東京・江戸川区で、人気の高い新築マンションが分かる、「新築マンション人気ランキング」を作成した。江戸川区は、都心中央部からやや離れる代わりに分譲価格が抑えられた物件が多いエリアだ。小岩、葛西、西葛西などのエリアに注目が集まる。これは、住宅評論家の櫻井幸雄氏が、ディベロッパー33社を調査して作ったランキングだ。マンション選びの参考にしよう。
江戸川区の市況:高倍率の新築マンションが増加!
東京のエリアを示す呼び名で、「城東」がある。江戸城の東側という意味で、中央、台東、墨田、江東、葛飾、江戸川の6区を指す。ここは江戸時代、庶民生活で中心的だった場所だ。このうち、中央区を除いた「城東5区」は、東京駅までの距離が短くて通勤便利、それでいて、新築マンション価格が抑えられた場所として根強い人気がある。
この台東区、墨田区、江東区、葛飾区、江戸川区で、高倍率物件が続出しているのが、ここ数年の現象なのだが、コロナ禍でさらに勢いを増している感がある。
その理由はいくつか考えられる。一つは、「亀大小」のパワー。亀大小とは、江東区と江戸川区にまたがる、「亀戸・大島・小松川」エリアの頭文字を続けた呼称。規模の大きな再開発が行われている地域で、その再開発によって、新たなマンションが続々登場している。つまり、新しい街への期待感が高まっていることが人気の理由と考えられるわけだ。
もう一つ、東京メトロ東西線の混雑度が緩和されていることも理由となりそうだ。江戸川区、江東区を走る地下鉄の東西線は、朝の通勤時間帯に電車が猛烈に混雑し、それが、東西線沿線エリアに住むネックとされてきた。その朝のラッシュが、緩和されている。
南砂駅などで改良工事が完了したので、その影響もあると思われるが、社会人のテレワークと大学生のオンライン授業が継続されていることも大きいのだろう。
ラッシュが緩和されると、江東区、江戸川区では魅力がアップする場所が多い。大手町駅まで直通で15分〜20分以内の場所が多くなるからだ。しかも、亀大小の再開発で誕生する新築分譲マンションには、価格が抑えられた物件が多いため、注目度が上がるのは当然だろう。
江戸川区の新築マンション人気ランキングをすべて掲載
「新築マンション人気ランキング」は、「販売目前(モデルルーム公開前)」「販売中(モデルルーム公開中)」の新築マンションについて、「パンフレットなどの資料請求」と、「販売センターでのモデルルーム見学や商談」が、総戸数に比べてどのくらい多いかを「人気倍率」として計算し、ランキングにしたものだ。
※主要売主33社の人気上位物件をランキングしているため、対象物件数の少ないエリアは、
1位のみなど掲載物件数の少ない場合があります。人気倍率の計算方法はこちら。
販売目前※の人気新築マンション
1位クレヴィア西葛西
10.4倍
- 価格
- 未定
- 完成時期
- 2024年2月中旬
東京都江戸川区西葛西六丁目20-10他(地番)
東京メトロ東西線「西葛西」駅徒歩6分
- 間取り
- 1LDK〜3LDK
- 専有面積
- 30.29〜71.71㎡
- 総戸数
- 49戸
- 資料請求
- 511件
- 売主
- 伊藤忠都市開発
- 施工会社
- 株式会社川村工営

Yahoo!不動産詳細へ
2位プレディア西葛西
3.3倍
- 価格
- 未定
- 完成時期
- 2023年1月
東京都江戸川区西葛西7丁目7番2,4,27(地番)
東京メトロ東西線西葛西駅徒歩10分
- 間取り
- 1LDK+S〜4LDK
- 専有面積
- 55.9〜89.51㎡
- 総戸数
- 33戸
- 資料請求
- 110件
- 売主
- JR西日本プロパティーズ
- 施工会社
- 株式会社鍛冶田工務店
※データは2022年12月31日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
販売中の人気新築マンション
1位シティハウス平井サウス(物件詳細はこちら)

1.2倍
- 価格
- 5,900万円〜6,200万円
- 完成時期
- 2023年11月下旬
東京都江戸川区平井四丁目196番4他(地番)
JR総武・中央線「平井」駅徒歩7分
- 間取り
- 2LD・K+S
- 専有面積
- 70.05㎡
- 総戸数
- 50戸
- 来場者数
- 50人
- 売主
- 住友不動産
- 施工会社
- 川口土木建築工業株式会社
※データは2022年12月31日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
総掲載物件数は約400万件! |
◆新築マンション人気ランキング |
江戸川区のエリア概況(人口、暮らし、治安)は?
