街として整備が進み、新築分譲マンションが販売されることは期待薄だ。ここはいずれ、東京駅の丸の内側のようなビジネスの拠点となる場所になるのだろう。
一方、内陸側の「高輪口」周辺は、ホテル、商業ビル、住宅で埋まっており、駅周辺で新たなマンション開発の期待は薄い。そこで、品川駅の外周であれば、品川駅から多少離れてもよい、という「品川ファン」が増加。品川駅から徒歩15分以上でも、「品川駅の最寄り物件」として、ありがたがられるようになった。
ここ数年は、品川駅の隣駅である大井町駅や大崎駅、その先の五反田駅の新築分譲マンションも注目度が上昇している。五反田駅のさらに先の目黒駅も、品川効果で注目度が上がっている。もともと目黒駅の所在地は品川区上大崎なので、品川駅からの流れで人気が上昇しても、不思議ではないといえる。
高品位なマンションが登場する
内陸部エリア
品川区、目黒区で、このところ注目度の高いマンションの立地をみると、海側ではなく、内陸側で、高級住宅地のイメージがあるところの物件が目立つ。
駅から歩いて5分以上で、ときに15分以上となる場所でも、分譲価格は高く、3LDKで1億円を超える新規物件が増えている。品川区、目黒区では5000万円台で2LDKが購入できるケースもあるのだが、驚くほど高額のマンションが登場する場所でもあるわけだ。3LDKが1億円以上でも、山手線内側の港区内と比べると、3割以上も安くなるので、なんとか頑張ってみようか、と注目する人が多い。それが、近年の状況である。
品川区、目黒区でそれだけの価格水準のマンションを分譲する場合、建物はひときわ豪華にされる。外壁にはタイルとともに天然の石版を用い、高さが2m30㎝を超える大型のサッシに、天井埋め込み型カセットエアコンを標準設置する、といった具合だ。品川区、目黒区の山手線外側エリアは、ときに、山手線内側エリアよりも高品位なマンションが登場するエリアになっている。
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目黒区の新築マンション人気ランキングをすべて掲載
今回は対象となる物件はありませんでした。
>>「シティハウス下目黒」駅から遠いのに、周辺中古マンションが20%も値上がりする理由とは?
◆新築マンション人気ランキング |
目黒区のエリア概況(人口、暮らし、治安)は?
◆目黒区の基本データ(人口、暮らし) | ||
人口 | 27万9,553人 | 都内15位 |
人口(2030年の推計) | 27万0,345人 ※1 | ― |
人口(2040年の推計) | 25万8,676人 ※1 | ― |
世帯数 | 15万6,719世帯 | 都内15位 |
人口密度(人/㎢) | 1万9,057人/㎢ | 都内6位 |
外国人人口 | 9,087人 | 都内21位 |
子ども比率(未就学児童÷総人口) | 12.5% | ― |
平均所得 | 602万円 ※2 | 都内6位 |
出所:目黒区ホームページ、※1『平成28年 目黒区人口ビジョン』(PDF)、※2総務省「市町村税課税状況等の調」 |
目黒区における人口および世帯数は都内15位になる。1km²あたりの人口密度は6位。外国人人口は9,087人で目黒区総人口の3.3%を占めている。また、人口に占める子どもの比率は12.5%とかなり高い数値である。
目黒区発表による最新の将来人口推計(「平成28年 目黒区人口ビジョン」)によると、2020年の27万5,223人をピークに、2030年に27万0,345人、2040年に25万8,676人と減少傾向になる。
目黒区民の一人当たり平均所得は都内6位である。
◆目黒区の治安 | ||
犯罪件数 | 1,688件 | 都内21位 |
犯罪発生率 | 6.0% | 都内18位 |
出所:警視庁「犯罪発生状況(平成29年)」の刑法犯認知件数、※犯罪発生率は、犯罪件数÷総人口 ×1000 |
治安に関しては、警視庁が発表した2017年の23区中の犯罪件数(刑法犯認知件数)21位、犯罪発生率18位と、比較的安全な地域と言える。
目黒区のマンション相場は?