◆江戸川区の基本データ(人口、暮らし) | ||
人口 | 70万79人 | 都内4位 |
人口(2025年の推計) | 66万7630人 | 都内4位 |
人口(2035年の推計) | 65万6024人 | 都内4位 |
世帯数 | 34万5833世帯 | 都内5位 |
人口密度(人/㎢) | 1万4030人/㎢ | 都内17位 |
外国人人口 | 4万2598人 | 都内1位 |
子ども比率(未就学児童÷総人口) | 4.7% | 都内10位 |
平均所得 | 367万円 | 都内21位 |
出所:住民基本台帳による東京都の世帯と人口(令和2年)、国際社会保障・人口問題研究所「『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』」、東京都「都内の保育サービスの状況について(令和2年4月1日現在)」、総務省「令和元年度 市町村税課税状況等の調」 |
江戸川区の人口は約70万人で都内4位、人口密度は都内17位となっている。外国人人口は約4万人と都内で1位の人数。人口に占める子どもの比率は4.7%と都内10位だ。
また、江戸川区発表による将来人口推計は、2025年には約66万7,000人となっており、2035年には約65万6,000人と、減少していく見込みである。
江戸川区民の1人当たり平均所得は367万円となっており都内21位だ。
◆江戸川区の治安 | ||
犯罪件数 | 4717件 | 都内6位 |
犯罪発生率 | 6.7% | 都内15位 |
出所:警視庁「犯罪発生状況(平成31年)」の刑法犯認知件数、※犯罪発生率は、犯罪件数÷総人口 ×1000 |
江戸川区の治安はあまりいいとは言えず、年間の犯罪件数が4,717件(都内6位)となっている。この順位は人口が多いことが原因にあるだろう。人口に対する犯罪発生率は6.7%となっており、こちらは都内15位だ。
江戸川区のマンション相場は?
江戸川区のマンション相場はどれくらいなのか。江戸川区のマンションを築年数別でみると、平均価格(70m²換算)は以下のとおりとなっている。
◆江戸川区の中古マンション築年数別平均価格(70m²換算) | ||
1~3年以内 | ー | |
3~5年以内 | 4,689万円 | |
5~10年以内 | 4,303万円 | |
10~15年以内 | 3,588万円 | |
15~20年以内 | 3,382万円 | |
20年以上 | 3,201万円 | |
※出所:住宅情報サイト 「ライフルホームズ」 データは2021年2月5日時点。ーはデータなし。 |
また、江戸川区周辺の中古マンションの価格相場と比較すると、江戸川区(3,455万円)に対して、練馬区(3,533万円)、足立区(2,862万円)、葛飾区(3,099万円)となっている。
江戸川区の土地・地盤は?
江戸川区は東京23区の東に位置する地域だ。千葉県と隣接しており、葛西臨海公園が東京湾に面している。面積は49.90k㎡で、都内4位の広さだ。
江戸川区は北部の氾濫低地と南部の海岸低地に分けられる。氾濫低地は河川の氾濫や蛇行によって形成され、海岸低地は東京湾を由来とする海成(堆積物が海底で形成された地形)である。
過去の地盤沈下の影響もあり、江戸川区の面積の7割以下が低地だ。それゆえ、洪水・浸水の危険性がある地域とされており、江戸川区では、まちづくりの一環としてスーパー堤防の整備を視野に入れている。なお、このように低地の地域は江戸川区だけでなく、東京都の東部全域も同様だ。
江戸川区を走る路線としては、北東〜北西に京成本線、JR総武線がある。中央から南部を船堀駅や瑞江駅などを通過する都営地下鉄新宿線、西葛西駅や葛西駅を通過する東京メトロ東西線、葛西臨海公園駅などを通過するJR京葉線が並行するように走る。そして、それらと交差するように首都高速中央環状線、船堀街道、環七通り、柴又街道が通る。
江戸川区内の主要地域(葛西、小岩など)の特徴・主要施設・町名

●葛西地区
葛西地区は、江戸川区南部に位置する。かつては漁村として栄えたが、1962年の埋め立て計画により漁業が行われなくなった。1969年に葛西駅が完成し、それをきっかけに住宅地として発展していく。現在は昔ながらの雰囲気が残る閑静な住宅地として、マンションやアパートが多く立ち並ぶ都心のベッドタウンとなった。
また、島忠やイオンなどの大型スーパーがそろっているので、生活しやすい環境といえる。東京メトロの葛西駅や都営新宿線の船堀駅があり、新宿や大手町まで乗り換えずに行くことが可能。
西葛西は「リトル・インディア」とも呼ばれるほどに、インド人が集中して住んでいる。都心までの通勤のしやすさや都内では比較的家賃が安いことなどが、インド人に人気の理由として考えられる。
江戸川区臨海町にある「葛西臨海公園」は平成元年にオープン、東京湾に面し、広大な敷地面積を誇る公園である。葛西臨海公園は無料開放公園となっており、自由に出入り可能。公園内にはさまざまな施設があり、東京湾を堪能できるレストハウス「クリスタルビュー」、海洋生物とのふれあいを楽しめる「葛西臨海水族園」、バードウォッチングを楽しめる「鳥類園ウオッチングセンター」など、多種多様の施設がそろう。なお、これらの施設は一部有料となっている。
「ダイヤと花の大観覧車」も有名だ。2020年12月時点では、日本で2番目に高い観覧車となっている。東京スカイツリーやレインボーブリッジ、富士山などを一望でき、景観案内放送を聞けるので、東京周辺の街並みを堪能できる。夜には美しくライトアップされるのも魅力。そのほか、本格バーベキューが楽しめる「SORAMIDO BBQ(ソラミド バーベキュー)」もある。芝生の上でのびのびとバーベキューを楽しめる。
●小岩地区
小岩地区は東京都最東端に位置し、千葉県と県境を接する地区。交通の便に優れた街で、小岩駅からは東京駅まで約32分、新宿まで約31分とアクセス良好。また、小岩駅からはバスも出ており、「東京ディズニーランド」や「葛西臨海公園」まで乗り換えなしで行けるのも魅力だ。
南小岩には「フラワーロード」「昭和通り商店街」「サンロード」という3つの商店街がある。「イトーヨーカドー」といったスーパーもあるので、生活用品をそろえるには困らないだろう。韓国料理店やインド料理店など、さまざまなジャンルの飲食店があるのも特徴だ。
平成19年に、小岩駅周辺の再開発事業の構想が作られた。車や歩行者の出入りがしやすくなるように広々としたつくりとなり、さらには新しい商業施設の運営も予定されている。再開発の完了は2029年が予定されており、さらなる発展が期待できる。
●中央地区
江戸川区の中央に位置する地区。保健所や都税事務所、中央図書館などの施設がそろっており、行政と文化の中心となっている。江戸川区役所があるのもこの地区だ。
小松川境川親水公園や一之江境川親水公園など、自然を満喫できるスポットも存在する。これらの公園はバリアフリーとなっており、幅広い世代の人が楽しめるだろう。滝や川など、水とふれあうことを主な目的とした公園ではあるが、豊かな自然にあふれているので季節の移ろいを感じられる。
◆新築マンション人気ランキング |
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