目黒区のマンション相場はどれくらいなのか。目黒区のマンションを築年数別でみると、平均価格(70m²換算)は以下のとおりとなっている。
1~3年以内 | 13,173万円 | |
3~5年以内 | - | |
5~10年以内 | 10,577万円 | |
10~15年以内 | 9,199万円 | |
15~20年以内 | 8,453万円 | |
20年以上 | 7,276万円 | |
※出所:住宅情報サイト「ライフルホームズ」 データは2023年4月1日時点。ーはデータなし。 |
また、目黒区と周辺の中古マンションの価格相場と比較すると、目黒区(7,574万円)に対して、墨田区(5,814万円)、江東区(5,079万円)、品川区(6,879万円)、大田区(4,989万円)、世田谷区(5,827万円)、渋谷区(8,391万円)となっている。
また、目黒区と周辺の中古マンションの価格相場と比較すると、目黒区(6,162万円)に対して、墨田区(4,691万円)、江東区(4,420万円)、品川区(5,278万円)、大田区(4,147万円)、世田谷区(4,738万円)、渋谷区(7,347万円)となっている。
目黒区の土地・地盤は?
目黒区は東京都内の南西部に位置し、面積は14.67㎢で23区中16番目の広さ。1932年、東京府荏原郡目黒町と同碑衾町が合併して東京市に編入され、目黒区が誕生した。
目黒区は武蔵野台地の東南部に位置し、ほぼ全域が台地となっているが、目黒川やその他の小河川、水路などによって刻み込まれた谷地が分布しており、起伏に富んだ坂の多い町となっている。標高が高いところは東急駒場東大駅近辺で約31m、低いところは東急中目黒駅近辺で約10mとなっている。
目黒区内には北側から玉川通り、駒沢通り、目黒通りが放射線状に、都心よりから旧山手通り、山手通り、三宿通り、環七通りなどが環状に走っている。鉄道路は京王電鉄井の頭線、東急東横線・大井町線・目黒線、地下鉄日比谷線が通っている。
目黒区内の主要地域の特徴・主要施設・町名
●北部地域(駒場、青葉台、上目黒など)
目黒区の北部に位置し、域内はほぼ台地面になっているが、中央を流れる目黒川沿いは谷地になっている。鉄道路は北から京王電鉄井の頭線、東急田園都市線、東急東横線がほぼ平行して通っている。
また、おなじく北から淡島通り、玉川通り(国道246号線)、駒沢通りが、東から旧山手通り、山手通りといった幹線道路が走っている。江戸時代には、将軍家の鷹狩場であり武家屋敷が置かれており、いまも閑静な住宅地が多い。目黒川沿いの桜並木はつとに有名で、毎年春になると数多くの人でにぎわう。
目黒区の北端に位置し、域内の大半を東大駒場キャンパスが占める駒場は、京王線駒場東大前駅周辺、淡島通り沿いに商業地が見られるが、閑静な住宅地が広がる。
旧山手通り、山手通りの間に閑静な住宅地が広がる青葉台の高台部分は西郷山と呼ばれ、幹線通り沿いには個性的な商店やオフィスビルが並ぶ。
学校、各種官公庁関係施設が多い大橋は、大橋ジャンクション整備で誕生したオーパス目黒大橋エリア内の超高層マンション、プリズムタワーとクロスエアタワーがランドマークとなっている。
東山は域内の大部分を防衛省施設および宿舎や公務員住宅が占めるが、周囲は一般の住宅地となっている。
超高層の中目黒ゲートタウン、中目黒アトラスタワーがそびえ、区役所が置かれている上目黒は諏訪山と呼ばれる台地を中心に住宅地が多いが、東急東横線、地下鉄日比谷線の中目黒駅前は商業地として栄え数々の個性的な店舗が密集している。
●東部地域(中目黒、三田、下目黒など)
目黒区の東部に位置し、中央を流れる目黒川沿いの谷地を台地面が囲うような地形になっている。鉄道路は地域の東端をJR山手線が走っているが停車駅はない。毎年9月に駅前商店街で目黒のさんま祭りが開かれるが、JR目黒駅の所在地は品川区上大崎である。
また、域内のほぼ中央を山手通りが縦貫、西端で駒沢通り、さらに南側で目黒通りと交差している。江戸時代は目黒不動尊の寺町としてにぎわい、筍の産地として知られていたが、東急電鉄による沿線の地域のブランド化の成功により人気の高い住宅地として今日に至っている。
域内の山手通りなどの幹線沿いに低層のマンションやオフィスビルが並ぶ中目黒も、道路を離れると数多くの公園など緑豊かな住宅地となっている。
目黒区の最東端に位置する三田は、域内の東部には恵比寿ガーデンプレイスが広がるが、西側は閑静な住宅地となっている。
目黒は低層階のマンションやビルが並ぶ目黒通りの北側沿いに広がり、目黒川をはさんで都内としてはかなり深い谷地になっている。
低層のマンションやオフィスビルが並ぶ目黒通り沿いの南に広がる下目黒は域内東部に目黒不動尊(瀧泉寺)があり、縁日は多くの人出で賑わいを見せる。
●中央地域(祐天寺、五本木、中町など)
目黒区の中央に位置し、域内の多くは台地面になっているが、小河川や水路によって形成された谷地が分布している。鉄道路は地域のほぼ中央を東急東横線が走っている。また、域内の中央を駒沢通り、南端を目黒通りが横断し、西部を縦貫する三宿通りが駒沢通りと交差している。幹線沿いには低層のマンションやオフィスビル、商業ビルが並ぶが、そのほとんどは住宅地が広がっている。
東急東横線祐天寺駅の南側から駒沢通りまで広がる祐天寺は駅前から商店が繋がるが、そのほかは東京都立目黒高等学校の校地と閑静な住宅街である。
五本木は域内のほとんどは閑静な住宅街であり、三宿通り、駒沢通り沿いには個性的な商店が並んでいる。
中町、中央町は目黒区の中央部に位置し、北部は駒沢通り、南部は目黒通りに接し、学校や公園が点在する静かな住宅地である。
鷹番は東急東横線学芸大学駅を中心に広がり、駅近辺は商店街でにぎわいを見せるがその周囲は静かな住宅地となっている。
●南部地域(目黒本町、碑文谷、洗足など)
目黒区の南部に位置し、域内は台地面のほか小河川や水路による谷地低地が多い。鉄道路は地域の北側を東急東横線が、南端を東急目黒線が走っている。また、域内の北端を目黒通りが横断し、東側で26号線通り、西端で環七通りと交差している。環七通りなど幹線沿いにはビルやマンションなどが並ぶが、そのほとんどは住宅地が広がっている。
域内で目黒通り、26号線通りが交差し、幹線沿いにマンション、オフィスビルが並ぶ目黒本町は、通りを離れると低層階マンションが点在する住宅地となっている。
碑文谷(ひもんや)は域内で環七通りと目黒通りが交差する柿の木坂陸橋が交通要所として知られるが、お寺や公園など緑豊かな住宅地となっている。
原町の域内東端は西小山駅(品川区)に接しており、ここから伸びる西小山商店街は商店が多く、他は主に住宅地となっている。
環七通りと東急目黒線が立体交差する付近に洗足駅(地下駅)のある洗足(せんぞく)は、都内有数の住宅密集地であり、戦前からの高級住宅地として知られている。
域内を環七通りが縦貫している南は、環七通り沿いに低層階のマンションやビルが数多く並んでいるが、幹線を離れると住宅地となっている。
●西部地域(大岡山、自由が丘、柿の木坂など)
目黒区の西部に位置し、域内は台地の側面が低地側へと下る斜面が多い。鉄道路は地域の中央を東急東横線が、南端を東急大井町線が走っている。また、域内の北側を駒沢通りが通り、中央を横断する目黒通りは東から環七通り、柿の木坂通り、自由通りと交差している。環七通り、駒沢通りなどの幹線沿いにはビルやマンションなどが並ぶが、そのほとんどは住宅地として知られている。
域北部に目黒通り、北東部に環七通りが通る平町は、最寄り駅である東急東横線都立大学駅近辺は幹線沿いに商店街やマンションが立つが、基本は戸建て住宅が目立つ住宅街である。
大岡山の域内南部は東急目黒線・東急大井町線の大岡山駅(大田区)前の商店街および東京工芸大学の敷地であるが、北部は主として住宅地となっている。
域内南部に東急大井町線緑が丘駅がある緑が丘は、高台に位置し緑豊かで閑静な住宅街が広がっている。
自由が丘は域内の自由が丘駅で東急東横線と大井町線が交差し、駅前は金融機関や商業地としてにぎわいを見せるが、住宅地域は木々が多く緑豊かである。
中根は域内の東急東横線都立大学駅付近に商店なども見られるが、緑道、公園、お寺など憩いの場となる緑地が多い住宅地として知られている。
駒沢通り、環七通り、柿の木坂通り、目黒通りに囲まれるように位置する柿の木坂は、幹線沿いにビルやマンションが連なるが、域内のほとんどは住宅地となっている。
八雲は南側を目黒通り、北側を駒沢通り、西側を自由通りが走り、域内の南部には神社仏閣、学校が点在、北部には駒沢オリンピック公園(世田谷区)が隣接している。
東が丘は西側を自由通り、南側を駒沢通りが走り、域内の西部には駒沢オリンピック公園(世田谷区)が隣接している。
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